落第騎士の兄の戦嗜譚【一時凍結】   作:倉月夜光

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予想通りさらに続く~~
多分あと二、三回は続いちゃうと思います
そのかわりというかどうかは分からないけど毎日投稿する予定なので許してください

※作者の銃知識はにわかです。変な点があったら教えてもらえるとありがたいです


(番外?)クリスマスな休日②~回想Ⅰ~

「んーー。アメリカ初上陸だな!!いやぁ、MI6に会ったときにはどうしようかと思ったぜ」

 

 アメリカの東海岸について背伸びをする。距離を縮めて誰もいないことを確認してイギリスから跳んだので色々な意味で大丈夫なはずだ。

 なお、この伐刀者(ブレイザー)がいる世界でも警察組織は一応存在している。最も荒事関連は国際騎士連盟が担当しているが、法での統治がなされている以上その法が破られていないかを確認する組織が必要なのは言わなくとも明白なことだ。この世界のイギリスとアメリカは敗戦国なので日本のことは一方的に敵視している節があるが、表面上は連盟に加盟する国同士仲良くする体を保っている。そんなジャパンバッシングオールデイズな国にいたのもロンドン観光がしたかったのでである。とても。

 タワーブリッジやロンドン塔は健在だし、大英博物館やバッキンガム宮殿はさまざまな資料があって楽しかった。日本が戦勝国になったといっても欧米が直接爆撃を受けたということではない。むしろ日本側は爆発物を敵国に送ることなく伐刀者(ブレイザー)の力で戦争の勝国になったので戦争の総被害は俺の元いた世界よりもずっと少ない結果に終わっていた。

 

 と、話が変わるがこんな有名な観光スポットを回っていればカメラに顔が映るのも当たり前で、国際手配されている犯罪者の俺は追い回される羽目になったわけだ。一般人の目のある中でいきなり襲ってくるようなことがなかったため予想以上に楽しい観光だった。以前ロシアを訪れた時などなりふり構わず俺を捕まえようとしてきたので返り討ちにするのも面倒なくらいだったのだ。ったく、十五歳の純粋な子供を黒服の怖い顔したおじさんがおいかけてくるなんて、なんて常識のない行動をとる国なのだろうか。

 

 

 

 町のほうに歩くと海辺だからかあまり人がいない。俺が上陸したのは、地図が正しければロングアイランド島というニューヨークに接する島なのでゆっくりアメリカ最大の都市を目指そうと思っている。まあ、人気がない朝方の時間に能力を使ってショートカットすることはあるが極めて健全な徒歩の旅を楽しむとしよう。

 

 

 

 

 

     ☆

 

 

 

 

 

Thank you letting me stayed.(宿泊させてくれてありがとう)

It's my pleasure. Your talk gets so excitid.(こちらこそ、あんたの話は面白かったよ)

 

 その挨拶だけを済ませて宿を出る。宿泊するときに宿の主が面白そうな話を聞くのがこの仕事のやりがいだと言っていたので、俺が旅してきたいろんな国の感想や体験を話したわけだ。そしたら予想以上に人が集まり宴会気分になったのは反省だ。ビールを飲むは散らかすわで昨晩は大変だった(未成年の良い子の皆はお酒は飲んじゃだめだよ!!)。宿泊客の大半がノリのいい人でなんやかんや楽しかった。

 なお英語は覚えた。前世でも日常会話くらいは問題ないくらいに覚えていたし、この世界では他にも中国語やドイツ語は覚えている。だてに中学に通っていないわけではないのである。

 

 

 

「さて、今日は銃を見に行ってみるか」

 

 アメリカに来た理由その一である。この伐刀者(ブレイザー)の数が国力であるご時世にも銃は出回っている。むしろ伐刀者(ブレイザー)の存在により規制が緩くなっているのではないかと思うくらいである。もちろん、空港などにはちゃんと火薬を識別する装置もあるし、商店には緊急のための警察組織にしらせるベルもあるのだが、銃の所持に関しては前世ほどうるさく言われることは無くなった。アメリカでは非伐刀者(ブレイザー)の約9割5分にのぼる数の拳銃が所持されている。前世でもアメリカの銃所持率は80%を越えていたが、この世界ではほとんどの人が銃を所持しているという計算になっている。もちろん、《解放軍(リベリオン)》への苦肉の対抗策として持たせることにしているという話もあるが、日本でも銃の所持者が30%を越えているのがこの世界の危険性を表しているだろう。

 

 そんな殺伐としているようなご時世だが、やはり銃と言えばアメリカという印象が強かったので、そのアメリカに来たからには銃を見てみたいと思った。場合によっては今の「花火(おうか)」よりかっこよくなるかもしれない。俺の固有霊装(デバイス)かっこいい(・・・・・)ものがいいなぁという思いが強い、と個人的には感じているので感銘を受ければ形状は簡単に変わるかもしれない。今まで犯罪者を何人か捕まえたことはあるが、そいつらの持っていたのは総じてアサルトライフルなので参考にならない。やはり拳銃スタイルがかっこいいと思っているので、今の形は前世の記憶が強く顕れている気がするし変わった方がいいかもしれない。いや、その記憶が強く固有霊装(デバイス)に表れているからこその形なのかもしれないが、試してみることは大切だと思うので少し暗い町の中に足を踏み入れる。

 

 

 

 

やはり犯罪の抑止力の大半が伐刀者(ブレイザー)になったので銃の販売は後ろ暗い仕事になっているようだ。スラムといえるような立地の場所に銃の販売店はあった。ここ以外にもあるにはあるが遠くになるようだし、ここよりスラムの中心に近いという。厄介ごとに自分から突っ込む自覚はあるが弱い者いじめをするのが楽しいわけではないのでここではスラムには極力関わらないようにしよう。

 

 中に入るとショットガンやライフルなどの大型の銃は壁などのケースに並べて展示され、ピストルなどの小型銃はカウンターの鍵のかかったディスプレーケースの中に入れられている。ショットガンは興味ないしライフルはもっと興味がない。よって奥に入ることはしないことにし、ディスプレーケースを見て回り始める。店員は珍しく女の人が一人でやっているらしく他に人も見当たらない。アメリカ人にしては珍しい茶髪で腰までストレートに伸ばしている。身長もなかなかあるらしく座っているだけでも様になっている。

 

「アンタ、日本人?」

 

 拳銃を見ていると店員から声がかかった。日本語を聞くのは久方ぶりなので少し驚いて返事をする。

 

「あ、ああ。あんた日本語話せるんだな」

「ああ、たしか1/8日本の血が通っていてね。言葉は色んなのを覚えていただけよ。そんなことよりアンタ、ガキがこんなところにくるんじゃないよ。見たとこまだハイスクールの生徒でしょ」

 

 どうやらこちらの心配をしてくれていたようだ。あと俺は年的にはジュニアのほうだが。

 

「ああ、気にしなくていいよ買うつもりはないし。あと、俺は一人旅のついでに寄ってみたちょっと変わったお客様だと思えばいいよ」

 

 それを聞いて驚いた表情を見せる。

 

「アンタ、一人旅ってどこから来たんだ?ワシントンとか?」

「いや、日本在住だよ。方法は聞かないでくれ」

 

 そんなことをいうとこちらに興味を持ったようで立ち上がってこちらに来る。……うん、すごい俺が見ても綺麗だと思う。というか、彼女も俺とそう変わらない気がするんだが。こんなところの店員していて大丈夫なのだろうか。

 

「何歳なのよアンタ?」

「十五だよ、そういいうアンタもこんな商売でアルバイトする年齢には見えないんだが?」

「十六、この国じゃ立派な成人よ」

 

 一歳の差しかないことに驚いた。この国じゃこんな子供が働いているのか…。

 

「俺は黒鉄将季、将季でよろしく。あんたは?」

「イングナよ。ん?黒鉄って聞いたことあるような……」

 

 やはり黒鉄の名は世界に響いているらしい。正直爺さんの威光はあまり好きじゃない、親の七光りに見られたりするし。

 

「さあ?なんかと混同したんじゃなか?」

「まあ、いいか。ところでなんで将季みたいなのが銃なんてものを見てんの?」

「ああ。知られても困るもんじゃないが」

 

 少しためらうが銃が固有霊装(デバイス)なんてアメリカ人にはよくいることだと思うので銃だけを展開する。

 

刀伐者(ブレイザー)だったのね将季。それで実銃が見たかったの?」

「ああ、拳銃なんてあまり見たことなくてな。このアメリカという銃大国に訪れた機会にと思ったわけだ」

 

 それだけ話すと「花火(はるか)」を消失させる。

 

 そのあとイングナはその他人行儀な態度とは裏腹に、こちらにかなり丁寧に銃について話してくれた。銃を手入れする機会なんてなかったのでそのあたりは新鮮だった。所持するわけではないので役に立つ機会は来ないと思うが勉強にはなった。分解しないと火薬がたまって危なくなったり、動作不良を起こすので注意が必要なんだそうだ。

 ちなみにイングナは親がこれを扱う仕事をしていた(・・・・)そうで今、この店の店主なんだそうだ。両親は何年か前に亡くなられたらしい。それ以上はプライベートに関わるのも悪い気がしたので聞いていない。

 

「ありがと、参考になったよ。今後扱うことは無い気がするけど勉強になった」

「いや、私も年の近い子と話すのは久しぶりだったしいい気分転換になった」

 

 店のなかで礼を言って店を出―――ようとして誰かが入ってくるので避ける。見たところ黒い服の何の変哲もない男だが、俺の長年の戦闘の感覚(・・・・・)に引っかかるものがあった。銃を見ることを続行し能力を発動。周りからの認識距離は変わらず、イングナと話している黒服の声が聞こえるようにする。

 

「次の依頼だ。金はいつも通りの場所に振り込む」

「あんた、一般の客がいるのにそんな話をするの?いいんだけど、あの子の状況はどうなの?」

「あそこまでは聞こえんだろう。手は尽くしているがまだ駄目だそうだ。変化があれば連絡が入るだろう」

「……それもそうね。とにかく了承したわ。とっとと帰って」

 

 

 

 ――――――これは面白そうな気配がするな。




評価、感想お待ちしております!なおきたら作者のやる気がバーニングで投稿速度up!!

最近冬休みの学生がこんなことしていていいのか疑問に思えてきた作者である(´・ω・`)
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