キャス狐になってこの世界を生き延びる。   作:先詠む人

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大変お待たせしました。
久々の更新になってすみませんm(._.)m
其では読んでってください。


二日目深夜 迫る影と目覚める彼女

 真っ暗な中で急に視界が開いたと思ったらそこは月明かりのもとにあるススキがたくさん生えている場所だった。

 周りには狐がいっぱいいて自分に声をかけてくる。でも、言っている意味が分からない。そして目からは涙が零れ落ちて、心の中は悲しみに染まっている。

 

 頭と体がまるで違うものみたいな感覚・・・・ただ、この光景と状況に少し思い当たる節があった。

 

 

「これ、キャス狐の過去じゃね・・・?いやホントに。」

 

 

 とぶっちゃけ思った。

 

 

 俺はEXTRAをしたことはない。だけど、キャス孤について昔調べたときにゲームのプレイ動画が何個か上がっているのを見たりはしていた。

 

 その中に混じっていたのが、キャス狐がマスター、要するにプレイヤーに藻女としての自分の過去を強がりながらも話すシーンだ。

 ゲーム内でも主人公の思いとして表記されていたけど、多分彼女が得た悲しみや苦しみ、そして辛さは自分では耐えれないと思ったことは結構印象に残っていた。

 

 そして、俺の意識はキャス狐の妖狐として討伐されて死ぬまでの過去をそこから追体験することになる。ただ、俺の意思が介入する余地はそこにはなく、最初に来た軍勢は皆殺しとなり、次に来た群勢には話し合いをしようと試みるも話すら聞いてもらえず、三日三晩の間、矢の雨にさらされることになった。

 

 矢じりによって傷つきつつも彼女は訴え続けた。「もう自分は居なくなるから、忘れてほしい」と。

 だが、彼女に向けて放たれる矢はとどまることを知らず、そこで彼女はあることに気付いた。人間が神に成れないように・・・・

 

 

 

 

「神はもともと人間にはなれなかったんだ」

 

 

 

 

 ということに。

 

 

 

 

 そんな人間にあこがれた神である彼女からしたら悲しい真実を現実から悟りつつ、胸に破魔の矢を受けた彼女はそのままその場に崩れ落ちて彼女としての意識はこの体から失われた。だけど、俺の意識はまだこの体の中にいた。

 

 

 倒れている彼女の体に誰かが近寄ってくる。見た目は陰陽師がきているような白い狩衣だった。そして、その男は玉藻の前の抜け殻()に近寄ると、

 

 

 

「自分があこがれ、そして恋した人間に裏切られた気分はどうだい?神様(・・)。」

 

 

 

 聞き間違えとかではなく、確かに(・・・)こいつはそういった。キャス孤は妖狐として殺された。だから誰も彼女が神様が人間の姿で地上に降りたものだということを知っているものはいないはずなのに。それなのにこいつはこの藻女のことを神様と呼んだ。

 

 そう言うそいつの顔は何かに取りつかれたかのようにどす黒い何かで染まっていた。そして何かを周りに置いた後、呪文を唱えだした。

 

「オンバサラカマキリキリソワカ」

 

 すると、この体は石に包まれ周囲の草木は死滅した。

 

 

「せめて、呪いとしてこの世界に楔の役割を果たしてくれよ。生きている間は対して我らの役に立たなかったんだからな。ハッハッハ!!!」

 

 

 そこで俺の意識はこの体から引きはがされた。

 

 

 

 

 ………………目が覚めた。

みんなで雑魚寝している部屋の壁に掛けられてる時計によると今は深夜1時55分のようだ。

 

「なんだろ今の・・・。」

 

 俺が知っているキャス狐の真名と言われる玉藻の前は死後殺生石となって厄災を周囲にふりまいたらしい。

 だが、EXTRAで書かれていた彼女の過去にはそんなことをしそうな素振りは全くなかった。というか、彼女のあの感じからしてそんなことするような性格じゃないと思う。自らの死後も自分があこがれた”人”に災厄を振るう、まるで荒御霊のようなことはしないと思っていた。

 しかし、そんなことを思えど実際に伝承では玉藻の前は殺生石となってのちの世に災いを振りまいたと言われている。

 

 だが、もしだ。もし、さっき見た夢の中での光景が本当だったとしたら・・・

 

 

 あの伝承は誰かによって作られた(・・・・・・・・・・)現象の結果となる。

 

 

「・・・・顔洗って来よう・・・。」

 

 考えても答えは見つからないし、なんかスッキリしたかったからトイレで顔を洗うことにした。

 

 

 ドガーン!!

 

 

 トイレで顔を洗ってたら大きな音がした。

 

 

「え!?」

 

 

 慌ててトイレから駈け出すと窓の外には大きな青い龍と白い虎が光で書かれた5×5のマス目上で黒い巨大竜と向かい合っていた。

 そして、その下には多くの人達が各々自分の力を使って人型の狼と戦っていた。

 

「人型の狼?そんなモンスター仮面ライダー(ブレイド)に出てくるウルフアンデットにやられた人がなるやつか、黒ウィズに出てくる魔狼しか知らないけど、そのどっちでもない。あれはいったい何なんだ?」

 

 俺はとにかく、他の寝ている女子たちにもこのことを伝えるために慌ててみんなで雑魚寝してる部屋に走り出した。

 

 

 部屋に走りこもうとしたら部屋の方から多くの喘ぎ声が聞こえた。

 

「え?このタイミングで病気とか何か!?もしそうなら宝具使わないと・・・。」

 

 って思いながら駆け込むとそこには信じたくない光景が広がっていた。

 

 俺が下で戦っているのを見た人型の狼が女子部屋の中にいる女子たちを襲っていた。

 もしそれが一人だけなら多分この部屋に居る戦える力を持った人たちで対処できたんだろうけど、襲撃してきたのは一人だけではなく、十人ほどいたということがこの状況の原因だった。

 

 こっそり部屋の入り口で身を隠して部屋の中を覗いて確認すると、目の焦点があってない人や精神崩壊したらしく、ぶつぶつ言いながらどこか虚空を見つめている人が全員裸でそこらかしこに転がされていた。

 

「・・・・(見える範囲にはこの部屋に居た人数の半分位しかいない。というか、あそこのあたりになんか空間があるけど、視認できないようになってる。あそこに逃げ込めれば助かるかも・・・。)」

 

 そう思った俺はそちらの方に駈け出そうとした瞬間だった。

 

 ドゴッ!

 

 頭の後ろの方から鈍い音が響き、俺はその場に倒れこんだ。

 

「クックック。ここにも上玉が居たか・・・。さて、こいつの精神はさっきの奴らと比べてどこまで持つかな?」

 

 そう言うと、そいつは俺の顔を自らの方に向けた。そこに居たのは部屋の中で今やりたい放題しているあの人型の狼と似た狼人間がいた。

 

 そいつは俺の上の服を引きちぎると、片手で俺の胸をもみながら俺の口に自分の息子をねじ込もうとしだした。サーヴァントの力を使えば力比べでは対抗できるのかもしれないけど、変化していたからか全く力が入らなかった。

 

 

 

「(男なのに男に侵されるとか絶対に嫌だ!!)」

 

 俺は必死に手を使って顔から引きはがしたりして抵抗していたが、そいつはその抵抗にいらだったらしく俺の首を絞めて無理やり口を開けさせようとしてきた。

 

「クッ・・・・」

 

 俺はあまりの苦しさに口を開けそうになったけど、耐えていた。だけど目の前が酸欠のせいでどんどん真っ暗になってきて・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・最終的に気絶した。

 

 

 

 だけど、それは俺にとっては幸運であり、俺を犯そうとしているそいつにとっては自分で死ぬ運命に首をつっこんっだことをしめす始まりの合図だった。

 

 

 

 

「わたしのご主人様(マスター)に何してくれるんですかこの畜生が!!」

 

 

 

 俺が気絶したその瞬間、彼女(・・)が俺の体の主導権を握ったからだ。

 

 

 次の瞬間そいつは下腹部から破裂して周囲に血と臓物をまき散らした。

 

 そいつがさっきまで立っていた場所には右手を血まみれにし、左手で胸を隠している雰囲気を先ほどまでとは一変させたピンク髪(・・・・)でキツネ耳を頭から生やし、そして九本のしっぽが後ろで揺れている少女がいた。

 

 

「さて、上の服をここまでびりびりにされてしまったらこの服を着るわけにはいきませんね~。それにこれから戦闘と言うことは礼装に着替えたほうがよさそうです。」

 

 そう言うと、彼女の姿は一瞬で黒いフリルがいっぱいついたドレスのような服を纏い、同色のニーソックスにハイヒールを履いたものに変わった。そう、EXTRAに出てくるキャス狐のあの黒い礼装である。

 

 

「さて、私もご主人様(マスター)の安全を守るためにも戦いましょうか・・・って性能がピーキーどころかチート級に!?」

 

 彼女は一人驚きながら、部屋に入って行き

 

「さて、女性の敵は全員眠ってもらいましょうか。」

 

 そう言いながら懐から札を出すと、それを今もなお女子たちを襲っている狼たちに向けて飛ばした。

 

 すると札に触れた所から狼たちは凍り、燃え、そして生命活動を停止どころかこの世からその存在を抹消させた。

 その後、彼女はどこからか鏡を召喚し、宝具を使ってその場にいた女子たち全員を回復させたところで廊下の方からドタドタと走ってくる音がした。

 

「また敵ですか・・・。まぁ、ご主人様(マスター)を守るためなら何でもないですけれども。」

 

 そう言いながら彼女が部屋の中で札を持ちながら構えた瞬間……

 

「おい!無事か!?」

「さっきここからまぶしい光があふれてたんだがぁ!?」

 

 そう言いながら二つの何かが転がり込んできた。

 一つは全体的に黒い装甲に身を包み、顔のあるところにはハート形の赤い宝石が埋まっているもの。もう一つは赤い下地二ところどころ銀色の装甲を身にまとい、腕には龍の頭を模した籠手を着けているものだった。

 転がり込みながら聞こえた声からするとこの二つは男性がなんらかの装甲を身にまとっているようだ。と彼女は推測した。

 

「何もありませんよ。というか、お帰り下さい。」

 

「お前ほんとにタマモか?なんか全然違う存在に思えるんだけど。」

 

ご主人様(マスター)でもないあなたがその名で私を呼ばないで下さい!!」

 

「おい、榊原。少し下がってろ。ひとつ聞きたい。お前は英霊か?」

 

「何を言いますか。私は反英霊となってしまった女の子です。つまらないことを聞くなら氷漬けにしますよ?」

 

「いや、確認はとれた。アマテラス様の分霊でもあるあなた様にお伝えする。その体はおれの友人のものが変わってしまったものです。だからその体をあいつに返していただけますか?」

 

「いえいえ、返すも何もこの体は私の体でもあると同時に私のご主人様(マスター)の体でもありますよ?」

 

「は!?」

 

 その後、相川と榊原は少女から説明を受けた。

 

 いわく、彼女がこちらの世界に召喚されたときすでに玉藻はバス事故のせいで今死んでもおかしくない位、死に掛けていたということ。

 そのため彼女の宝具を使って回復させようとしたところなぜか霊体であるキャス孤と玉藻が融合してしまった。

 そしてその結果、玉藻の体の中で無意識としてキャス狐の人格は存在し、体は生きるためにキャス狐のものになったというのが玉藻がキャス狐化したとことの全てだった。

 

 因みに女体化してしまってはご主人様(マスター)が困るだろうと無意識からトイレとかガールズトークなどの様々な場面でキャス狐がフォローしていたらしい。

 

「だから、急にあいつ女体化したにしては妙に落ち着いてたのか。何か変だなとは思ったんだよ。」

 

「俺はてっきりあいつに女体化願望があったのかと思ってたけど違ったんだな。」

 

 相川は昨日再開したときから思っていた謎が解消したと一人で納得し、榊原はとんちんかんなことを言っていた。

 

「そろそろご主人様(マスター)が起きちゃいますね。それでは失礼します。あ、それとご主人様(マスター)に変なことをしたら去勢しますよ?」

 

「「しねーよ!!!」」

 

「それではまた。」

 

 そう言うと、一瞬少女の体から力が抜け、次の瞬間着ていた礼装が光になって消え、生まれたままの姿でその場に少女はへたり込んだ。

 

「「裸って・・・はぁ~!?」」

 

 慌てて相川が変身を解きつつ近づいて

 

「タマモ!おいタマモ!!」

 

 がっくがっく揺さぶると

 

「ん?あれ、俺・・・。なんで裸なうえに女の子座り?」

 

 目を開けた少女は彼らが良く知るものに戻っていた。

 

「細かいところはあとで考えて今は服着ろ!な!」

 

「あ、あぁ・・・。」

 

「ところであそこにいる生存者たちはどうする?もう侵入してたやつらは殲滅したって伝える?」

 

「その方が良いだろ。ってタマモお前その服。」

 

「ん~、あのピンクの部屋着が破損ってなってて着れなかったんだよ。まぁ、最後の記憶のときに思いっきり引きちぎられてたからそんな表示が出ても仕方がないとは思うけど。」

 

「だからってその有名な青の礼装着るかふつう!!」

 

「だって他の色物だし。それならまだこれかなぁって。」

 

「黒いのがあるだろ!」

 

「なんか使用不可ってなってた。なんでだろうな?」

 

「(多分キャス狐が着たせいか・・・)まぁ良い。とにかくあっち行くぞ。」

 

「ほいほい。」

 

「榊原どうだ?」

 

 相川がなぜか先に向かってた俺が飛び込もうとした場所に向かった榊原に尋ねると榊原は首を横に振った。

 

「え・・・?」

 

「そこ、生存者ゼロなのか?」

 

「あぁ、しかも犯人は例のレズだ。あいつ右手だけ器用に狼化させてやがる。」

 

「死んでるのか?」

 

「あぁ、光に焼かれたみたいな感じの焦げ方だな。」

 

「そういえば他の所も同じような状況なのか?」

 

「あぁ、タマモ。これからいうのはがちな話だ。」

 

「(ゴクッ)わかった。」

 

 俺は相川の剣幕に少し恐れながらうなずいた。

 

「まず、ここに居る能力者の大半がさっきの戦闘で死んだ。」

 

「ウソだろ!」

 

「まじだ。狼野郎の連携攻撃でベルトが俺みたいに腰に現れるタイプじゃなかった奴らはベルトを引きはがされてそのまま、そして俺みたいにベルトが現れる奴も連戦の末倒された。」

 

「運よく、俺も相川もコンビで動いてたから助かったようなもんだ。」

 

「続けるぞ。他の能力者もちも一部はキャラになって転生みたいな状況になったんだが、ほとんど襲われて死んだ。」

 

「お前みたいに女体化した奴もいるから後で会っとけよ。」

 

「うっせぇ、だまれ榊原。」

 

「はいはい。」

 

「そういえば役員の人は?」

 

「会長以外は全滅だ。それ以前に会計がこの襲撃の首謀者だった。」

 

「会計って行方不明になってた人だよな。なんでいきなり。」

 

「あいつの能力は”人狼ゲーム”だと言えば分るか?」

 

「ウソだろ?それも能力に含まれるのかよ!」

 

「残念ながらほんとだ。」

 

 

 人狼ゲームはほとんどの人が知っていると思うが、相川の説明によると会計のやっていた人狼ゲームにはいくつかエクストラクラスが入っていたらしく、

 

 人狼

 騎士

 村人

 呪術師

 魔法使い

 傀儡

 

 の計六種類だったらしい。

 

………らしいという理由は会計が持ってたスマホは何故か一部データが欠損していて他にも何個かクラスがあるのは解るけれどもその名前と中身が文字化けしていて読めなかったからだそうだ。

 

 

 そして、会計が持っていたスマホには俺の名前が呪術師のところに登録してあり、傀儡の所には音羽さんの名前を含めた数十名の名前があったそうだ。

 相川達は戦える能力持ちの名前は騎士の所に名前が書いてあったそうだ。

 

 結局俺は精神的負担がでかかったんだろうということで相川に下に一緒に下りさせられ、榊原が後は探すことになった。

 

 

「おら、おぶったるから乗れよ。」

 

「いや、良いよそんなの。」

 

「んなこと言ったってふらふらじゃねぇかよ。ほらっ」

 

「ちょっ‼待てよ‼Σ(゜Д゜)」

 

 俺はいきなり相川にお姫様だっこされてそのまま下に降りるはめになった……ハズカシイ……。

 だけど、体は正直で俺はそのまま眠ってしまった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やっぱあのことを伝えなきゃなんねぇのかなぁ……。」

 

俺は腕のなかですやすや寝てるタマモを見ながらそう思った。

 

タマモから受けた説明の内容は一応榊原と俺だけしか知らないようにしてる。

でも、張本人が知らないというのはやはりどうなんだろうか……。

 

迷いながらも俺は東上先輩が居るグラウンドの方に歩き出した。




今日はクリスマスイブだからリア充はイチャコラするんだろうなぁ……。
とりあえずツリーの画像張っときます。

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