ラブライブ!~μ'sとの新たなる日常 Anthology~【完結】   作:薮椿

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薮椿より

今回は
『ホモと女神達の奮闘記』
を投稿している、さんの『新日常』をお送りします!


くるくる凛さんより

お初にお目にかかります。くるくる凛という者です。他の方に比べて、酷い文章ではありますが、最後までお付き合い頂ければこれに勝る喜びはありません。


みんなと鬼ごっこ

日曜日。誰もが休める国民の休日。こんな日に勉強したり労働したりする奴は人間じゃない…なんてことを考えながら神崎零は惰眠を貪っていた。

ピロン 

「メール?」

携帯を見てみるとそこには1通のメール。送信者を見て一気に眠気が悪寒へと変わった。

 

 

秋葉お姉さんからμ'sのみんなへのプレゼント!明日午前10時からゲームを開催しまーーす!

 

優勝者には“神崎零を24時間絶対服従させる薬”をプレゼント!

 

ゲームのルールはまた明日!

 

主役は絶対参加だよ零くん♪

来なかったら私が零くんに薬を使っちゃうからね?

 

 

…マジか。いや、笑えねぇよコレ。24時間秋葉に絶対服従?変な機械の実験台にされたり、怪しい薬飲まされたり…もしかしたら俺の象徴が無くなったり、使い物にならなくなる可能性だってある。

「仕方ないか…」

秋葉の誘いに乗るのは気に入らないが身の安全の為だからな、仕方ない。

 

〜※〜

 

そして迎えた翌日の午前10時。部室には、俺と楓を除いた11人が既に揃っていた。そして、その奥に立つ忌々しき我が姉、神崎秋葉。

「よう…秋葉」

「我がかわいい弟よ、そう睨むな」

嘲笑うかのように秋葉は俺を見る。その眼が、嫌に不快で舌打ちしながら目を反らした。

「ゲームって何?私は手っ取り早くソレを手に入れて兄妹レイププレイをしたいんだけど」

舌打ちしてた俺の隣で妹がヤバいことを言っている件。

「穂乃果は零くんを縛って無理矢理したい!」

「ことりは12人で零くんを逆レしたいかも♡」

「にこと零の幼児プレイ…いいかも」

と思ったら、こっちでも同じような妄想をされていた件。いや…こいつらを淫r…エッチにしたのは俺だけどさ。本当はもっとこう…ね?

「さ、妄想はそこらへんにして!ルール説明するよ」

そう言うと秋葉はホワイトボードを裏返す。

 

従順零くんと夢のプレイをするのは誰だ⁉︎鬼ごっこ大会‼︎

 

「頭が痛くなってきた…」

ていうか危ない発想を持ってるのは穂乃果、ことり、にこだけなら他の奴に捕まれば万事解決じゃないか?だったら話は早い。真面目な海未あたりにわざと捕まればいい。

 

ルール

・範囲はこの学校全体。外に出たら即失格

・鬼の勝利条件は零くんの持つ“薬”の箱を開く為の鍵の入手

・零くんの勝利条件は12時の鐘がなるまで鍵を誰にも渡さないこと

・暴力は禁止。みんな仲良く楽しみましょう

 

「あ、零くん。わざと誰かに捕まった場合は12人全員に“薬”を配るからね」

「…わかってるよ」

どうやら俺の作戦はすでに見破られてたらしい。いい考えだと思ったのに…だが、そんな楽な手が通じる相手じゃないのは、俺がよく知っている。

「じゃあ零くん。コレ」

そう言って秋葉は俺に小さな鍵を投げて渡す。

「なるほど、これが鍵ってわけか」

見た目はどこにでもある普通の鍵。だが、この鍵も秋葉の作ったものだったら何かしら秘密があるかもしれない。

「零くんがこの部屋から出たらゲームスタート。他のみんなは零くんが部室を出てから10分後に追いかけてね」

 

〜※〜

 

「…さて、と」

俺は部室を出て今の時間を確認する。10時10分、てことは俺の愛しの彼女達が部室から出てくるのが10時20分。やみくもに逃げ回っても1対12の圧倒的差は埋まらない。よく考えてみればこれって数の暴力だよな。

 

だからこそ、逃げるんだ。

神崎零、女の子を屈服させることはあっても女の子に屈服することだけはプライドが許さない。

とりあえず無難な場所は外か?校舎の中だと挟み撃ちにされたら危ないしな。

 

-------------------------

 

所変わってアルパカ小屋の裏。ひとまずここに身を隠すことにした。持ってる携帯で時間を確認すると、10時19分。あいつらが出てくるまであと1分。とりあえずここで待機していよう。

 

「10分経ちました!では追加説明を行います!」

 

全校放送を使った秋葉の声が学校に響く。本当にやりたい放題だな…

 

「零くんが同じ場所にとどまれるのは10分まで。それを過ぎると私がこの全校放送でみんなに教えちゃうよー。だけど、それだと零くんがかわいそうなので零くんの持つ鍵にも細工がしたあります!」

 

ポケットにしまった鍵を出してみる。特にこの鍵に変わった様子はない。

 

「零くんハーレムの女の子が半径20m以内に近付くとその鍵が震えて近付く程に震えが強くなるよ!」

 

 

 

「じゃあルールの説明はこれで終わりだから、あとは勝手にかんばってね〜」

 

今の秋葉の説明で重要なのは2つ。同じ場所にとどまれるのは10分、この鍵は俺が愛しの彼女達の接近を知らせるセンサーだということ。

 

10分ということは、俺がこの場所に留まれるのはあと8分てところか。それまでに次の隠れ家、そこに到達するまでの経路を決めなければならない。

とりあえず校舎にはあまり近寄らない方がいいだろう。まだ愛しの彼女達が校舎の中にいる可能性が高い。誰もいない校舎でのプレイも嫌いではないが、男のプライドがかかってる今はそんなこと言ってる場合ではない。

 

携帯で時間を確認すると、ここにいられる時間はあと2分ほどになっていた。秋葉にバラされる前に逃げないと。もし一気に攻めてこられたら12人全員を相手にして逃げられれ気がしない。

 

〜※〜

 

初っ端から見つかりました。ハイ。開けた場所に出たのが間違いだった。20m以上離れていたせいか、鍵も震えなかった。あ、今頃震えだした。

「あれは…雪穂と亜里沙だよな」

どうやら2人も俺に気付いたらしい。こちらに走ってくる。ここは勿論、逃げたほうがいいのだろう。だが、2人は俺にむかって、ゆっくりと走ってきていた。

「零君!逃げないでください!」

逃げないでくださいという頼みも今は聞けない。逃げようと後ろを向いて走りだそうとする。

「私達は味方ですよ!」

が、そうはいかなかったらしい。俺は首だけを後ろに回し、いつでも逃げられる構えを取りながら二人を見た。

「…味方、だと?」

「はい。私と雪穂は零君の味方です!」

「秋葉さんの薬で零君に何かするつもりはありません!」

これは…どうすれば、いい?

信じていいのか?罠なのか…?

「そう言える根拠は?」

本当は信じたいが、男としてのプライドが掛かってる今、それは難しい。

「「…零君のことが好きだからです!好きだから零君の嫌がることはしません!」」

 

「信じよう」

 

は?さっきまで間の疑心はどこいった?知らねぇよそんなもん。

「「零君…」」

「雪穂…亜里沙」

俺はなんて馬鹿だったんだ。こんな天使達を疑うなんて…あぁ、今すぐ抱きしめたい。俺の天使達…

 

が、妄想に浸っていたせいか気付かなかった。

「「今だ‼︎」」

天使達の近づく音に。そして、左から雪穂の。右から亜里沙の手が高速で伸びていることに。

「危なっ‼︎」

しかし、俺とて男。ギリギリのところで躱し、尻餅をつく。

「躱しちゃったかぁ…」

「あと少しだったのに…」

ちょっと待って、これさっきの天使達じゃない。

「「次は…ないですよ」」

笑顔が超怖い、まるで…あの地獄の9日間で見たような…そんな笑顔。

「ウワァァァァァァァァァァァァァァァ!」

俺は、逃げた。カッコ悪いとか気にせず全力で逃げた。こんなに死ぬ気で走ったのは、いつ以来だろう…

 

〜※〜

 

「…つ、疲れ、た」

脇目も振らずに走って走って走って走りまくって。俺がたどり着いた場所は保健室。とりあえず…ベッドの下にでも隠れていよう。

 

「10時40分か…これからだな」

そのせいで足が痛い。それより雪穂と亜里沙が途中から俺を追ってこなくなったことが気になる。

「ん?」

鍵が…微かに震える。息を殺し耳をすませると微かに廊下を歩く音が聞こえてきた。

「やんやんおくれそうです〜♪」

こと…り?

「ん…零くんの匂い?保健室からかなぁ」

「っ⁉︎」

ヤバい。ヤバいヤバいヤバい。本能が俺にそう告げる。このままじゃ…ゲームオーバー、俺の負け。逃げなければ。

ベッドの下を抜け出そうと上半身を外に出す。

「れーい、君‼︎」

が少し遅かったらしい。保健室のドアが開け放たれ、愛らしい笑顔のことりが、そこにはいた。

「よ、よぅ。ことり」

「あっ!零くん!…ちょっと、動かないでね」

こちらへ歩いてくることりが…超、怖い。急いでベッドの下から出て窓から出ようとした瞬間、俺の腕が掴まれた。

 

「 れ い く ん な ん で に げ る の ?」

 

「ウァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」

俺氏、本日2度目の猛ダッシュをしようとしたのだが…

 

「 な ん で ? に げ る の ?」

 

力強すぎ!本当にこれ、ことり⁉︎振りほどけねぇ‼︎

「どうしてかな零、くん?」

その笑顔は俺が今までみたことりの表情の中で、一番…

「あ…あ」

恐ろしいものだった。

 

 

 

「なーんてね♡」

「…え?」

「どうだった?ことりの演技?」

さっきとは、打って変わったことりに戸惑う俺。え、演技…だったのか?

「うん。どうだった?」

「そうだな…ガチで怖かった」

もう本当、ちびりそうなくらい。

「そっか!びっくり大成功‼︎」

喜ぶことりはいつも通りかわいい。でもさっきのことりが演技だとは…全く思えなかった。

「あ、ことり…俺、そろそろ行くな」

窓の外を指差し、ことりにそう告げてから全力で逃げた。

 

俺が逃げたあとの保健室でことりが

 

「危ない危ない。つい… 本 気 になっちゃった。抜け駆けは…無しだよね」

 

なんて呟いてたのを俺は知らない。

 

〜※〜

 

「ん?」

鍵が震えた。周りを見渡すが、それらしい人影は見当たらない。念の為隠れたほうがいいか。

あ、因みに俺は今体育館の中にいます。外だとまた雪穂と亜里沙にエンカウントしそうなので。

「あそこでいいか」

舞台に上がり隅の方に隠れ、鍵の震えを確かめると鍵の震えは止まっていない。というかさっきより震えてる。

「にゃー!」

「り、凛ちゃん‼︎」

体育館のドアがかなりの勢いで開け放たれる。現れたのは癒しのりんぱなコンビ。

「凛の予感が告げるんや!零くんはここにいるにゃ!」

どこぞのスピリチュアルな巨乳さんが混じってるぞ猫ちゃん。

「でも…零くんいないよ?」

「きっとどっかに隠れてるにゃ!」

凛がこちらに小走りで近付いてくる。とりあえず、もっと後ろの方に隠れるか。

「凛ちゃん、零くんいた?」

「いないにゃー」

凛と花陽の姿は見えないが、話してる声だけは聞こえる。

「…どうしよう、早く見つけないと」

「そーいえばかよちん。なんでそんなに零くんを一生懸命追いかけるの?

 

“例の作戦”が成功すれば凛にもかよちんにも零くんを好きにできるチャンスはあるよ?」

 

例の…作、戦?

「でもそこに零くんの気持ちはないよ?」

「…それは、そうだけど」

例の作戦っていうのが何かはわからないけど、それに花陽と凛も一枚噛んでるらしい。

「…私、本当に零くんのことが好きなんだ。だから、零くんの嫌がることは…したくない」

例の作戦は置いておくとして。なんて、いい子なんだ花陽…涙が出そうだ。

「かよちん…」

「みんなの言ってることもわかるけど…でもあの作戦はよくないと思う」

「にゃー…」

あの作戦?みんなは共同しているのか?だったらこの先の動き方を更に気をつけなければならない。

「だからさ、凛ちゃん。私たちで零くんを捕まえて鍵は零くんに返そう?」

「了解にゃー!」

2人はそのまま体育館の外に出て行った。それと同時に、鍵の震えも弱くなって、やがて動かなくなる。

 

「あぁ…なんて天使なんだ」

 

…感動に浸ってる場合じゃないや。同じ場所にいられるのは、10分まで。さっさと移動しよう。

にしても…りんぱなは最高だよなぁ。

 

〜※〜

 

「…海未と希?」

遠くに綺麗な黒髪と紫髪の2人がいた。2人はこちらに気付いていないらしい。

「逃げるのが得策か…それとも」

2人は何やら話をしている。凛と花陽が言ってた“あの作戦”について話しているのか?だとしたら…俺は細心の注意を払って近づくことにした。

「……しば………まっ……」

「で…そ…す……ふた………い………み……にな……ん」

ダメだ、まだよく聞こえない。これ以上近付くのは危険かもしれないが、この期を逃す訳にはいかない。

 

「そうなんですが、イマイチあの2人は積極性に欠けるような気がするんです」

あの2人…?

「そりゃあ、ウチと海未ちゃんも含めて零くん一筋の恋する乙女やもんなぁ」

 

「でも…無理矢理してみたくないですか、希?」

「確かに…」

無理…矢理?何を無理矢理やるんだ?ていうか希はなんでそれだけで理解できているんだ?

 

「いつも愛の行為は零にリードされています」

「そうやんなぁ…」

流れが、が変わった?なんだ、こんな時に猥談か…?

「だからこそ、私たちがリードしたいのです。そして…これは、私の願望なのですが…

 

 

嫌がる零を、無理矢理愛したいのです」

「……っ⁉︎」

なん…だと…⁉︎無理矢理愛する…つまり薬を使って俺を従順な僕にして無理矢理…ヤる。なんて…恐ろしいことを考えてやがる、海未。

「それをみんなに打ち明けて全員…いや、11人の賛成を得られるのが驚きやん」

11人…?あとの1人って…

 

〝でもそこに、零くんの気持ちはないよ〟

〝零くんの嫌がることは…したくない〟

 

なるほど、花陽か。でも、今はそこに凛も加わっている。1対10、厳しいことには変わりないが、それでも12人よりはマシだ。

「いえ、凛も花陽側に寝返ったと考えていいでしょう」

海未はサラリと告げた。想定内、ということか。

「…そう言える根拠は?」

希が海未を疑うように問いかける。

「きっと凛と花陽は一緒に行動しています。凛も根は純粋な子です。花陽に説得されてこっち側からは外れていると考えるのが妥当でしょう」

「…なるほど」

そこまで分かっているとは…やっぱり海未は凄い。だが、10人が纏まってると分かれば、こちらにもやり方がある。まずは、

 

「そこにいるのでしょう?零」

 

思考が、一瞬で止まる。そんな言葉が俺の耳に響いた。

 

「…っ⁉︎」

バレてる⁉︎いや…もしかしたら探りかもしれない。後少し、様子を見よう。

「いるのは、分かってますよ。その為の餌です。これは」

餌、というのはこの会話のことでいいのか…?

「零くん、そろそろ出てきてもいいんやないかな」

完璧にバレているらしいな。だったら…

 

逃げるが勝ちだ!

 

俺はその場から全力で駆け出した。後ろを振り返った時、海未と希はその場から動いていなかったのが気になった。

 

その後雪穂と亜里沙に見つかって追われている内に校舎の中へと逃げた。

 

これが…あいつらのシナリオとも知らずに。

 

-------------------------

 

「うまくいったみたいやね、海未ちゃん」

「ええ。外で逃げられていては、捕まえにくいですし」

海未はまるで、当然のように言う。

「零くんも、自分が罠に掛かったとも知らずに、気の毒やなぁ…」

「…よくそんなこと言えますね。花陽と凛を利用した癖に」

「…なんのことかな。ウチは2人に零くんの居場所を教えてあげただけやん?」

海未はその問いに答えることなく、一歩前に出た。

 

「…これで零の敗北は、ほぼ確定したわけですが。さて、零。貴方はここからどう動きますか?」

 

希にも聞こえないような、小さな声で少女は呟いた。

 

-------------------------

 

「なんでまたぁ⁉︎」

今現在、俺はまたしても逃亡中である。校舎の中に入り、雪穂と亜里沙から逃げきったと思っていたら、待ち構えていたかのようにいた楓に追いかけられている。

「お兄ちゃん待ってー!」

「待つわけねぇだろ‼︎」

てか足…はやい!何回もダッシュしているせいか、俺の方はもう限界が近い。これじゃまともに逃げられるのは後少しだ。

「クソッ…」

手短な教室に避難しよう。

 

「周りもよく見ようね、零くん」

 

「なっ…」

階段の少し後ろには…穂乃果が立っていた。が、少しおかしい。穂乃果は俺に向かって走らなければ、後ろに下がることもない。

 

まさか…?

 

だが、わかったところでどうすることもできない。俺には

 

“階段を登るしかない”

 

「狙いは、これか」

俺は短く舌打ちをすると、二階へ駆け上がった。

 

〜※〜

 

二階、被服室。俺は今、そこにいる。本当は準備室の方に隠れたがったが、施錠されていたせいで入れなかった。

「はぁ…はぁ…」

猛ダッシュのせいで心臓が激しく動いている。全力で逃げられるのは…あと1、2回。ふと今の時間が気になって上を見上げる。

 

11時…30分。ラスト、30分。

 

「…ここから、だな」

 

被服室から出て周りを注意しながら、二階を歩き回る。

ん?あの赤髪は真姫だな。

「よう、真姫」

俺は後ろを向いて歩くの真姫の背中をポン、と叩いた。

「れ、零⁉︎」

「おう、愛しの零くんだぞ」

「えい!」

俺は真姫の伸びてきた手をスッと躱して真姫を壁に押し付ける。所謂、壁ドン。

「今、なにしようとした?」

「な、なにって…鍵を取ろうと」

ん?俺がなんでこんなことをやっているかって?それは、あとで説明してやるから、今は俺と真姫の壁ドンを楽しんでね。

「はぁ?ふざけんなよ」

俺は壁についていた右手をもう一度壁に叩きつけた。

「ひっ…」

真姫の顔に恐怖の色が出てしまった。少し、やりすぎたかな。

「おまえは、俺のモノだ。俺に逆らうことは、許さない」

真姫の顎をクイっと俺の方に向かせる。必然的に見つめ合う形になった。

「あ…あ」

「オシオキ、だ…」

俺は真姫のズボン…秘所の中に手を入れ

 

「ハイ!零くん、そこまでたよー」

 

「チッ、やっぱ見てたか」

俺は真姫から離れ、やれやれと首をふった。真姫はポカーンとしていた。

「じゃ、そういうことだ。俺は行く。またな、真姫」

ポカーンとしている真姫を置いて突き当たりを曲がり、テキトーな教室に入った。

 

「さて、と」

俺は“真姫のポケットに入っていた紙”を広げた。そう、俺が真姫に近づいた理由、ポケットに怪しい紙があったからだ。

 

「なるほど…」

そこには俺を捕まえる為の作戦が細かに書かれていた。自分の疑問が確信に変わる。あの時、凛と花陽の会話も、作戦の内だった。

 

てことは…凛と花陽もあっち側なのか……

「なわけねぇだろ、俺」

きっと、2人はそんなことない。そう、信じよう。

 

〜※〜

 

残り15分。そろそろあいつらも仕掛けてくるだろう。まだ出会ってない絵里、にこあたりには特に気をつけなくちゃな。

 

「隙ありよ」

「っ⁉︎いつの間に⁉︎」

教室を出ようとした俺を後ろから絵里が抑えた。いつ、どうやって入った?

「…本当に、間抜けね、零」

そして扉を開く。そこには、にこが立っていた。

「どう?にこの考えた作戦は?」

「ええ。バッチリよ、ホラ」

「さすがにこね!じゃあ、鍵を貰うわよ、零」

にこは、俺の身体を弄って鍵を盗ろうとする。…今、気づかれるわけには、いかない。

「ごめんな、絵里」

「え?」

俺は絵里の秘所に手を当てて、弄る。

「んっ…」

絵里から色っぽい声が出て力が緩んだ。今が、チャンス‼︎

「よっ‼︎」

身体を下に落とし、転がりながら教室の外に出る。

「なにやってのよ絵里!」

「し、仕方ないでしょ!気持ちよかったんだもん!」

「…それじゃあ仕方ないわね。って、零が逃げる!出番よ‼︎みんな!」

にこがそう叫ぶと目の前の階段から雪穂、亜里沙、楓、真姫が。後方からは絵里とにこと希、穂乃果と海未とことりが。そして、今の俺に残された選択肢は

 

上…すなわち三階に逃げるしかない。

 

「…あと20分」

廊下にある時計で時間を確認して階段を駆け上がる。今は、時間を稼ぐんだ。

 

このゲームは“鬼ごっこ”じゃない。

鍵を“盗られなければ”、“神崎零”が捕まろうとも“神崎零”勝ちだ。

 

隠れろ、どこでもいい、悟られちゃいけない。俺が、鍵を持っていないことを。

 

〜※〜

 

三階で奮闘し、10分弱の時間を稼ぐことができた。が、残り5分。俺がいる場所は屋上。もう、逃げ場も隠れる場所もない。なにもないここは、数で勝る方が圧倒的有利だ。

「とうとう追い詰めたよ。零くん」

俺の目の前には、10人が。ん、10人?

「凛と花陽は、どうした?」

そうだ、階段を上ってくる時に気づいても良かったはずだ。今、目の前のいるのは10人。

「凛ちゃんと花陽ちゃんなら、今頃嘘の情報でアルパカ小屋の方にいるはずやん?」

「……何故だ?」

「凛と花陽が、非協力的だったからですよ。その紙を読んだなら、わかりますよね。零」

海未が俺のポケットに入った紙を指差す。

「なるほど、な。てことは何か…ここにいる10人はその、無理矢理俺を犯したいと、そういう考えを持ったメンバーか」

「ええ。そうですけど」

海未はそこまでいうと、9人に合図をした。唯一の出入り口を海未が塞ぐ。

残りの9人を躱すこともできない。9人に押さえつけられた俺は押し倒され、身体を弄られた。

「どこに隠したあるの零‼︎」

「零さん!零さん!」

「お兄ちゃん、ハァハァ…」

とまぁ、こんな感じに俺の上半身とポケットを弄ってるのが7人。で、

「零くんのおパンツ…」

「ムレムレのおパンツ…」

俺のズボンを脱がして下着を奪い取ろうとしているが2名。

「ちょっ…ギブ!ギブ!重いから!」

「出すまで動かへんよー!」

じゃあ永遠に俺の上で9人が暴れるのか。まぁ…悪くはないかn

「グフッ…」

前言撤回!無理無理!だって俺の腹部にグーパンが入ったもん!腹パンはやめて!

そしてもみくちゃにされて暫く経った頃、それに気付いた海未が口を開いた。

 

「零、“鍵”をどこへやったのですかっ…」

 

9人の動きが、止まる。俺はなんとかその輪から抜け出し立ち上がる。

「答えるわけないだろ」

そう。あと少しで俺の勝ちだ。が、俺は敵に塩を送ったりしない。その油断が、命取りだ。

「まさか…あの時零が私とにこに気付かなかった理由って…」

 

「そうだ。その時の俺は既に、“鍵を持っていなかった”」

 

簡単に考えればわかる。至極簡単なワケ。

「てことは“鍵”の在り方は…零の、隠れた場所ッ」

そこで全員が理解した。この少年は“勝つため”に“自分が囮になった”。

 

「御名答。だが、時間切れだ」

 

このゲームは、鍵を盗られたら負け。つまり、鍵を盗られなければ勝ちということだ。神崎零が、どうなろうとゲームには関係ない。

 

「そんな…」

 

目の前にいる10人がその場に座りこむ。残念そうな彼女達の顔を見て少し罪悪感があるが、仕方ない。男のプライドがかかっていたんだ。

 

「零くん、勝利おめでとう」

 

秋葉が出入り口から屋上へと入ってきた。その隣には、凛と花陽もいる。どうやら2人は、俺の作戦に気付いていたらしい。

やっぱり被服室だったかー!と悔しそうにしている。

 

「って言いたいけど。残念だね、零くん」

 

「このゲーム、“私”の勝ち、だよ」

秋葉はにっこり笑うとポケットから、被服室に隠してきた鍵を取り出した。

「はぁ?12人から鍵は守ったは、ず…だ………

 

ァァァァァァァァァァァァァァァァ!」

 

そうだ!初めから“秋葉がゲームに参加しない”なんて保証はどこにも無かった!こいつの口から、“私は参加しない”なんて聞いていない!

俺の口から出る乾いた笑い声が屋上に虚しく響いた。

 

後日。俺が女になったり、俺の象徴が消えたり…散々な目にあったのは、また別の話。




最後まで読んでくださりありがとうございます。本当にありがとナス‼︎
アレですね…こうして書いてみると本当に薮椿さんの凄さがわかりますね。特に大人数が集まる場面とか、一人一人を目立たせることが自分にはどうしてもできませんでした←聞いてないですよね、すいません。

一読者として、新参者として。これからも精進していきたいと思います。そして、この企画に誘ってくれ薮椿さんに感謝を。新日常の新たな読者が一人でも増えてくれることを祈って挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。
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