アカメが斬る!‐Crazy Merc is DEAD POOL‐ 作:魔黒丼
―茂みを切り裂いた先に居たのは二人のロリッ子。
一人は怯えながら後ろに隠れ、一人は剣をこっちに向けて警戒してる。
対する俺は二刀を抜いたまま二人を凝視。
(構図を見れば完全にこちらが悪者だな)
―言うな。ってか何でこんな所に子供が居るわけ?
捨て子?捨て子なの?ジャングルで育ったターザン的な野生児なの?
(いや、山犬に育てられた森の姫かも知れんぞ?)
マジで?いつの間にジブリワールドに来ちゃったの俺?
(と言うか“何者だ?”って聞いてきてるんだから早く答えてやれよ)
などと脳内人格に促さるが、いやいや何者とか言われても俺的には…
「――――それ、俺ちゃんのセリフ。お嬢ちゃん達だれ?主役?わき役?それともモブ?」
―って思っちゃう訳で、逆にこっちが聞きたいくらい…
(口に出てるぞ)
―えっ、マジ?
見れば目の前のロリッ子二人がキョトンと目を丸くして俺を見ていた。
が次の瞬間には再び警戒の色が戻ると同時に、何か痛々しいモノを見る目で俺を睨んでいた。
……あー…ゴホン
「…で、ホントに誰なのお嬢ちゃん?」
(強引だな)
―いちいち軌道修正するのも面倒だ。無理矢理にでも本題に戻さなきゃな。
ってもう一回聞きなおしたのはイイが、目の前のロリっ子二人は警戒したまま全然口を利いてくれない。
前のお嬢ちゃんも剣を構えたままだし。
―仕方ない。こういう時は一歩引いてあげるのが大人。
とりあえず二人の警戒を少しでも解く為に俺は刀を背中の鞘に収めると、両手を上げて敵対の意志が無い事を示した。
「オーケー、人に名前を聞く時は自分からだよな」
(だったら向こうが名乗るべきじゃないのか?)
細けぇこたぁいいんだよ。
とにかく、こういう時肝心なのは第一印象。
(ビシッと決めろよ)
任せろ。
「俺ちゃんの名前はデッドプール!気が付いたらここに居た迷子の傭兵さ」
カッコよく、かつ警戒されないようフランクなトーンで話しかける俺だったが、
「……」
目の前の子は全っ然警戒を解こうとはしない。
―あれ?何で?何がいけなかったの?
(見た目、名前、肩書き。つまりは全部だろ)
成る程。いや、でも一応自己紹介したんだし…
「なあお嬢ちゃん達ぃ?一応俺ちゃんも名乗ったんだからさ、そっちも名前くらい言ってもいいんじゃないの?ほら、自己紹介とか挨拶はコミュニケーションの基本だよ?」
そう俺が言うと前の黒髪ロングの子は相変わらず剣を向けたままだったが、
「…アカメだ」
と素っ気ないが名前を名乗った。
「ОK、それじゃそっちのお嬢ちゃんは?」
「く、クロメ…」
こちらも相変わらず怯えたままだったが何とか答えてくれた。
………ん?アカメにクロメ?
…え?マジ?
「マジ?」
「…何がだ?」
あ、ヤバ。またうっかり声に出てたらしく、アカメと名乗るお嬢ちゃんは怪訝な表情で俺に訊ねた。
「んにゃ、こっちの話」
と適当に誤魔化す俺だったが、驚きまでは隠しきれない。
―そしてこの驚きも何かデジャヴ。
(前回の後書きだろ)
―ОK、この話題はここで終わろう。
とにかく俺は目の前のロリッ子がこの作品のメインヒロインとその妹って言うのが信じられなかった。
赤い瞳とか黒髪ロングとか、確かに特徴は合っているが…なんでこんなにちっこいの?
(恐らくだが今の時系列が原作の開始前なのだと思うぞ)
マジでか。
確かにそれなら納得できるけど、やっぱり疑問が一つ。
「こんな所で何してるの?まさか住んでるとか?」
思ったままを訊ねるとアカメは眼つきをより鋭くして言った。
「違う!!」
「じゃ何してんの?」
「…今は試験中なんだ。この森を無事に抜けることで試験に合格する。その途中だ」
「へー。ちなみに何の試験?」
「国を守り、悪を裁く暗殺者になる為の試験だ」
「……あぁ成る程」
そういやそうだったね。
アカメはナイトレイドとか言うのに入る前は帝国の殺し屋だったな。
成る程、既に教育は始まってる訳ね。洗脳教育か…
「…気に入らねぇな」
「何がだ?」
「ナイショ」
そう言ってアカメにウインクすると思いっ切り嫌な顔をされた。
(そりゃそうだろ、気色悪い)
ほっとけ。とりあえず、これで一先ずの目標は決まった。
(何をする気だ?)
―決まってるだろ?二人を暗殺者に仕立てようとしている連中をぶっ殺す。
(いきなり原作を壊す気か?だが名案だ)
―だろ?そうと決まれば即行動。思い立ったが吉日ってな。
とりあえず、二人にはそいつらのところまで案内してもらうとするか。
「んで?そのゴールってどこ?」
「…聞いてどうするつもりだ?」
俺が訊ねるとアカメの剣を握る手にあからさまに力が込められる。
ついでに殺気も増してる。
「さっきも言っただろ?俺ちゃん迷子なワケ。だから森の出口まで一緒に連れてって欲しいのよ」
「…」
やっぱり信用してくれない。
そりゃそうか。いくら事情を説明しても正体不明じゃ信用される訳ないか。
(どうする?)
どうするって…今の俺が二人に信用されるには、方法は一つだけだろ。
と、俺は背中の二刀を再び抜く。
それを見たアカメの殺気は更に増し、後ろにいたクロメも怯えながら自分の剣を構えた。
「オイオイ、そう焦んなって。別に俺ちゃんはお前らと戦う気は無いんだから」
「じゃあどういうつもりだ?」
「こういうつもりさ」
そう言って俺はクルリと刀を持ち変えると、柄を差し出すように二人に向けた。
その行動の意味が分からないのか二人は眉を顰めて刀と俺を交互に見る。
「その剣ボロボロだろ?俺ちゃんのを貸してやるから案内頼むわ」
「…は?」
「え…」
二人は驚いたようにキョトンと目を丸くする。
―やだ可愛い。
(目覚めたか?犯罪的だが…)
―やめろ。そうじゃない。どっちかって言うと父性だ。
…じゃ無くて、敵意が無い事を明確に証明するために、俺は刀を渡すことにしたの。
(成る程。だがまだ信用されてないみたいだぞ)
確かに。俺の様子を窺ったまま全然刀を受け取ろうとしないし。
「…どうしよう…お姉ちゃん」
「……」
クロメはどうしたらいいか分からず不安そうにアカメを見てるし、アカメも判断に迷ってるのかいまだに俺を睨み続けてる。
刀だけじゃダメ?なら、しょうがない。
…と、俺は一旦刀を地面に置いて、
「それじゃ、出血大サービスでこれも貸しちゃう♪」
腰に差してあったマシンガン二挺も差し出した。
(おいおい、サービスし過ぎじゃ無いのか?)
平気、平気。とにかく今は目標までたどり着かないとな。
なんて会話を脳内でしてると、ようやく決心したのかアカメが構えた剣を降ろしながら言ってきた。
「…わかった。とりあえず森の出口までは案内する。だがその後は…」
「分かってるって。俺もガキじゃないんだ。自分で何とかする」
そこまで言ってようやくアカメは差し出した銃と地面に置かれた刀を手に取った。
「分かった。お前の提案を呑もう」
「交渉成立♪」
さすが俺。ナイス
…………to be continued
「次回は俺ちゃんの無双が見れるぜ!」
(だと良いがな)
「何だよノリ悪いなー。これからデッドプール最強伝説が始まるってのに」
(帝国の科学者に捕まって実験台にでもされななければ良いがな)
「え、何その具体例コワイ…まあ俺ちゃんに掛かればそのくらい…大丈夫?」
(急に消極的なだな。まあ多分大丈夫だろう、死なないし)
「お、おう!トーゼン!ビビッてねぇよ!死なないし!」
(死なないからこそ実験台という名のオモチャにされかねないが…)
「やだそれコワイ…俺ちゃん、作者のとこ行ってちょっとお話してくるわ」
(無駄だと思うが…)
【デッドプールさんが退室しました】
実験台かぁ…悪くないな