今年もよろしくお願いします
山での修業も早くも5日が経った。
修行の日数も半分が過ぎて、修業自体の厳しさは増して木場君の剣術の修行は更に早く、小猫ちゃんの格闘術は打撃が更に重くなった。
リアス部長の筋トレも立ちあがれなく程ハードだし、エクスカリバーの聞いてて精神がすり減る朗読会も拍車がかかってきた。俺とイッセーは一言も泣き寝入りをしないで自分達の修行にを頑張った。頑張ったおかげか、修業する前よりも力や体力がついてきたと思っている。
けど……力や体力に剣を扱う事が出来るようになっても、俺自身が強くなっているという実感がまるでわかないんだ。
剣を扱えるようになっても結局は木場君に負けるし、小猫ちゃんの動きが目で追えるようになっても最終的には返り討ちにあっている。
それに俺はイッセーみたいに赤龍帝の籠手なんて凄い神器を持っていない。エクスカリバーが無ければ、ただのビックリ人間でしかない。
回りくどく言うのは止めてハッキリ言おう。今の俺自身強くなったって言う実感がまるで湧かなくて、自信が無いんだ。イッセーも俺と同じように自信が湧かないみたいで、今の俺とイッセーはこのままライザーさん達との戦いでリアス部長達の足を引っ張ってしまうんじゃないかと言う気持ちが出ているんだ。
そんなモヤモヤの気持ちのまま、修業の時間は過ぎて行った。
夜、トイレに行きたくて俺は目が覚めた。
男子3人で1部屋で寝ていて、木場君とエクスカリバーは静かに寝息を立てていた。エクスカリバーははなちょうちんなんてマンガみたいな寝方をしてるけどね。
けどイッセーの姿はどこにも居なかった。イッセーもトイレにでも行ったのかな?俺は2人を起さない様に静かに部屋の扉を閉めた。
トイレを済ましてちゃんと手を洗い終えると、なんか目が覚めちゃった。
満月が綺麗に輝いている。折角だしすこし気晴らしに散歩でもしようかな。
夜の別荘はとても静か、怖いと言うよりも何だか落ち着くなぁ。
散歩をすること数分
「あら?ユウマ君?」
後ろから姫島先輩の声が聞こえてきた。
「あ、どうしたんですかッ!?」
振り向いて俺は慌てて顔を前へと向いた。姫島先輩は首を傾げている。
姫島先輩は寝る時は浴衣で寝る人だと言うのは分かったよ。それに浴衣とても似合ってるし。
俺が慌てて前を向いたのはその浴衣姿が若干はだけて大きな胸の谷間が見えてしまったから。
寝る時はブラをつけないんですね。目のやり場に困るなぁ……
「あの姫島先輩は何故起きてるんですか?」
「えぇ目が覚めてしまって、夜の散歩をと思いましたの」
姫島先輩もどうやら同じみたい。
けどそれだけ聞いた後に、何を話せばいいのか思いつかなかった。よく考えてみれば姫島先輩と2人きりになるのは初めてだった。
何か話題を作ろうと考えていると姫島先輩が
「ユウマ君、修業の方はどうですの?強くなったと思っていますか?」
正直言って聞かれたくない事を聞かれてしまった。
俺は何秒か経った後に、姫島先輩に自分の想いを語る。
「力もついた、剣術も扱えるようになった……それだけです」
「それだけ?」
「はいそれだけです……強くなったと思えないんです。俺に剣術を教えてくれた木場君、格闘術を叩き込んでくれた小猫ちゃん、2人は俺よりも強い。アーシアちゃんのような回復の力を持っていない。姫島先輩みたいに魔法を扱えるわけじゃない。リアス部長が使うような強い力、そしてイッセーの神器なんて凄いモノも俺は持っていません。エクスカリバーがなければ、俺はオカ研の中で一番弱いです。ハッキリ言って、皆の足手まといの役立たずでしかないんです」
俺は一番弱い。一番弱い俺なんか結局は足手まといでしかないんだ。そんな奴が居ても邪魔でしかないんだ。
言い切って俺は俯いていると、俺の頬がふれられた。
顔を上げてみると、姫島先輩が微笑んでいた。
「姫島先輩?」
「ユウマ君、貴方は弱くなんかありませんわ」
「何言ってるんですか?俺は弱いって今さっき」
「いいえ、自分の弱さを認める。それは中々出来ない事ですわ。時には自分の弱さを認める事が出来る人は強い人ですわ」
「弱さを認める……」
「ユウマ君は自分が弱いと分かったらそのまま何もしないのですか?」
「そんな事ないです。自分が足手まといだと言うのは分かっています。けどだからと言って何もしないわけにはいきません。俺は俺なりに強くなって、皆の役に立ってみせます」
「その調子ですわ。私も出来る限り協力しますわ」
にっこりと笑いながら姫島先輩が俺に協力してくれると言ってくれた。
嬉し恥かしさで顔が赤くなった俺は頬を掻いた。
「イッセー君もどこか思い悩んでいましたわ」
「イッセーもですか?」
「イッセー君は強くなりますわ。あの子はリアスをリアスとして見ている子、あの子だったらリアスを護ってくれるはずですわ」
イッセーの事はリアス部長をリアス部長として見ている。イッセーはリアス部長が好きなんだから。
イッセーの事を褒めた姫島先輩は
「好きな人を護る殿方、素敵ですわ。私もそんな殿方に出会ってみたいですわ」
姫島先輩がそんな事を言ったから、俺は思わず言ってしまった。
「だッだったら、俺が姫島先輩を護ります!」
「ユウマ君?」
「俺皆の中で一番弱いです。けど俺姫島先輩を護れるように頑張ります」
今自分で何を言ってるのか、正直テンパってるけどハッキリわかってる事はある。
俺は姫島先輩が好きだ。
駒王に入学して、姫島先輩を目撃してから俺は一目惚れをした。
そして今姫島先輩と同じオカ研に入っている。例え弱くても好きな人は護りたい。
出過ぎた事を言っちゃったかな……そんな事を思っていると、姫島先輩はうふふと微笑みながら
「ありがとうユウマ君、私を護ってくださいますか?」
「もッ勿論です!」
「でしたら私の事は朱乃とよんでくださいな。いつまでも姫島なんて他人行儀は嫌ですわ」
「え?えっとだったら……あッ朱乃さん……でいいでしょうか?」
好きな人を下の名前で呼ぶと言うのは嬉し恥ずかしいといった所かな。
俺が朱乃さんと呼んだのが満足だったのか、姫島先輩いや朱乃さんは微笑みながら
「うふふ、私を護れるように強くなってくださいね」
「はい頑張ります」
「でも本当はリアスのために修業してるはずなのに」
「リアス部長はイッセーが絶対護りますよ。だから俺は朱乃さんを絶対に護ります」
なんて事を話した後に、色々と雑談をした。
俺がエクスカリバーとの色々な出来事を話すと、朱乃さんは面白そうに聞いてくれた。
そして朱乃さんと話し終えて男子部屋に戻ってきた時には、もうモヤモヤは殆ど消えていた。
朱乃さんとの夜の会話を気に、俺は朱乃さんを護れるように強くなろうと切磋琢磨した。本当はリアス部長のためなんだけど、それはイッセーに任せよう。イッセーの方が適任だから。
そして修業9日目、今までの修行のおさらいとして、イッセーが木場君との模擬戦をすることになった。
結果はイッセーが赤龍帝の籠手の力で山を吹き飛ばして終了。
イッセーの神器である赤龍帝の籠手は、10秒ごとに2倍とパワーアップする事が出来るけど、修業前までは数回程度の倍加しか出来なかったのが、12回も倍加出来た。
そしていざ模擬戦開始といった所で、イッセーは米粒程度の魔力の塊を放つ。
米粒程度と言っても強力な魔力の塊には変わりなく、山を削り今に至る。
魔力の塊を避けた木場君は上位悪魔クラスの力だとそう答えた。
イッセーも今の自分に自信が無かったみたいで、これでイッセーも自信を取り戻したはず。
「次、ユウマも模擬戦をしなさい」
「俺もですか?」
「貴方もこの修業でどれだけ強くなったか、それを確かめるのよ」
リアス部長に言われて俺は木場君と模擬戦をすることにした。
木場君が俺に木刀を渡そうとした瞬間
「少し待ってもらおうか」
エクスカリバーが杖をリアス部長に向けながら待ったをかけた。
「……何かしら」
リアス部長はエクスカリバーに待ったをかけられて不満そうだ。
「ユウマが模擬戦をするのなら、私が武器となって戦うのが筋というものだ」
「何で貴方がそう言うのかしら?貴方がユウマの強さと関係は……」
「ヴぁかめ!ユウマの成長は、私の使い手としてどれほど成長したかの確認でもあるのだ!」
杖を向けられ、深い溜息をするリアス部長
俺の方を向いて
「ユウマ、仕方ないけどお願いするわ」
「分かりました。何から何まですみません」
「魔剣使いよ、お前も木刀ではなく魔剣を早く出せ。もっともそんな折れている木刀で私と戦おうなどと思うなよ」
「……言われなくともそうさせてもらうよ」
そう言った木場君の木刀は柄の方からぼっきりと折れてしまっている。さっきイッセーの模擬戦の時に折れたみたい。
木場君は大きめの魔剣を造りだしたのと同時に、エクスカリバーは聖剣の姿になった。
エクスカリバーを持って俺は改めて違和感に気づいた。
「あれ……あまり重くない」
「どういう事ユウマ?」
「いえ、あんまり聖剣になったコイツを持ったことがあまりなかったんですけど、今までは結構ずっしりと重たかったんですけど、今はそんなに重く感じないんです」
そう言いながら俺は軽くエクスカリバーを振った。
軽く振ったと思ったのに、俺の周りで大きな風圧が起こって砂塵が舞った。イッセー達は吹き飛ばされない様に踏ん張り、目にゴミが入らない様に顔を手で覆った。
「すッすいません!軽くやったと思ったのにこんな事に……」
「いえ大丈夫よ。でも、まさかユウマこの短時間でこれほど成長するなんて、聖剣の使い手という事かしら」
『当然だ。ユウマは私の使い手になった時から普通の人間ではない。今のユウマは聖人……言わば神にもっとも近い人間だ』
「へぇ~………え?」
いまなんて言ったこの聖剣は?かなりやばい事をサラッと言ってるんだけど。俺が聖人?少し強化されたビックリ人間じゃなくて、聖人だって?しかも神にもっとも近い人間だって?
「ちょっと待て、聖人と言うのが神様に近い存在って言うのは何となく分かったけど、なんでそんな大切な事を今まで黙ってたんだよ!?」
『ヴぁかめ!聞かれなかったから言わなかっただけだ。この修業でお前の聖人としての力が少しだけ開花したのだろう。今更だが瀕死のお前の怪我を治したのも聖剣のそして聖人の一種の力だ』
聞かれなかったから言わないって一種の詐欺だよね。と言うか神様に近い存在になっているなんて……イッセーとは違う意味で人間やめちゃったみたいだ。
「そろそろ始めようかしら?これ以上話ばっかじゃユウマの修行にならないわ」
「あッはい!そう言う訳でよろしく木場君」
「分かったよ浅尾君。僕も本気で行くよ」
木場君は魔剣を構えて突貫してきた。
それを俺はエクスカリバーで防いで逆に斬りかえす。
そして斬っては防いで、防いでは斬りかえすという攻防を続けた。
「すッすげえ!ユウマと木場の姿が全然見えねぇ!」
イッセーが何か叫んでいる。
全然見えないという事は、俺と木場君はかなりの速さで動いて斬り合っていたみたいだ。
でもこれじゃあ埒が明かない。こうなったら教会で使ったあの技を使ってみよう。
エクスカリバーに少しだけ力を集中させる。全力でやって木場君に何かあったら大変だ。
よし力が溜まった。
「どっせい!!」
俺はエクスカリバーを振り下ろした。
……けど全然力を入れてなかったはずなのに、かなり強力な波動がエクスカリバーから放たれている。
「なッ!?」
木場君は慌てて悪魔の羽を出して横っ飛びで避けた。紙一重で避けたみたいで大事にはなっていないみたい。
エクスカリバーから放たれた波動はそのまま森を削り、そのまま山に向かって山に直撃した。
直撃した山は吹き飛んで地形が変わってしまっていた。
余りの出来事に俺達は呆然としていた。
「ふむ、今の力ではこの程度か」
いつの間にか何時ものエクスカリバーに戻っていた。
「今までの攻撃は私は全く力を貸し与えてはいない。つまり先程までの戦いはお前だけの力だ」
エクスカリバーが俺に杖を向けながらそう言っている。今俺が放った波動は俺の力なのか
「本当に俺だけの力なのか……」
「ヴぁかめ!自分の力を信じてい無いようだな。言って置くが私が本気を出せばここら一帯を焦土に化していたぞ。流石私、聖剣と言うわけだ。エックスキャリバー♪」
エクスカリバーが自画自賛した後に行き成りタップダンスをし始めた。
エクスカリバーの行動に呆れていたけど、急に力が抜けて仰向けに倒れてしまった。
「ユウマ大丈夫か!?」
「しっかりしてください!」
「ごめんイッセー、アーシアちゃん。なんか力が一気に抜けちゃって」
イッセーとアーシアちゃんが駆け付けてくれて、イッセーは手を貸して助け起こしてくれた。アーシアちゃんも回復してくれて少しだけど気が安らいだ。
「私を使って、全力で行動できるのがたった数十秒か。まだまだ精進が必要だな」
エクスカリバーそんな事を呟いていると、リアス部長が俺に近づいてきた。
「お疲れ様ユウマ、貴方もこの修業でかなり成長したみたいね」
「はい、でも少しの時間だけで簡単にガス欠になるなんて、結局皆の足を引っ張って……」
「それは違いますわ」
俺の言いたかったことを朱乃さんは遮った。
「ユウマ君がこれほどまでに成長した。これは私達の士気も上がるというものですわ」
「朱乃の言う通りよ。今の一撃は下手したら上級悪魔をもしのぐものだったわ。ユウマそしてイッセーが居るだけで私達は心強いものよ。それに私達は仲間なんだから互いに補えばいいのだから」
……こうして俺とイッセーの模擬戦が終わった。
俺とイッセーは明らかにパワーアップしたのかが分かったけど、ライザーさん達に勝てるかどうかは分からない。
でもイッセーと俺は思った。イッセーはリアス部長を、俺は朱乃さんを絶対に護りきると。
レーティングゲームまで残り2日と迫っていた。
なんというか久しぶりに描いたから執筆能力が低下してる
調子が戻るのに時間がかかりそうです