2138年…中東某国内
「‥こちら、ファントム1…どうぞ」
「ザザッ‥ファントム2オールクリア‥どうぞ」
「取り敢えず全員は撤退完了したの?」
「隊長!後は隊長だけです。」
「そう…よかったわ」
「じゃあ、宿営地まで撤退ね」
「了解」
「…あっ!隊長…確か今日じゃなかったですか?最終日って?」
「そうね、さっさと終わらせて、挨拶に行かなきゃ」
数年前…私は、この地に派遣されてきた
ここ1~2年は動向も落ち着いてきていたので
本部の方も派遣兵士の息抜きでお遊びも許可が出ていたので
私は入隊当初からプレイしていた
DMMO-RPG ユグドラシルに半年前に復帰していた。
「こんにちは、モモンガさん」
「こんにちは、ファントムさん」
私が挨拶をしたのは、所属するギルド[アインズ・ウール・ゴウン]のギルマスである
このギルドの加入条件は、異形種であり、尚且つ社会人であり
メンバーの半数以上の賛成がいるという隠し条件まであるギルドだった。
「お疲れ様です。ファントムさん」
「お疲れ様です。モモンガさん」
私の種族は[ゴースト]…所謂 おばけ
まあ今ではスクスク育ってそれなりな姿形(人型)になってるが
ゲーム開始当初は、単なる人魂でフィールドをプカプカ浮きながらのプレイであった。
でも、私は、その浮遊感が堪らなく好きだった。
そう降下訓練でパラシュートが開いた瞬間の逆Gがかかり身体が浮くかのような感覚と似ていたから。
「はい!今日のノルマ分ね」
「あ・有難うございす。いつもすいません」
「いいってことですよ。モモンガさん」
海外派遣を機に、私はこのゲームを引退していたが、福利厚生という名の恩恵で
総司令部がサーバーを組み解放していたのだ。
軍事ネットワークを経由するので安全対策は最高級の暗号化がされてるので心配無用
「いや~、いきなりの復帰で驚きましたよ。海外支店に転勤で帰ってこれないかもって、仰ってたんで。」
「う~ん、なんかそうほん・・・」
「そうほん?」
「コホン! 総本社が福利厚生に目覚めて、サーバー開放してくれたんですよ。ハハハ」
「凄く羨ましい会社ですね。」
ギルメンには、私の本職は内緒だったりする。 でも何人かには気付かれてたとは言うものの。
「あ~あと半年かぁ。」
「そうですね、最終日には、また全員で集まってワイガヤしたいですね。」
私の感傷を含んだ言葉に、モモンガさんは、笑顔アイコンをピコピコさせながら答えてくれた。
「えーと、最終日が近くなったら、ギルメンの皆にメールとかして声を掛けるつもりです。」
モモンガさんは、私が復帰するまでの数年間 一人で、《アインズ・ウール・ゴウン》のギルドホームである、この《ナザリック地下大墳墓》を維持してくれてた。
「ファントムさん、この後はどうされるんですか?」
「う~ん?いつも通りシズと訓練ですね」
「ハハハ。ファントムさんも好きですね、サバゲー。」
私は、ここ最近ナザリックの維持費用を稼いで、その後は第6階層で
モモンガさんには、現在の環境下ではプレイ出来ないサバゲーだと思われていた。
「また、シズ用に新武装作成してきましたし」
「相変わらずの、ミリオタっぷりですね。」
ギルメンには、軍人だった父親の影響で軍事オタクであると思われていた、私。
本職なんだけどな~
「まあ、元々のシズの武装なんかは、私の趣味全開で作成して貰えましたからね」とウィンクしながら返事をした後、シズに≪伝言//メッセージ≫で連絡して
第6階層に転移した。