本日も晴れ、鎮守府に異常無し《完結》   作:乙女座

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今回は憲兵さんがキャラ崩壊してるかも
アドバイスお願いします!!

※ 憲兵さんの口調に納得できなかったので変えました


旅行 到着 海 

「「「着いたー!!!!」」」

 

バスから降りた元気な駆逐艦達の声。殆どの駆逐艦は目の前に広がる危険と隣り合わせとは違う、遊ぶことができる海を見てテンションが上がっていた。

 

「おーい。自分の荷物は自分で下ろすんだぞ~」

 

「「「「はーい!」」」」

 

天龍の呼び掛けに応じ各々の荷物を旅館へと運ぶ一同。旅館に入ると仲居さんとこの旅館の女将が出迎えてくれた。挨拶を済まし割り振られた部屋へと荷物を運んでいく。憲兵はボストンバッグ1つを持ちヲ級とイ級ブラザーズと共に自室へと向かう。

 

「…………ここですか」

 

大きく開いた窓からの眺めは良く、ヲ級とイ級ブラザーズは景色を堪能していた。いつの間にか海へと繰り出したヲ級とイ級ブラザーズ。憲兵は一人部屋で鞄から旅館で読もうと考えていた本を取りだし窓際の椅子へと腰掛けゆっくりと本を読み進めるのだった。

 

 

「あれ?憲兵さんがいないのです」

 

30分経っても宿から出てこない憲兵に気づいた電。それを聞いた艦娘達も辺りを見渡すが憲兵の姿はなかった。

 

「多分部屋に居ると思うわ~。私呼んでくるわね~」

 

「ちょっ!おい!このままにするなよ!」

 

眩しい黒の水着を着た龍田が宿へと向かう。砂に埋めて顔だけ出した天龍が行かないでくれ!と叫ぶも鼻唄を歌いながら宿へと入っていった。

 

 

「……………」

 

静かにお茶を飲みながら本を読み進める憲兵。するといきなり視界が真っ暗になる。

 

「だーれだ?」

 

うふふと笑う声を聞いて憲兵は龍田さんですねと言い解放してもらう。

 

「皆待ってるわよ~」

 

「いえ……私は大丈夫ですので」

 

「ほら~水着を着て~。それともお手伝いしましょうかぁ?」

 

憲兵は身の危険を感じ着替えるので少し待ってて下さいと言い部屋から龍田を出した。あまり気が進まないが本当に身ぐるみ剥がされる危険を感じバッグから水着を取りだし着替えるのだった。

黒の海パンと上にシャツを着た憲兵。自分には付ける価値は無いといつも首からチェーンを通して下げていた結婚指輪をなくさないように部屋の金庫の中へと入れる。

部屋から出ると龍田が待っていた。お待たせしましたと頭を下げ廊下を歩き出す憲兵の腕に龍田は飛び付き腕を組む。彼女の大きな胸が当たっているのに気づくが顔色1つ変えず離れてくださいと言う憲兵だが龍田は待たせた罰ですよ~と微笑む。憲兵は大きなため息をつきそのまま海へと出るのであった。

 

 

砂浜に出てきた憲兵を発見した駆逐艦が遊んでもらおうと集まってきた。憲兵は腕を引っ張られながら海へと連れていかれ、あらら横取りされちゃったと微笑む龍田。そんな彼女に助けてくれ~と天龍が泣きながら助けを求めるのだった。

 

「ほら曙、潮!憲兵さん来たよ!」

 

「か、関係ないでしょ。あんなやつ!」

 

「うぅ」

 

姉妹艦に背中を押されて憲兵の近くに来た曙と潮。憲兵は彼女達と目が合い近づいてきた。

 

「憲兵さん漣達の水着似合ってますか?」

 

その場でくるりと回る漣。そしてどうだ!と胸を張る朧。憲兵は良く似合ってますよと答え、次は曙と潮を見る。二人は顔を見ようとせず曙は横を向いており潮は下を向いていた。

 

「曙さんと潮さんもとても似合っていて可愛らしいですよ」

 

その言葉を聞いて笑顔になる潮。顔を赤くしながらふんとそっぽを向く曙であった。

 

 

駆逐艦達と海で泳いだり砂浜で日向や伊勢と砂だけで特別な瑞雲を作ったりビーチバレーで長門、武蔵、那智、足柄、霧島と死合(誤字ではない)を繰り広げたりなどなかなか充実した時間を過ごす憲兵。途中で提督にオイルを塗って欲しいと頼まれたが丁寧にお断りした。

ブルーシートに座り笑顔で遊んでいる艦娘を眺める憲兵に声をかけてきた人物がいた。

 

「桜村の憲兵さんですね?」

 

「たしかに私が桜村の鎮守府の憲兵ですが……貴方はもしかして」

 

声をかけてきたのはここの地域の鎮守府に配属されている憲兵だった。この地域の海を守るのは若い男性提督で容姿も整っている。優しい、そして何より素晴らしい采配で数々の海域を深海棲艦から解放している。そしてそんな彼の鎮守府に配属されていた憲兵が

 

「お久しぶりです。あの作戦以来ですね副隊長」

 

「貴方が配属されていたとは……子供は元気ですか?」

 

「はい。今年10歳になりました」

 

「よかったです」

 

「はい………副隊長はどうですか?奥方の方も元気ですか?」

 

憲兵は自身の妻が亡くなったことを周りには言っていなかった。かつての部下は生きていると思ったのだろう。何気ない質問であった。

 

「……………妻はあの防衛戦の時に亡くなっています」

 

「…え?あ、も、申し訳ありません!」

 

「別に大丈夫です。それより久しぶりに飲みに行きませんか?君の子供の話も聞きたいですし……どうでしょうか?」

 

話を変える憲兵の気持ちに気づいたのだろう。若い憲兵は笑顔でそれに了承する。

 

「よ、よろこんで!では19時に『朝焼け』と言う居酒屋で!酒も、肴もおいしいんですよ!」

 

「それは楽しみです。では私は提督に許可を貰ってきますので。また後で」

 

「はい!では失礼します!」

 

そう言って帰っていくかつての部下の背中を見ながら立派になったなと心の中で呟く憲兵だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「憲兵さんに奥さん?」




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