遂にレーティングゲーム、各々準備はしてきている。
場所は夜のオカ研に集合と言うのはまぁ何時も通りかな。
何でもレーティングゲームはこことは違う別の空間で戦うと言うゲームらしい。まぁ特殊な空間でやるなら被害は無いだろうからね。
ただ俺とエクスカリバーは俺が人間(一応聖人という扱いになっている)という事で魔法陣での転移が出来ないため、グレイフィアさんに別の方法で連れて行ってくれるみたい。
「すみませんグレイフィアさん、俺なんかのためにこんなご迷惑を」
今俺とエクスカリバー、そしてグレイフィアさんは西洋のお城のような、と言うよりお城ですねこれはと言うような長い廊下を歩いている。何でもこの先に俺でも大丈夫な転移できる魔法陣があるみたい。
「いえ貴方はリアスお嬢様の大切な眷属と言っても過言ではありません。そんな貴方に何かあってはいけません」
キリッとした表情でそう言うグレイフィアさん。やっぱりこの人は出来る人って感じだな。クールそうで話し掛けにくいって感じはあるけど……
「レーティングゲームについては聞いてはいますか?」
「はいリアス部長には一通り」
レーティングゲームはチェスと同じように駒同士で戦うもの。戦闘不能になれば強制的に除外されて治療をされるみたいだから死者は出ないみたい。
王の駒、つまりリアス部長かライザーさんが倒されるか降参するかでゲームは終了となるみたい。
「今回貴方はナイトの駒の代行となっていただきます」
ナイトいう事は木場君と一緒か。まぁ剣を扱えるという事でそうなるのかな。
転送魔法陣まであと少しといった所で、前方から何やら凄い格好をした男の人がこっちに歩いてきた。
失礼な見方だけど、恰好がゲームで言う『ラスボスです』と言った感じ、けど髪の色が赤くてどことなくリアス部長に似ている。
「ルシファー様」
グレイフィアさんは男の人に対して一歩さがって頭を下げた。
ルシファーって言うと魔王の一人、って事はあの人は本当に魔王様?
いや不味いでしょ。魔王様って言ったらかなり偉い人だよね俺そんな人に会って大丈夫なの?
なんてことを考えていると、魔王様は俺とエクスカリバーの目と鼻の距離まで近づいていた。
「ふむ、君たちが噂に聞く聖剣とその使い手かな?初めまして、サーゼクス・ルシファーだ。魔王をやっている」
そう言って行き成り、スッと手が出された。これは握手を求めているんだよね?魔王様なんて偉い人に握手を求められるなんて。でも握手に応じなかったら下手したら消される?
なんて事を考えながら俺は直ぐに握手に応じた。
「はッ初めまして、一応聖人の浅尾勇真と言います。こんな自分と握手をしてくれるなんて恐縮であり光栄であります」
生まれて初めて偉い人と握手をしたから正直挨拶は此れでいいのかが不安だよ。
でも問題のエクスカリバーが
「私が勝利と栄光の剣、エクスカリバーだ!ルシファーよこの私の名を冥界に轟かせるがいい!!」
杖を向けてしかも魔王様を呼び捨てなんておおそれな事を言いだしてるし、グレイフィアさんの目が更に鋭くなった気がするんだけど。
緊張で胃がキリキリとし始めたけど、ルシファー様はハハと笑いながら。
「成程、妹のリアスの言う通りだ。これは相手をするのは一苦労しそうだな」
軽く笑い飛ばしていた。今リアス部長を妹と言ってたけどやっぱり
「あの今リアス部長を妹と……」
「リアスは私の妹だが、リアスは元気そうかな?」
「はい僕達の事をよく見てくれています。尊敬できる先輩であり部長です」
そう答えると嬉しそうに頷いている。やっぱりリアス部長のお兄さんだったのか。でも名前が違うのは何でだろう
「少し訳ありでね、前の大戦で魔王や多くの上流悪魔が亡くなってしまい、その中にも前魔王ルシファーも居たのだよ。そして私が魔王ルシファーの座についたと言う訳だよ」
今の魔王と言うのは役職の名みたいだなぁ。
「ただ私が魔王になった事で、リアスには色々と苦労を掛けてしまってはいるがね」
ルシファー様が魔王様になった事で、必然てきにリアス部長がグレモリー家の後継ぎになると言うのか……
俺は黙っている。最近になってこの世界に入ってきた俺が簡単に口に出して意見をしてはいけないと思ったから。
「リアスのことをよろしく頼むよ。魔王の身となると身内贔屓が出来ないのだが、私としてはリアスには勝ってもらいたいのだよ」
ルシファー様がそう言う。やっぱり人間でも魔王様でも妹思いのお兄さんはいるもんだ。
「はい僕は眷属じゃありませんが、オカ研のメンバーの一人としてリアス部長を護ります。けど……僕なんかより、リアス部長のために全力を出す男を知っています」
「その男とは?」
「イッセーです」
「イッセー、ふむ赤龍帝の事か。 彼の事はリアスから聞いているよ。面白い子とね」
イッセーの事を赤龍帝って呼んでいるんだ。そりゃまぁイッセーの神器はかなり有名らしいからね。
「君がそこまで言うのなら、赤龍帝の力に期待してみよう。もちろん君の力もね……と話しすぎたかな。では私はこれで、私も陰ながら応援しているよ」
それだけ言ってルシファー様は立ち去っていった。
これで終わればよかったのに、またバカ聖剣が……
「まてサーゼクス、このゲームが終わったらこのエクスカリバーとの一騎討ちを所望する!」
俺の事なんか無視してとんでもない事を言ってるんだけど!?
「ちょおま!魔王様に向かってなんて事を!」
「ヴぁかめ!魔王と聖剣の戦いは至極当然ではないか!」
知らないよそんなこと!あぁグレイフィアさんの視線がさらに鋭く……!まさに視線で殺されそう
「ふふ……出来るかどうかわからないが、善処はしてみよう。楽しみにしているといい」
いえ善処しないでいいです!まって魔王様!行かないで!
俺の願いも虚しくグレイフィアさんが俺を連れて転移用の魔方陣に入っていった。あぁ俺の人生はここで終止符をうつのか……
俺が内心で嘆いていると、転移が終わった。オカ研の部室そっくりだ。
バトルフィールドは駒王学園みたい。本当の駒王学園じゃないけど、馴染みのある場所で戦うなんて嫌だなぁ。
「漸く来たわねユウマ、って貴方すこし疲れてるみたいね」
「ユウマ、これからゲームが始まるって言うのに大丈夫かよ?」
リアス部長とイッセーは俺の心配をしてくれた。俺は今さっきルシファー様に会った事を話した。
リアス部長達は俺がルシファー様に会った事に驚いたけど、エクスカリバーがルシファー様と一騎打ちを所望したという事を聞いた時には呆れかえっていた。
「お兄様はかなりの実力者なのよ?それこそライザーを雛鳥だと思っていいわよ」
「やっぱりそうですよね……リアス部長、何とかなりませんか?」
「なんとかしてみるわ。それにしてもお兄様は、あまり私の部員兼眷属を困らせないでほしいわ」
「というかユウマ、何で俺の事を魔王様に話したんだよ」
「ごめん、なんかいつの間にか話しちゃって……」
そして魔王様に宣戦布告?をやったエクスカリバーは新しいタップダンスをアーシアちゃんに披露していた。なんとも呑気な奴だろうか……
そんな事を思っていると学校のベルが鳴り響いた……ゲーム開始の合図だ。
「では私はこれで……リアス、しっかりやりなさい」
「ありがとうお姉様」
グレイフィアさんはリアス部長をリアスと言ってオカ研の部室を後にした。リアス部長もお姉様と呼んでたけど、2人の関係ってお嬢様とメイドの関係以外に何かあるみたいだなぁ。
作戦タイムが始まった。
作戦はシンプルで、木場君と小猫ちゃんが地の利を生かして、相手が来そうなところに罠を張る。
アーシアちゃんは回復に専念するという事、朱乃さんは自分で動いて臨機応変にとのこと
リアス部長はこの部室に居ると言う。ここは言わば城と言っていいかもね。ここを突破されたらおしまいという事だ。
イッセーは現在リアス部長に膝枕をしてもらっている。イッセーの神器はかなり力を消費するという事で、体力を温存しなければいけないみたい。
膝枕をしてもらってにやけているイッセーを見て、膝枕が羨ましいと思っていると、朱乃さんが笑っていた。いけない気を引き締めないと。
俺は遊撃として戦う。臨機応変にむやみやたらに突っ込まないようにしないと。それにエクスカリバーの力を余り過信しないようにしないと。
俺がヤル気の炎を燃やしていると
「あのユウマさん、エクスカリバーさんが遅いのですが」
さっきまでエクスカリバーのタップダンスを見ていたアーシアちゃんが不安そうに言った。
「あれそう言えばアイツの姿が見えないな。アーシアちゃん、エクスカリバーはどこに行ったんだい?」
「その『戦いの前にトイレに行く』と言ってお手洗いに行きました」
「……ちなみにどのくらい前にトイレに?」
「あのもう4分は経ったと思います……」
エクスカリバーはトイレは大と小でも1分で済ましてしまうんだけど、いくらなんでも少し遅い。
まさか……嫌な予感が頭を過ぎた瞬間、体育館の方で連続的に大きな音が鳴った。
「エクスカリバーの奴、勝手にライザーさん達の陣地に向かったな!」
「何ですって!?本当に自分勝手な聖剣なんだから……!!」
「今すぐアイツを連れ戻してきます!リアス部長はそのまま作戦を続けてください!」
そう言って俺はオカ研の部室を後にして、エクスカリバーの元へ向かった。
まったく!一人で勝手に突っ走るんじゃないよ!!