とあるポケモンマスターの日常   作:スプラッシュニート

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相変わらずのスキップ。
 
第二話 旅立ちは、近い。


第二話 旅立ちは、近い。

 

「イブ!“でんこうせっか”!」

 

「ぶいっ!」

 

 “わざ”が発動され、イーブイが一気に加速する。相手はかわすように指示をだすが、それよりも速く攻撃がラッタに届いた。それにより残り僅かだったラッタの体力がゼロになり、

 

「ら~(きゅ~)」

 

「ああっ!ラッタ!」

 

 俺の勝ちが決定した。

 

「……ふぅ。お疲れ様、ブイ」

 

「…ぶいぶい(…べつに、疲れてない)」

 

 ブイにねぎらいの言葉をかけながらボールに戻す。なにやら無愛想な態度をとっていたようだが、これでもだいぶ仲が良くなってきた所なのだ。実際、相手ポケモンどころかおやである俺とバトルを始めることもあったころから比べると、一目瞭然である。

 考え事をしてた間に、向こうも治療が終わったようなので、声をかけにいく。

 試合が終わったらノーサイド、それがトレーナーというものだ。

 

「くそーっ!次は勝つ!勝つ!絶対に、絶対にだー!」

 

 ……声かけるのやめようかな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いや~、随分強いね。ビックリしたよ」

 

「いえ、自分はまだまだ未熟ですよ」

 

 あの後嫌々ながら話かけると、意外とまともな人物だったので、ポケモンセンターへ行きながら少し話をすることにした。見た目はダンディーなその人は、その実昔はバリバリのトレーナーだったらしく、久しぶりのバトルについつい熱くなってしまったとのことらしい。

 

「つい先日、トレーナー資格をとったばかりの若輩者なので、あなたのようなベテランの方とバトルできたのはいい経験になりました」

 

「なんと!若いとは思っていたがまさか十二歳でそれ程の実力とは!」

 

「俺自身は大したことないですよ。ポケモンがすごいんです」

 

 実際俺自身の実力は大したことはない。今回ある程度余裕を持って勝てた理由の一つは、イブの能力の高さのおかげである。

 出会った時には既にかなりの訓練を自主的に積んでいたし、それからもずっと鍛えるのは続けてきた。その結果、イブは他のポケモンと比べてもかなりの強さを持っているだろう。

 そう、俺に相応しくないくらいには。

 五年近くも一緒にいて、未だこの程度しかなついていないのは、おそらくそれが原因だろう。俺はまだ、イブに認められていないのだ。

 

「ふむ…、パートナーとのことで悩んでいるのかね?」

 

 不意に言われたその言葉に、思わず横を見上げる。

 

「……何でわかったんですか?」

 

「わかるさ。私も昔そういったことで悩んだし、何より私は君よりもずっと長く生きてきた大人だからね」

  

 それに君はどうやら顔に出やすいタイプようだからね、といいその人は笑った。

 

「気にすることないよ」

 

「えっ?」

 

「君の成長はまだまだこれからだ。いずれそのイーブイに相応しいだけの、トレーナーとしての格を得ることも君ならできるだろう」

 

「……でも」

 

 俺は近々旅に出ようと思っている。それは未熟な俺自身を鍛える旅であり、新たな出会いを求める旅でもある。その旅にイブを付き合わせていいのだろうか、と。

 元々出会いからして特殊で、そうでなければイブほどのポケモンが仲間になるなんてことはなかっただろうから。

 

「だから、君は気にしすぎだよ」

 

「……そうですか?」

 

「ああ。君のパートナーは君の指示に従って、君を“信じて”行動してるんだ。なら我々トレーナーがポケモンを信じてやらなくてどうするんだ」

 

 そういって笑うおっさんの姿を見て、

 少しだけ、勇気が湧いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 その夜、俺は家の自室にて、イブのブラッシングしていた。ゲームとは違い、ボールに延々放り込んで歩けばなついてくれるわけではない。体調を整えるという目的も併せ、食事やこういうことにも気を使わなければならない。現実は大変なのである。

 イブも特に暴れることなくブラッシングを受けていた。あまり俺に触られたがらないイブだが、この時ばかりは大人しくしてるので、少しは気持ち良く思っているのだろう。

 

「……なぁ、イブ」

 

「……ぶい?(……何?)」

 

 俺はここ最近で悩んでいることを、直接訊いてみることにした。

 

「俺さ、近々旅に出ようと思うんだ。」

 

「…………」

 

「そん時さ、付いてきてくれるか?」

 

「……ぶいぶい(……何を今更)」

 

 何かしら言ったイブは、俺を尻尾でフサッと叩き。そのまま膝の上で丸くなった。

 何を言ったのかはわからないが……、多分、彼女は俺の旅に付き合ってくれるのだろう。少なくとも、俺はそう信じようと思う。

 そのまま眠り始めたイブに思わず笑みを浮かべながらも、起こさないように優しくブラッシングを続けるのであった。




•「ぶいっ!」
特に言ってることに意味がない時はそのまま。つまりぶいっ!って意味だよぶいっ!って。
•かわすように指示
「かわせっ!ピカチュウ!」とか普通にある世界。立派な指示の一つ。
•くそーっ!次は勝つ!かry
ポケモンバトルは修羅道。ああいうタイプもいる。
•ダンディーなおっさん
主人公以外初の登場人物がオリモブ。何でこんなことに!?
•トレーナー資格
いくつか独自設定がある。たとえば十二歳から取れるとか。いや、十歳はまずいでしょ。
•勝てた理由の一つ
書き終わってから気づいたけど、他の理由本文で触れてねぇ。どうでもいいけどあのおっさん手持ち4体いたんだよね。そのうちの1体と勝負したんだよ。どうでもいいけど。
•顔に出やすいタイプ
まだまだ未熟な主人公。トレーナーはそういうとこにも気を配らなくてはならない。
•新たな出会い
ポケモンとのです。
•勇気が湧いた
おっさんの笑顔で元気になる主人公。別にBLじゃねえよ?いっとくけど。作者も読み返して「うわっ、きもっ」って思ったけど。アドバイスを含めてだから勘違いしないよーに。
•イブと主人公の関係
まだこんなもん。そのうちデレデレになるから。お互い。
 
 と、いうわけで今回はここまで。相変わらずのスキップ。もう十二歳です。
 どんくらいのペースでポケマスになるまでの話を書くかは未定。次回もうワタルを倒してる可能性も微レ存。
 賢明な読者は気づいたことだろう……。
この作者、何も考えてねぇ!
 あらすじが適当理由が明らかに……。プロットもオチも、欠片も考えてないんだ。お気に入りにしてくれた人、本当にごめんなさい。
 まぁ、いずれちゃんとしたパソコン買ったりして、この作品は続けていくので、そういう点では安心してください。はいてますよ。
 さて、作者のバカがばれるまえに終わりますか(手遅れ)。
ではまた次回。

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