ハイスクールD×D 勝利と栄光のウザい聖剣   作:ユリヤ

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何故か消えていたのでもう一回投稿します


ユウマ&イッセーVSレイナーレ決着の時

「アーシアちゃん!」

 

 

俺はイッセーとアーシアちゃんの元へ駆けよる。

レイナーレは何もしない。ただほくそ笑んで、自分が勝ったとそう物語っていた。

アーシアちゃんの顔からは生気が感じられない。

 

 

「遅かった。俺が来た時には、アーシアの神器はもう……」

 

 

涙を流しながら、ぐったりしているアーシアちゃんを抱きしめるイッセー。

じゃあアーシアちゃんの神器は……?俺はどこに行ってしまったのかと見渡すと、レイナーレの指にアーシアちゃんの指輪がはまっている。

俺の視線に気づいたレイナーレは、愉悦そうな表情で指輪を見せてくる。

 

 

「素敵でしょう?この神器があれば私は至高の堕天使になれる。私を見下していた奴らを見返す事が出来るのよ!」

 

 

ふざけるな。お前は自分勝手な欲望のためにアーシアちゃんの神器を奪ったのか!?

 

 

「返せ……それはアーシアのモンだ!テメェが持っていていいもんじゃねぇんだよ!!」

 

 

流れ続けている涙を拭わずに、イッセーはレイナーレを睨みつける。

 

 

「駄目よ。私は上を欺いてまでこの計画を進めたのよ?貴方みたいな下級悪魔の言う事なんか聞くわけないじゃない。ばっかじゃないの」

 

 

レイナーレはイッセーに対して見下した下衆な笑みを浮かべている。こんな奴があの夕麻ちゃんだったなんて、こんなふざけたことがあるかよ……!

 

 

「う……うぅ……イッセー……さん……?」

 

 

アーシアちゃんが弱々しいけど、ゆっくりと目を開けた。

 

 

「アーシア!」

 

 

イッセーは大声でアーシアちゃんに呼びかける。

 

 

「嬉しい。また……イッセーさんに……会う事が出来ました……」

「あぁ、迎えに来たぞアーシア!今日はユウマも来てるんだぞ!一緒に行こう!」

「アーシアちゃんゴメン……!俺ッ!君が辛く大変な目にあっていたのに、何も、出来なかった……」

 

 

俺は謝った。けどアーシアちゃんは、謝らないでください……と弱々しく笑いながら

 

 

「最後にイッセーさん……ユウマさん、エクスカリバーさん……私の大切なお友達に会う事が出来ました」

 

 

アーシアちゃんも、もう自分が助からないって分かっているみたいだ……

 

 

「最後だなんて言うなよアーシア!買い物したり美味いもん食いに行ったり、カラオケ行ったりボウリングで遊んだり……まだ遊び足りない、これからだっていうのに……!」

「俺だってアーシアちゃんに面白い場所に連れて行ってあげるから!それにエクスカリバーの武勇伝をまた聞いてやってくれよ!アイツ、アーシアちゃんが面白くて感動したって言ってもらえて嬉しそうにしてたから、だから頼むよ……!」

「そうだ!俺の友達も紹介するから!俺みたいにエロい奴だけど、アーシアの事を絶対に好きになってくれから!」

「皆でバカ騒ぎしようよ!だから最後なんて言わないでよ!」

 

 

 

俺とイッセーはアーシアちゃんに気をしっかり持つように必死に呼びかけ続ける。エクスカリバーは若干俯いて影が出来て顔が見えなかった。

 

 

「この国で生まれて、イッセーさんやユウマさんと一緒の学校に行けたら……どんなにいいか……」

「行こうぜ……一緒に勉強したり弁当食べたり、楽しいことがいっぱいあるから!」

「部活を一緒にやったり。俺やイッセーと一緒にオカ研に入ろう!リアス部長に俺とイッセーで何とか言って一緒に出来るようにするから!」

 

 

遂には俺も泣いてしまった。何でだよ、何でこんな優しい子が死ななきゃいけないんだよ!

 

 

「私なんかのために泣いてくれるなんて……私にこんな素敵な友達が出来るなんて……」

 

 

ありがとう……最後に笑うと、アーシアちゃんは眠るように息をひきとった。

アーシアちゃんが……死んだ。

 

 

「アーシア?おッおいアーシア?……アーシアァァァァァッ!!」

「ちくしょう……!何でだ、何でアーシアちゃんが死ななきゃいけないんだよ!?」

 

 

アーシアちゃんが死んだ。俺はまだアーシアちゃんが死んだ事が信じられなかった。

 

 

「キャハハハ!漸く死んだわね。今どきシスターなんて流行らないのよ!」

 

 

レイナーレはアーシアちゃんが死んだのが愉快なのか面白そうに笑っている。コイツは悪魔よりも最低な存在だ!

 

 

「レイナーレ、テメェ……!」

「ひどいわイッセー君、私と言う彼女がいるのにそんな金髪の子がいいのね?」

 

 

イッセーが睨んでも、レイナーレはさっきまでの卑しい笑みじゃなくて、夕麻ちゃんのしおらしい顔になっている。

コイツ、今の状況を楽しんでいる……どこまで腐っているんだ……!

 

 

「貴方とのデート、正直言って退屈だったわ。ありきたりだったし……でもこれ以上貴方達に生きてもらったら迷惑なの。だから死んでちょうだい」

 

 

レイナーレが指を鳴らした合図で、祭儀場に新たな神父達が現れた。さっきより多い。100人は超えてるみたいだ。

 

 

「私の計画を知った者は生かしては返さない。でもよかったじゃない。そこで無様に死んでるシスターが天国で待ってるんだし。あ、でもイッセー君は悪魔だし地獄かもねぇ」

 

 

コイツは……!親友のイッセーやアーシアちゃんを侮辱して愚弄した。これ以上コイツに喋らせちゃいけない。今すぐコイツを倒さなきゃいけない……!

そう思った瞬間、俺の中で何かが切れた。

 

 

「なッ人間!何なのよそれは!?」

 

 

レイナーレが驚いたように俺に聞いてくる。イッセーも遠くから見ている木場君や小猫ちゃんも俺を見てビックリしている。俺に何があったのか、俺も自信を見てみる。

俺は金色のオーラに包まれていた。見ればエクスカリバーも金色のオーラに包まれている。

 

 

「これは一体……?」

「ヴぁかめ!漸くこの時が来たのか……」

 

 

エクスカリバーはそう言いながら杖を上へと掲げた。

 

 

「今この場で、私とお前の心は怒りでつながった。いわゆる”魂の共鳴”と言っていいだろう」

 

 

魂の共鳴……エクスカリバーも顔は何時ものまんまだけど、アーシアちゃんの命を堕天使に奪われてはらわたが煮えくり返っているんだ。

今俺とエクスカリバーは怒りの心で繋がっている。

 

 

「私を使え。今のお前だったら数分間ではあるが、私の100%の力を使えることが出来る」

「あぁ……行くぞ、エクスカリバー!」

 

 

エクスカリバーは金色に輝きだす。イッセーはあまりの輝きに目を覆っている。と言うより大丈夫なのか?こんな至近距離で聖剣の光を浴びて

光が消えると、エクスカリバーは岩に刺さっていたあの黄金の剣に変わっていた。

 

 

「なッ何なのよ!その剣は!?」

 

 

レイナーレは戸惑いを隠せていない。恐らくエクスカリバーはレイナーレのはるか上の強さを持っているはずだ。

 

 

『ヴぁかめ!貴様は部下から聞いているであろう。私がエクスカリバー、貴様を斬る剣だ堕天使よ』

「ッ!殺せ!この人間を今すぐ斬り裂きなさい!」

 

 

レイナーレは俺を殺す命令を神父達にした。神父達は一斉に俺に向かって来る。100人が迫って来るのは流石にビビりそうだ。

 

 

『ヴぁかめ!何を臆している。今お前が手にしているのは最強の聖剣だ。お前はただ私を振ればいいだけだ』

 

 

たく言いたい放題言ってくれるよ。

でもま……さっさと蹴散らすか

 

 

「イッセー、アーシアちゃんを連れて少し離れていてくれ」

「あッあぁ、何をするんだユウマ?」

 

 

アーシアちゃんを横抱きして、俺に何をやるのか尋ねるイッセー。

俺はエクスカリバーを構えてこう言った。

 

 

「アイツらを蹴散らす」

 

 

イッセーが木場君や小猫ちゃんがいる場所まで後退したのを確認すると、俺はエクスカリバーを上段で構える。

俺はイメージする。エクスカリバーが目の前の敵を全て蹴散らす光景を、エクスカリバーが最強の剣だという事を

イメージが高まれば高まるほど、刃が金色に輝きだす。

 

 

「……吹き飛びやがれぇぇ!!」

 

 

俺はエクスカリバーを振り下ろす。金色のオーラは衝撃波となって、神父達を吹き飛ばす。神父達は悲鳴を上げながら倒れていく。

神父達を聖剣のたった一振りで全滅させてしまった。本当にエクスカリバーは白いウザい生き物じゃなくて、最強の聖剣だと改めて実感する。

 

 

「そんな、たった一撃で……!」

 

 

呆然としているレイナーレに俺はエクスカリバーの切っ先を突きつける。

 

 

「残ったのはアンタだけだ。覚悟しろよ堕天使」

「おのれ……!」

 

 

レイナーレは歯ぎしりをしながら俺を睨みつける。自分の思ったように事が進まないことにイラついているみたいだ。

イッセーがこっちに戻ってきた。

 

 

「イッセー、アーシアちゃんは」

「木場と小猫ちゃんに任せて来た」

 

 

木場君と小猫ちゃんの方を見てみると、アーシアちゃんを横にしていて木場君が護っていた。

木場君が頷いてきたから、俺も頷き返した。

 

 

「ユウマ、アイツは俺が……いや俺達が倒すんだ」

「あぁアイツにこれ以上アーシアちゃんの素晴らしい力を利用させるわけにはいかない!」

 

 

イッセーは神器を俺はエクスカリバーを構えながら言い放つ。

 

 

「ただの人間と下級悪魔が調子に乗ってるんじゃないわよ!」

 

 

レイナーレは吠えながら、光の槍を大量に出現させる。

 

 

「串刺しになりなさい!!」

 

 

光の槍の雨が俺とイッセーに落ちてくる。悪魔には致命傷となる光の槍が大量に落とされたらイッセーはひとたまりもない。

けど俺はスッとイッセーの前に立つ。

 

 

「……せい!」

 

 

俺は迫りくる光の槍をエクスカリバーで次々と叩き折っていく。エクスカリバーを持った瞬間に、力が溢れてくる。槍がまるで棒切れのように感じる。

俺は光の槍を全て叩き折ってしまった。

 

 

「くッ!……だったらこれはどう!?」

 

 

レイナーレは今度は一本だけ光の槍を投げた。俺達に当てはせずに地面に突き刺した。

なんだと思った瞬間に槍が爆発した。爆風が祭儀場を覆う。

 

 

「ふふ、この爆発じゃ流石にくたば「俺らが空を飛べないからって爆発系の攻撃、さすが堕天使。汚い手は平気で使うようだな」なッなに!?」

 

 

レイナーレは上を見上げる。そこには金色の翼を羽ばたかせている俺の姿が

 

 

「なんで空を飛べない人間が!?」

「人間、やろうと思えば空も飛べるみたいだよ」

 

 

俺は空を飛んでいるレイナーレを見て、空を飛んで攻撃なんてズルいと思った。

そう思った瞬間、俺の背中に今生えている金色の翼が現れた。そして爆発した瞬間に上へと飛んだ。

 

 

「イッセーもお前をぶん殴りたいみたいだから、下に落とすか」

 

 

俺はレイナーレの背中を叩き斬る

 

 

「ぎゃ!」

 

 

レイナーレは短い悲鳴を上げながら落ちていく。浅かったようだ。

けどお次はイッセーの番だ。

 

 

「俺は護れなかった。そんな俺自身を許せない!返せ……アーシアの神器を、アーシアを返せ!」

『Boost!!』

 

 

イッセーの籠手から、野太い男の声が聞こえてきた。あれがイッセーの神器の力、Boostのボイスコマンドで10秒ごとに力が2倍になると言う。

今のイッセーは怒りによって力が倍増されている。

 

 

「レイナーレェェェッ!!」

 

 

拳を握りながらレイナーレに突っ込んでいくイッセー

 

 

「私に近寄るな、この下級悪魔が!!」

 

 

光の槍を造りイッセーに投げる。槍はイッセーの脇腹を斬り裂いたけど、イッセーは止まらない。けど闇雲に突っ込んでいくだけじゃいずれ致命傷が……

 

 

「ッ!そうだイッセー、今こそプロモーションを!」

「!プロモーション、『ルーク!』」

 

 

今ここは敵陣地、ポーンであるイッセーはプロモーションが出来る。

ルークの力を持ったイッセーはそのまま突っ込むけど、さっきとは違って投げられた槍はイッセーが張った魔法の障壁に弾かれていく。

今のイッセーには生半可な攻撃は通用しない。

 

 

「なッなんで私の槍が……!?」

 

 

ルークの特性、それはありえない程の防御力。そしてもう一つは……

 

 

「なッ!?」

「まずは一発、食らいやがれクソ堕天使!」

 

 

間合いに入ったイッセーはレイナーレの顔面を殴り飛ばす。

もう一つは、馬鹿げた攻撃力!

殴り飛ばされたレイナーレは悲鳴を上げながら、壁へと叩きつけられた。

土煙のせいでレイナーレの姿が確認できなかった。

 

 

「やったのかな……?」

「分からない。けどダメ押しでもう一発!」

『Boost!!』

 

 

イッセーは更に力を倍加させて、一人で突っ込んで行ってしまう。

けど俺は、俺とイッセーの方が優勢なのに、嫌な感じが頭の中を過った。

 

 

「イッセーまって!」

「うおぉぉぉぉッ!!」

 

 

イッセーは俺の制止を聞かずに突っ込んで行ってしまった。

そして土煙の奥に居ると思われるレイナーレを殴ろうとした瞬間

 

 

「きゃああああッ!!」

 

 

甲高い女の子の悲鳴が聞こえた。イッセーは女の子の悲鳴を聞いて足を止めてしまった。俺もこの甲高い声に聞き覚えがある。

煙が晴れ、其処に居たのはレイナーレじゃなくて夕麻ちゃんであった。

 

 

「ゆッ夕麻……ちゃん……?」

 

 

イッセーは夕麻ちゃんの姿を見て、動きが止まってしまう。

 

 

「イッセー君、本当は貴方の事を愛しているの!さっきまでのは上の命令で仕方なくあんな事をやっていたの!だからお願い、殺さないで!!」

 

 

嘘だ!レイナーレはイッセーにあんなことを言っているが嘘っぱちじゃないか。けどイッセーの体からみるみる戦意が消えて行くように見える。

だめだ、イッセーはここぞと言う時に非情になりきれてない。まだ夕麻ちゃんに対して引きずっているんだ!

俺がイッセーの元へ駆け付けるよりも、ザシュッ!とイッセーの腹を槍が貫いた。

 

 

「がッふ……」

 

 

イッセーは腹から血を流しながら膝をついてしまった。

 

 

「きゃははは!まさかこんな簡単な手に引っ掛かるなんて、ほんと可笑しい!」

 

 

愉快そうに、目に涙を溜めながら夕麻ちゃんからレイナーレの姿になって大笑いをしている。レイナーレは夕麻ちゃんの姿になってイッセーの戦意をそぐなんて、やる事が汚すぎる!

レイナーレはアーシアちゃんの神器を使って傷をみるみるうちに治してしまう。あんなふざけた奴に傷を癒してしまう神器なんて、チートにも程がある。

光の槍を手に持って、イッセーに近づいて来るレイナーレ。

 

 

「最後に面白い物を見せてもらったわ。でもこれ以上貴方に調子づいてもらっても、私が困るのよ。だからさっさと死んで頂戴、イッセー君」

 

 

レイナーレはイッセーに止めを刺すつもりだ。俺はイッセーの元へ駆け付けようとしたけど

 

 

『ヴぁかめ!何故あの男を直ぐに助けようとする!』

 

 

いや何言ってんだよ!?早くしないとイッセーが……

 

 

『ヴぁかめ!お前はあの男の友ではないのか?友であるならば、あの男を信じてみろ』

 

 

それはそうかもだけど、でもそれとこれとは話が別じゃないのか?

 

 

『それに、あの男が身に宿しているもの……あの堕天使が思っている以上のものかもしれんぞ』

 

 

イッセーの神器がレイナーレが思っている以上?そんな事を考えている間に、レイナーレは光の槍をイッセーに突き刺した!

……いや、突き刺していない!イッセーが左手で掴んでいる!

 

 

「そんな!なぜ動けるの!?傷は致命傷でもう動けないはず、それに貴方の体を光が蝕んでいる。それなのに何で動けるの!?」

 

 

訳が分からない。意味が不明だと喚いているレイナーレ、イッセーは左手に力を入れている。槍がビキビキと罅割れている。

 

 

「あぁ、腹の傷は死ぬほど痛い。体もまるで火の中に居るみたいに熱いさ。でもなぁ!」

 

 

遂には槍を握りつぶしてしまったイッセー。

 

 

「俺がここで倒れるわけには、いかない……いかねぇんだよ!!」

「ひぃッ……!」

 

 

レイナーレはイッセーの気迫に後退りをする。かくゆう俺も少しだけビクッとしてしまった。

そして俺は一瞬だけど、イッセーが赤い龍の姿に見えた。

イッセーは悪魔の羽を拡げる。それと同時にイッセーの籠手が更に強く輝きだした。

 

 

『explosion!!』

 

 

さっきのボイスコマンドとは別のコマンドが出てくると、イッセーの左手は完全に赤龍の籠手に包まれてしまった。

 

 

「そんなその神器は……うそよ!何で貴方がその神器を!!」

 

 

レイナーレは槍を投げるが、イッセーは腕を軽く振っただけで槍を弾き飛ばしてしまう。

 

 

「ひぃぃぃぃッ!こッこんな化け物、相手に出来るわけないじゃない!」

 

 

レイナーレは恐怖で顔を歪ませて、羽ばたいて祭儀場から逃げようとする。アイツ、この期に及んで逃げる気か!

 

 

「待ちやがれ!あぐッ!」

 

 

イッセーは追いかけようとするけど、バランスを崩して倒れそうになる。俺はイッセーに駆け付けて何とか支える。

 

 

「大丈夫かイッセー!?」

「わるいユウマ、力を貸してくれねぇか?アイツを逃がすわけにはいかないんだ……!」

「あぁ、分かった。アイツを倒すんだ。俺とイッセーの二人で!」

 

 

イッセーは足を踏ん張り、赤龍の籠手をレイナーレに狙いを定める。籠手にエネルギーが溜まっていく。

俺もさっきみたいにエクスカリバーを上段で構える。エクスカリバーの刃に光が満ちていく。

けどエクスカリバーに力が集まってくるにつれ、俺の視界がぼやけてくる。

 

 

『ユウマよ、もう一度私の力を使ったら確実に倒れるぞ』

「いいよ。あの堕天使を倒せるならいくらでもぶっ倒れてやるさ」

『フッそうか……では私の力、存分に使うがいい!』

 

 

そしてエクスカリバーと赤龍の籠手に力が満ちた。

 

 

「怒りの!十倍!ドラゴン波ァァァァァァァァッ!!」

「エクスッ!カリバァァァァァァァァァッ!!」

 

 

イッセーのドラゴン波をモデルにした魔力の波動とさっきよりも巨大になったエクスカリバーの光の衝撃波は混ざり合って、一つの巨大な魔力の塊となってレイナーレに向かって行く。

レイナーレは最後のあがきに障壁を展開したようだけど、簡単に破壊されて魔力の塊に呑まれていく。

 

 

「そんなッ!私は至高の堕天使!こんなはずじゃ……シェムハザ様!アザゼル様ァァァァァァッ!!」

 

 

シェムハザとアザゼル、聞いた事がある名前だけど、彼女はその者達を崇拝していたのか、名を叫びながら断末魔を上げて消滅した。

魔力の塊は祭儀場の天井を貫いて、地上の教会に大穴を開けながら空のかなたに消えてしまった。

レイナーレは完全に消滅したのか、残っていたのは堕天使の黒い羽根だけだ。そしてアーシアちゃんの神器である2つの指輪が落ちてきた。

俺とイッセーは落ちてくる指輪を一つづつキャッチした。

 

 

「取り戻したぜ……アーシア」

「これで仇は取れたかな……」

 

 

けど結局神器を取り返しても、アーシアちゃんはもう戻ってこない。

俺とイッセーはギュッと指輪を握りしめた。

神父達はレイナーレが倒されたのを見ると、我先にと逃げていく。さっさと逃げてろ。俺達はもうお前らには用は無いんだから。

俺とイッセーは木場君と小猫ちゃんがいる場所まで戻る。

そしてアーシアちゃんの指に指輪をはめてあげる。

 

 

「お疲れ様、僕達も早くここを出よう」

「木場君……そうだね。イッセー、戻ろう」

「あぁ……戻ろうぜ、アーシア」

 

 

イッセーはアーシアちゃんを横抱きにする。

俺達は祭儀場を後にした……

 

 

 

 

教会に戻ってみると、見る影もなくボロボロになっていた。これを見るとイッセーと俺が使った技が本当に凄まじかったのが分かる。

と言うか今はかなりフラフラしてる。小猫ちゃんに支えてもらってるけど今にも倒れそうだ。

 

 

「これは……色々と凄いことになってるわね」

 

 

リアス部長と姫島先輩が壊れた扉から現れた。けど姫島先輩はどうして巫女さんの姿なんだろ?似合ってるから別になにも言わないけど

 

 

「部長、堕天使レイナーレは俺とユウマで倒しました。けど、アーシアは……」

 

 

イッセーの悲痛そうな声にリアス部長はそう……としか言わなかった。アーシアちゃんは教会の人間だからどうでもいいと思っているのかな?だとしたら悲しいな。

けどイッセーの籠手を見ると、目の色を変えた。

 

 

「イッセー、貴方の神器」

「え?あぁ何か姿が変わったんです」

 

 

リアス部長はイッセーの神器の名前を教えてくれた。

イッセーの神器の名は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)、持ち主の力を10秒ごとに倍加させて、魔王や神をも一時的に超えると言われている神滅具(ロンギヌス)と呼ばれている13種の1つなんだそうだ。

イッセーの神器は魔王や神も超えられるのか、一瞬イッセーが赤い龍に見えたのもそういう事だったのか。

そのイッセーは部長に向かって土下座をしていた。行き成り土下座をされて少し戸惑うリアス部長。

 

 

「部長、俺自身の身勝手な願いです……アーシアを生き返らせてくれませんか?俺、アーシアともっと一緒に遊びたいんです。アーシアにもっと笑っていてもらいたい!一緒に学校で俺やユウマと一緒に楽しく学校生活を送りたいんです!だから……」

「リアス部長、俺からもお願いします。アーシアちゃんは俺にとっても大切な友達なんです!」

 

 

俺も遅れてリアス部長に土下座する。教会に属するアーシアちゃんを、リアス部長は助けないかもしれない……けどアーシアちゃんにはもっと笑ってもらいたいんだ。

 

 

「ふぅ……前代未聞だけど、やってみる価値はあるわね」

 

 

そう言いながらリアス部長は、ポケットからビショップの駒を取り出した。あれはもしかしなくても悪魔の駒?

 

 

「僧侶の駒は眷属の悪魔をフォローする事、この子の回復能力は僧侶として使えるわ」

 

 

それってまさか……

 

 

「このシスターを悪魔として転生させるわ」

 

 

リアス部長はアーシアちゃんを悪魔として転生させる儀式をしている。転生悪魔になる為の呪文を唱えているリアス部長。

神に仕えているアーシアちゃんを悪魔に転生なんて、本当に大丈夫なのかな……

 

 

「うふふ、大丈夫ですわ。きっと上手くいきますわ」

 

 

姫島先輩が俺に優しく大丈夫だと言ってくれた。儀式をやっているのは部長なのに、失礼だけど姫島先輩が言ってくれると大丈夫だと安心する。

そして呪文の詠唱が終わると、ビショップの駒はアーシアちゃんの体にスッと入って行った。

しばらくすると、神器の指輪がアーシアちゃんの体に戻っていって、ゆっくりとアーシアちゃんは目を開けた。

 

 

「あッあれ?私……」

「あ……アーシア……」

 

 

イッセーはゆっくりとアーシアちゃんに近寄る。

 

 

「私は悪魔をも治すその力が欲しかっただけ、後は貴方が護ってあげなさい。先輩悪魔なんだから」

 

 

それだけ言うと、リアス部長は踵を返して教会を後にした。あぁ言ってるけど、リアス部長はイッセーの願いをちゃんと聞いてあげたんだと思う。素直じゃないんですねリアス部長。

 

 

「イッセーさん、私……」

「アーシア!」

 

 

戸惑っているアーシアちゃんを、涙を流しながら強く抱きしめるイッセー。アーシアちゃんも少し戸惑いながらも優しく笑ってくれた。

けど本当に、本当に良かった。俺も涙を流した。

 

 

「ユウマ君は行かないんですの?」

「アーシアちゃんを抱きしめてあげるのはイッセーの役目だと思いますから。俺はアーシアちゃんが笑顔になってくれるなら、それだけで満足です。それに……アイツを使って結構フラフラなんです」

 

 

今更になってエクスカリバーを使った反動が返ってきた。そのエクスカリバーはアーシアちゃんに近づいて、イッセーとアーシアちゃんの良い雰囲気をぶち壊して、イッセーがエクスカリバーを捕まえようとして、エクスカリバーはひらりと躱すだけだった。

俺はエクスカリバーを捕まえようとしてバランスを崩して、そのまま姫島先輩の肩に寄りかかる形になってしまった。

 

 

「ごッごめんなさい姫島先輩……」

「うふふ、いいのですわ。疲れているなら、ゆっくりとお休みになってくださいな」

 

 

なんか姫島先輩にはこうやって迷惑をかけすぎてる気が……でももう限界なのでお言葉に甘えさせてもらおうかな……

姫島先輩は時折、俺の頭を優しく撫でてくれた。

 

 

 

 

 

こうしてアーシアちゃんを助ける事が出来て、転生悪魔として頼もしい仲間になったのであった……

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