ハイスクールD×D 勝利と栄光のウザい聖剣   作:ユリヤ

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エクスカリバーと木場

行き成りだけど、最近木場君の様子が少しおかしい。

時折ボーとしている事があるし、リアス部長に空返事なんて事もしている。

つい最近驚いた事は、俺が木場君に挨拶をした時に振り返った時のことを話そうか。

木場君が今まで見た事無い表情をしてたんだ。怒っているのか悲しんでいるのか複雑な顔をしていた。

でもエクスカリバーを見る目はまるで親の仇を見ているかのようだった。

ついこの前行われた球技大会のドッチボールの時だって、木場君は何時ものような爽やかな雰囲気を出すことなく足を引っ張っていた。

リアス部長と同じ悪魔である生徒会長の支取会長率いる生徒会チーム(男子の匙君も悪魔でポーンだったことに驚いた)との戦いでは支取会長の戦略で動いていない木場君が集中的に狙われた。

何とか俺とイッセーでカバーして何とか勝てたけど、球技大会が終わった後はリアス部長のお説教が始まった。

けどリアス部長の説教も効果なしで、木場君は黙って部室を後にした。

部室の空気も何か変な感じになってしまったせいで、早めの解散となってしまった。

イッセーは部長と話があるそうで、アーシアちゃんはイッセーと一緒に残るみたいだから、俺とエクスカリバーは先に帰る事にした。

外の雲行きが怪しくなってきた。急いで帰ろうっと。

 

 

「そう言えば、俺木場君の事をよく知らないなぁ」

 

 

木場君だけじゃない。小猫ちゃんや朱乃さんの事も俺は知らない。

彼が過去に何があったのか、エクスカリバーに対する憎しみの感情は過去に何かあったはずだ。

ピカッと暗雲が光始めた。ぽつぽつと雨も降り始めた。大荒れになりそうだし急いで帰ろう。

と思ったその時、俺の体は強い殺気を感じた。

殺気は2つ、1つはビリビリする強い殺気。もう1つは背筋がゾッとする冷たい殺気だ。

殺気は近い所から感じ取れる。

 

 

「エクスカリバーってもういないし」

 

 

エクスカリバーはもう姿が無かった。勝手と言うか、早いと言うか。

俺は急いで駆けだした。殺気を感じた場所にどんどんと近づくと、金属のぶつかり合う音が聞こえた。

駆け付け、そこに居たのは木場君だった。

 

 

「木場君!」

「浅尾君!」

 

 

木場君は魔剣を構えていて、俺が現れた事に驚いている。そして木場君の相手をしているのが

 

 

「おやおやテメェは僕ちんに石を投げて怪我させた野郎じゃあないですかぁ。痛かったなぁあの時はほんとに死んじゃうかと思ったんだけど。この落とし前はどうつけるつもりだあぁん?」

 

 

フリード、教会の時に俺達と戦った狂った神父。最後は旗色が悪くなって逃げ出したけど。

でもそんな奴がどうして今になって。

それにアイツが持っている剣、光剣じゃない。刀身が曲がってるけどこの感じ似ている。まるで

 

 

「エクスカリバー?」

 

 

俺の言った事に反応したフリードはニヤリと笑いながら。

 

 

「あらあらオタク見る目があるのねぇん。聞いて驚け見て驚け!これこそ聖剣エクスカリバーが1つ天閃の聖剣(エクスカリバー・ラビッドリィ)でございますでぇす!」

 

 

フリードが持っているのもエクスカリバーだって?エクスカリバーと言うのは一本しかないんじゃ。兄弟剣とかはあると言うのは聞いたことあるけど……

エクスカリバーと聞いた途端、木場君が顔を怒りで歪めていた。

 

 

「エクスカリバー!」

 

 

木場君は魔剣をフリードに向かって振り下ろした。

フリードはふざけた調子で木場君の魔剣を防いだ。

 

 

「きゃあ!イケメンフェイスが歪んじゃって御座いますですよぉ。エクスカリバーに何か恨みでもあるんかしら?」

「ッ黙れ!」

 

 

木場君は何時もの雰囲気はかけらもなく、怒りだけで剣を振っているせいか太刀筋が荒い。これじゃ簡単に防がれてしまう。

 

 

「いい加減うぜぇんだよ。さっさと天閃の聖剣でおっちねよ!」

 

 

フリードが振るった天閃の聖剣の刀身が見えなくなり、木場君の腕を斬りつけた。

 

 

「ぐあッ!」

 

 

木場君は斬られた腕を押さえて膝を着いた。

 

 

「言っただろうこれは聖剣。つまり悪魔殺しのスッペシャルな一品なのですよ!」

「そんな事は知っている……!」

 

 

今の木場君じゃ不利だ。

 

 

「木場君!」

「浅尾君逃げるんだ!ここは僕だけで十分だから!」

「逃げるわけないだろ!俺と木場君は同じ部の仲間なんだから!仲間を見捨てて逃げ出すなんて俺は出来ない!」

 

 

俺と木場君のやりとりをウププと笑って見ているフリード

 

 

「あらあらん男同士でイヤんな展開ですなぁ。んでどっちが受けと攻めですかぁ?まさかそっちのイケメン君が受け立ったりしてぇ?うっはたまりませんなぁ!……まぁ俺っちはノーサンキュー!」

 

 

どこまでもふざけた奴だ。正直言って嫌いな人種だよまったく。だけど聞きたい事がある

 

 

「おいその天閃の聖剣は本当にエクスカリバーなのか?」

「あん?なになに僕ちんの聖剣がほしぃんでちゅかぁ?でも残念お前に何かあげるわけねぇってこってすたい」

 

 

いや欲しいとかそんなんじゃないんだよね。

 

 

「いや、アンタが持っているそのエクスカリバーが本物かどうか確かめたくてね。確かにその聖剣から力を感じるけどね。俺のエクスカリバーの力の方がよっぽど強く感じられるよ。それに……アンタみたいな人を平気で傷つける奴が聖剣を使うなんてふざけた事もあったもんだと思ってね」

「おいおいそのナマモノ聖剣が手元にないって言うのに、ずいぶんと強気だねぇぼくぅ。3枚に卸しちゃうっつうの」

 

 

天閃の聖剣を構えるフリード。

何言ってるんだい?あの空気読まないアイツが自分が活躍できそうな聖剣が美味しい所を逃すわけないだろ?

 

 

「ヴぁかめ!この私程の神々しさを感知できないとは、力不足ではないのか狂った神父よ」

 

 

やっぱり近くに居たか。しかも自分だけ傘をさして呑気に登場なんて

 

 

「さっきまで近くで盗み見してただろ?ほんと良い性格してるよお前は」

「ヴぁかめ!あの聖剣擬きがこの私と同等の力を持っているのかじっくりと観察していたのだよ」

「そう。で、監察の結果で同等の力を持っていたのか?」

「ヴぁかめ!あの程度で聖剣の名を語るとはこの私の伝説に傷がつくではないか」

「成程、つまりお前にとっては取るに足らない奴って事か」

 

 

フリードに聞こえるぐらいの声の大きさで会話をしてみると、イラついた様子で俺とエクスカリバーを見ていた。

 

 

「おうおうおう余裕ぶっちゃってよぉ。この天閃の聖剣の最高速度でおしっこちびっても知らねぇゼェ!」

 

 

天閃の聖剣が光り輝いた瞬間、フリードの姿が消えた。いや消えたんじゃない。消えると思えるほどの高速に動いているのか?どうやら天閃の聖剣は早さに特化した聖剣のようだ。

でも種が分かってしまったらさほど驚かなかった。だって

 

 

「お首と胴体はいバイナラ!!」

 

 

フリードが俺とエクスカリバーの背後に回って天閃の聖剣で首をはねようとした。

けど

 

 

「ヴぁかめ!」

 

 

エクスカリバーが軽く杖を振るって、フリードの弁慶の泣き所つまり脛を叩いた。

今迄のスピードの反動もあってか、杖を脛にぶつけられたフリードは悶絶して道路をゴロゴロとのた打ち回った。

 

 

「ヴぁかめ!ただ動きがネズミのように素早くだけであるなら聖剣の名を語るんじゃあない!エクスカリバーはこの私一人で十分だ!贋作が大手を振るうなど虫唾が走るわ!」

 

 

何時も何考えているのか分からない顔してるけど、今のエクスカリバーが怒っていると言うのは俺でも分かる。

起き上がったフリードの目が殺気でギラついて今にも斬りかかろうとしてたけど、フリードの耳元に魔法陣が現れた。

 

 

「なんだよ……クソもう時間切れか!てことで俺っちはそろそろお暇して頂きますよん!そこのナマモノ、今度会ったら刺身にしてやるから覚悟して頂戴!」

 

 

フリードは何かを俺達に投げつけた。次の瞬間には光が当たりを包んだ。悪者は目くらましがほんとに好きだね。

光が晴れた時にはフリードの姿はどこにも無かった。

 

 

「あやつめ、私の神々しさに恐れて逃げ出すとは所詮は小者か」

 

 

確かにフリードは小者かもしれないけど、あの魔法陣は恐らく通信系、フリードに撤退の指示を出したんだろう。

フリードが去ったのを見ると、木場君は怪我した腕を押さえながら去ろうとした。

 

 

「待って木場君。ここからだったら家が近いし、怪我の手当てをしてあげるよ」

 

 

流石に怪我した友人をほっとくわけにはいかない。

 

 

「大した怪我じゃない。浅尾君は何も気にしないでうちに帰ると言い」

 

 

断った木場君の態度が何か余所余所しい。早くここから立ち去りたいみたいだ。

 

 

「友の施しを断るとは……それほどまでに私やユウマが憎いか。聖剣とその使い手が」

「ッ!うるさい!黙れ!」

 

 

大声でエクスカリバーを黙らせようとした木場君。エクスカリバー言い方が悪かったかもしれないけど、此処まで拒絶されると逆にムッとしてしまう。

木場君の怪我していない腕を掴んで

 

 

「木場君の過去に何があったのかは俺は分からないけど、今は怪我を治さないと。悪いけど力づくで連れて行くから」

 

 

渋る木場君を、俺は強引に家に連れて行った。

 

 

 

 

「よし、これでよしと」

 

 

傷口を洗って、消毒して包帯を巻いて手当は完了だ。

 

 

「手馴れているんだね」

「母さんに教えられたからね。徹底的に」

 

 

傷もそこまで酷くは無かったから、応急手当だけで済みそうだ。

でも用心って事でアーシアちゃんに見てもらった方がいいかもしれないなぁ。

傷の手当てが終わったけど、少し気まずい雰囲気になってしまった。

黙っていても埒が明かない

 

 

「木場君話してくれないかな?君がどうしてそこまでに聖剣……エクスカリバーに対して強い思いを見せているのか」

 

 

木場君はポツリポツリと語り始めた。

なんでもエクスカリバーは昔の大戦で死滅してしまい、残ったかけらを錬金術師の力によって七本に分けたそうだ。天閃の聖剣もその一本なんだろう

ちょっとまって、じゃあこのエクスカリバーは何なんだろうか?このエクスカリバーも折れたかけらで造られた一本何だろうか?でも天閃の聖剣のように中途半端な力じゃない。アイツが天閃の聖剣よりも何十倍もの力があるって事を感じ取った。だった最初からエクスカリバーは2本あったのだろうか?大戦で折れたのは一本でもう一本はあそこで封印されていたとか。今度そんな大戦があったのか尋ねてみるか。

木場君の話は続くけど、なんでもその聖剣に適応できるように集められた一人で、聖剣使い候補として育てられていたみたいだ。

けど最終的に木場君や他の候補の人達は聖剣を使う事が出来ないと分かって、殺処分されてしまった。

木場君は他の候補の人に助けられて脱出したみたいだけど、瀕死の状態だった。

そこをリアス部長に助けられて悪魔に転生した……そして今に至ると。

木場君が教会や神父を憎んでいたのかこれで納得した。

 

 

「それで木場君はこれからどうしたいんだい?」

「僕は聖剣を憎んでいる。友を殺した神父をパルパー・ガリレイを僕は許さない」

「それが首謀者の名前かい?」

「あぁ、悲劇の原因の聖剣を僕の剣で叩き折るのが今の僕の生きる意味だ。そのためならどんな犠牲でも払ってやる。自分の命でさえも」

 

 

復讐のために生きているのか。話から聞いてバルパーって奴が悪人と言うのが分かる。人の命を何とも思ってないような外道みたいだし。

でも……

 

 

「俺は復讐は否定しない。けど……復讐のために自分命でさえも犠牲にすることに俺は否定する」

「ッ何を!」

「昔の友達の無念を晴らそうと言う事には俺は反対はしない。だけども死んでいった友達は木場君に生きてほしいと思っていたはずだ。その木場君が命を落とそうなんて本末転倒じゃないか」

「それは……」

「過去は大切だし忘れちゃあいけない。だけども今生きているこの時を簡単に捨てちゃいけないんだよ」

「……」

「木場君だって幸せになる権利はあるんだよ。それに一人だけで危ない事をするんじゃあないよ。俺やイッセーやリアス部長達オカ研の皆だって木場君のために力を貸してくれるさ」

 

 

俺が力になると言うと、木場君は黙って立ちあがり、玄関に向かって行った。

その後ろを俺はついて行く。

 

 

「治療ありがとう。それと……君に僕の過去を話せてよかった」

「こちらこそ、俺も木場君の事をよく知りたいと思ったし、俺だったらいくらでも力になるから」

 

 

木場君はもう一度お礼を言って玄関を開けた。

木場君が俺を家を出て行った後に俺は深いため息を吐いた。まさか木場君とエクスカリバー因縁があったのか……

しかもエクスカリバーの模造品があるなんて、それも七本。フリードが持っていた天閃の聖剣の他に六本もあるのか。

当分エクスカリバーがあれそうだ。アイツ自分の贋作なんて許さないだろうし。

はぁなんかまだ他のエクスカリバーに遭遇しそう。

なんかこの勘はものすっごく当たりそうだ……

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