キャス狐になってこの世界を生き延びる。   作:先詠む人

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 ほんとうにすみませんでした!!!m(__)m(土下座)

 別作品の方に力を注いでいて書き始めたのが遅かったのが投稿が2か月ぶりになった理由です。

 今回はちょっとR18の壁を越えてないと信じたいんですが、お風呂が出てくるので少し過激かもしれません。

 それではどうぞ。


三日目 頭が追いつかなくなる日曜日

「あ!ちょっ!!やめて!!」

 

「よいではないか~よいではないか~。」

 

「ア!ァアン!!」

 

「私よりも大きな胸を持ってるとか羨ましいんじゃ~!!」

 

「あんたももともと男だr…ってそこダメェェェ!」

 

 その時お風呂場には三人の女性がいた。

 

 一人は、金色に輝く髪を持つ碧眼の女性。

 

 一人は、銀色の髪を持ち茶色の瞳をした女性。

 

 そして最後は先の二人に現在進行形でもみくちゃにされて悶えるように体をくねらせている桃色の髪に狐の耳やしっぽが目立つ女性…………俺だった。

 

 現在進行形でみっともない喘ぎ声を出しているのは………俺だった。

 

 そして鏡の前で目をとろけさせてだらしない姿をさらしているのは……………俺だった。

 

(なんでこんなことに……)

 

 ひとしきり俺をいじって気を失いそうになる様子を見て二人は満足したらしく、今度は自分たち自身をお互いに嬌声をあげながらいじり始めた。

 

 そんな中お風呂場の床の上に放置され、胸や敏感なところ(尻尾とか)をいじられ続けたせいでまともに思考が働かない中、俺は数時間前のことを思い出していた……時折痙攣しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 ~数時間前~

 

「え~っと、西条が精神的にふさぎ込んでしまったのでここからは一時的に俺が指揮を執ります。ただ、まず最初にお前ら全員に相談しなきゃいけないことがある。」

 

 西条先輩が狂ったように泣き叫んだあとそのままぶっ倒れてしまい、そんな状態の西条先輩を東条先輩が修道服を着ている子の前に運んで二、三言話した後に部室棟の前に生存している全員を集めてそう言った。

 

「すみません。発言良いですか?」

 

 東条先輩がそう言うと、誰かが手を挙げた。あれは………赤セイバー?

 

「お前は……え~っと赤崎か。お前TSした上に姿まで変わってんだから先に自分の名前言えよな。」

 

「あ、すみません。剣道部2回生の赤崎です。この姿は自分がしていたFate/Grand Orderに出てくるキャラで、さっきの戦闘中に後ろから人狼に刺されて意識を失って目を覚ましたらパートナーだったネロのこの姿に変わってました。それで自分が質問したいのは二つです。」

 

「言ってみろ。」

 

「一つ目は西条先輩が大丈夫なのかってことです。」

 

「…………あ~、あいつは今完全に自分の殻の中に閉じこもっちまってる。だから当分使いもんにならんよ。それで二つ目は?」

 

「その後ろの方で銃を構えている人たちは何者ですか?」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 俺達はその赤崎の言葉に驚いた。俺もその言葉を聞いてすぐに周囲を見渡すと、目を凝らして探さないと見つけれないレベルの隠ぺいを自分たちに施している6人ぐらいのゴーグルとガスマスクをつけた覆面をかぶり、銃を持った集団がいた。

 

「全員構えろ!!」

 

「「「「「変身!!」」」」」

 

<シャバドゥビタッチヘンシーン!ヒーヒーヒーヒーヒー!!!><<Hen-Sin>>

 

「ッ!!」

 

 東条先輩のその言葉とともに俺は空中に精霊符(カード)を浮かべ、仮面ライダーに変身する能力を得た人たちは仮面ライダーへと変身した。

 そして、他の能力を持った人たちも一部は能力を持ってない人をかばうように立ち、一部は各々の武器を集団に向けて構えた。連装砲ちゃんたちは能力を持ってない人たちを囲うように円運動を描き始めていた。

 

 すると、

 

「待って待って!!私たちは敵じゃないわ!!」

 

 そう言いながら紫色の髪のセーラー服を着た幼女が被っている帽子を必死に抑えつつ謎集団の後ろの方からいきなり…………ってあの子どこかで見たことがある気が……。

 

「え!暁!?私みたいに?!!」

 

 俺がその幼女を見て(どこで見たんだったけなぁ~)と考えていたら大島さんが指を指しながらそう言った。

 

「え!?島風がいるの!?」

 

 すると、飛び出してきた幼女も大島さんの方を指差して固まった。

 

 あ、そっか…。艦これか。

 

 大島さんの言葉を聞いて俺はにわか知識を思い出した。

 今さっき謎の集団をかばうように飛び出してきた幼女の姿はもともとはブラウザゲームだったのに最近アプリ版での配信が始まった”艦隊これくしょん”というゲームのキャラクターの一人だった。

 

 その姿の名前は暁。

 

 第六駆逐隊と呼ばれる駆逐艦姉妹の長女でレディを自称する女の子だ。その妹には響、雷、電の3人がいる。

 

 ただ、レディを自称する割には幼子っぽさが抜けきらないので背伸びをしている女の子という印象が前に知り合いから薦められて調べたときの俺には強かった。

 

「ここの代表者を呼んでくれないかしら?あなたたちをこの場所から脱出させたいから。」

 

 大島さんの姿(島風)を見て動揺した様子だった暁はすぐに落ち着きなおして代表者を呼んだ。だけど、それって……………

 

 

 

「すげーうさんくさくね?」

 

「うん。それは言えてるから今はタマモは黙ってろ。」

 

 

 俺が思ったことをつい漏らすと、俺の横で醒弓カリスラウザーを構えていた相川がそう突っ込んだ。

 

「俺が代表代行だ。本当の代表者は今ちょっと動けなくなっててな。」

 

 俺達が小さい声でこそこそ喋っていると、東条先輩がスマホを右手に持って左手を光らせながら前に出て来た。それを見て暁は

 

「あらそうなの?だったら代行さんでもいいわ。今すぐにここから脱出してくれないかしら。(アシ)は用意してあるから…………と言っても数台使わないことになりそうだけど。」

 

 そう言った。それを聞いて東条先輩は

 

「少し待ってくれ。こちらで少し相談したい。」

 

 そう言ってから俺や、相川。それに加えて数人の肩をたたいて自分と一緒に後ろへと下がらせた。

 

 

 

「先輩、どうして俺らまで下がらせたんですか?もしこの間にあいつらが銃撃ちだしたらみんなを守れなくなりますよ?」

 

 全員が後ろの方へと下がった後、相川がそう言って口火を切った。

 

「わかってる。だけど今この訳わかんねぇ状態で自分をしっかり持って落ち着いているのはお前ら位だったんだよ。だからこっちに呼んだんだ。それと銃弾に関しては重鎧をまとった二人組がいるからそいつらの自由に任せてる。」

 

「カブトに変身してるボクシング部の天道浩司とガタックに変身してる野球部の鏡幸助ですか。あいつらなら大丈夫って言いたいですけど、天道の方が少し心配なんですが……。」

 

「まぁ、大丈夫だろ。それよりもだ。この話乗るか?それとも蹴るか?」

 

 少しの間、相川と舌戦を繰り広げた東条先輩はそう言って俺らに意見を求めた。

 

「俺は、蹴った方が良いと思いますね。」

 

 そう言ったのは能力が無いと本人は言っている造さんだった。

 

「あんな怪しい集団について行ってもし罠だったりしたら俺たちみんな実験体か何かにされるかもしれませんよ。ただでさえ、こうなった原因がわからないのにこれ以上問題を抱えたくないです。」

 

 そう言葉を続けた造さんに対して

 

「私は乗った方が良いと思います。」 

 

 と、名前を知らない女子が言った。

 

「私はさっきの大事の後に残されてる備蓄を確認しに行ったらもう奴らに食い荒らされて残ってなかったんですよ。だからこれ以上ここに居ても未来はないです。このままだと餓死してしまいます。」

 

 そうその女子は自分の発言を締めた。

 

「相川。お前はどうだ?」

 

 東条先輩は相川に聞いた。

 

「俺は……乗った方が良いと思います。さっきの話を聞いて思ったんすけど、備蓄が無いのならこのままここにいる必要って無いんで…。」

 

「そうか、そんじゃ最後。タマモちゃん。お前はどうよ?」

 

 相川は乗った方が良いと判断したらしい。俺は……

 

「俺は……。乗った方が良いと思います。俺、一昨日学校にたどり着くまでにトンネルを通ってきたんですけど、トンネルの中は横転したバスとかで地獄絵図が広がってました。それを通り抜けて助けに来たってことは信用に値するんじゃないかな………って。」

 

 俺は一昨日すべてが始まったあのトンネルの中を思い出しながらそう告げた。

 

「1対3か……よし、まとまったな!!」

 

 そう言うと、東条先輩は暁の方へと歩き出した。

 

「遅いわよ!レディを待たせるなんて最低ね!」

 

 暁は歩いてくる東条先輩を見てかなり失礼なことを言った。

 

「生憎とこっちも手を指し延ばされて『はい、お願いします。』って言えるような状況じゃなかったんでね。それでまとまったよ。」

 

「どうするの?」

 

「そっちの提案に乗らせてもらう。車はどこだ?」

 

「あっちよ。ついてきて。」

 

 東条先輩が話し合って出た結論を伝えると、暁は東条先輩を連れて駐車場の方へと歩き出した。それに従うように覆面集団も移動し始める。

 

「そう言えば、東条先輩だけ行かしてよかったのか?」

 

 東条先輩の姿が視界から消えそうな位になってから誰かがそう言った。

 

「「「「「「「「「あ」」」」」」」」」」

 

 その言葉に俺たちはみんな同じ反応を洩らした。

 

「お前らちゃんとついて来いよぉーーーーー!!」

 

 みんなして同じ反応をして慌てていると、東条先輩が向こうから大きな声をあげていた。

 

「「「「「「「「「「「「「「…………。」」」」」」」」」」」」」」」

 

「やばいやばい!!」

 

「置いてかれるから急いで荷物置いてるやつはまとめろよ!」

 

「おい、そこ俺のカバン踏んでる!!!」

 

「お前ちょっとそこどけ!」

 

 次の瞬間、全員が一気に動き出したせいでその場はてんやわんやになった。

 俺はキャス狐になったときに荷物類総てがどこかに行ってしまったせいで身の着のままだったからそれに参加する必要性はなく、その狂乱をあほらしと思いながら遠くから木に寄りかかって眺めていた。

 

 そんな時だった。

 

「ねえ。お姉ちゃんはこの世界に希望があるって信じる?」

 

 後ろからそんな幼い少女の声が聞こえた。急に聞こえたことに驚いて固まる俺を無視してその声は続けた。

 

「私はね?この世界には希望はあるけどそれを人間はつかめないって思うんだ。」

 

 俺はゆっくりと木の向かい側を振り返った。するとそこにいたのは…

 

「だからね。そんな人間って死んでもいいよね?」

 

 無邪気な顔で、ただし本来目がある場所には見る者すべてが吸い込まれそうな闇を埋め込んでこちらを見て笑う少女だった。

 

「ッツ!!」

 

 こいつはここに居てはいけない存在だ。そう思った俺は反射的に後ろへと飛び下がりながら精霊符(カード)を展開して異界の扉を開いた。

 

「あれ?お姉ちゃんイレギュラーなの?おかしいな。その姿h「消えろぉーーーー!!!」」

 

 俺は渾身の魔力を込めて攻撃を繰り出し、それは少女に直撃した。

 

「ハァ………ハァ…………」

 

 渾身の魔力を込めて、しかも一時的に記憶が跳んで以来発生している謎の疲労が抜けきってない状態だったせいで俺は今にも倒れそうになっていた。だけど、

 

「なんで、お姉ちゃんは未知の魔術を使ってるの?()()って本来のあなたのものじゃないでしょ?」

 

「そんな……」

 

 少女は健在だった。俺がの全力を込めた攻撃だったというのにその少女にはスス一つもついていなかった。

 

「お姉ちゃんが本来の力を使えば使うほどその魂も近づくのにどうして?………どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?」

 

「あ…ああ……ああああ!!」

 

 壊れたレコードのようにそう言いながらどんどん迫ってくる少女への恐怖で、俺は腰を抜かして女の子座りでへたり込み、動けなくなってしまった。そのときだった。

 

「どうした!さっきこっちででかい音したぞ!!ってタマモお前どうした!!!顔真っ青だぞ!!!!」

 

 こっちに榊原が走ってきた。

 

「あ、榊原…。」

 

 反射的に声のする方を見てしまったが迫ってきているのを思い出して慌てて前を向きなおすと、

 

「……いない?」

 

 その少女は最初からそこにいなかったかのように消え失せていた。

 

「ほら、全員準備できたから早くバス行こうぜ…ってお前腰抜けてんじゃん。今朝のあれの恐怖が今ぶり返したのか?」

 

 そう言うと、榊原は俺を抱き上げた。俗にいうお姫様抱っこって奴だ。

 

「ちょっ!自分で歩くから下ろせって!!」

 

 男なのに同じ男にお姫様抱っこをされるとか恥ずかしすぎる!!

 

 そう思って俺は足をばたつかせたが、

 

「そんなことしてたら下着見えるぞ?」

 

 と、言われておとなしくせざるを得なくなった。流石に下着を見られるのはお姫様抱っこよりも恥ずかしすぎる……。

 

 

 

 結局、榊原は暁が言っていたアシであるバスが止まっている駐車場まで俺を下ろしてくれなかった。

 

「ほら、そろそろ大丈夫だろ?下ろしてやっから自分でこっから行けよ。」

 

「そんなのお前が勝手にお姫様抱っこしたからそうなっただけじゃねぇか!」

 

「うっせ。ほら行こうぜ。みんな待ってる。」

 

「ったく。しゃ~ね~な。」

 

 俺は榊原に文句を言うのをあきらめて榊原に後ろから押されつつバスのタラップを踏んで乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 特異点(イレギュラー)を乗せたバスがこの結界から出ていく。

 

 本来目がある場所を底なしの闇で埋めている少女が駐車場の近くにある棟の屋上からそれを見ていた。

 

「あの子は一体何者なんでしょうね?ウフフ……あの子が絶望する顔が楽しみだわ。さて、今日は誰をどこに向かわせようかしら。」

 

 少女は自分がしている妄想からくる愉悦に浸りながらそう言うと、その場でターンした。

 

 その刹那一陣の風が吹き、吹きやんだ時少女はその場からいなくなっていた。

 

 

 

 

「あなたたちをこれから私たちの本部がある梅田の方に移送します。」

 

 全員がバスに乗ってからしばらく経った頃、あるものは疲れから寝てしまい、またあるものは虚空を見つめている中で暁はバスの前にお立ち台を自分で作ってマイクを使ってそう言った。

 

「ライフラインが生きてますからお湯が出るお風呂もありますので、女の子から入ってもらっていいですよ?あ。ただし、TSした人はこちらで把握している人以外は自己申告で良いので手をあげてください。」

 

 暁がそう続けると、数人の手が上がった。

 俺は、上げようとしたら俺の横に座っていた赤崎に腕を抑えられて腕をあげられなかった。

 

 相手が赤崎ではなかったら無理やり手をあげることができたのかもしれなかったが、赤崎はネロ・クラウディスというサーバントになっていたのが原因で俺を力づくで抑え込むことに成功していた。

 

「はい確認しました。そこで力比べしてる二人はもう代行さんから聞いてるからいいですが女の子から男の子へTSした人もいるみたいですね。だったら、女の子が入った後にTSで今女の子の人が入ってください。男子は一番最後で女の子からTSした人がその前ね!」

 

 結局、俺は手をあげなくてもTS扱いだったらしい。って、そこの女子バスケの人俺を憐れむ目で見ないで。悲しくなるから。

 

 

 

 その後、俺の始まりの場所となったトンネルへとバスは入り、そのまま何もなく通り過ぎた。

 

「え…車とか全部撤去されてる。」

 

「あ、そう言えばお前ここで目ぇ醒ましたんだっけ?」

 

「あぁ。あん時は地獄絵図が広がってたのにここまで元通りになってるとか……反射で写ってるこの姿でさえなければ勘違いしてたかもしれないな………。」

 

 光の反射で質の悪い鏡と化している窓ガラス越しに見たトンネルは、目覚めた時地獄絵図と化していたにもかかわらずこの異常事態が始まる前と全く変わらない姿をしていた。

 

 そのままバスはトンネルを通り抜け、俺たちは一部崩壊したビルが見える梅田へとたどり着いた。

 

「ちょっと衝撃があるけど注意してね。」

 

「え?」

 

 阪急梅田駅が一部崩壊してるのを窓ガラス越しに呆然と見ていた俺が暁のマイク越しのその言葉で前を向くと、バスのフロントガラス一杯に真っ暗な闇が広がっていた。

 

「「「「「「「うわぁーーーーー!!!!!!」」」」」」」」

 

 真っ暗闇の中にバスが突っ込んだと思った瞬間、バスが下に落ちているかのような強烈な上方向への引力が発生してバスに乗っていたみんなが席から放り出された。

 

 叫ぶ者も多い。ただでさえ、絶叫マシンの類は苦手なものもいるのだからその結果はお察しだ。

 

 

 

 数秒の浮遊の後にバスは大きな音を立てて着地した。

 

「ガフッ!」

 

 俺は着地時の衝撃で肺の中の空気が全部吐き出されるような感覚を覚えた。俺以外のみんなも同様の症状に陥っているらしく、バスの中は死屍累々となっていた。

 

 

「着いたわ。みんな荷物持って降りてね?」

 

 あんな状況を抜けた後だというのにあっさりとした感じで暁はそう言うと、バスから降りて行った。

 

「あの子メンタル強すぎだろ……ウプッ」

 

「てか、慣れてるだけじゃね?コホッ」

 

「というか、サーヴァントの体を持ったお前らまでダウンすんのに普通の俺らが耐えれるわけねぇって…オェ」

 

 それでもバスの中の死に掛け達(俺達)は動くことはできなかった。元男子で現女子(サーヴァント)の俺でも吐き気が止まらない程の苦しみを味わっていたのだから他の連中はもっとひどかった。

 

「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」

 

 女子(元含む)たちも全滅だった。というか、ほとんどが気を失っていた。

 

 

 

 

 十数分後、俺たちが出てこないのを心配した暁の仲間だという人に俺たちはバスの外に運び出された。

 

 そして、女子が風呂に入って騒いでいるのをしり目にTS(男→女)組3人は会議室のようなところに連れて行かれて女の子の体の洗い方とかをなぜかレクチャーされた。

 

 まぁ、今の俺みたいに長い髪の洗い方や乾かし方を教えてくれたのはもし今後戻れなかった場合を考えるとありがたかったがなんで女性の大事なところについてのレクチャーもされなきゃならんかったのか……。

 

 そのレクチャーの途中で女子たちが風呂から上がったらしく、カルデア戦闘服を着たスカサハ(師匠)が俺達を呼びに来た……………って師匠俺たちの中に居たっけ?

 

 考えている間に赤崎がここの人か尋ねていた。返事はNoだった。どうやら、初日にこの施設にたどり着いた一般の人らしい。

 

 それを聞いた後、暁先導の元で俺たちは風呂場に向かった。

 

 風呂に入るには服を脱がなきゃなんない。俺はそこで躊躇していた。だって、女の人の裸体とか見たことないし彼女いない歴=年齢の男だったのに急に美少女になっちゃったらねぇ……。

 

 お風呂って言う日常感あふれるものを傍にして冷静に考えたらすごいことだった。

 

 俺がそうやってまごついている間に赤崎たちは躊躇なく服を脱いで風呂に入って行った。

 

 結局、

 

「女は度胸!!!」

 

 と、一気に服を脱いでタオルを巻き、銭湯のような扉を開いて風呂場に入った俺が見たのは

 

「やばい!きもちぃぃぃぃ!!!余は気持ちいぃぞぉぉぉぉ!!」

 

 名前は知らないけれど、俺と同様にTSして女性キャラになった奴に大事なところをいじられて正気を失ったような目でそう叫ぶ赤崎の姿だった。

 

「………やっぱ今は止めとこ。」

 

 そう振り返って脱衣場に戻ろうとした俺だったが

 

「………逃がしてくれね?後生だから。」

 

 そうは問屋が卸してくれなかった。

 

「や~だ。」「余と一緒に気持ちよくなろうぞ!」

 

 後ろから先ほどまでいじりいじられの関係だった二人に二人がかりで肩を抑えられ、そのまま洗い場の中央付近まで引きずられてタオルを一気にはがされたのちに体中をいじられ冒頭に至った。

 

「女子の体ってヤバイ………」

 

 そう言ったのを最後に認識したのちに俺の意識はそこで途切れた。

 

 

「う……うん?」

 

 気が付いたら医務室で、すぐ横で赤崎ともう一人が暁と黒いコートを着た知らない男に怒られていた。

 

「だ……れ?」

 

 未だにぼーっとする頭でそうつぶやくと、俺が起きたことに気付いた男がこっちに近づいてきて

 

「日本政府直属、ESCS(エスカス)代表の向井恭二だ。」

 

 そう自分の名を告げた。




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