ダンジョンに戦乙女がいるのは間違っているだろうか 作:レザード
バベルから少し離れた静かなレストランから、ローブを目深にかぶった女神が料亭に面する通りを見渡していた。
時刻は朝9時。冒険者たちはすでにダンジョンに向かい、通りには人は疎らだ。フレイヤは普段、道行く子供たちの魂を眺め楽しんでいたが、今日は人が少ないことほうが都合が良かった。
美の女神たるフレイヤはローブで身を覆おうとも、その美を隠し通すことはできない。人通りの多い場所を歩けばその美しさに当てられ大混乱となってしまう。ゆえにバベルの最上階から出歩かないのが常であるが、今日はある神と会う要があった。
約束の時刻を回ると同時に、木床を鳴らして近づく音がした。降り返ればそこにいたのはずいぶんと深刻な面持ちのロキ。今日の、二人だけの会合を呼びかけた神である。
「時間通りにきたっちゅーのに。いつも早いなぁフレイヤ」
「いいえ、構わなくてよロキ」
重い足取りでフレイヤの座るテーブルに着いた
「んん。まぁ、まずは急に呼び出してすまんかったな」
「いいのよ。私も、話したいことがあったの」
ローブの中でフレイヤが笑みを浮かべて言う。その言葉を聞いて昨晩のようにロキは頭を抱えた。フレイヤの話が、ロキ自身が話したかった事と一致していると理解したからだった。
「あぁ~。あぁ~……昨日の晩の事なんやけどさぁ」
「えぇ。分かっているわロキ。あの【波動】を感じたのね?」
「あぁ、まぁ話がはやいわ……。あれ、どう思う?」
「間違いないわ。私が間違う筈がないもの」
「だぁ~よなぁ~!」
頭を抱えて思い切りのけぞり、ジタバタと暴れるロキを見ながら、フレイヤは更に笑みを深めた。
「長い時をエインフェリア達と過ごした後、一部を除き輪廻の中にエインフェリア達と戻ったレナスお姉さま。千年ぶりの再会よ? ロキ。一体何を悩む事があるのかしら」
「ドアホ! レナスやで!? 見つかったら八つ裂きにされてまうわ! うちが何したか忘れた訳じゃないやろ!」
「ええ。覚えているわ。神界も人間界も纏めてドラゴンオーブの力で吹き飛ばした事」
「違う! そっちゃない! 今なら分かる。レナスの奴が何にマジ切れしたのか……。アイツのエインフェリアを殺したのが不味かったんや。うちらが今やってる【ファミリア】はレナスが神の仕事としてやってきたエインフェリア集めの延長や。もしもどっかの神にうちの子供を殺されたら……許すなんて絶対ありえへん。何千年かかろうが地獄の底まで追いつめて八つ裂きにするわ」
それを語るロキの顔面はまさに蒼白。いつかその身を穿った創造神とまでなったレナスの力を思い出しているのかも知れなかった。
「何をいまさら。レナスお姉さまはあなたを許しているわ」
「その保証はどっからきてんねん!」
「あなたが生きているもの」
「……あっ」
ロキは生きている。ロキが過去、神界の至宝【ドラゴンオーブ】を使い世界を吹き飛ばした時、レナスは創造の力を得て世界をそっくりそのまま復元させた。そしてそのままロキはレナスに一度、滅ぼされている。そしてレナスは、そんなロキすらも後に創造の力で復元した。
それが許しでなくて何だというのか。
「……生かしてうちが築き上げた大事なモンも纏めてもっかい殺す為とか? 恐ろしいほどの絶望やわ……」
「ロキ。レナスお姉さまはそんな陰湿ではないわ。あなたと一緒にしないでちょうだい。第一、あなたが殺したエインフェリアもレナスお姉さまの力で蘇生していたもの」
「あぁ、そやったなぁ……。その言い方はむっちゃ頭に来るが……はぁぁ~~。言われて見ればそんな気もしてきたわ。あんたはどうするつもりなん」
ロキは頬杖をついて大きなため息を吐いた。昨晩から重くのしかかっていたストレスからようやく解放されたようだった。
「私は……レナスお姉さまに会いたい。昨日の波動はおそらくだけど、人間として転生したレナスお姉さまに誰かが
「見たでぇ昨日。レナスそっくりの奴。大通りですれ違っただけやけど、あん時気づかなくてほんまよかったわぁ。気づいてたら悲鳴あげとる。目の前で」
「そう……。うらやましいわ。お姉さまに会う方法。仮にお姉さまが死んだら、魂は神界ではなくまた輪廻の中へ戻ってしまう。封印された記憶だけを今のまま解くしかない。その方法……難しいわね」
「ちょっかいかけるの止めといたほうがええとうちは思うで~。何が起こるか想像つかん」
「あら? 想像できない事柄が楽しいのではなくて?」
「被害の度合いが違うわドアホ! 第一レナスの奴に会ってどないするん。戦乙女だったら神界にアーリィがおるやろ」
「私が甘えられる相手なんて、レナスお姉さまだけだもの。甘えたいの、私」
普段の妖美な微笑ではなく、無邪気な笑顔をフレイヤが見せた。
何やら大きな目的を期待していたロキははっきりとため息をついた。そんな簡単な理由でレナス目覚めさせられたら、何が起こるか。おそらく自分が感じている危惧は自分しか理解できないだろうとロキは当りをつけた。レナスと懇意にしていただけのフレイヤでは分からない。戦乙女のシステムを理解していない他の神々でも分からない。フレイヤはレナスとロキ、そしてオーディンとフレイを中心に置いたあの戦いを知らないのだ。陰謀渦巻く神々の戦争。あの中でレナスが一体『何』になったのか。何故『そう』なったのか。
とはいえ、記憶だけを取り戻すなんて事を外的要因で出来るかと考えれば、不可能だともロキは考えていた。人間として生きるレナスを神界に呼びよせる場合、レナスは人間としての寿命を強制的に迎える。死の運命を与えられるのだ。人のまま記憶を取り戻すなんていう機能は最初から存在しない。それはフレイヤにも分かっていることだろう。
そしてロキは更に考える。あの小心者のオーディンとフレイの事だ。人間のまま記憶を取り戻すなど大禁忌くらいに考えていたはずだ。簡単には記憶を取り戻すなど出来ないだろうと、結論した。
フレイヤには打つ手がない。ほかの神々はそもそも戦乙女のシステムを知らないからこそレナスだとは気づかない。戦乙女の魂が三つあり一つの肉体を共有していることはレナスやフレイ、ロキがかつて所属していたアース神族の中でも極秘事項だ。オーディン亡き今それを知るのはここにいるフレイヤとロキ。そして神界にいるフレイくらいだろう。
そこまで考えて、関わらなければいいか、という結論をロキは出したのだった。
青い鎧を纏い、屈強な戦士たちを引き連れ魔物と戦う姿。見知らぬ神聖な城。頬杖をついた男に頭を垂れる自分。見渡す限り一面の鈴蘭の花畑。
見知らぬ夢を、どこか懐かしくも思える。夢の中の戦士たちは私の事を、ヴァルキリーと呼ぶ。
今の世界を見てみろ。そしていろんな物を感じろ。いつか
ベルと共に森へ遊びに行ったとき、小さなゴブリンに遭遇し私が撃退した、その夜にベルの祖父から贈られた言葉だった。ゴブリンを少し大きめの伐採用ナイフで倒したことをすごいとはしゃぐベルを横目に、私はそれを為せた自分を恐れた覚えがある。
剣を握った時に感じる違和感。
神の恩恵を刻んだ次の日から、私は欠かさずダンジョンに潜っていた。初日は頑なにベルが離れず、共にダンジョンへ入ったが、私の剣技を見て安心したのか、それからは別行動を取っている。
ほんの少しの差だが冒険者として先輩であるベルからして、私の剣技は綺麗らしかった。ベルもほかの冒険者の戦いを見た事があるだろう。それと比べても尚綺麗だと。ヴァレンシュタインという人物と同じくらいだと満面の笑みでベルは言ったが、その言葉がより不安を膨らませた。
私は何故、剣を振るえるのか。
ヘスティアに刻まれたステイタスの中にある戦乙女のスキル。詳細の書かれていない、神であるヘスティアすら分からない代物。ヘスティアが発展アビリティなのかスキルなのかすらわからないと言っていたが、最初から刻まれていたことや、剣士や狩人などと何が違うのか、私とヘスティアとでステイタスを写し取った羊皮紙を前にして頭を悩ませたものだった。
その時、魔物の叫声が聞こえ、ここがダンジョンの中であることを思い出した。
一本の長い通路。前方の暗がりがこん棒を片手に持ったゴブリンが三体姿を現した。
私もギルド支給の長剣を腰の鞘から引き抜く。すると脳裏に何かが響く。
【浄化せよ】
違和感の正体。剣を握ると湧き出すイメージ。この違和感に身を浸すことで、私は剣を振るえる。
まだ間合いから遠いゴブリン達に狙いを定め――疾走。
ステイタスの恩恵か、一般人には出せない速度で不意打ち気味に接近。駆け抜けた速度のまま一番奥にいたゴブリンを袈裟斬りにする。何の抵抗もなくするりと剣は相手を切り裂き、一体のゴブリンが黒い靄となって消える。
それを見てか驚きの声をあげるゴブリンに構わず、そのまま振り向きと同時に遠心力を加えて剣を振るい、背後にいたもう一体の首に剣を滑らせる。これで二体目。近くにいた三体目に向き直り、一度構え直す。ゴブリンがこん棒を振り上げ威嚇してくるのを見て、剣を下段に構え、こん棒を持つ手首めがけて剣先を振り上げる。
こん棒ごとゴブリンの手首が地に落ちる。振り上げた剣を流れる動作で上段に構え直し、痛みで苦悶を上げている様のゴブリンの頭部へ振り下ろす。真っ二つとなった最後のゴブリンが消える。
あっけない、といった感想を持ちながら剣を鞘に納めてから、ゴブリンが残した魔石を回収する。
駆け出しの冒険者がたった一体のゴブリンと死闘を繰り広げるのは珍しい光景ではない。迷宮アドバイザーから聞いた話だったが、どうやら私には適応しないらしかった。神の恩恵を刻んだあの日から五日。ここ、上層にカテゴライズされる5階層まで降りてみて、苦戦らしい苦戦をした覚えが私にはない。
あの後魔石の回収を終えてから帰路につき、ダンジョンから出るともう夕日が見えていた。ダンジョンの中では時間の経過が分からない。慣れた冒険者ならば帰路につく時間を把握できるのだろうが、私にはまだ出来ない芸当のようだった。普段は撤収する冒険者を見かけたら自分も帰路につくようにしていたので、夕日を見たのは今日が初めてだった。普段ならもう少し日が落ちている。
バベルに入り、換金所に立ち寄り魔石を出す。引き出しに魔石を放り込み、清算。稼ぎの程は五五〇〇ヴァリス。積極的に魔物を探している訳ではないが、一体一体の処理が早いからかこのくらいは稼げていた。金貨を財布袋に入れてからギルドフロアを見渡すと見知った顔と目があった。エイナ・チュール。受付に座りながらこちらに視線を向けて、手を拱いて私を呼んでいた。ベルを担当しているからか、同じファミリアである私の担当も引き受けたハーフエルフの迷宮アドバイザー。私の行動はアドバイザーからは無茶に見えるらしく、まだ五日しかダンジョンに潜っていないにも関わらず顔を見合わせる度に毎回お小言を貰っている。観念してエイナの担当窓口まで歩いていく。
「こんにちはメリルさん。今日の活動報告をお願いします」
「こんにちはエイナ。今日も機嫌は良さそうね」
「そうですか? でもその機嫌も、あなたが四階層に行ったか五階層に行ったかで変わりますよ~?」
「……今日は五階層に」
そう言うと、エイナはぐったりと両腕をテーブルにつき、項垂れた。
「ハァ……やっぱり。初日はベル君と一緒に一階層。二日目からは一人で二階層。一昨日は三階層で、昨日は四階層。明日は六階層まで行っちゃう気ですかあなたは! 駆け出しには明らかな危険行為ですよ! その攻略速度! 六階層にいきなりは絶対にやめてくださいね! あそこからは新人殺しと言われるモンスターが出てくるんですから!」
「新人殺し……ええ、気を付けるわ」
「もう。こちらだって死んでほしくないから言ってるんです。まともな装備もなしに六階層は賛成できません。というかそれ、ベル君の軽装のお下がりじゃ……。まずはお金を貯めて、装備の更新をお願いします。あなたが強いというのはベル君から聞いてます。聞いてますが、あなたの事を語るベル君の目が輝きすぎてて正直何の参考にもなりません。今日はどの程度のモンスターを倒してきたのですか?」
「今日は五階層に入ってからゴブリン三体から八体までのゴブリンの群れを何度か討伐。特に苦戦に感じる事もなかったわね。それでもダメかしら」
八体の群れを倒したというのが信じられないのか、胡散臭い物を見る目で私の体をエイナが見渡す。衣服、胸当てに新しい傷がないのを一通りチェックしているようだった。
「……本当に無傷で? ゴブリンの群れを?」
「ええ、もちろん」
「う~ん。確か剣を子供のころから振っていたんですよね? ならそう言う事もあるのかなぁ。ちょっと信じられないけど」
幼い時から剣の鍛錬をしていたとエイナは勘違いしているようだったが、それならそれで都合が良かった。その勘違いを増幅させるように、適当に相槌を打つ。
「分かりました。ゴブリンを倒したのは信じます。でもやっぱり、装備の更新があるまでは六階層に行っちゃだめですよ? 約束してください」
受付から身を乗り出し、エイナが強い目つきで私の瞳をのぞき込んだ。その迫力に少し引いてから、わかった、と了承の返事をした。
「破ったらベル君に言いつけますからね!」
去り際の私の背中に、エイナはそう言った。それは少し困る。そんな事を言われれば、ベルは私の後ろをくっついて離れなくなってしまう気がした。
バベルを後にして廃教会への道すがら、正面からベルが歩いてくるのが見えた。ベルも私を見つけると、嬉しそうな笑顔を浮かべて駆け寄ってきた。私の目の前で立ち止まり、おかえりなさいと言う。
「ただいま。ベル。晩御飯へ行くの? ヘスティアは?」
「神様はミアハ様と飲みに行くって。あ、お姉ちゃん。僕今から【豊穣の女主人】に行くんだけど一緒に行かない?」
「確か、酒場だったかしら? ええ、良いわよ。私もまだご飯を食べていないから」
ベルの先導でメインストリートの中へ戻る。生まれ育った村しか知らない私には、
やがてオープンテラスの店に着いた。【豊穣の女主人】。ベルからは少し高いけれど料理がとても美味しいと聞いている。ここのウエイトレスにお世話になっていて、女の子たちが可愛いとも。
そういう所に目を付けるのはあのお爺さんの影響だろう。達観しているようで闊達。枯れている老人のように見せかけて、その本質は女好きのエネルギッシュ。私も頭を撫でられながら、将来が楽しみだなんてあの人には言われていた。
こういう場では物怖じしそうに思えたベルが、躊躇いなく酒場へ入っていく。私もそれに続いてはいると、元気な歓迎が聞こえてくる。
『いらっしゃいませー』『二名様ニャ~』『ゴバッフ!?』『またか! 今度はどうしたロキ!』『店員さーん布巾ちょうだーい。うちの神様が吐いたー』『吐いとらんわボケー!』『ロキ、この前といい今日といいしばらく酒は控えたほうがいいんじゃないのか?』『んな殺生なぁ! 勘弁してぇなママァ。これには深~い訳があるんやって!』『誰がママだ』
「いらっしゃいませベルさん」
「こんばんはシルさん。今日は二人でお願いします」
「あら? ……もしかしてベルくんの恋人さんですか?」
シルと呼ばれた少女が明らかにからかいを含んだ瞳でベルを見つめると、ベルは真っ赤になって狼狽えた。ここがベルとお爺さんとの違い。まだまだベルは女性に慣れず、弄ぶどころか玩ばれている。
「違いますよ! 僕のお姉ちゃんです!」
「お姉さん? ……確かに髪色は似てるかも知れませんね。あ、お席へどうぞ?」
多くの冒険者で賑わう店内を案内され、カウンター席の端に二人で座った。あいにくとテーブルはすべて埋まっているらしい。シルと呼ばれた少女が私のすぐ横に立った。好奇心のような目が合う。
「私、シル・フローヴァといいます。お姉さまのお名前をお聞かせ頂けませんか?」
「お、お姉さま?」
ベル以外に姉と呼ばれた事もなければ、様づけで呼ばれた経験もなかったので少々面食らってしまった。ベルも少し噴き出している。
「はい! なんだかそう呼びたくなる雰囲気をしていたので。お嫌でしたか?」
露骨に残念そうな表情をシルが作る。なるほど、どうやら彼女はずいぶんといたずら気質にあるようだ。
「そう呼ばれた事なんてなかったから、少し驚いただけ。好きなように呼んで? 私の名前はメリルよ」
「はい! それじゃあ、メリルお姉さまですね! あはッうれしい!」
シルは注文を聞いた後、少しの間私たちに張り付いていたが、料理を運び終わると忙しそうにしているほかの店員たちに何か言われたようで名残おしそうに仕事へ戻っていった。
「お姉ちゃん、ダンジョンの調子はどう?」
今日のおすすめ、三種チーズのトマトリゾットを突きながらベルは言う。
「何の問題もないわよ。もう少し手ごたえが欲しいという所かしら」
「まだ五日だよね。どこまで降りたの?」
「今日は五階層まで」
そう言うとジョッキに口付けたばかりのベルがエールを噴き出す。
「五階層かーお姉ちゃんはやっぱり強いんだなぁ」
「ベル?」
そう問いかけると何? お姉ちゃん。とベルの無邪気な顔が返ってくる。そう問いかける姿は可愛らしいのだが。
「その、お姉ちゃんというの、そろそろやめない?」
「えッ? ……あ、もしかして、お姉さま?」
「バカ、違います。いい年した男の子がお姉ちゃんなんて、恥ずかしくないの? 私は最近、少し恥ずかしいわ」
「は、恥ずかしい!? そ、そんなぁ! ならなんて呼べばいいのさ」
「お姉ちゃんじゃなければ、メリルでも姉さんでもなんでも良いわよ」
「じゃあ、姉さん! うん。メリルって呼ぶのも何だか新鮮だけど、姉さんはやっぱり僕の姉さんだし」
「そう? ならそれで呼んでちょうだい。ベルは最近どうなの? ダンジョン探索」
「そう! 最近リリってサポーターの女の子と組んだんだ! そしたら稼ぎが一気に増えたんだよ! 二人で二〇〇〇〇ヴァリスくらい!」
「へぇ。すごいじゃないベル。ヘスティアも喜ぶわね」
「そうだね。今度神様のお休みの時に、何か良い物でも食べに行こうよ、三人で」
「それはヘスティアと二人で行ったほうが、喜んでもらえると思うわよ?」
「ええ? そうかな。ファミリアで行ったほうが喜ぶんじゃないかなぁ」
「まずは二人で行ってくると良いわ。私はまた今度ね」
「う~ん、分かった。なら、そうするよ」
あまり納得行ってないような表情でリゾットを突く。まだまだベルはお爺さんのようにはいかないようだった。
『で、いい加減話したらどうなんだ。何があった』
『……あそこのカウンターに座ってる銀髪の女。うちが昔ちょっかいかけた神にめっちゃ似てんねん。いきなり視界に入られたらビビるっちゅーの』
『ふむ。あそこの女性か? ロキ、あれはヒューマンだぞ。似てるだけだ。そんな過剰な反応しなくてもいいだろう。そんなに怯えるくらいなら、いっそ声でも掛けてみたらどうだ。少し話せば、似ているのは外見だけでまったく違う印象の人かも知れんぞ?』
『やめぇやリヴェリア! 余計な事ずぇったい! すんなよ!? 絶対やからな!』
『……わかった、分かったからそれ以上顔を近づけるな、目が開いてるぞロキ』
皆さま感想感謝です。個別返信はしてませんがしっかり読んで励まされてます。
以下小ネタ
封印値:基本アビリティの覧に強引に追加されている。封印の強さを数値で表している。封印が弱まり0になると……。
エルフとかハーフエルフとか:VP側の設定だと神の器とかストーリの鍵になる存在ではあるのだが、それまで混同するとエイナがすごい事になっちゃうのでカット。ただのハーフ以上の意味はない。
オーディン:レナスに唯一許されなかった人。アース神族とヴァン神族が戦争する事になった元凶。ロキは両陣営の背中をちょいと押しただけ。死にっぱなし。
アーリィ:ヴァルキュリア三姉妹の長女。三姉妹の中で一人だけ主人公経験がない。不憫。多くの神が地上へ降りた結果天界に残った神は死者の管理にデスマーチを強いられている。フレイと共に社畜の如く仕事中。
ベルの剣技評価:メリルの剣をアイズと同じくらい綺麗と称した。同じくらい強いとは言ってない。lv1のベルがアイズの強さを図り切れる訳がないのでかっこよさ(ドラクエ6のように)で勝負。