「私の名はエヴァンジェリン。
エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。
悪事の限りを極めた吸血鬼だよ。
それでぼーや、君の名は?」
時が止まったかのようだった。
久しぶりに見た彼女は、幼いながらも妖艶で美しく。
まるで、キラキラ、キラキラと、輝いているように、
「……いい加減に何か言ったらどうなんだ?」
———ダイヤモンドダストが舞っていた。
「……ひいっ!!」
ヤバい!!これはかなり怒ってる!!
これ以上はマズイ!!
「は、はいっ!ネっ……じゃなかった!
「ハルバラ・ナギだな?では何故、私の封印を解いた?
その様子だと事故かなんかではあるまい?」
「ま、
「そんなこと?私の疑問がそんなことだと?
それに
「す、すみません!でもっ!」
「いいだろう。なんだ、言ってみろ?もしくだらないことだったら——」
「まずは、服を着てくださいッッ!!」
そう、彼女は素っ裸なんだっ!
だから……その……。隠さなきゃいけないところが……そのぅ……。
「…………」
「…………」
ち、沈黙が怖い!
とりあえず目を逸らしておこう。
次、彼女が何を言うのかで生か死かが決まる!
「……おい」
「はいっ!なんでしょう!」
「……とりあえず、服を持ってこい」
「わかりましたっ!」
た、助かった。できればこのままうやむやに——
「あらかじめ言っておくが、帰ってきたら話の続きだ。逃げようなどとは思うなよ?」
——できなさそうだ。
◇ ◇ ◇
「さて、まずはあらためて自己紹介と行こうか」
あの後、ボクの部屋にあった女物の着物を持ってきて渡した。
なぜボクの部屋にそんな物があったかというと、母さんがたまに女物を買ってきてボクに着させてたんだ。
3-Aのみんなもそうだったけどなんでボクに女装させようとしてくるんだろう。
「私の名前はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。世界各地で悪事を繰り返した悪の魔法使いであり、
私の方からはこんなものだ。さあ、キリキリと吐いてもらうぞ」
そう言ってニヤリと笑ってくる。『絶対に逃がさないぞ』という意思を込めて。
こちらも、もう隠すつもりはない。
隠したとしても「隠した」ということは気付かれるし、そんなことをしたらこれから協力してもらえなくなる。
それはまずい。
「わかりました。まず、ボクの名前は
そして、あなたを封印した人物『
ピクッと、
自分を封印した人物の子孫だとわかって、なぜそんな奴が封印を解いたのか不審に思っているんだろう。
「……それで?なぜ私の封印を解いた?」
「それは、
そう告げた途端、
「なぜ私がお前の頼みを聞かなければならん」
やっぱり、そうくるか。
「お前がどうして私を
たが、お前が私を封印から解放した恩は、お前の先祖が私を騙した罪とここで見逃してやることでチャラだ。
お前の頼みを聞いてやる理由がない」
「……騙された?」
「……フフフッ。ああ、そうだ!!あの小僧は私を騙して封印したのさ!!」
封印した方法が詳しく書かれていたものがなかったので、疑問に思って聞いてみたんだけど、どうやら地雷を踏んでしまったらしい。
「あの小僧は、私に挨拶をしたいとかいう領主の通訳としてやってきて、いかにも人畜無害そうな笑顔を浮かべながら!
私に睡眠薬入りの和菓子を出しやがったんだ!!!」
「…………」
「そんな和を冒涜するような行動をするとは思わなかった私は、気づかないうちに寝てしまっていて、目が覚めたたときにはもう呪文が完成していた。
その後、お前の言葉が正しければ、約二百年間も何もない空間に放り込まれていたんだよ!」
なんというか、
「んんっ。私のことはどうでもいい。
とにかく私がお前に従う理由はない。その年で天涯孤独の身になっていることについて同情がないわけでもないが、そこまでの理由にはならん。
話が終わったら好きにさせてもらう」
「でも……」
「ああ、残りの封印のことか?」
そうだ、この封印は四段階に分かれていて、封印の仕様上一つずつしか解除できない。
つまり、あと三つ封印は残っているのだ。
「それについては考えがある。
見たところ、この封印は魔法陣が維持し続けるタイプで、移動は縛っていても魔力までは縛っていないようだな?私を上回る魔力がなかったための苦肉の策といったところか。
ならば簡単だ。この魔法陣を破壊して仕舞えばいい。そうすれば私は自由になる」
さすがは
でも……。
「それは
その方法はできない。
「なに?」
「その方法は
その封印、きちんとした手順を踏んで、封印した者の血族が解呪を行わないと、溜め込んだ魔力を使って付近一帯を吹き飛ばす大爆発を起こします」
しかも、一つ解くと、約六年間は次の段階を解くことができない。
なんかのミスで解いてしまった時に、次々と解いてしまわないようになっていた。
「なっ!?」
「無関係な人が巻き込まれるのを嫌う、いえそもそも『女子供は殺さない』というポリシーを持つ
しかも、そのポリシーがあるから、『見逃してもらう』ことは実はこちらの利益にはなってない。
たが、
「……お前はどこまで私のことを知っている?」
「……ほとんど全てを。
チャチャゼロという従者がいたことも、
南の孤島に引きこもっていた時期があったことも、
家事が苦手でいつも自分の従者に任せていることも、
フリルのたくさん付いた可愛らしい服が好きなことも、
体型がコンプレックスでグラマーな姿に幻術で好んでなることも、
『EVANGELINE'S RESORT』という
二百年前の来日が初めてではなくて、一度目の時
鬼のように厳しいけれど、でも
そして、ある男によって十歳の誕生日の時に吸血鬼にされて、その男を殺したことも」
「……ッ!!」
ギキンッ!
首を狙ってきた
「
「黙れ!!
いったいどこでそれらを知った!!?
なぜ、その【
貴様はいったい何者なんだ!!??」
そう言って、警戒するように距離をとった。
……言うしかないんだろうな。
「わかりました、答えます。
でも、その前に……」
「…………」
本当はこの世界では死ぬまで秘密にしておくつもりだったけど、まぁマスターなら大丈夫だろう。
「
「ッ!!?オイ、なにを——」
「
「!!???」
「
ここまでのは初めて見たかも。
「平行世界であなたの弟子となり『
ボクは、その生まれ変わりです」
◇ ◇ ◇
あの後、混乱が治まっていない
あの日、炎に包まれたボク達の村を。
死んでしまいそうなところを悪魔から助けてくれたあの英雄を。
魔法学校で何かにとりつかれたように勉強したあの過去を。
修行のために赴任した学校で、
ボクの生徒が企てた計画を潰すため、過去と未来を行き来したあの学園祭を。
異世界の滅亡を止めるため、世界に追われつつも戦ったあの旅を。
その後、世界の融和のために飛び回ったあの経験を。
式典で暗殺されたあの瞬間を。
この世界に来てから、初めて感じられたあの幸せを。
そして、理不尽によってもたらされたあの哀しみを。
ボクのすべてを伝えていった。
◇ ◇ ◇
「……お前がどういうやつで、なにを考えて封印を解いたのかは伝わった」
「だが、それでも私が手伝う理由にはならないな」
「っ!?」
なんで!?どうして!!?
「ふん。その様子だと、まさか断られるとは思ってもみなかったようだな」
「な、なんでですか!??」
「たしかに、お前の現状は理解した。
この私の弟子だと言うのなら、手伝ってやっただろう。
しかし、お前はあくまで『平行世界の私の弟子』だ。この私の弟子ではない」
「ッ!!」
たしかに、その通りだ。
ボクは前世での
「……それじゃあ——」
「しかし、お前がこの世界でも私の弟子になりたいと言うのなら、考えてやらんこともない」
「……えっ?」
それじゃあ……!!
「ああもう、そんなに目を輝かせてこっちをみるな!!
もちろん、条件はつけるからな!!」
「そ、その条件っていうのは!?」
「まず一つ。私の衣食住はきちんと保証してもらう。
そして二つ目、私の封印を解くために動くこと。
三つ目、封印が完全に解けた時、私の自由にさせてもらう。外の世界に行くのも、ここに住み着くのも、私の意思で決める。条件は以上だ。
そして、弟子入り試験を一度だけ行う。
この結果がどうであれ、お前には条件を守ってもらう。
もし落ちたら、その狸親父は自分でなんとかしろ」
条件のほうは、もとからそのつもりだったから問題はない。
つまり、その弟子入り試験が重要だ。
ボクの目的を果たすためには、ぜったいに失敗できない。
「『弟子入り試験』っていうのは?」
「簡単だ。私が一つ質問をする。お前はそれに正直に答えればいい」
「……わかりました。その条件を受け入れます」
質問に答えるだけ。
妙に簡単そうに思えたが、
何か重要な意図が隠されているはず。
「そうか。では準備はいいか?今から弟子入り試験を行う」
「はい!!」
「では質問する。
『お前はなぜわざわざ私の封印を解いた?』」
「……え?」
「別に、本当に私が封印されているのかわからないような封印を解くよりも、お前の父親の知人を当たっていったほうが確実だったはずだ。
それなのに、なぜお前はわざわざ『
「それは……。本当に
……本当にそれだけか?
「それだけか?」
本当にそれだけなのか?もっと別の理由があったんじゃないかと。
「…………」
違うはずだ。それだけじゃ説明がつかない。
思い出せ!ボクは前世で
「……はぁ。見込み違いだったか。ではお前は——」
「いや、それだけじゃない」
『泥にまみれても、なお前に進むものであれ』
そう教わったんじゃなかったのか!!
「ほう。ではなぜだ?」
「この世界で生まれ直してから、今までの常識も、仲間も、積み上げてきたものすべてを失って、自分が何なのかもわからなくなって」
そうだ。
自分の喜びも、怒りも、哀しみも、楽しみも。すべてから目をそらさずに生きていけ。
そう教わったんだ!
「今までは、両親とともに楽しく暮らしていくことに目を逸らして、向き合わずにいたけれど、それもできなくなって。
もう二度と失いたくなかった。
失わない『永遠』に、僕のことを知っていて欲しかった。
そんな浅ましい甘えで。貴女の、『不老不死の吸血鬼』の封印を解きました」
涙が目に滲む。
でも、これはボクの感情だ。ボクが向き合っていかなきゃならないことだ。
だからもう目は逸らさない。
「……そうか」
「たしかに、ひどく浅ましく、身勝手な考え方だ。巻き込まれる側のことなど考えていない」
「……はい」
「……だが、私の弟子と名乗るために、最も必要なものには気づいている」
「…………じゃあ」
「あぁ。お前を私の弟子として認めよう。
これからも厳しくいくから、付いて来いよ
「ッ!!はいっ!!これからもよろしくお願いします
こうして、ボクは再び『悪の魔法使い』の弟子となった。
◇ ◇ ◇
あの後、連日の徹夜がたたって倒れてしまったり、七草さんの都合が悪かったりでここまで延びてしまったのだ。
「それでは、こちらでお待ちください」
七草さんは何やら会議が遅れているとかで遅くなるそうなので、
「ただいま、お飲物をお持ちいたします。何かご要望はございますか?」
「じゃあ、ハーブティーでお願いします」
「かしこまりました。もうしばらくお持ちください」
そう言って、扉を閉めて行ってしまったので、今のうちにこの計画の要となるものを確認しておく。
……よし、まだ影は繋がっている。大丈夫そうだな。
その時ガチャリと音がしたので、名倉さんがもう帰ってきたのかと思って見てみると、同い年ぐらいの女の子が三人いた。
「あなたがナギくん?」
「はい、そうですけど」
三人の中では一番背が高い子が話しかけてきたので返事をする。
「やっぱり!お父さんから話は聞いてるわ、弟になるかもしれないって!
「はじめまして!ボクは
「もうっ、
……失礼しました。
えっと、ふわっとした髪の子がまゆみさん。
なんとなく
年上のはずだけどほとんど身長が変わらない、小柄な女の子だ。
ショートカットの子がかすみさん。
ストレートの子がいずみさん。
なんだろう。『
「よろしくお願いします。
それで今日はですね——」
「もうっ!硬いわよナギくん!あんなことがあったんだもの、
「ですのでそれは——」
「ですから硬いのです!もう少しリラックスしてください。
それにしてもお父様も意地悪ですわよね、こんな大事なことを昨日の夜まで伝えなかったなんて」
「あの、だから——」
「まったくだよ。こんな重要なこと、もっと早くに教えてほしかったね。
ひ、久しぶりだこの感じ。
まったく会話に入っていけない!
女が三人寄れば
とりあえず、誤解を解こうとなんとか会話に入ろうとしていると、名倉さんが帰ってきた。
「お待たせしました春原様。会議がただいま終わったようですので、すぐに
ですので、お嬢様方は別室の方に行くようにとのことです」
「え〜。まだまだ話したいのに〜」
「どうにかなりませんの?」
「申し訳ございませんが、ご命令ですので」
そんなやりとりの後、何かを考え込んでいたまゆみさんがティーセットを置いている名倉さんに訊いた。
「じゃあ、話し合いが終わった後に私たちのところに来てもらうのはできない?」
「春原様さえ
「ボクの方は大丈夫です」
誤解も解かなくちゃいけないし。
「では、そのように弘一様に伝えておきますので」
「ありがとう、名倉さん。ほら、香澄ちゃんも泉美ちゃんも行くわよ」
「そういうことなら仕方ないか〜」
「わかりましたわ。ではナギお兄様、また後で」
そうして、三人姉妹は出て行った。
ふぅ。本番はまだなのにもう疲れたな。
若い女の子ってどこにあんなエネルギーがあるんだろう。
「それでは、私は弘一様に先ほどの旨を伝えに行きますので」
「あっ。わかりました。よろしくお願いします」
そして、名倉さんもでて行ったので、ふたたび
それにしても、やっぱり
提案を受けるつもりなら、新しい家族とのふれあいになるし、受けないつもりで来ても、あんなに嬉しそうにしているのを見て、良心の呵責から思い悩むようにしている。
相変わらず、デメリットの少ない、いい手を思いつくな。
ガチャリ。
「やあ、ナギ君。待たせてしまって悪かったね。」
そんなことをかんがえていると、
「
ボクのことなのに、こうして時間を取ってもらえるだけでも有り難いですから」
「そうかい?それならいいんだけど。
さて、実はこの後も予定が詰まっていてね。早速本題に入らせてもらってもいいかな?」
さあ、ここからが正念場だ。
「大丈夫です」
「ありがとう。じゃあ、私の養子になるという話、受けてもらえるかな?」
「実は、そのお話、大変心苦しいのですがお断りさせてもらってもよろしいでしょうか?」
「……理由を教えてくれるかな?」
「ボクはやっぱり、父さんやご先祖様達が繋いできた
「でも、それはこの前も話したけれど警備上の問題とかあってだね……」
「それはわかっています。ですから
「……それは、どういうことだい?」
よし!食いついてきた!
「はい。できるならボクの『後見人』になって頂けないでしょうか?」
「『後見人』か……」
まさか九歳の子供がそんな手段を思いつくとは思ってもみなかったからだろう。
しばらく考え込んでいた。
「……やっぱり後見人になってもナギ君が一人暮らしをするのは難しそうだと思う。
たしかに私が後見人になったら、
でも、すべてじゃない。
そうすると、もし何かあったときに実際に、君や周りの人を護る人が必要になってくる。
「……つまり常にボクを護れる人がいないから無理だということですか?」
「そういう事になる。誰か一人でも君の護衛ができる人がいればそれでもいいんだけどね」
かかった!
「なら大丈夫ですね。ボクの護衛をしてくれるモノには心当たりがありますので」
「ほう、誰だい?
「誰って、
「なに?」
「ほら、あなたの足元ですよ」
いまだに口を開けて固まっている
「彼女はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。我が家が封印してきた、
「ご紹介に預かったエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ。もし、私の実力を知りたければ欧州の古式魔法師とやらに聞けばいいだろう。悪名ばかりだろうがな」
「……その名前は知っている。二百年前に討伐された、過去最強の魔法使いにして吸血鬼、600万ドルもの賞金首だったと。
……君の家に封印されていたモノが本当に彼女だったのかはこの際どうでもいい。
彼女が本当にそうなのだったとしたなら、たしかにこれ以上ない戦力だ。
しかし、
それに、彼女が
当然、その質問をされることは予想していたので、迷うことなく答えられる。
「私の封印は一週間前に、どうやら
まぁ、もともと二百年も前の封印で、定期的なメンテナンスが欠かせなかっただろうに、ここしばらくメンテナンスをできなかったそうだから、封印が一部解けてしまったんだろう」
まぁ、ウソだけど。
「また彼女も魔女裁判や賞金首に追われ、殺されそうになったから殺してしまっただけだそうで、決して血も涙もないわけじゃなかったんです。
ボクの現状を説明したら同情してくれて、自分もこれ以上追われたくないとの事でボクの護衛を引き受けてくれました」
「……そうか」
そう呟いて
僕の案を飲むのか飲まないのか、
うまく自分の案に誘導する理由はないのか、
過去最強と謳われる彼女を相手にして勝ち目があるのか、
いろいろと計算しているのだろう。
ここは、あと一押しだ。
「あと、
「……分かった。君の意見を飲もう。ただし」
「なんでしょう?」
「私たちの事は家族だと思っていつでも遊びに来なさい」
「わかりました」
そうやって接していくなかで、僕の家の魔法や技術を盗めればいいやと考えての事だろうけど、まゆみさんたちと遊んだりするのは別に構わないし、何の問題もないな。
「では、後見人になるために必要な書類を持って来させるから、もう少し待っていてくれないか?」
ソファーに堂々と座ってハーブティーを飲んでる
「ナギ君、一つだけ聞いていいかな?」
「はい、なんでしょう?」
「君は一体、どこでその交渉術を身につけたんだい?」
「……そうですね。必要だっだから身につけただけですよ」
◇ ◇ ◇
あの後、書類を書いたり(ボクの手際に
そして今、ボクは今日のラスボスの前にいる。
「さて、ナギくん?私たちの家族にならないとはどういうことかしら?」
ひぃっ!?ま、まゆみさんの背後にアスナさんが見える!!
「あ、あの、一週間に一度は遊びに来るんですし……」
成人じゃないといけないような書類を頼みにだけど。
「でも、兄ちゃんにはならないんだよね……」
「残念ですわ、もう一人お兄様ができると思ってましたのに……」
「それは、あの……」
こちらは、本当に落ち込んでいるみたい!
どうにかしないと英国紳士(?)の名折れだ!!?
「わ、わかりました!戸籍は別だけど、本当の
もう時間も遅くなってきているし、
別に、それくらいは構わないし。
「……分かったわ。
だったら、敬語は禁止!!私のこともお姉ちゃんと呼ぶこと!いい?」
「わ、わかりまし……わかった、まゆみお姉ちゃん」
「……はぅ。やっぱりいいわぁ」
「わわわっ。急に抱きついてどうしたんですか!?」
「敬語!!」
「は、はいっ!!」
「……なぁ、
「……お姉様は、昔から可愛い弟が欲しかったそうですから仕方ないですわ」
なんかあの
「
「……仕方ないわね」
た、助かったー。
◇ ◇ ◇
「ありがとうございました、
それじゃ、また一週間後」
「じゃあね、ナギくん」
「今度はいろいろ聞かせてね!」
「無理はなさらないでくださいね」
あの後、三人とも玄関まで来て見送ってくれた。
自分で言いだしたことだし、
「さて、まだまだこれからだ」
これから
前世の経験も総動員して、