本日も晴れ、鎮守府に異常無し《完結》   作:乙女座

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遅くなりました

や、やめて!ボーキサイトを食べないで!赤城さん!


十一日目

7月$日

 

午前八時 鎮守府 埠頭

 

「では遠征行ってくるわね!」

 

7月に入りだんだんと暑くなり出した今日この頃。沖へと遠征任務へ進んでいく雷、響、暁、電を見送る憲兵と提督。埠頭の掃除をしているときに遠征組が出発する時であったため見送ることにしたのだ。

 

「では私は仕事に戻りますので」

 

そう言って仕事に戻ろうとする憲兵。キュッと袖が掴まれ憲兵は掴んだであろう提督を見る。

 

「えーっと……一緒にご飯どうですか?」

 

上目遣いでそう尋ねてくる提督。恐らくあの青年に提督が同じことをしたら銛一本でエリートレ級に挑むだろう。しかし、憲兵は表情を変えずいいですよと返事をし、食堂へ移動しようとする。

 

「えい!」

 

「………提督。何をしていらっしゃるのですか?」

 

「腕を組んでます」

 

え?何言ってるんですかと言わんばかりの視線で憲兵を見る提督。この状況はまずい、何とか離れなければ自身が憲兵に連れていかれてしまうと考え何とか離れてもらおうと説得する。しかし、提督は離れようとはせず逆に体を密着させてくる。

 

「まずいですので………離れて…」

 

「だめですか?鈴谷ちゃんはいいのに?」

 

うるうるとした瞳で憲兵を見上げ尋ねる提督。断ると言う選択肢が消え、離れてもらうことを諦めた憲兵は腕を組んだまま食堂へいくことになった。

 

 

 

大和が腕を組んでいる二人を見てああすればいいのねと言っていたのはまた別の話である。

 

 

「HEY!提督一緒にbreakfastをってうえええ!」

 

前方からやって来た金剛が二人が腕を組んでいるのを見て驚き少しばかりキャラが崩壊していた。比叡があわわと金剛をなんとかなだめ、霧島は憲兵さんもなかなかやりますねと言っていた。するとふらふらと後ろから榛名が歩いてきた。ぼーっとしておりどこか足取りもおぼつかず、顔は少し赤くしんどそうにしていた。

 

「榛名ちゃん大丈夫?」

 

提督は憲兵の腕から離れ心配そうに榛名に近づき声を掛ける。しかし、榛名は大丈夫ですとしか返事をせず笑顔にも元気がない。ちょっとごめんねと声を掛けた提督が榛名のおでこに自分のおでこを引っ付ける。

 

「熱出てるじゃない!」

 

「榛名は大丈夫です」

 

「榛名寝てるようにって言ったはずネー」

 

「榛名は大丈夫です」

 

「も、戻って休んだ方が…」

 

「榛名は大丈夫です」

 

「姉さんは戻って寝ていてくださいって…」

 

「I'm okay,kirishima」

 

榛名は大丈夫ではなかった。仕方ないですね。許してね榛名と比叡が憲兵さんお願いしますと言う。すると今まで黙って見ていた憲兵が榛名に近づき失礼しますと言い榛名の背中へ腕を回し、膝の下にも手を回し持ち上げた。いわゆるお姫様だっこである。憲兵は榛名を比叡の案内のもとそのまま部屋へと連れていく。残された三人は唖然としており提督が私もしてもらいたい!と騒いでいた。

 

 

 

午前10時 艦娘寮 金剛姉妹の部屋

 

医務室で風邪薬を貰い金剛姉妹の部屋へとやって来た憲兵。ノックをし中から比叡からの返事を聞き部屋へと入る。ベッドにはすやすやと眠る榛名、そして側でおでこに水で冷やしたタオルを乗せる比叡。かなり抜けているように思われがちな比叡だが金剛型の中では結構しっかりしている。フリーダムハイテンションな姉を追いかけ回すうちに身に付いたらしい。

 

「薬はテーブルの上に置いておきます」

 

「ありがとうございます憲兵さん」

 

榛名の頭を優しく撫でる比叡。姉思いでもあるが妹たちにも優しい彼女。撫でられた榛名の表情はとても安らかなものである。

 

「比叡さんはしっかりしていますね」

 

「そんなことないですよ」

 

あははと笑う比叡。憲兵はよく比叡に声を掛けたり気に掛けたりする節がある。

 

「それにしても榛名さんはどうして出てきたのでしょうか。部屋で休んでいればよかったのに」

 

「それは………どうしてなんでしょう?」

 

二人して考えるが全く答えが出てこない。榛名は憲兵さんに会いたくて出てきたと言うのにこの二人はどうにも鈍いのだ。

 

「では私は仕事がありますので失礼します。榛名さんにお大事にとお伝えください」

 

「任せてください!」

 

にぱっと笑う比叡。その笑顔を見た憲兵が固まった。

 

「絵里……………」

 

「へ?憲兵さん何か言いました?」

 

ぼそりと呟いた憲兵。何でもありませんと謝り部屋から去っていった。

 

因みに回復した榛名がお姫様だっこされている写真を翌日青葉から買い取って写真たてに飾っているとかいないとか。

 

 

 

午後6時 艦娘寮 廊下にて

 

「憲兵ちょっと待って」

 

振り替えると時雨が走ってくる。憲兵は廊下では走らないようにと伝える。時雨はごめんよと伝え憲兵の隣に並んで歩く。

 

「そういえばこれ返しておくね」

 

「これは…………」

 

写真であった。

 

「風邪引いたときに部屋で見つけてそのままもって帰っちゃって………返すタイミングが見つからなくて…ごめんなさい」

 

「いえ………問題ありませんよ。特に何かあるわけでもありません」

 

そう言って写真をポケットへ入れる憲兵。時雨は憲兵にそれに写っている女性が誰なのか聞こうとしたが、聞かない方がいいと考えた時雨は黙って憲兵の横を歩く。

 

「晩御飯は何なんでしょうか」

 

「今日はうどんらしいよ」

 

そうですかと返事をする憲兵。すると後ろから彼の背中に何かがしがみついてきた。

 

「ヲヲヲヲヲヲ!」

 

「キュー」

 

ヲ級とイ級達だった。憲兵はヲ級を背負う形で歩く。

 

「なつかれてるね」

 

「えぇ、可愛いものですよ」

 

「ヲヲーヲ!」

 

そう話ながら歩く二人と3匹。食堂まで仲良く話しながら進んでいった。

 

 

 

 

 

本日の主な出来事

 

 

遠征に行く第六駆逐艦の皆様の見送り

 

 

榛名さんが大丈夫ではなかったので自室へ。風邪とのことで薬を比叡さんに預ける。

 

夕方

 

時雨さんと会話する。写真をもっていたとのこと。

 

一言

 

私は…まだ彼女を引きずっているのか……

 

最後に

本日も晴れ、鎮守府に異常なし




感想、評価、アドバイスよろしくお願いいたします。

どうでもいいかもしれませんが作者の艦娘ランキングは

1,天龍
2,最上
3,マイラブリーエンジェルぼのたん
4,ヒエーさん

天龍はないと言った作者の友は海の藻屑に……
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