俺とところてんのリリカル世界冒険譚   作:鷹売りのタカさん

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久しぶりの更新です。


楽しんでいただけたら幸いです。


俺とところてんの本編開始

あらすじ:皆と友達になった。

 

 

 

木々のざわめきが響き渡る深夜の森。ユーノ・スクライアはざわめく木々に囲まれながらうつぶせに倒れていた。

 

異世界からやって来たスクライア族の少年、ユーノはとある使命を果たすため、この地球に降り立った。

 

彼の一族は遺跡発掘を生業としている一族である。その仕事の一つで、ある遺跡を調査している時、「ジュエルシード」と呼ばれる21個の宝石を発掘してしまった。「ジュエルシード」は「ロストロギア」と呼ばれる超高度な技術で造られた古代文明の遺産であり、使い方次第ではとてつもない大災害を招く危険性を孕んでいる。

 

その危険な代物がある事故で地球に散らばってしまった。ユーノの使命とは、散らばったジュエルシードを回収することだ。しかし、ジュエルシードの能力の副産物である化け物にあっけなく敗れ、取り逃がしてしまった。

 

 

『誰か・・・僕の声を聞いて・・・力を貸して・・・! 魔法の、力を・・・!』

 

 

満身創痍のユーノは意識を失う直前で力を振り絞り、海鳴市一帯に『念話』と呼ばれる魔法を放った。その直後、彼の体をまばゆい光が包み込む。しばらく輝き続けると光は集束していき、やがて消えた。そしてユーノがいた場所には、一匹のフェレットが倒れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『誰か・・・僕の声を聞いて・・・力を貸して・・・! 魔法の、力を・・・!』

 

 

 

高町なのはは意識が眠りに落ちている状態で、その声を聞いた。

 

しかし起きることなく、小さく呻いて寝返りを打ち、そのまま眠り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『誰か・・・僕の声を聞いて・・・力を貸して・・・! 魔法の、力を・・・!』

 

 

 

天野城助は唐突に聞こえたその声に驚いた。

 

 

そして一言呟いた。

 

 

 

「――――来たか」

 

 

 

『来たか、じゃねーよ!! 早くトイレから出ろよ!! もう漏れそうなんだって!!!』

 

 

天の助がトイレの扉を激しく叩く。用を足している城助からは扉一枚挟んでいる天の助の姿は見えないが、どのような状態になっているかは安易に想像できた。

 

しかし城助は怒鳴る天の助の事など関係の無いと言わんばかりに、とても冷静に新聞を読みながら便座に腰掛けていた。

 

 

 

「おまえもギリギリかい? 俺も、ギリギリさ・・・・来てるんだよ、でかい波が」

 

 

『かっこつけても訳わかんねーよ!!! いいから早く出ろぉっ!!!!』

 

 

 

騒ぐ天の助の声を聞き流し、城助は新聞のページをめくった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高町なのはの部屋に携帯電話の目覚ましのアラームが鳴り響く。

 

起きるのが苦手ななのはは目を閉じたまま手探りで携帯電話を取ろうとするが上手く取る事ができず、結果として携帯電話はベッドから落ちてしまった。普段なら面倒ながらも布団から這い出て携帯電話を取りアラームを止めるのだが、夜中に変な夢を見て熟睡できた気分がしないなのははそこで諦めてしまった。

 

アラームの音を無視して再び夢の国に入国しようとしていた矢先、突如部屋のドアが開く。

 

 

「なのは、いつまで寝てるの!! はやく起きなさい!!」

 

 

エプロンを装着し、おたまと鍋をカンカンと叩き鳴らしながら天の助が怒鳴り、部屋に入って来た。

 

 

 

「ほら、さっさと顔洗ってきなさい!!」

 

 

「うぅん・・・いま起きるから・・・天の助くん・・・」

 

 

 

そう言ってベッドからなのはが這い出てくるのを確認すると、天の助は部屋を出て行った。

 

なのははあくびをして、「変な夢見ちゃった」と一言呟くと、大きく伸びをしてようやくベッドを降り、洗面所に向っていった。

 

洗面所で顔を洗い、ツインテールに髪を整えて鏡で確認し終えた時、ある違和感に気がついた。

 

 

 

 

「――――って天の助くんッ!!?」

 

 

 

 

長いノリツッコミを終え、なのはは足早にリビングに向う。廊下とリビングを区切る扉を強く開け放ち、部屋を見回す。

 

リビングには、食卓に着いて新聞を広げているなのはの父、士郎。そして台所に立つ母、桃子といういつも通りの光景――――ということはなく、食卓にはなのはもよく知る城助と天の助、その2人に向かい合うように座るゼリーの様に半透明でプルンと体を揺らした謎の人型生命体と、頭部が三角こんにゃくでできていて首より下が人間と同じ肉体を持っている生命体が、緊張した面持ちでテーブルに着いていた。城助は唖然としているなのはに気付くと「遅いぞ」と言った。「はやく席に着きたまえ」

 

テーブルに目を向けると、ゼリー状の生命体の横の席が空いている。どうやらそこがなのはの座るべき位置なのだろう。

 

訳も分からないまま、なのははとりあえず空いている席に座る。城助はそれを確認すると、席に座る面々を見回すとテーブルに両肘をかけ、両手を口の前に持って行きそのまま手を組む。

 

 

「さて、メンバーが揃ったところで――――我等『プルッとゼラチン連合』による裏切り一派豆腐共の活動拠点、豆腐道場の制圧作戦会議を始める」

 

 

「プルッとゼラチン連合!? なにそれッ!?」

 

 

城助の発言になのはは思わず驚愕の叫びを上げる。

 

隣に座るゼリー状の生命体がなのはの方を向いて、顔をしかめながら怒鳴った。

 

 

「高町なのは部隊長、静粛に願おう!」

 

 

「部隊長なの私!? ってか誰!?」

 

 

「異な事を! このゼラチンしゃかりきプルルンボーイのことを忘れたか!」

 

 

「名前ダサッ!! 言い辛くない!?」

 

 

このやりとりを奥の方で見ていたこんにゃく頭がテーブルに身を乗り出してなのはに言った。

 

 

「おいおい高町隊長。俺の事も忘れちまったのかい? このトライアングルヘッドこんにゃくん様をよぉ」

 

 

「知ってたら忘れないよ!! ロクな名前の人いないの!? いや人じゃないけど!!」

 

 

「いい加減静かにしたまえ。高町、ゼラチンしゃかりきぷりゅッ……ぷるるんボーイ、トライアングルヘッドこんにゅッ……こんにゃくん」

 

 

(盛大に噛んでる!?)

 

 

何故朝からこんなに疲れるんだろう、となのはは思った。そもそも彼らは朝から人の家で何をしているんだろう。家族は一体どこにいるんだろう。

 

様々な想いが交錯していると、突然視界が黒く染まっていき、やがて視界は漆黒で埋まってしまった。

 

意識が段々途切れていく不思議な感覚を味わいながら、「どうか夢でありますように」と最後に願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高町なのはの部屋に携帯電話の目覚ましのアラームが鳴り響く。その音に反応してなのはは飛び起きた。

 

息を切らしながら、怯えるように周囲を見回す。目の前に広がる景色は、よく見慣れた自室だ。それを確認すると、心の底から安心し、深い溜息を吐いた。

 

 

「なんか……変な夢見た……」

 

 

アラームが鳴り響く自室で、なのはは人知れず呟いた。

 

再び溜息をつくと、未だに鳴り続けていたアラームを止め、着替えを始める。習慣となったその作業を終え、洗面所に向かい寝癖の多い髪を整える。整え終えたら、お気に入りのリボンで髪をツインテールに結う。一連の作業が終えたなのはは両親の待つリビングに向った。

 

リビングの扉を開けると、そこにはいつも通り台所で朝食の支度をする母、テーブルに着いて新聞を読みながらコーヒーを啜る父がいるという光景――――とは他に城助、天の助、ゼラチンしゃかりきプルルンボーイ、トライアングルヘッドこんにゃくんの4人も父と同席していた。

 

6人はなのはの方を向いてにこやかに「おはよう」と言った。

 

なのはは頭を抱え天を仰ぎ、叫んだ。

 

 

「いるーーーーーッ!!」

 

 

なのはの叫びは朝の町に大きく響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普段より長く感じた朝を乗り越えた後は特に異常な出来事はなく、学校に向うスクールバスに無事に乗ることができた。バスには既に友人のアリサとすずかが乗っており、最後尾の広い席に並んで座っていた。なのはもその隣に並んで座り、いつものように談笑を始めた。

 

バスが出発し、窓のから見える景色が移り変わっていく中、なのはは談笑を続けながらゆっくりと振り向き、後ろの窓から見える景色を見た。

 

 

「これなら通る…リーチ!」

 

 

「悪い天の助、それロン。親満」

 

 

「また城助君のアガりか」

 

 

「天の助さん、これでハコったね」

 

 

 

バスにワイヤーを引っ掛けて走る広い台車の上で城助達は麻雀をしていた。一見普通に麻雀をしているような会話だが、風圧で牌や点棒が飛び散り、とても麻雀が成立しているようには見えない。

 

しかし麻雀を知らないなのはにとってそんなことは問題ではなかった。なのはの思考を埋め尽くしていたものはたった一つの違和感。

 

 

(まだなんかいる……)

 

 

城助や天の助と共にいたのは、朝の騒動の実行犯の2人、ゼラチンしゃかりきプルルンボーイとトライアングルヘッドこんにゃくんだった。今朝の騒動のおかげで疲労困憊のなのははその光景にツッコむことはなく、速やかに視線を2人の友人に戻した。

 

 

この後、バスが海沿いの道路を走って少し急なカーブに差し掛かった時、「がたんッ」という音が後ろの方から聞こえた。そのすぐ後に海の方で4人ほどの「ぎゃあああああ」

 

という悲鳴が聞こえた気がして、その方向へ視線を向ける。既に遠くなった海の方で大きな水しぶきが見えた。それと同時に――――

「ぎゃああああ! 冷てぇーーー!!!」

「溶けるー! おれところてんだから溶けちまうー!!!」

――――という絶叫が聞こえたような気がした。

 

 

まさかと思い、なのはは後ろの窓から城助たちがいる台車に目を向ける。しかし台車の上には誰も乗っておらず、雀卓がポツンと置かれていた。

 

 

なのはは隣に座る2人の友人に見られることなくほくそ笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「将来かぁ……」

 

 

昼時の屋上で、持参した弁当の中身をつつきながらなのはは呟いた。

 

前の授業で、担任の教員が将来のことについて話していたので、なのはは自然とそのことを意識していた。

 

 

弁当のおかずの一つであるタコさんウィンナーを頬張り、一緒に食事を取っているアリサとすずかにも将来についての話題を振る。

 

 

大企業の社長の御令嬢であるアリサは、勉強して社長である父の後を継ぐ、方やすずかは、趣味を生かして工学系で専門職に就く、といった像を持っていた。

 

 

なのはは既に十分な将来のイメージを持つ2人に感心した。なのははアリサやすずかとは反対の方を向き、言った。

 

 

「城助君は何か……あれ?」

 

 

なのはは話を振るが、本来そこにいるはずの人物、城助はなのはの視線の先にいなかった。

 

その様子を見たアリサが、「あぁ、城助なら」と言って屋上の一角を指差す。「あそこでなんかやってる」

 

アリサの指が指し示す先には、水泳の飛び込みで使うようなジャンプ台が設置されていた。その下あるのはプールではなく、巨大な皿だった。中には野菜がたっぷり入ったスープが皿一杯に並々を注がれていた。無論、普段は台や皿は設置されていない。城助が用意したものだと思われる。そして当の城助は、そのジャンプ台の一番上に立っていた。

 

 

「近年、ロシアではところてんボルシチがブレイク中であります!!」

 

 

『そんなコトない!! そんなコトない!!』

 

 

 

城助は肩に天の助を担いでいる。天の助を皿一杯のボルシチに投入しようとしているのだ。担がれている天の助は嫌そうな表情ではなく、むしろ誇らしげに腕を組み、望むところと言わんばかりに自信満々の表情だ。

 

伝統的に継がれている料理に、とても合うとは思えない異物を混入しようとするのをボルシチに入った野菜達が黙って見過ごすわけがない。野菜たちは一斉にスープから顔を出し、必死に抗議している。

 

その凄惨な光景をとても見てはいられないと思ったなのはは立ち上がり、城助に向って叫ぶ。

 

 

「なにやってるの!! せっかくの完成されたボルシチの味と風味が台無しになっちゃうよ!!」

 

 

「やってみなきゃわかんねぇだろーが!! 行くぞ天の助ッ!!!」

 

 

「叶えよう」

 

 

『うわぁぁぁぁぁぁあ!!!』

 

 

野菜達の悲痛の叫びも空しく、城助は容赦なくところてんをジャンプ台からボルシチめがけて投げ入れた。野菜たちの絶叫が響く。しかしそんなこととはお構い無しに、城助は無情にもボルシチをかき混ぜる。

 

城助はどこからともなく一枚の小皿を用意し、ところてんを入れて入念にかき混ぜたボルシチを小皿に注ぐ。

 

 

城助はそれを持ってなのはに駆け寄る。そしてなのはの前にテーブルを用意し、「へいおまち!」という声と共にボルシチをテーブルに置いた。

 

 

無言でなのははボルシチを口に含む。そして数回の咀嚼を経てボルシチを飲んだ。

 

 

「いかかですかマダム?」

 

 

「天の助君、溶けて分かんなくなってるよ」

 

 

『「ですよねー」』

 

 

城助と野菜は目を合わせてニヒルな笑みを浮かべあった。

 

 

こうして騒がしい休み時間は過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後をむかえ、空が茜色に染まる頃、なのは、アリサ、すずかの3人は木々に囲まれた薄暗い裏道を歩いていた。

 

3人は塾に行く予定があり、一緒に塾までの道のりを歩いていた。その通り道にある公園に差し掛かった時、アリサが近道だと言って本来の道と違う方向へ言ったのがそもそもの発端である。

 

アリサにしてみればこの通りは塾への近道で、既に一度通ったことがある道だという認識だ。しかしすずかにとっては初めて通る道で、人気もなく、辺り一面は木々に囲まれており、日没が近いこともあって薄暗い。加えて自分達は小学生でしかも女の子だ。少しの警戒心を持って周囲をキョロキョロと落ち着きなく見回してしまうのは仕方のないことである。それはなのはも同じはずなのだが、彼女はこの道を初めて通る道だという気がしなかった。むしろどこかで見たことがある、それも最近だ、という既視感を感じていた。

 

しばらく歩を進めると、なのはの脳裏に昨夜見た夢の映像が鮮明に思い出される。

 

 

(ここ…昨夜夢で見た場所…?)

 

 

なのはは立ち止まり、疑うようにじっくりと周囲を見る。

 

そんななのはのを様子見て不思議に思ったアリサとすずかも立ち止まり、不安そうになのはに声をかける。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「なのは・・・?」

 

 

「っ! あ、なんでもない。ごめんごめん」

 

 

慌てて言うなのはに、すずかもう一度「大丈夫」と尋ねた。

 

なのはは首を縦に振って「うん」と元気よく言う。それを見て安心したアリサが出発を促し、3人は再び歩を進めた。

 

 

しばらくすると、今度はなのはの耳に「助けて」という謎の声が聞こえた。聞こえたというより、頭に直接響いた、といったイメージだ。突然の声に驚いたなのはは思わず立ち止まった。

 

 

「なのは?」

 

 

「今、何か聞こえなかった?」

 

 

「何か…?」

 

 

不思議そうな顔を2人に「なんか、声みたいな」となのはは言う。

 

2人は更に不思議そうな表情になる。

 

 

「別に…」

 

 

「聞こえなかった、かな…」

 

 

2人はなのはの聞いた声は聞こえなかったと言う。

 

再び、なのはの頭に助けてという声が響く。今度は先ほどよりも強く聞こえた。

 

なのはは声のした方角に向って駆け出す。突然のなのはの行動に驚いたアリサとすずかは呆然としていたが、すぐに気持ちを切り替えなのはを追いかける。

 

己の感覚を頼りに走り出したなのはの先には、なにやら人影が見えた。

 

走る速度を上げ、さらに近づくとその人影が誰なのかはっきりと分かった。

 

 

 

「やぁばーさんや、今日は立派なイタチが取れたぞ!」

 

 

「おやおや、じゃあ今夜はイタチの丸焼きにでもしようかしらねぇ」

 

 

「わぁあああああああ!!! 食べちゃダメーーー!!!」

 

 

なんと人影の正体は日本昔話みたいなお爺さんの格好をした城助とお婆さんの格好をした天の助だった。猟銃を肩にかけて持つ城助の片手には首根っこを摘まれて持ち上げられている一匹の小動物がいた。

 

城助はその小動物を一本の棒に紐で結んで吊るし、丸焼きを造るための形を整えたところでやっとなのはのことに気がついた。

 

 

「おぉ、なのは! これから晩飯だけどお前も食う?」

 

 

「食べないよッ!!」

 

 

「塩はダメか、欲張りさんめ……おーい、ばーさんや。醤油を持ってきておくれ」

 

 

「あいよー」

 

 

「味付けの問題じゃないよ!! ってかその子が可愛そうだから降ろしてあげて!!」

 

 

なのはに説得されて、城助は渋々小動物を降ろしてやる。

 

そのすぐ後にアリサとすずかが追いついた。

 

 

「どーしたのよなのは! 急に走り出し――――って城助、天の助も!」

 

 

「2人ともこんなところで何してるの?」

 

 

「俺らは晩飯の調達に来た」

 

 

「その最中になのはが現れたってとこだな」

 

 

そう言ってなのはの方を見る。すずかはその視線を追ってなのはを見る。そしてなのはの前にいた小動物の存在に気付いた。

 

 

「なのはちゃん、それ何…?」

 

 

「「晩飯」」

 

 

「違うよッ!!」

 

 

なのはの代わりと言わんばかりに答えた城助と天の助の言葉を、なのはは全力で否定する。

 

 

「動物…? 怪我してるみたい…!」

 

 

「う、うん…どうしよう…?」

 

 

「どうしようって…とりあえず病院!」

 

 

「獣医さんだよ」

 

 

「えーっと、この近くに獣医さんってあったっけ……?」

 

 

「うーん、この辺りだと、確か…」

 

 

「待って! 家に電話してみる!」

 

 

なのは、アリサ、すずかの3人が慌しく動物の心配をして獣医を探している中、城助と天の助は――――

 

 

「王手、飛車取り」

 

 

「うーむこれはこれは…」

 

 

のんびりと将棋を指していた。

 

 

 

その後、無事その小動物を近場の獣医のところに運ぶことができ、ようやく一息つくことができた。その小動物はフェレットの種類にあたる動物であることが分かった。フェレットの怪我自体は軽いものであるがひどく衰弱しているらしく、今晩は獣医に預けることにした。

 

なのは達は塾の時間に遅刻しそうになっていることに気づき、獣医と城助達に別れを告げると慌てて走り去っていった。城助と天の助も日没も近いということで獣医に別れを告げ、すり足で去って行った。足を擦るたびに天の助の足がコンクリートで削られていってるのに気が付いた頃には、既に天の助の下半身が無くなっていた。

 




次からはバトル回です。

ようやく次話で真拳を出せます。
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