キャス狐になってこの世界を生き延びる。   作:先詠む人

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投稿遅れてすみませんでした。
あと俺掴みの読者の皆さん、すみません。
こちらの方が7割親知らず抜く前に書けてたんで先にこっちを投稿します。




二日目 状況確認する土曜日(午後)

 ~Side???~

「なぁ、この建物以外に生存者がいたって本当か?」

 俺の名前は東条麟雅。水泳部のキャプテンをしている。異変が起きたあの時偶然プールじゃなくて俺達男子水泳部は運動系の部室棟にあるトレーニングルームで筋トレをしていたおかげで助かった。ただ、女子の水泳部員はその時ここから少し離れたプール棟で練習をしていたらしく、あとでみんなで探しに行ったときにそこには誰もいなかったらしいのでおそらく女子水泳部部員の生存は絶望的だろうと思っている。

 というか、この運動系部室棟にいるやつら以外、この大学敷地内には生存者はいないと思っていた・・・・・・が、今朝起きたら他の奴らがやけに騒いでいたので話を聞いてみたらどうやら生存者が見つかったとのことだった。

 どうにもその話が信頼できなかった俺はその話の裏付けを取るために運動系の部活をまとめる委員会の会長で腐れ縁でもある西条琥珀を見つけてその話の真偽を尋ねた。

 

「あぁ、本当だ。どうも文化系の部室棟に女の子が一人いたらしい。どんな子か気になって聞いてみたのだが、榊原の奴『それは見てからのお楽しみです!!』と言って通話を切ったからな。どんな子なのか全然わからん。」

 

「榊原・・・・・。あいつ一回シメめるか?」

 

「止めてやれ。あいつはあれでもここで戦える貴重な戦力の一人だぞ。」

 

「そんなの言いだしたら俺もお前も同じだろ?」

 

「まあ、確かにあそこまでドはまりした”サモンズボード”のキャラを現実で使えるようになるとは思ってもいなかったがな。人生何があるかはわからないとはよく言ったものだ。」

 

「その通りだな。サモンズボードに出てくるモンスターに襲われた瞬間足元に魔方陣が出てそれが升目状に広がったときはちと焦ったぜ。」

 

「俺の場合は襲われたと言うよりは他部の女子生徒が襲われてるのを助けようとしたときだったがな。それよりもそろそろ榊原がここに来るはずだ。」

 

「下まで迎えに行こうってか?お前らしいな。」

 

「礼儀は尽くすべきだろう?それに女の子が相手にいるのなら尚更だ。」

 

「くぁ~‼相変わらずのフェミニストだなぁ、お前は。」

 

「それが俺なのだから仕方がない。さて、行こうか。」

 

「ああ。」

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「あ、玉藻と言います。文学部1回生です。」

 

 そして、下に降りた俺らは彼女(タマモ)と出会った。

 終わり際の今思えば、彼女こそがこの世界を生き残るために必要な扉を開くカギを彼女自身も知らないうちに持っていたのだが、俺や西条がそれに気づくことは最後の瞬間までなかった・・・・・・。

 ただ、出会いがしらに思ったのは

 

「この子、よく昨日のあのカオスな状況で生き残ってたな。」

 

 だった。

 

 だって、俺らみたいにある程度、体を鍛えている運動系の女子と違ってあまり筋肉など付いていなさそうな体つき。要するにTHE・女子!!!って感じだ。それに今運動系の部室棟に居る奴らと違ってこの子は敵と戦えそうな武器を何一つ(・・・)持っていなかった上に、目立ちそうな色をした髪を持ち、洗濯などできないはずの今、彼女が着ている服はなぜかきれいだった。

 

 てことは、昨日の夜に現れたのが確認されて以降秘密裏に警戒することになったあの巨大な龍や怪物どもにも見つかっていないということ。だけどそれはどれだけこの子は幸運なんだってことを示していることだと思う。

 

「コホン、え~っと俺は東条麟雅。水泳部のキャプテンをしてます。それでこっちが」

「この大学の運動系部活連代表。西条琥珀だ。以後、お見知りおきを。」

「え~っと、水泳部のキャプテンをしてた東条さんはともかく、()、西条さんとは会ったことありますよ。しかも一昨日。」

「「え!?」」

 

(こいつ!いつの間にこんな美少女と縁作ってんだ!!!誰だよこいつがホモだって噂流したの!・・・・そういえば最初は俺だったよコンチクショー!!!!!)

 

 俺が血涙を流しながらうなだれていると、

 

「あの~、東条先輩?」

 

 榊原の友達の相川が俺に声をかけてきた。

 

「なんだ!俺はあいつがハーレム作ってんの見せつけられて精神的に参ってんだよ!!!「あいつ元男ですよ?」・・・・・・はぁ~!?」

 

 正直訳が分からない。あのどこからどう見ても美少女な子が元男だ~?んなわけあるか!

 

「相川、お前ふざけてるならシメるぞ。」

 

「証拠見せましょうか?というか、あいつも自分がもともと男なのに受け入れられるかってすごい心配してましたし。」

 

「だったら証拠見せてくれよ。」

 

「わかりました。お~い玉藻。ちょっと西条先輩連れてこっちまで来てくれ。」

 

 俺が証拠を見せろと言い続けたからか、相川はあの子をこちらに呼んだ。

 

「ん~?わ~った。そっち行くわ。」

 

 彼女はそういうと、西条を連れてこちらに歩いてきた。

 彼女がこちらに来ると、相川は

 

「なぁ、玉藻。お前変化で戻れるか?」

 

「戻るってか、変化解くだけだから一瞬で戻るぞ。ほら。」

 

「「なっ!!」」

 

 彼女が何かしたと思った瞬間、彼女のお尻の方から3本のしっぽが出て、そして彼女の頭の上になにやらケモミミが生えた。

 

「キャス狐と呼ばれる女性キャラ。それに体が変わってしまったのが俺の友達(ダチ)、玉藻陸です。」

 

「昨日の夕方、家に帰るために乗ったバスで異変に巻き込まれまして、その際に気を失って気付いたらこうなってました。」

 

 てことは、もしかしたら女子水泳部員の中にもそうやって生き延びてるやつがいるかもしれない・・・・。俺は彼女の話を聞いてそう思い始めた。

 

 

 ~Sideタマモ~

 

 俺がキャス狐であるということをカミングアウトした後も特に上級生二人の対応に変わりはなかった。・・・・まぁ、東条先輩は心ここにあらず状態に何度かなっていたけども。

 

「なので、俺としては一人で居られる部屋があればそれとなくありがたいんですけど難しいですよね・・・。」

「今のところは難しいな。」

 

 そんで今、俺と西条さん、それと相川を加えた三人で俺の処遇をどうしようか考えている。

 どうやら今のところ俺のようにTSしたものは大学敷地内で見つかってはいないらしく、それが全員の頭を悩ませる原因になっていた。

 

「とにかく、今はタマモ君を女子に紹介しなければならないな。また、変化するのかい?」

 

 西条さんは俺にそう聞いてきた。

 

「う~ん・・・・・、ここでは受け入れてもらえましたけど他はどうかわからないのでしておきます。それと今度は髪の色も茶髪にごまかしておきますんで少々待ってもらえますか?」

 

「うむ。」

 

 結局、しっぽと耳を変化で隠すのは二回目だからさっきよりは短い時間で済んだけれど、髪の色を変えるのは時間がかかった。

 

 そして今、俺は運動部系の女子の前に西条さんに連れられて立っている。

 後、これは西条さんから聞いた話だけれども、今ここに集まっている女子は把握している中の7割ほどらしい。まだいるのかよ・・・・と思ったのは心の中での話。

 

「朝から噂になってるらしいがこの子が文化系部室棟に居た子だ。」

「た……玉藻です。」

「まぁ、見ての通り緊張しきってる。だから余り過激なスキンシップとかしないようにな。特に音羽。お前がレズで後輩と過剰なスキンシップをしているという話を女バレの部長から聞いている。絶対にしないように。他は音羽を監視しててくれ。」

 

 西条さんが音羽?って女子の名前を出した瞬間、女子達の反応は二つに別れた。

 一つは西条さんに敵意を向けて、俺の方に何やら蕩けた視線を向けてくるもの。正直言って怖い。

 もう片方はまたか……といった感じで額に手を当てたり、頭を抱えたりする者だった。

 

 そして、恐らく蕩けた視線を向けてくる人たちのなかでこちらの胸をさっきからすごいガン見してる茶髪の彼女が話に上がった音羽さんなのだろう。なんか、結構距離あるはずのこっちからでも息荒げて目がトロンてしてるのがわかるし。………う~ん。寒気がしてきた……。

 

 そんなこんなで紹介が終わって、俺は女子バスケ部の人たちと一緒に行動することになった。

 

 その際に言われて初めて気づいたんだけど、そう言えば俺、これまで1度もトイレに行ってないし、何も食べてないや……。

 

 そう思った瞬間、俺のお腹から音が鳴って、周りの女バスの子達が顔を見合わせた。

 …………うぅ~、恥ずかしい……。

 

 結局、まだみんなお昼を食べてないとのことだったから一緒に食べることになった。

 

 食べたのは非常食で味もそんなだったけど、自分がキャス孤になって心も何か影響を受けたのか、女子トークしてるのが楽しい時間だったことは言える。

 

 問題だったのはその後。

 トイレに行きたくなってしまったことだった。

 女子ってトイレどうしてんの?ホントに。状態である。

 

 

 取り敢えず慌ててトイレに駆け込もうとしたら男子トイレに入ろうとしてて、何故か追いかけてきてた女バスの子に首根っこ捕まれて怒られた。

 

「何してんの玉藻ちゃん。そっちは男子トイレだよ。」

 

 ……だって俺元男だし。慌ててたら間違えてもしょうがないと思うんだ。ね?

 

「ほらほら、女子はこっち!」

 

 俺は背中を押されてそのまま女子トイレに入っていった。

 

 個室に入ってからまず下を脱いで洋式トイレに座った。

 ……で、こっからどうしよう……?

 

 そう思ってたらなんか出た。シャーっと。

 それで、やっぱり俺男じゃなくなったんだなぁ…って改めて思い知らされた出来事だった。

 

 出した後そのまま服を着たらパンツが濡れそうな気がしたから慎重に大事なところをトイレットペーパーで拭いて、出ようとしたけどそのためには見ないといけないわけで………。

 

 結局、見ないようにしながら拭いたら時間がかかってしまった。多分、十分ぐらいはかかってたと思う。拭いた後に下を履いて、個室を出た。服を着るときに、結局下を見ないといけなかったからさっきまでの努力は無駄になって、少し落胆した。

 大事な息子は無くて下腹部の下がスルーンとしてたことだけは言わせてほしい。キャス狐になってしまった時点で多分そうなんだろうな~と思ってたとはいえ、精神的に来るもんは来るんだよ・・・・・・。

 

 手を洗って、ため息をつきながらトイレから出たら女バスの子はもう居なかった。でもその代わりに目を血走らせているさっき注意されてた音羽って娘に襲われることになった。

 あまりの恐怖に多分人としてはありえない速度で吹っ飛ぶぐらいの強さで殴ったみたいだから多分サーヴァントとしてのキャス狐の力が出たんだろうけれど、それでも壁に頭からつっこんだ後に血を流しながらゾンビみたいに迫ってきて怖かった……。

 最終的に、騒ぎを聞きつけた女子ソフトボールの人に助けてもらって、音羽さんはそのまま何であるのか知らないけれど、懲罰房って呼ばれてる部屋に連れてかれて行った。

 後で教えてもらった話によると音羽さんが前にやらかして以降、女バレの部室の横に設置されたんだとか。中に何があるんだか知らないけれど、あの異変が起こるまではかなりの頻度でそこに閉じ込められてたんだってさ。

 

 その後に、夜ご飯の時間になるまで、今この運動系部室棟にいるメンバーの中で戦える、もしくは後方で援護ができる能力者の内訳を教えてもらった。 

 

 まずは、委員会から。

 会長  西条 琥珀  能力(サモンズ・ボード)

 副会長 霧島 弘子  能力(ぷよぷよクエスト)

 書記  呉島 遥   能力(同上)

 会計  青井 京谷  現在行方不明(異変後、ふらりと委員会をしていた教室から出て行ってそのまま足取りがつかめていない)

 渉外  桐ケ谷 結衣 能力(SAO コード・レジスタ)

 

 そして各運動系の部活に所属している人たちのうち委員会に所属してた人を除いたうえで、能力に覚醒したのは数十名。その内訳は

 仮面ライダーに変身できるようになったもの・・・15名(クウガ、アギト、龍騎、ファイズ、カリス、カブト、ガタック、電王(いきなりライナーフォームになったらしい)、イクサ、ディケイド、アクセル、オーズ、メテオ、ウィザード、鎧武)

 パズドラのモンスターを使役できるようになったもの・・・13名

 ディバイン・ゲートの戦闘システムを使えるようになったもの・・・12名

 ドラゴンポーカーの戦闘システムが使えるようになったもの・・・5名

 魔法化高校ロスト・ゼロに出てくるキャラクターの能力が使えるようになったもの・・・3名

 ソードアート・オンライン コードレジスタで自分が使っているキャラのステータスがそのまま反映されたもの・・・9名

 モンスターストライクのフィールドを展開して戦闘ができる能力を手に入れたもの・・・16名

 サモンズ・ボードに出てくるキャラをサモンズボード同様に動かして戦闘ができるもの・・・8名

 Fate/Grand Orderに出てくるサーヴァントを使役する能力(一人一体一種のみ。なおかつ、自分のマイルームで登録しているキャラが召喚される。そしてマイルームに登録していた英霊が他の人とかぶっていた場合、持ってない英霊だろうとなんだろうと別の英霊がランダムに召喚されるらしい)・・・6名

 何の能力か教えてくれてないだけで他にも能力を持っている人はいるらしい。まぁ、中にはホラー系のゲームをしていたりする人もいるだろうから仕方ないことだとは思うけれど。

 

 それと、水は貴重な資源だからということで、昨日誰もシャワーを浴びたりしてないらしい。その代りに、能力者のみんなで協力して水を出し、その水を温めて温水にしてそれをタオルに付けて体をこすることで風呂代わりにしたんだって。

 当然女子としてはそれは厳しいことだったらしいけれど、仕方ないことだからあきらめたんだって俺にいろいろ教えてくれた坂上 杏さんが憔悴した顔で言ってた。ただ、自分がサーヴァントと融合していたからか、それとも何か別の要因でもあるのか、坂上さんがなぜか何かみんなに隠してるような気がした。

 それをいぶかしむように坂上さんの方を見ていると、急に玉藻ちゃんは何かの能力者なの?って聞かれたから黒猫のウィズに出てくる精霊を使って戦えますと伝えたらそれなんてゲーム?といった反応を坂上さんを含めたその場にいたみんなからされた。

 だけどそれはおかしい。だって異変に巻き込まれたあの日、俺は昼休みに他の学部の友達とかと一緒に協力バトルをしていたぐらいだし、何だかんだでこの大学内でも結構魔導師居るな!って盛り上がったぐらいだからだ。

 

 「一体、どういうことなんだ・・・・・。黒ウィズがなかったことにされてるのは俺が黒ウィズのシステムを召喚符(これ)として身に着けているせいなんだろうか?」

 

 坂上さんたちの反応を見てそう思いながら、今度は女子卓球部の子達に食堂の方へ連れてかれることになった。

 夜ご飯はレトルトのカレーとサ◯ウのごはんだった。備蓄品とはいえカレーはやっぱりそれなりにおいしかった。

 

ご飯を食べた後、歯を磨いてそのまま寝る流れになった。

 

……でも、誰も気づいてなかったんだ。いや、気づいたけど無視してたのかもしれない。

俺らを狙う敵はインベスとかモンスターみたいなのだけじゃなくて、俺ら自身の中にも紛れ込んでたってことに。

 

これから数時間後。

女子達(俺含む)が眠るフロアであんな惨劇が起こることになるって、誰も想像してなかったんだ…………。

 




スマホで小説書き辛ぇ~‼

感想、評価待ってます。

……お風呂ネタはね、書く勇気が俺になかったからまた今度ね。

トイレでの描写は別の小説投稿サイトで自分が初めて読んだTS小説での描写を参考にしました。
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