1作目はともかく、続編が過酷過ぎる…
実を言うと、マブラヴは未プレイです…。原作ファンの皆さんごめんなさい!それでも1度書いてみたかったんです。
原作を深いところまで知っているわけではないので、とりあえず集めた情報を元に書いて見ました。
ぶっちゃけつたないです。おかしいところもあると思いますが、広い目で見てください…(弱気)
タイトルどおり、ウルトラマンネクサスとのクロスです。もし特撮とのクロスをするとしたら、僕としては、ウルトラシリーズの中でも異色中の異色でもあり、ウルトラとは思えないほどのハードな展開が連発したネクサスが1番ぴったりだと思いました。
西暦2001年。
私たちが生きている時代からほんの10数年前。
ごく平凡な日常を過ごす国。内部抗争で乱れていく国。不安定ながらも、人類はその日をごく当たり前のように生き続けてきた。
私たちの場合は、家族や友人、恋人と当たり前のように学校生活や社会人生活を送っているのが日常と言うべきかも知れない。
だがもし、そんな日常さえも許されない、平行世界があるとしたら…。
世界は、私たちが予想する以上の残酷さを孕んだものであるに違いない。
ここはもう一つの、西暦2001年の平行世界。
地球は、地球外生命体によって蹂躙されていた。
その生命体の名は、『Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race(人類に敵対的な地球外起源種)』
通称、BETA(ベータ)。
その体を構成するものは人類の肉体と似ているのだが、その常識は地球生物学の常識を完全に逸脱した存在で、その明確な目的は不明。
わかっているのは、BETAは我々人類を『生物として認識していない』という、許しがたい事実だった。
事実、BETAは地球で活動を開始して以来、一度たりとも人類に友好的な行動を取るどころか、地球全体を埋め尽くしてしまうのではと思えるほどの夥しい個体数を増やし、あまりに多くの自然や命を奪い去っていた。
無論人類はこれに対し、『戦術機』と呼ばれる巨大ロボットに搭乗し応戦してきたのだが、戦力は圧倒的不利な状況で、人類はこれまで勝利らしい勝利を飾ったことはなかった。
現在もBETAは地球上に『ハイヴ』と呼称された巣を地球の各地にいくつも建造し、人類に今もなおこれでもかといわんばかりに牙を向け、その度に数多の悲劇を生み出し続けていった。
そして、ここにも…。
「くそ!まだ増えるのか!!」
地球のある地点にて、戦術機の一部隊が、こちらに侵攻しているBETAの群れに向けて銃撃を続行していた。撃破が決してできないわけではない。
だが、圧倒的物量をぶつける。たったそれだけの無策な作戦のみで、BETAは人類を蹂躙し続けてきた。
「これ以上持たない!後退だ!!」
「り、旅団規模のBETAの群れが2時の方角より接近中!!」
「な、何!?奴ら…まだ増えるというのか!?」
またしても敵が増えた。その事実に驚く間も与えず、彼らの頭上に巨大な影がのしかかる。
「要塞級!?」
BETAの中でもかなりの大型種である、要塞級のBETAだった。巨大なため比較的鈍い動きだが、その分攻撃力が高く体も頑丈すぎる。そしてその10を超える足の一撃は、戦術機の奏功など簡単に貫いてしまう。
「畜生、出て行け!俺たちの星から!!」
それが、その戦術機に乗っていたパイロットの最後の言葉だった。
直後、その戦術機は要塞級の一撃を受けて粉々に砕け散った…。
はずだった。
そのパイロットをはじめとした、作戦地点全ての戦術機のコクピットを完全に染め上げるほどの、赤い光が包み込んだ。
本来の、この世界の英雄が現れる数日前のことだった。
-----一人の青年が、夢を見ていた。
ジャングルの生い茂る、夕暮れの遺跡。
今の地球ではもはや決して見られないであろう、自然に溢れた景色は異様なものだろう。
青年は、遺跡の中へと足を踏み入れる。
最初は真っ暗だったその遺跡だが、青年が奥に足を踏み込んだ途端、
壁に設置されていた松明に炎が灯り、奥への道筋を示す。
青年は歩く。遺跡の奥へ。
一歩ずつ、光を求めて…
その果てに安置された、一体の石像。
彼はまるで何かにひきつけられるかのように、その石像に触れる。
触れた瞬間、彼は白い光に包まれる。
「また、ここに来ちまうなんてな…」
町と言うべき景色は跡形もない。
見晴らしのいい坂道を歩いていたその青年『白銀武』は呟いていた。
またここにきた。その言い方からして、彼がここに以前も訪れたことがあることは察することはできるだろう。
しかし、武の場合はそれだけではない。
武の目には、この荒野となってしまった街の光景が、本来多くの人々がにぎわい、何気なく当たり前の平和な街の光景と、一瞬だけダブり、そしてまたもとの荒野の景色に戻ったように見えた。
実を言うと、武はただの人間ではなかった。
かつて、彼は『BETAのいない平和な世界』から次元を超えて、この狂った世界に呼び出された、所謂異世界人だった。
他愛のない平和を謳歌していた彼が、突如人類が滅亡の危機に瀕しているこの世界に訪れた時はなにごとかと何度も思った。
しかし、どんなに夢だと思っても、覚めることはなかった。
最初は行き成り命を賭けた戦いに身を投じることに躊躇いを覚えていた武だったが、その世界で出会った…自分が生きていた世界と同じ少女たちとこの世界でも出会い、そして絆を結び、人類の勝利と自分たちの未来を信じて戦った。
だが、自分たちのあずかり知らぬところで、人類が地球を見捨てる計画を立てていたことを知る。もはやその計画は覆ることも、撤回されることもなく、人類は選ばれた、わずか数万人の人たちを乗せた宇宙船に乗り、BETAに支配された地球を捨てることになった。
武は、最後まで地球を捨てまいと、地球に残り、BETAと死闘を繰り広げることになった。
その戦いの記憶はない。よく思い出せなかった。でも、武はなんとなく思った。
恐らく自分は、ともに残った仲間たちとともに…。
しかし、彼の戦いはまだ終わらなかった。
今こうしてここに立っているように、武はまたしても自分の自宅から外に出ると、異世界に飛ばされたばかりの時と同じ光景、経験をすることになった。、
だが違っていたのは、一つ前…わかりやすく言えば一つ前のループ世界で積み上げた記憶と、そこで鍛えられた分の身体能力を身につけていたことだった。
武はループ前の記憶と経験を用い、今度は人類に地球を見捨てさせることなくBETAに勝利する未来を勝ち取るために戦うことを決意した。
最初のループでは会うことがなかったが、次のループで今度こそめぐり会った、元の世界ではともにいることが当たり前で、それゆえに気づくのが遅かった…この世の何よりも強く愛していた少女『鑑純夏』をはじめとした仲間たち、この世界で新たに出会った先人たちとともに武はあらゆる危険な作戦にも参加し、
最終的に見事、人類の勝利を勝ち取ったのだった。
その勝利によって、人類に次のBETA襲撃まで30年の猶予が与えられた。
しかし、その勝利は武にとって、以前の世界以上に多くの、そして大切な人たちを失ったことを意味していた。
不思議な力を持つ寡黙な少女、社霞。
元の世界でも、そして最初のループでも武のよき導き手となった恩師、香月夕呼。
この二人と他数名を残し、純夏をはじめとした数多くの仲間たちが死を遂げていった。
元の世界では、教室に会うたびに他愛のない会話を繰り返していたはずの仲間たちの死は、たとえ自分が生きていた平和な世界に生きた彼らと違っても、武の心に深い悲しみを遺した。
でも、もう役目を終えた武にこの世界に残る理由はなかった。
全ては、人類に再び地球の明日を勝ち取るための戦い。
以前の、選ばれた人類が地球と遺された人々を置き去りに宇宙へ逃げ出すという最悪の未来を覆すための戦い。
武は見事、それをやってのけた。
もし、それでもまた…武がこの世界を3度にもなって再び経験することになるのだとしたら、それは…
まだこの世界で、自分がやらなければならないことがある、ということだ。
(けど、俺をこの世界に引き止めていたこの世界の純夏は、あの時…)
この世界の彼女は、自分がもといた世界の純夏と違い、その体は純粋な人間ではなかった。
正確に言えば…所謂人造人間の体を与えられていたのだ。しかしその体は人類にとって、武のことも含めとてつもなく大きな力となった。
そして、彼女の持つその力が、別世界の存在であるはずの、平和な世界を生きていた武をこの世界に引き寄せたのだ。
しかし、最後の戦い…桜花作戦。
彼女は稼動限界を向かえ、幼い頃の武から託された人形を胸に抱いたまま、静かに眠りに着いた…。
そして、武はこの世界に留まることができなくなるはずだった。
純夏が、永遠に目覚めぬ眠りに着いたあの時ほど、純夏を強く思い、悲しんだことはなかったと自信を持って言える。
だからこそ、自分は今度こそ迷わず言えると思う。
たとえどの世界、どんな世界でも…
『俺は純夏を愛している』、と。
「純夏、みんな…」
武の脳裏に浮かぶ、元の世界で他愛のない日常をともに過ごした同級生たち。
そして、この世界でもまためぐり会い、ともに泣き、笑い、戦って散っていった仲間たち。
「待っててくれ…」
今度は、みんなも救う形で、この世界を守ってみせる。
元の世界に戻らず、この世界・この時間に再び舞い戻ってきたのなら、それが自分の選ぶべき選択だ。
しかし、そんな誰よりも崇高な決意を壊そうと…武の背後から間の手が忍び寄ってきた。
「…!!」
振り向いた瞬間、武はその表情を一変させていた。
「……」
「水月、大丈夫?なんかすごく不機嫌そうだけど…」
国連太平洋方面第11軍横浜基地。
その食堂にて、ある一人の、青いポニーテールの女性『速瀬水月』がなにやらイラついた様子で食事を取っていた。
もう一人、おっとりとした雰囲気の、彼女の友人らしき女性『涼宮遥』が落ち着くように言うも、その気配は見られない。
「…ごめん、今朝夢を見てた」
「夢?」
「あいつが、どこかのジャングルを歩いてる夢」
「あいつ…?」
誰のことだろうと遥は気になるが、そのときに浮かべた水月の表情を見て、夢に見た人物が誰なのかを察した。
「…情けないわよね。戦術機のパイロットで、中尉まで上り詰めたあたしが、未だにアイツがどこかで生きてるんじゃないかって、まだどこかで思ってる…」
「水月、そんなことないよ」
自己嫌悪する水月に、遥は首を横に振った。
「私だって、今でも彼が生きていたら…そんなことばかり考えることがあるの」
その会話を聞くと、この二人が、水月が夢に見たという人物に対してどのような感情を抱いていたのか察することがいるに違いない。
「…全く、最後まで勝手なんだから」
「本当ね…」
少し棘のある言い方をしつつも、結局その人物への強い思いを口にする二人。見た目からして男がほうっておくことがないに違いない二人をここまで惑わせる人物とは、一体どんな人物なのだろうか。
「お姉ちゃん!!速瀬中尉!」
そこへ、オレンジがかった髪の少女が、水月と遥の元にかけてきて、キキーッ!と急ブレーキをかけた車のごとく立ち止まった。
「ど、どうしたのよ茜、そんなに慌てて…」
現れた少女は『涼宮茜』、遥の妹で階級は少尉ある。遥の妹ということもあり、姉の縁で水月とも仲の良い先輩後輩の関係となっている。
「もしかして…BETA!?」
あまりの慌て様に、もしや敵が…BETAの襲撃が起きたのではと危機感を抱く。
「うぅん。BETAじゃないの。だって警報鳴ってないでしょ?」
「…確かに」
言われて見れば、警報は鳴り響いていない。つまりBETA襲来は観測されていないということだ。思わず警戒して損した。
「だったらそんなに慌てないでよ…びっくりするじゃない」
遥がやたらと慌てる妹の大げさとも取れる反応にため息を漏らした。
「ごめん、お姉ちゃん。でも…」
驚かせてしまったことへの申し訳ない気持ちを表情に出しつつも、すぐにいつもの彼女らしく、真剣味を帯びた顔つきに変わった。
「これを見て動揺せずにはいられなくって…」
茜はポケットから数枚ほどの写真を取り出し、机の上に並べて二人に見せた。
…キン
基地の窓から、外を眺めている少女がいた。
長い銀髪を二本に結い、その髪留めはさながら黒兎の耳のようだ。
遥か遠くの、街の後の景色を見つめながら、少女…社霞は自分がたった今、何かただならぬ存在を感じ取った。
「社、どうしたの?」
後ろから彼女に声をかけてきたのは、この基地の最高責任者であり、ひとつ前までのループにおいても武にとって心強い味方でもあった恩師、香月夕呼。
「…来ます」
「来る…?」
来る、とは…まさか、BETA?
「いえ、BETAだけではありません」
夕呼の考えを先読みしたのか、先に霞が言い当てて見せた。
「BETAだけじゃない?…ッ!」
この基地の責任者、香月夕呼は、霞が何を感じ取ったものがなんなのかを、確信した。
(遂にここにも来たのね……噂の『あれ』が)
武が振り向いた時、恐怖すべき敵が、このタイミングで姿を見せた。
(なんで…こいつが今、このときに!?)
兵士級BETA。BETAの中でもいたって小型だが、人間一人と比べたら遥かに脅威の怪物だ。
武はたとえ小さくとも、このBETAについては激しすぎるトラウマを抱いてもいる。できることなら、今すぐにでも殺してやりたいほど憎くもある。こいつらのせいで、以前までの世界で仲間たちが、本当なら自分が生きていた世界と同様幸せな未来をつかめたはずなのに、それを打ち砕かれ散っていった。
特に…武のもう一人の恩師、神宮寺まりも。
彼女の死の要因は、自分の失態とそれによる落ち込みも大きかったが、何より
この小さくもたった一人の人間にとっては十分すぎる脅威であるこの兵士級が原因だった。
周りには、軍も戦術機が通っている気配もない。
(…くそ!とにかく逃げるしかない!)
武は必死に駆けていた。かつて元の平和な世界で生きていた頃、当たり前のように通学路として利用していた道を駆け続けていた。
よくもまあここまで逃げ切れたものだ。これも、2度もこの時間を体感し、戦術機のパイロットとして地球の未来のために戦ってきたおかげかもしれない。
でも、今の自分は戦術機さえも持たない、生身の状態。BETAからすればただの格好のえさでしかない。
「ぐ!!」
もう逃げる体力が尽きようとしていた。
それに伴い、武を狙って兵士級BETAが追いかけてきた。
武と違って体力が有り余っているせいも合ってか、簡単に追いついてしまった。
逃げ道さえ、与えられなかった。武は崖に面したガードレールに背中を預け、ただ目の前の兵士級に慄くことしかできなかった。
ふざけるな…!!
俺をこのときになるまで、共に戦い、共に生き、背中を預けあい、
その果てに、散っていった仲間たちを…
涼宮中尉
速瀬中尉
伊隅大尉
まりもちゃん
柏木
美琴
たま
委員長
彩峰
冥夜
純夏を…
みんなを助けるまで…!!
その上でこの地球をBETAから守り抜くまで…
「俺は…俺は!!こんなところで死ねないんだあああああああああああああああ!!」
――諦めるな
武の耳に、どこからとも無く若い男性の声が届いた。
瞬間、まるで隕石が落下してきたかのごとく、赤い光が武のすぐ傍に落下した。
「うあ!?」
その爆発的な衝撃に煽られ、武は吹っ飛んで路地の上に転がった。落下の衝撃は確かに痛かったが、それ以上に武の中にその痛みさえかき消す疑問が浮かぶ。
一体、何が起きた?
今度は何が起きたんだ?
俺は助かったのか?
武は、起き上がって自分を襲ってきたBETAの立っていた方を見つめると…。
「!!!?」
これまでにないほどの、衝撃を受けた。
武を食い殺そうとしたBETAは、どこからか伸びてきた、銀色の巨大な拳によって押しつぶされて、ただの血だまりとなっていた。
ばちばちと静電気を走らせながら、拳が引っこ抜かれる。武はその腕を伝うように見上げながら、その腕の主の姿を見上げる。
一瞬、戦術機か何かと思ってた。
でも、明らかに違う。
武が見上げた『それ』は、戦術機のように全くもって機械じみたものではなく、ましてやBETAのようなおぞましさなど欠片もなかった。
『それ』の、乳白色に光る目と目が合ったが、武は不思議なほどに恐怖を抱かなかった。何の根拠さえなかったはずなのに、寧ろ安心感さえ抱いた。
そこに立っていたのは…神々しく雄雄しい姿を現した…。
『銀色の巨人』だった。
「嘘…でしょ…」
水月はわなわなと振るえながら、手にとって確認した、茜が自分たちに見せてきた写真を見つめていた。遙も同様だった。
茜はその反応を見て、やっぱり…と静かに呟きながら表情を曇らせていた。
実を言うと、写真に映されていたものは、BETAが人類を襲っているとか、人類を絶望させるようなものではなかった。
少なくとも、彼女たちに、ある種の希望を抱かせる姿が、疑惑が、そこに焼き映されていた。
「一応…聞くけど…この写真、いつ撮影した…?」
「…一週間前です」
恐る恐る尋ねる水月に、茜は表情を曇らせながら答えた。
でも…ありえない。絶対にありえないはずだった。
だって、自分たちが軍に仕官する20日前のあの作戦……
『明星作戦』で彼は、親友と共に散ったはずだ。
いつか必ず、水月か遙を…そのどちらかを選んでもらう。
だからこそ絶対に生きて帰ってきて欲しかったのに、先に逝ってしまったはずの…
愛しい人の姿が、
『一週間前に撮影された写真の中』にいた。
「孝之…?」
「孝之、君…?」
これは、数度目のループを果たしたある若き救世主『白銀武』と、
伝説の名を刻んだ、神秘の巨人『ウルトラマン』が遭遇したもしもの、とある次元の物語…。