短編集by???second   作:???second

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しばらく表立った執筆活動をしなくて忘れてしまった人もいるでしょうが…

ありふれた職業で世界最強にちょこっと触れたので、今回それを元にしたクロスオーバーのあらすじ風のお話を書いてみました。

クロス先は……まだ放送されていない作品『ウルトラマントリガー』です。

途中から勇者(笑)と称されてしまった光輝視点で語ります。


ありふれ×ウルトラマントリガー

超古代。宇宙は邪悪な闇によって混沌の渦に呑まれていた。

 

数々の星が闇に飲み込まれ、無へと帰していった。

 

地に足を付けねば生きられない人々は、星から離れて逃げることもできず、闇に溶かされ滅ぶのを待つのみだった。

 

しかし、宇宙の彼方より光の巨人たちが現れ、人々を守るべく邪悪な闇に立ち向かう。

 

熾烈を極める戦いの果て、光の巨人たちは邪悪な闇を打ち倒すも、力を使い果たした。

 

力を失った巨人たちは、己の肉体を石像へと変え、自身は光となって宇宙へと消えていった。

 

 

 

3000万年の月日が流れる。

 

 

 

太陽系第3惑星。地球。

紛争や戦争が終結して各国が団結したことで文明が急速に発達、宇宙開発に乗り出した人類だが、それを期に空想の産物と思われた怪獣の脅威や宇宙人の侵略という危険に晒される。

 

人類は、これらに対抗すべく地球平和同盟=TPUを設立。各都市に戦闘エキスパート『GUTS-SELECT』を配備し、防備に当たる。

 

彼らの活躍もあり、人類はひとまず滅びの運命から逃れることができた。

 

 

 

しかし、彼らにとって予想外の魔の手が、日本のとある高校の一クラスに伸びた。

 

その高校はある日の昼休み、教室にいた一クラス分の生徒たちと担当教師の一人が一斉に消息を絶った。

 

 

 

 

異世界トータス。

 

姿を消した学生たちは、そこにいた。

 

彼らをこの世界に召喚したのは、トータスの神『エヒト』。

同じ星にて対立する種族『魔人族』の手から人類を救ってほしいという目的で彼らを召喚したのだという。

だが、呼び出しただけならまだしも、高校生たちは自分たちの意志で地球に戻ることができないとされた。

地球へ帰るには、魔人族と呼ばれる者たちと命を賭して戦わなければならない。

 

信心深き教皇からそのことを聞いた彼らは、あまりにも横暴で勝手な神の行いと、故郷から無理やり引き?がされた自分たちの未来に絶望する。

 

生徒たちの間に絶望が立ち込める中、それを打ち破ったのが一人の男子生徒。

『天乃川光輝』という男だ。

容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能で、男女問わず彼を信頼する者が大半であり、女子から何度も告白を受けたことがある。また正義感も強いため、困っている人がいると助けに向かう頼れる男だという。

彼は自らそのカリスマ性とリーダーシップを駆使し、この世界の人類を救えば地球へ帰れるとクラスメイトたちを落ち着かせ、自ら戦いに志願する。

彼のカリスマ性に惹かれ、それに続くように次々と生徒たちは彼に賛同して戦いに臨む。

担当教師である『畑山愛子』は反対した。彼らはたかが学生。戦争、人殺しの経験などあるはずもなく、ましてや魔人族と戦ったところで地球に戻れるという保証はないのだ。

しかし、光輝の存在に依存しきっている生徒たちは愛子の制止をまともに聞かず、戦争に参加することになったのだ。

 

その中で、愛子に賛同する一人の生徒がいた。

 

南雲ハジメ。

自他ともに認めるオタクの男子生徒。成績はそれなりだが、運動神経等も含め、スペック的には光輝に遠く及ばない。それどころか、授業中に何度も寝てしまうことがあったという態度の悪さ。

とはいえ、彼の人格が悪いというわけではなく、寧ろめんどくさがりながらも人柄の良い少年である。

しかし、オタク=気持ち悪いという愚かな概念に囚われた同級生たちは彼を快く思わなかった。

戦争に反対する愛子に賛同して反対の声を上げるが、空気を読めと他の生徒たちから反発を食らう。

他にも彼を快く思わない理由があった。女子生徒のマドンナと評されている一人、白崎香織から好意的に接してもらうことへの妬みである。

不真面目オタクの分際で、と多くの生徒たちがハジメを差別したのである。当然愛子も生徒同士仲良くするべきと主張するが、彼女の童顔低身長な見た目のせいか全く効果を現さなかった。

見かねた香織が皆にやめるように、そしてハジメの意見を尊重すべしと言うが、結局ハジメの意見は誰にも聞き入れられず、彼らは『神の使徒』として魔人族との戦争に参加することになった。

 

 

自分たちが、どれほど軽率で楽観的だったのか、それを思い知らされることになる。

 

 

 

生徒たちが訓練に参加してしばらく経過したある日、トータスにて怪獣が現れるようになったのである。

 

 

生徒たちは、この世界に召喚されたと同時に、魔法や強力な身体能力、技能を得た。所謂チート能力だ。

これを駆使し、国の騎士団と協力し怪獣と戦うことになった。

 

自分たちは無敵の力を得た。GUTSのように怪獣から人々を守れるだけの力、欲望を満たすだけの力を得たのだと確信していた。

 

 

それが、若さゆえの…しかし同時に現実が見えていなかった愚かさであった。

 

怪獣の力はあまりにも兄弟で、生徒たちはおろか、騎士団の力で叶うような相手ではなかった。次々と騎士団が傷一つ追わせられず殺されて行ってしまい、自分たちの力に舞い上がっていた生徒たちの多くが戦意喪失してしまう。

僅かに残った生徒たちの中、光輝は親友の坂上龍太郎、八重樫雫、そして香織をはじめた仲間たちと結束して怪獣を倒そうとするが、とてもかなう相手ではなかった。

 

 

しかし、そんな彼らの危機を救いに現れた者が現れた。

 

 

光の巨人『ウルトラマン』である。

 

地球にて、邪悪な怪獣や侵略者と戦う正義のヒーローの登場に、神の使徒たちは衝撃を覚え、同時に歓喜に震えた。もう彼がいれば大丈夫だと。

 

 

騎士団や使徒が束になっても勝てなかった怪獣を、あっという間に蹴散らしてしまった。

 

 

その雄大な背中に、光輝は強い憧れを抱いた。俺もあんな風にかっこよく強くなりたい、と。

 

 

だからこそ理解できなかった。

 

 

あれから幾度も怪獣が現れ、そのたびに自分たちが人を守るべく戦いに挑む時、ウルトラマンも現れ、力を合わせて怪獣を倒す。そんな日々を幾度か繰り返したある日…

 

 

光輝は知ってしまった。ウルトラマンの正体が誰なのかを。

 

 

目の前の光景が現実と思えなかった。

 

しかし、たった今この目で現実のものとして己の目に映っていた。

 

怪獣の攻撃から、香織が逃げ遅れた子供を助けようとした時だ。その時、怪獣の攻撃はもはや香織が逃げ切れるような余裕のあるものではなかった。たとえ魔法で防御しても、簡単に破れてしまうだろう。それでも香織は逃げず、子供を抱きしめながら魔法で障壁を作る。

 

光輝はそんな香織を助けようと走り出す。限界を超えた身体能力を駆使してひたすら走るが、とても間に合わない。

 

 

そんな時だった。

 

自分の横を、ハジメが通り過ぎた。

 

なぜ彼がこんなところに!?驚く光輝をよそに、ハジメは愛用の銃をY字型に変形させた。

彼は錬成師という非戦闘職。身体能力も平均的で、他の皆と違って物作りが得意なだけの、ただの平凡な人間であった。

 

一瞬だが考えている間に、ハジメはY字型に変形した銃を頭上に掲げた。

途端、彼はまばゆい光に身を包んだ。あまりの眩しさに光輝は咄嗟に目を塞ぐ。目を閉ざす瞬間、ハジメの姿は光に包まれると同時に、何か別の姿へと変わっていった。

 

光が晴れ、何とか目を開けるとハジメの姿は消え、光の巨人ウルトラマンが目の前に現れた。その手には、怪獣に殺されかけた香織と子供が共に乗っている。

優しく地上へ二人を下ろしたウルトラマンは、怪獣と相対する。

 

ウルトラマンはその強力な光の力を持って、苦戦こそしたが怪獣を見事撃退する。

 

戦いが終わると同時に、ウルトラマンはその身を縮めるように消えていく。

 

消えた場所へ香織が向かうと、後に続くように光輝も向かう。

 

 

そこで、光輝は信じられないものをその目に映した。

 

小さくなったウルトラマンが、ハジメの姿になったのである。

 

彼の姿を確認するや否や、香織はハジメを強く抱きしめる。

 

頭が混乱した。

 

なぜ?いったいどうして?

なぜ南雲が?

 

だってあいつは、寝てばかりのオタクで、成績も顔立ちも普通、運動神経だって自分と比べると大したことはない。努力などしているなんてとても思えない。この世界に来た時だって、皆が訓練時間外も自主的に訓練しているのに図書館に引き籠ってばかりじゃないか。

それに香織と仲良くなるような要素なんてないのに、話しかけてくれる香織の優しさにいつまでも甘え続けている、そんなやる気も協調性もない劣等生だ。

自分が知るウルトラマンには遠く及ばない存在だ。

 

だってウルトラマンは、高潔で孤高、無敵で完璧の超人だ。そんな彼だから自分も憧れを抱いた。南雲なんかとは全然違う。

 

そんなウルトラマンのように自分もなりたくて、日々訓練を欠かさずこなしている。南雲よりも遥かに強いし、大切な幼馴染たちだって自力で守れるのだ。

 

 

なのに…なぜ……

 

 

なぜ香織はそいつを選ぶ?

 

 

俺を選ぼうともせず、なぜ?

 

 

なぜ…なぜその力をお前が持っている?

 

 

なぜだ……なぜ?なぜ?

 

 

「なぜお前が……お前がウルトラマンなんだ!!!!!

 

 

南雲おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

〇ここでの登場人物設定(予定)

 

・南雲ハジメ

ウルトラマントリガーの変身者。原作のように奈落に落ちず、魔王化を回避している。

高校1年の頃、光輝や檜山との対人関係が原因で起きた『ある事件』が起きたことで学校を休学。その間は両親の仕事の手伝いをする一方、創作活動のネタ探しの一環で様々な知識を取り込み、それを利用して自作ゲームを制作したり、対怪獣災害にて役に立つ武器や道具を考案していく。それらがGUTS-SELECTの装備や訓練シミュレーターとして活かされたことで開発担当隊員として抜擢された。技師なので基本前線に赴かないが、場合によっては赴くため、日々激しい訓練に励むことになり、結果的に原作以上にたくましさを得た。

訓練はきついが、GUTS-SELECTの隊員たちは理解がある人達のため高校生活と比べて断然心地よい日々だった。

一方で光輝や檜山たち小悪党とのいざこざや、その原因でもあった香織との確執もあって高校生活にはできれば戻りたくなく、戻るなら別の高校でやり直したいと思っていた。

香織のことは嫌いではなかったものの、上述の二人との関係もあって複雑な胸中。

ある日、「南雲が香織を脅している」という檜山の卑劣な嘘を真に受けた光輝や檜山たちによって理不尽にぼこぼこにされてしまい、それを香織に庇われるも、全く察そうともしない香織にも怒りを覚えてしまい、彼女を突き放す暴言を言い放ってしまう。しかし騒動の後、もとをただせば自分がやや生活習慣面の問題を放っていたがために同級生たちから見下されていた、事なかれ主義を通そうと自分がいじめられる理由を治そうともせず無視し続けたことがそもそもの原因でもあったことに気づき、自分を慮ってくれていた香織に当たってしまったことを以後後悔するようになる。

火星での任務中、そこに眠っていたとされる巨人像と一体化し、ウルトラマントリガーとなって怪獣たちと戦う日々を送るようになる。

高校2年生になったある日、通っていた高校にて謎の電波をキャッチしたため、その調査のために復学。特に光輝からの恨みの視線、檜山たちからの卑劣な嘲笑、香織からの距離感を詰められない視線にさらされながらも任務にあたるが、その矢先にトータスへクラスメイト達と共に転移させられてしまう。

トータスでの壊獣との初戦にて、自分を守ろうとする香織を見てかつての事件のことを謝罪、和解した直後、目の前でトリガーに変身する。

原作における魔王化キャラは、後に香織が檜山に殺された際の闇落ち状態とする。

 

 

・白崎香織

本作におけるメインヒロイン。

基本は原作と同じだが、檜山たち小悪党や、彼らの嘘で暴走した光輝とハジメたちのいざこざが原因で、自分がハジメがいじめられる原因だと知り、ショックを受ける。復学したハジメとどう接すればいいのかわからずにいた。

ハジメが復学するまでの間、しょっちゅう光輝からのうわべだけの慰みや檜山からのアプローチを受けているが、不快感を覚え無視している。

トータスに転移後も、どうすればハジメに対して償えるか苦悩していたが、怪獣出現の際に罪悪感もあって、咄嗟にハジメを怪獣の攻撃から守る。

その際、ハジメから謝罪を受け和解、自分の気持ちを伝え、死を覚悟で怪獣に挑もうとするが、その直後にハジメがウルトラマントリガーとなるのを目の当たりにする。

原作通り檜山に一度殺され、ユエによって新たな肉体を得て蘇生するが、その際に予想もしなかった超古代の祖先の力に目覚めることになった。

 

 

・ユエ

原作ヒロイン。タイミング的にやや遅れてる形で仲間となる。

大迷宮攻略の際にハジメや光輝たちに封印を解かれ助け出される。その際は光輝から優しい言葉をかけられたこともあって光輝になびこうとしたが、しばらく経つうちに光輝のいびつさに気づき、その後は原作通りハジメになつくようになる。

闇に落ちたハジメ=トリガーを救うキーパーソンとなる。

 

 

・天乃川光輝

当初は原作通り。

檜山の嘘を真に受け、檜山たちと共にハジメに暴力を振るってしまい、香織や雫との仲が悪化してしまう。許しを得ようとするが、香織からの許しはハジメが復学する1年以上にもわたって叶わなかったが、このことも原作通りのご都合解釈でハジメのせいだと決めつけていた。その一件において檜山からは謝罪を受けたことであっさり許してしまい、それもあって香織や雫との関係悪化に拍車をかけてしまう。二人との関係悪化の一方で、恵理から声を掛けられ、仲良く接するようになる。

GUTS-SELECTや、彼らと共闘するウルトラマントリガーに憧れを抱くが、GUTS-SELECT隊員たちからは身体能力を評価されている一方、ハジメを通した非戦闘員への無自覚な見下し発言や、ハジメに対する対応の仕方が原因で精神面の危うさを指摘されてるほか、個人的にも隊員たちから嫌われてしまっているが本人は気づいていない。

トリガーの正体がハジメだと知り、香織との関係や力の差を痛感、一転して嫉妬と憎悪を抱くようになる。

後にその心の闇を、ある人物に利用され………

※想定ではやや早い段階で改心予定

 

 

・檜山

原作通り。1年の頃から香織に接してもらっているハジメを嫌っており、光輝に嘘を付いて炊きつけ、後ろ盾を得る形で彼に暴力を振るうが、香織たちからそのせいで無視されるように。

ハジメを同じタイミングで奈落に落とそうとするが、ウルトラマンであるハジメがあっさり戻ってきてしまい、人隠れてかんしゃくを起こす。

その後、ある人物との協力で香織を殺害し、自分の操り人形として蘇生させようとするが、怒りで闇に染まったハジメの怒りを買ってしまうこととなる。

ハジメを殺して香織を今度こそ手に入れるべく、協力者と共に『ある力』を手にする。

後にその力を持ってしてもトリガーに敗北、トータスの民たちからも、かつてのクラスメイトからも、敵勢力からも見放されて孤独にさまようが……




現時点で本格連載の予定はないです。他にも設定は考案してますがひとまずここまでで。

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