ラブライブ!~μ'sとの新たなる日常 Anthology~【完結】   作:薮椿

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薮椿より

今回は
『ラブライブ!~Miracle and Track~』
を投稿している、K-Matsuさんの『新日常』をお送りします!


K-Matsuさんより

《挨拶》
はじめまして!
K-Matsuと申します。

この度薮椿さんの素晴らしい企画に参加させてもらい、光栄の限りです。

さてさて今回は私が本編をそっちのけで、悩みに悩み抜いた末に出来た作品です。

上手く書けたかどうかは分かりませんが暖かい目で見ていただけるとありがたいです。

《注意事項》
1.楓ちゃんがしおらしい
2.人によってはブラックコーヒー推奨

以上の要素が入っていても『OKだぜ!』という広い心を持ってお読みください。

では、どうぞ!


楓とのお出掛け

おはようございます。

 

昨夜遅くから続くえっちぃ夢を見ていて寝返りを打ったらベッドから落ち、夢の影響でパンパンに膨脹していたアレがそのままフローリングにグキッといって激痛のあまり呻き声を上げながら目を覚ました神崎 零です。

 

ハッキリ言おう。

 

激痛のあまり折れたかと思った。

 

というか折れたらどうなるのだろう…?

 

マジで途中からポッキリ曲がっているのだろうか?

 

ちょっと見てみたい気持ちが沸いてくるが、想像しただけでその痛みが尋常じゃないものだと気が付いたのでこれ以上想像するのはやめておこうも思う。

 

これで未来の息子や娘ができなくなったら大変だ。

 

普段は妹の楓が過激な格好で起こしにきてくれるのだが、今日だけは起こしに来ることが無かった。

 

別に楓と大喧嘩したわけでもないし、高坂家もしくは絢瀬家にお泊まりしに行った訳でもない。

 

そう。これにはきちんとした理由がある。

 

それは昨夜、部屋でくつろいでいる時のことだった。

 

 

 

「お兄ちゃん!」

 

「どうした?」

 

ベッドで横たわり、ぼーっとしているとパジャマ姿の楓が部屋に入ってきたので用件を聞こうとした。

 

「明日私とデートしよっ♪」

 

「……はっ?」

 

いきなりの提案に面喰らってしまった。

 

いつも突拍子もない発言が目立つ楓だが、今回は過去を通じてトップレベル…下手すれば最高ランクに匹敵するくらい唐突な発言だった。

 

「……どういうことだ?」

 

「えっとね、私がμ'sに入ってから今日までいろんなことがあったじゃない?」

 

「そう言われればそうだな。それがどうかしたのか?」

 

「はぁ……」

 

すると楓がこれ見よがしに溜め息をついた。

 

何か変な発言でもしたか、俺?

 

「お兄ちゃんと来たらいっつも穂乃果先輩やことり先輩とばかりイチャイチャイチャイチャしてるじゃない?」

 

「…………」

 

お前の目にはそう見えていたのか。

 

あれはイチャついているように見えるかもしれないが、事あるごとに俺に引っ付こうとする穂乃果とことりを追い払おうとしているだけあって別にイチャついているわけではない。

 

まぁたまには引っ付かれた際にほのっぱいやことっぱいを触ったりとかイチャつく時もあるが…。

 

「だから少しは私に愛情を向けて欲しいなぁ~って……」

 

この流れならヘイトを集めるような発言をするかに思っていたのだが、楓にしては珍しくしおらしい発言をした。

 

愛情を向けて欲しい…か。

 

「よし、分かった。そこまで言うんなら次の休日にいこう!デート!!」

 

「ぃやった~!!お兄ちゃん大好きぃ~♪」

 

「だから飛び込みながら首にまとわりつくなぁぁぁぁぁあ!!」

 

 

 

 

 

と言うことがあり、楓は一足先に駅前に向かったのだ。

 

同じ家に住んでるし、一緒に駅まで歩くこともできるから別々に行かなくたっていいんじゃねぇの?と提案したのだが『こういうのは雰囲気が大事なの』と断られてしまった。

 

待ち合わせの時間までまだ時間はあるけれど、待たせすぎるのもよくないのでパパっとやることをやってから楓が待つ駅前へと向かった。

 

 

 

~※~

 

 

 

「お兄ちゃん早く来ないかなぁ…」

 

お兄ちゃんよりも先に家を出たので当然のように私が先に駅前に到着している。

 

デートに関するテンプレ行動の1つだよね。

 

そして私の最初の発言は間違いなく『ううん。今来たとこ』になると思う。

 

待ち合わせまで残り15分。

 

少しだけソワソワしながら待っていると、お兄ちゃんが私のところに走ってやってきた。

 

「わりぃ楓!遅くなっちまった!!」

 

「ううん。私も今来たところだから」

 

キター!!!!

 

デートにおけるテンプレ発言の1つ『ううん。今来たとこ』を言えたぁぁぁぁあ!!!

 

お兄ちゃんは私を見て呆気に取られているけど私のターンはまだ終わっていないよ!!

 

「じゃあ予定よりもちょっと早いけど…」

 

さっきから何度も腕時計を確認しているので、今の正確な時間は分かっているので時間を確認するふりをしてお兄ちゃんの服の袖口をちょこんと持つ。

 

「ねぇ、行こっか?()()()♪」

 

「……お前ホントに楓か?」

 

失礼な。

 

私はれっきとしたお兄ちゃんを溺愛する妹、神崎 楓本人だよっ!!

 

 

 

 

~※~

 

 

 

ビックリした。

 

秋葉からは『くん』付けされることはあっても、楓からは楓が物心付いたときからずーっと『お兄ちゃん』と呼ばれていたので思わずドキッとしてしまい、変なことを口走った。

 

いかんいかん。

 

さっきから楓にペースを崩されっぱなしだ。

 

いつもみたいな調子ならこっちもやりやすいのだが、何故か今日に限ってしおらしいのでどうも調子が狂ってしまう…。

 

それは電車に乗った今も同じだ。

 

女の子の荷物を持ってやるとポイントアップだとか言ってたけど…、実の妹にポイント稼いでもなぁ……。

 

いつもなら『お兄ちゃん荷物持って~!』って感じで荷物を半強制的に渡してきたり『こんなにも可愛くて美少女である楓ちゃんと出掛けられるなんてお兄ちゃんは幸せ者だね~♪』と衆人環視の前で平気で言うこの妹の、だ。

 

「ところで、私の今日の服どう?」

 

特にやることも無いので流れていく景色の中で電信柱でも数えてやろうかと思っていると、楓に感想を求められた。

 

「うん?あぁ…、何だか珍しいな」

 

女の子っぽさ全開で、自称『クール系美少女』の楓にはとても珍しいファッションだ。

 

「零くんのために可愛いの選んできたんだよ?」

 

そういえば昨日の夜、楓の部屋からクローゼットを開けたり閉めたり『違う!これじゃない!!』って大騒ぎしている音が聞こえたのはそのせいか。

 

「そっか。その……なんだ?似合ってる…と思うぞ?」

 

「もう!零くんったらぁ!」

 

照れ隠しで俺をバシバシ叩き始める。

 

痛い痛い痛い!

 

素で痛ぇよ楓さん!!

 

「ちょっと柔らかい素材の服を選んだんだけど……触ってみる?」

 

「いいのか?ではお言葉に甘えて……」

 

一応楓に断りを入れてから差し障りの無い部分をちょこっとだけ触ってみる。

 

確かに女性モノ特有の柔らかさだ。

 

そろそろいいだろうと思った俺は楓の服から手を離すと、周りの乗客の厳しい目線が俺に向かって投げられているように感じた。

 

SNS上では『女の子の服を触ってるあの男……爆発しやがれ』って投稿しているよな……絶対。

 

っていうか…、

 

「楓、その『零くん』って呼び方なんなんだ?」

 

「え~?だってこっちのほうがカップルみたいじゃない?『お兄ちゃん!』って呼ぶといつもみたいで嫌だし」

 

そういうものか?

 

俺にはその辺はサッパリ分からない。

 

でもさっきのやりとりで楓が俺の妹だということがわかったようで、厳しい目線が和らいだ。

 

一部の乗客からの視線がさらに厳しいものになったけど…何でだ?

 

 

 

 

 

 

とりあえず居心地が悪い電車から降り、どこへ行こうかという話になったので近くにいい感じのお店を見つけたのでそこへ入ってみることに。

 

入ってみると服は勿論のこと、アクセサリーや帽子など何でも揃っていた。

 

「いらっしゃいませ」

 

店員さんがさわやかな笑顔で俺たちの来店を歓迎してくれる。

 

店員さんも人間だから感じのいい人にサービスしようと思うはず。

 

なのでこちらも笑顔で会釈すると、店員さんもさわやかな笑顔で返してくれた。

 

よし!この店員さんは間違いなくいい人だ!!

 

「わぁ……!この服可愛い…!!」

 

楓もこの時ばかりは年頃の女の子のように目をキラキラさせながらハンガーにかけられた服を見ていく。

 

「こちらの服なんていかがでしょうか?」

 

「いえ……こっちね。どう思う?」

 

「う~ん…。楓は何を着せてもソツなく着こなしちまうからなぁ……」

 

「もう!零くんったら!」

 

本日2度目の照れ隠しの反撃を喰らう。

 

しかもさっきより強めに殴られたので地味にダメージをくらう。

 

「じゃあこれ試着できますか?」

 

「出来ますよ。こちらです」

 

店員さんに案内され、試着室に着くと楓は気に入った服を持って中に入る。

 

シュルシュルと聞こえてくる衣擦れを聞きつつ、俺と共にこの場に残された店員さんがこの間を保たせるように話し掛けてきた。

 

「キレイな彼女さんですね…」

 

「いえ…妹ですよ?」

 

「妹みたいな方なんですか?でもあんなにキレイな方そうそういませんよ?」

 

店員さん…!楓はマジで俺の妹なんだ……!!

 

互いに『変態』であり『自信家』ってくらいしか似てないけど!!

 

さらに追撃をしようと口を開いたところで、試着室のカーテンが開かれた。

 

「どうかな?」

 

その場でクルリと1回転してみせてくれる。

 

すごく似合っているのだが、とある物が見えてしまったので思わず固まってしまった。

 

だが、楓にはあまり似合っていないと捉えたのかまた試着室のカーテンを閉めて元の着てきた服に着替えた。

 

「どうされますか?」

 

「すみません。違うお店を回ってきます」

 

「試着までさせてもらったのにすみません…」

 

2人で店員さんに謝ることを忘れない。

 

でも、さっきの楓は思わず鼻血が出るくらい似合っていた。

 

しかし、楓が1回転ターンをしている途中で値札がチラリと見えた瞬間血の気が引いた。

 

2万5000円もするとは思っていなかった…!

 

女の子の服ってあんなに高いとは思わなかったぜ…!!

 

 

 

 

 

 

 

その後、デートとして定番中の定番コースであるメシを食べてからの映画館という王道ルートを経由してから『もしかしたら私のセンサーにビビっとくる物があるかもしれない!』と主張する楓に連れられ、良心的なお値段が並んでいるアクセサリーショップにやってきた。

 

アクセサリーとか注意深く見たこと無かったけど、指輪だとかブレスレットなど意外といいもん揃ってるな…。

 

「零くん。これなんてどうかな?」

 

「指輪か?……楓にはもう少しシックな感じの方が似合う気がするな」

 

「やっぱり?じゃあもう少し見てくるね?」

 

楓が持ってきた指輪は少し派手なもので、楓にはあまり似合いそうでは無いものだったのでやんわりと似合っていないことを伝えると楓はまた店の奥の方へ向かっていった。

 

俺も何かいいものがないかを探し回っていると、楓に似合うようななかなかいいデザインが施されたネックレスを見つけた。

 

値段も良心的だったので、楓に見つからないように店員さんがいるキャッシャーへと向かった。

 

……気に入ってくれるといいんだが。

 

 

 

 

「ん~…!楽しかったぁ~!!」

 

日もすっかり傾き、木枯らしの冷たい風が吹き付けている。

 

楓は頬を赤く染めつつどこか充実感に満ち溢れており、手を組んで伸びをしながら歩いている。

 

「お兄ちゃんも楓ちゃんを1日独占できて楽しかった?」

 

最寄りの駅に戻ってくるといつもの楓に戻り、呼び方も『お兄ちゃん』に戻った。

 

今日は楽しかったか?…か。

 

「まぁ楽しかったか楽しくなかったかって聞かれれば……楽しかった、と思う……」

 

「きゃーっ!お兄ちゃんがデレた~!!」

 

ちょっとだけ素直になって感想を言った結果がこれかよ!!

 

ったく…。

 

「楓。ほら」

 

俺はさっき買ったネックレスをキレイにラッピングしてもらった縦長のケースを楓に差し出す。

 

「ちょっ!どうしたのお兄ちゃん!?私にプレゼントを渡すなんてどんな風の吹き回し!?」

 

「なんだ?いらないのか?」

 

「いる!欲しい!!お兄ちゃんからのプレゼントならいつでもウェルカムだよ!!」

 

少し興奮しながらケースを受け取り、ラッピングを剥がしていく。

 

ケースを開けて中身を確認した楓は驚きのあまり目を丸くした。

 

「お兄ちゃんこのネックレス…。それにこれって……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?楓……それどうしたの?」

 

「……それって?」

 

「首元のネックレス!この間までネックレスなんかつけてなかったじゃん!!それどこで買ったの?」

 

「あぁ…これのこと?へっへっへぇ……教えな~いっ♪」

 

「「えぇ~っ!?」」

 

このネックレスはきっと私の大切な宝物になる……いや、宝物にしたい。

 

だって…、世界で一番大好きな人から貰ったものなんだからっ♪

 

私の心の声に反応するようにシュガーメイプルの葉をあしらった飾りが小さくキラリと輝いた。

 




《この企画を通じて分かったこと》

毎回クオリティが高い話をコンスタントに更新続けられる薮椿さんはホントに凄いと思いました。

そしてそれと同時に私がいかに拙い文章で投稿していたのか思い知らされたこともあり、今回の企画でもっと小説やボキャブラリーを勉強しなきゃいけないとも思いました。


《祝辞・締めの挨拶》

薮椿さん1周年おめでとうございます!

これからも同じラブライブ!の小説作者として1人の薮椿さんのファンとして応援しています!!


最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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