七大罪魔王の赤龍帝 作:フェる
長らく投稿を休んでいましたが、これからはちょくちょく出せていければと思っております。
これからもよろしくお願いいたします。
今回の話は前に投稿していた話の内容を一部修正したものです。
夕食を食べ終わって部屋でのんびりとベッドで横になっていると、部屋の床に突然転移魔法陣が出現した。
「この転移魔法陣は確かグレモリーの・・・。」
ベッドから飛び起きながらそう言いかけると魔法陣からリアス先輩が現れた。
「イッセー・・・。」
何か思いつめた表情をしながらそう言って俺の方まで歩いて来て押し倒してくる。
「ちょっ、リアス先輩!?」
いきなりの事に俺は動揺を隠せなかった。
すると、リアス先輩はこう言って来る。
「イッセー、私を抱いてちょうだい。」
「へっ」
リアス先輩の言葉に俺は唖然としてしまう。
続けて、リアス先輩がこう言って来る。
「私の処女を貰ってちょうだい、大至急頼むわ。」
そう言って着ている服を脱ぎ捨てていくリアス先輩、どこか無理をしているような気がする。
そんな風に見えた俺はハッキリとこう言った。
「お断りします、こんなことをしても後で後悔をするのは自分自身だってリアス先輩だって解ってますよね。」
俺がそう言うと、リアス先輩は肯定を示すかのように俺から視線を逸らした。
すると、またも部屋の床に転移魔法陣が現れる。
その魔法陣を見ながらリアス先輩は嘆息する。
「・・・・・一足遅かったわね・・・・。」
そう言いながら魔法陣の方を見るリアス先輩をよそに俺は魔法陣の文様を確認すると、それはグレモリーだった。
誰だ、可能性としては朱乃先輩、小猫、木場の三人の内の誰かか全員だな。
いや、この現状は誰に見られても不味いだろう!!
そう考えていた俺の考えは大きく外れて魔法陣から現れたのは銀髪のメイドだった。
俺はそのメイドを見て密かに警戒レベルを最大にまで引き上げた。
メイドの名前はグレイフィア・ルキフグス、現魔王サーゼクス・ルシファー眷属の
今の俺でも苦戦はするだろうなと、そんな事を考えているとグレイフィアが口を開いた。
「こんな事をして破談に持ち込もうというお考えですか、リアスお嬢様。」
なんとも呆れたという感じの口調で淡々として言って来るグレイフィアに、リアス先輩は顔を顰めながらこう言った。
「こんな事をでもしなければ、お父様とお兄様も私の意見なんて聞いてはくれないでしょう?」
「このような下賤な輩に操を捧げると知れば旦那様とサーゼクス様が悲しまれますよ。」
下賤な輩、その一言が発せられた瞬間七魔達が暴れ出そうとしたため俺は必死に抑えるハメになった。
すると、リアス先輩がいかにも不機嫌といった感じでこう言った。
「私の貞操は私の物よ、私の認めた相手に捧げてないが悪いのかしら?それに、私の後輩を下賤呼ばわりしないでちょうだい。たとえ、あなたでも怒るわよ、グレイフィア。」
グレイフィアはリアス先輩の言葉を聞いて嘆息しながらも床に脱ぎっぱなしのリアス先輩の上着を拾う。
「何はともあれ、あなたはグレモリ一家の次期当主なのですから無闇に殿方へ肌を晒すのはお止めください。ただでさえ事の前なのですから。」
そう言ってリアス先輩に拾った上着をかけると、グレイフィアの視線が俺に移る。
すると、途端頭を下げて来る。
「はじめまして、私はグレモリ一家に仕える者で、グレイフィアと申します。以後、お見知りおきを」
「こちらこそはじめまして、俺は兵藤一誠と言います。」
俺もグレイフィアと同じように頭を下げてそう言った。
すると、リアス先輩がこう言って来る。
「それで、ここに来たのはあなたの意志なのかしら?それとも、家の総意?・・・お兄様の意志なのかしら?」
そう言っているリアス先輩は普段と違って年相応に見える。
「全部です。」
グレイフィアの即答を聞いて先輩は諦めたように溜息を吐く。
「そう、お兄様の【女王】であるあなたが直々人間界に来るのだから、そう言うことなのね。」
そう言うと、リアス先輩は脱ぎっぱなしの服を着始める。
服を着終えると、リアス先輩は俺にこう言って来る。
「イッセー、ごめんなさい。さっきまでの事は忘れて頂戴。私も冷静じゃなかったわ。」
「えぇ、そうしましょう。この事は互いに忘れましょう。」
リアス先輩の言葉に俺が同意すると、先輩が近づいてきて・・・。
チュッ。
えっ、俺は今キスされた?
「これで許してちょうだい。また明日会いましょう。」
そう言ってリアス先輩はグレイフィアと共に転移して帰っていくのだった。
俺はしばらくの間放心状態になっていた。
翌日、俺は黒歌にアーシアの事を任せて学校にへと向かっている途中、忘れるとは言ったものの俺の頭の中では昨日の出来事ばかりが巡っている。
だが、無関係の俺が出しゃばる訳にはいかないからな、そう思いながら帰宅していると突然駒王学園の旧校舎の方から魔力の昂りを感じ取った俺は即座に魔法陣を展開させて駒王学園の屋上に転移をする。
屋上に転移した俺はそのまま屋上を飛び降りて旧校舎の方へと向かう。
旧校舎に着くと、俺はオカルト研究部の部室に行き、その扉を開いた。
部室の中にいたのはグレモリー眷属はもちろんとして、グレイフィアともう一人。
そのもう一人はホストみたいなチャラそうな金髪イケメンがいた。
「おい、リアス。何でここに人間がいるんだ?」
「別に、あなたには関係無いわ。」
男の問いかけにリアス先輩は冷たくそう言った。
「おい、人間ここは貴様の様な奴が来るべきところじゃない。今すぐ帰れ。」
尊大にそう言って来る男に対して俺はこう言った。
「うるせぇ、お前に言われる筋合いはない。」
「貴様、この俺様が優しく言ってやっているというのに・・・。」
そう言いながら怒りに身体を震わせるチャラ男。
「ハァ?優しいって言葉を辞書で調べてから使えよ、トリ頭。」
物怖じしない俺の言葉を聞いてオカ研全員は驚きの表情を浮かべている中、グレイフィアが俺にこう言って来る。
「兵藤一誠様、この方はライザー・フェニックス。純血の上級悪魔でありフェニックス家のご三男であらせられます。」
フェニックス、確か「フェニックスの涙」とか言う回復アイテムで財政はかなり潤ってるとか・・・。
「ふーん、で?」
だが、俺はそんなことに興味無さげに声を出す。正直に言うと、マジで興味が無い。
すると、そこでグレイフィアが昨日のリアス先輩があんな事をした理由がわかる。
「そして、リアスお嬢様、グレモリー家の次期当主の婚約者であらせられます。」
婚約者・・・、これで昨日のアレは婚約を破棄するために・・・。
なるほど、これで納得がいった。
「だから?」
そう言っているとライザーがこう言って来る。
「ふん、貴様のような頭の弱い人間にいくら話しても無駄だ。分かったらとっとこの場から立ち去れ。」
いちいち癪に障る言い方をしてくる奴だなと、そう思っているとリアス先輩がライザーにこう言った。
「いい加減にして頂戴、ライザー。以前も言ったはずだけど、私はあなたと結婚なんてしないわ!!」
「あぁ、それは聞いたよ。だがな、リアスこの婚約は悪魔の未来にとって大切な事なんだぞ。君は家を潰す気なのか。」
リアス先輩の言い分にライザーは正論を口にする。
それを聞いたリアス先輩はこう言った。
「家は潰さないわ、婿養子だって迎え入れるつもりよ。」
その言葉を受けてライザーがこう言って来る。
「じゃあ、さっそく俺と・・・。」
「でも、あなたとは結婚しないわ。家柄が古い悪魔にだって相手を決める権利だってあるもの!!」
そうハッキリと言いきるリアス先輩に対してライザーは顔を顰めながら舌打ちする。
すると、ライザーはこう言って来る。
「リアス、俺もフェニックス家の看板を背負っているんだ。泥をかけられる訳にはいかないんだよ!!」
その言葉の直後、ライザーの周囲に炎が舞う。
「俺は君の眷属とそこの人間を燃やし尽くしてでも冥界に連れ帰るぞ。」
そう言いながらライザーは俺を含むオカ研メンバーに殺意と敵意を向けてくるが、俺にとってはこんなものどうということは無い。
木場と小猫と朱乃先輩は構えてはいないが、臨戦態勢に入っている。
リアス先輩もライザーに対抗して紅い魔力をを纏い、オーラ同士がぶつかり合う。
すると、そこへグレイフィアがこう言った。
「お二人とも、落ち着いてください。これ以上やるのでしたら、私は遠慮などしないつもりです。」
静かではあるが迫力の籠った言葉だ、それを聞いたリアス先輩とライザーは表情を強張らせる。
最強の女王に言われればそうなってしまうのも無理はないな。
ライザーは身体に纏わせていた炎を消してこう言って来る。
「最強の【
リアス先輩も紅い魔力を消して臨戦態勢を解いた。
二人の戦意が無くなったのを確認したグレイフィアはこう言って来る。
「こうなってしまう事は両家の方々も重々承知しておりましたので、最終手段を取り入れることとなりました。」
「グレイフィア、最終手段っていったい何なの?」
「お嬢様、ライザー様との【レーティングゲーム】にて決着をつけるというのはどうでしょうか?」
「なっ!?」
グレイフィアの意見にリアス先輩は驚愕の表情を浮かべる。
「爵位持ちの悪魔達が行う下僕同士を戦わせて競い合うゲームの事だよ。」
「なるほど、教えてくれてサンキュー。」
「どういたしまして」
俺にそうやって耳打ちして説明をしてくれた木場に俺は礼を言った後再度聞く態勢に入る。
「ご存じの通り、レーティングゲームは成熟した悪魔しか参加できません。ですが、非公式であれば未成熟の悪魔でも参加は可能です。その多くがーーー。」
「身内同士もしくは御家同士のいがみ合いね。」
嘆息しながらグレイフィアの言葉を続けるリアス先輩。
「私が拒否をした時の場合を見越してゲームで婚約を決めようとしているという事ね、どこまで私の生き方をいじれば気が済むのかしらっ!!」
イラついた様子のリアス先輩は殺気が漲っている。
そこへグレイフィアがこう言って来る。
「では、ゲームも拒否すると?」
「いいえ、こんな好機はないわ。ゲームで決着を付けましょう、ライザー!!」
グレイフィアの言葉にリアス先輩はそう言いきった。
というか、そんな言い方をすればリアス先輩は必ず受ける、それを解っていてそう言ったな。
そんなリアス先輩の言葉に対してライザーは余裕綽々と言った感じでこう言って来る。
「そんな簡単に受けてもいいのか、俺は既に成熟しているうえにゲームに参加して既に勝ち星を多く挙げている。それでもやるというのか、リアス?」
そう言って来るライザーに対してリアス先輩はこう言った。
「えぇ、もちろんやるわ。ライザー、あなたを消し飛ばしてあげる!!」
「いいだろう、そっちが勝てば好きにすればいい。だが、負ければ俺と即結婚してもらうぞ!!」
そう睨み合いながら言いあう二人にグレイフィアがこう言って来る。
「お二人の御意思はこのグレイフィアが確認させていただきました。ご両家の立会人としてこのゲームの指揮を執らせていただきます、それでよろしいね?」
「ええ」
「ああ」
グレイフィアの問いにリアス先輩もライザーも了承をする。
「分かりました、両家の皆様には私からお伝えします。」
確認をしたグレイフィアは頭を下げる。
すると、ライザーが俺に向かって視線を向けてくると思った瞬間、思わず燃え散らしたくなるくらいの嘲笑をしてくる。
「なぁ、リアスまさかあそこの人間を除いてここにいる面子が君の下僕なのか?」
「だったら、なんだというのかしらライザー?」
ライザーの言葉に対してリアス先輩は眉を吊り上げる。
それに対してライザーは何がおかしいのか笑いだした。
「これでは話にもならんな、君の
そう言いながらライザーが指を鳴らすと魔法陣が光りだす。
紋様はライザーと同じフェニックスで、その魔法陣から人影が出現してくる。
「まぁ、俺の可愛い下僕達だ。」
堂々とそう言って来るライザーの周囲に十五人の眷属悪魔らしい奴等が集まった。
だが、眷属が全員女ってのはどうなんだ。まぁ、正直に言えば心底どうでもいいけどさ。
そう思っていると、ライザーがこう言って来る。
「人間、貴様の様な下賤な存在では実現する事は出来ないだろう!!」
そう言いながらライザーが眷属全員とイチャつき始めた。
それを嫌悪感を纏わせながらリアス先輩は呆れながら見ている。
「お前では一生こんな事は出来まい、人間。」
そう言って来るライザーに俺はこう言った。
「お前、リアス先輩と結婚した後も他の女と関係を持つつもりか。」
「英雄、色を好むって言うだろう。人間界の
そうやって自信たっぷりに言って来るライザーに俺はこう言った。
「ハッ、笑わせるな。お前程度の奴は英雄とは言わない、英雄の意味を履き違えるなよ焼き鳥。」
俺の挑発に対してライザーは怒りの表情を浮かべる。
「焼き鳥だと!?この人間風情がぁぁぁぁ!!調子こきやがって!!自分の立場と言うのを解らせてやる!!ミラ、やれ!!」
「はい、ライザー様」
ライザーに命令されて俺の前に出てきたのは棍棒を持った身長が小猫と同じくらいの女の子だった。
「イッセー!!」
リアス先輩達オカ研メンバーが慌てているのをよそに女の子が俺に向かって得物である棍棒で突きを放ってくるが、俺は突き出してきた棍棒を簡単に掴んだ。
「なにっ!?」
それを見たライザーは声を上げ、俺以外の全員も驚愕の表情を浮かべるのを無視して俺はこう言った。
「この程度かよ、遅い上に弱いな。」
そう言って棍棒を握り潰し、腹に蹴りを叩き込む俺。
その蹴りをまともに喰らい、ライザーへと飛んでいった女の子は片方だけ仮面をつけた女に受け止められる。
「貴様、俺の眷属によくも・・・!!」
怒りを露わにしながらそう言って来るライザーに対して俺はこう言った。
「何言ってやがる、お前の自業自得だろ。」
そう言って睨み合う俺とライザーの間にグレイフィアが割り込んでくる。
「お二人とも、そこまでです。」
グレイフィアが入ってきたことで俺とライザーは睨み合うのをやめると、ライザーがこう言って来る。
「おい、人間!貴様もレーティングゲームに参加しろ!!受けた屈辱はゲームで返さなければ気が済まん!!」
「丁度いいな、グレイフィアさん俺が参加しても問題ないよな。どうせ、非公式なんだからな。」
「はい、問題はありません。」
ライザーの言葉に俺は同意しグレイフィアに問いかけると、そう言って来る。
すると、リアス先輩が俺に何かを言おうとした時にライザーがこう言って来る。
「ゲームは十日後でどうだ?今からでもいいが、それでは面白くもない。」
その言葉に不機嫌であることを隠そうともせずにリアス先輩はこう言った。
「・・・私にハンデを与えるつもり?」
その言葉に対してライザーはこう言って来る。
「感情だけで勝てるほど【レーティングゲーム】は甘くはないぞ。」
そう言った後、ライザーの足元の魔法陣が光を放つ。
「せいぜい、その人間を鍛えてやるんだな。」
そう言い残してライザーとその眷属は帰って行った。
「では、お嬢様私もこれにて失礼させていただきます。」
そう言ってグレイフィアも帰って行った。
オカ研メンバーと俺だけになると、リアス先輩がこう言って来る。
「イッセー、あなたいったい何を考えているの!?レーティングゲームはただのゲームじゃないのよ!!」
一歩間違えば人間である俺は死んでしまうと言いたいんだろうけど、俺はもう人間じゃないけどとそう思いながら気にせずこう言った。
「大丈夫ですよ、リアス先輩。俺は死んだりしませんから。それじゃあ俺はこれで帰りますね。」
俺はそう言い残してオカルト研究部の部室を後にするのだった。
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