Fecit-puella フィ-シトゥプエッラ   作:nasari

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どうもです、第2話です!見て下さる方がいるようですねとても嬉しいです!それを活力に頑張りますm(*_ _)m


第2心 マキナ

翠の瞳と翠の瞳が見つめ合う。テーブルの正面にいる女の子は目を逸らそうともせず、ただずっと見つめ返す。

「名前っていっても何が良いかなぁ、な、マギ」

「何でもいいんじゃない?、あと僕はまだソイツを認めたわけじゃないから」

頬杖をついて目も合わせずに冷たく言うマギは、さっきからずっと不機嫌そうにしている。別にこの子はここに来てマギに何かしたというわけではないのに。

そう、本当に何もしていないのだ。話すことも動くことすら、椅子に座ってから全く変化が無い。表情も無く、何を考えているのか、考えていないのかすら分からない、無機質そのもの。

「……まるで機械みたいだ。」

ボソッと無意識のうちに言葉が出てしまった。俺はハッとした。いくら何でも機械なんて、失礼だ、だが、女の子を見ると特に何とも思っていないのか無表情のまま。

「機械とか、人に対して失礼だよな、ごめんな?」

「……マキナ」

上手く聞こえないくらいの小さな声が俺の耳に届いた。それは、マギが言ったことに気づくのはだいたい3秒後。

「え?何?」

「マキナ、それでいいだろ」

ぶっきらぼうに睨みつけるような目をして俺と女の子を一瞥すると席を立ち、部屋から出て行った。キョトンとしばらくマギが出て行った扉を見ていたが、トントン、とテーブルを小さく叩く音が聞こえ、振り向くとテーブルの上に白い手がそっと置かれているのを見て、女の子がテーブルを叩いたのだと分かった。

「まきな、なまえ?」

「あ、あぁ、それでいいか?他にも考えようか?」

女の子は首をフルフルと振った。気に入ったんだろうか?とにかく、本人がそれでいいと言うならそれにするのが1番だろう。

女の子、いやマキナは特に表情を変える事はない。ただ、俯いて何故かさっきより少しもそもそと動いている、何か、そわそわしているようにも見えるが、と、マキナが急にフッと俯かせていた顔を上げて口を開いた。

「ないと、なまえ、よぶ、まきな」

「……ん?」

言葉がまるでつぎはぎだ、上手く聞き取れずに俺は首を傾げた。俺が聞き取れていないのが分かったのかマキナは少し悩んでまた話した。

「ないと、まきな、の、なまえ、よぶ」

今度は間の単語が付け足されたから分かった、マキナは俺に名前を呼んで欲しいらしい。名前を呼んで貰うだけなのに、恥ずかしがっていたからそわそわしていたのか?

「えっと、マキナ!」

「はい」

返事をされた。だがマキナはもう一度呼んで欲しいのか俺をジッと見つめる。

「マキナ」

「はい」

「マキナマキナマキナ」

「はい、はい、はい」

素直に返事をする姿が何だか面白く見えてフッと吹き出してしまった、相変わらずマキナは無表情だ。と、キッチンからオネストが部屋に入ってきた。

「坊ちゃま」

「ん?なんだ?」

「そろそろ外の方に出ていって下さるお時間では?約束をお忘れですか?」

広い部屋の奥、今は使っていない暖炉の上の壁にかけられた木目調の時計に目をやると10時を5分過ぎたところだった。そうだ、確か朝目が覚めて道場に行く前、オネストは10時になったら少しの間外に出てほしいと頼まれたんだ。何故と聞いても秘密だと言うが、少し外に出るくらい俺はどうともなかったから約束した。でもマギはあまり外に出たがらないから俺とオネストで説得したんだった。

「マギ坊っちゃまはもう行かれましたよ」

「あ!ごめん!すぐ行く!……っと」

エントランスホールに行こうとドアノブに手をかけたがクルッと反転し、椅子に座っているマキナを見下ろし、手を差し出した。が、マキナはキョトンと首を傾げる。

「行こうぜ、ほらっ」

膝の上に置かれたマキナの白い手をとり、椅子から立たせて引っ張る、が、少しよろけた。俺は慎重に、エスコートするように手を引いてエントランスホールへと扉を開けた。

玄関扉を開けるとまず見えるのは大きな噴水、それを避けるように2つに別れまた繋がった茶色い石畳の通路、広い芝の緑が太陽に照らされ輝く庭、この美しい庭を産まれた時から見ていたためもうとっくに日常となっている。その庭に植えられた木のうち桜の木、その下に腰掛け本を読むのもまたちょっとした日常になっている。いや、こんなふうに外に出るなんて今日は少し特殊だ。何故なら執事に頼まれたからここにいて、暇を潰しているのだ。しかし、風のそよぐ音と鳥の鳴き声が聞こえる静かな空間、静かに過ごすならこれでも……。

「お〜い!マギ〜!」

勿論、そうはいかない。ナイトは少し駆け足で僕の居る桜の木の下に来る、アイツを連れて。

「……ソイツもいるのか」

「なぁマギ!この子、マキナって名前気に入ったみたいだぞ!認めてないとか言っといていい名前つけたじゃん!なぁなぁ、マキナって言葉意味とかあるのか?」

「……別に、特に無い」

嘘だ、その言葉の意味を知っていて僕は敢えて言ったのだから。まぁ、コイツらにはいつか教えよう、今言ったらナイトが怒るだろう。それよりも、オネストは何故僕達を外に出したのだろうか?

僕達が屋敷にいたらマズイのだろうか、それにしたって普通雇い主、その息子を外に放り出すか?他ならすぐに解雇にするだろうが、オネストは僕達が小さい頃からここにいる。だからこそこんな願いだって聞いてやれるのだ。まぁ、僕達にはそういった観念は無く、オネストもメイドも家族として受け入れている。

「マキナ、ほら!花!ひまわり!」

「ひまわり」

「こっちのピンク色は……確か〜ニタニタソウ!」

「ニチニチソウだ」

「にちにちそう」

色とりどりな花が植えられた花壇にアイツとナイトがしゃがんで何やら見ているようだが、あれは教えているのか?しかし、『あの』ナイトが教えるなんてこと出来るのか?いや、出来るわけが無い。何故なら……

「えっとこっちは、えーっと……黄色いやつ!」

「キバナコスモス」

成績最悪、ほぼ平常点のみでなんとかしている状態、そんな奴に何を教われと言うのだ。見ていて呆れる。

「こっちの紫は……マギ、なんだっけ?」

「ラベンダー」

「それそれ!ラベンダー!」

「らべんだー」

素直に聞くコイツも呆れる、それくらいのことだって知っているはずだ、ナイトと違って少しは母さんから学んだんじゃないのか?だが、僕は気づいた。さっきから何だか発言のイントネーションがおかしい、少し上ずっているというか、本当にその単語だけを話しているような。僕はふと思いつき、「おい」と、ラベンダーに顔を近づけているアイツに呼びかけた。

「お前はここになんで来た?アルドおじさんから聞かされているんじゃないのか?」

僕は目を見据えて話した。少しも視線をそらさずアイツは言う。

「まきな、にげる、あぶない、かくれる」

単語、接続詞なんてものは一切ない言葉の並び。コイツの発音の違和感はこれか。まぁ、今聞いた質問に意味は無い、ただ会話を確かめたかっただけだからな。

「なるほどな、コイツは言葉自体学んだが、会話が上手く出来ないってことか」

ナイトは眉間にシワを寄せ、腕組みをして唸る。回らない頭を回そうとしているようだ。

「つまり会話慣れしていないってことだ、話してるうちに会話もスムーズになるさ」

なるほど、と理解したように頷くナイトを横目に僕はまた本を読み始める。ナイトがアイツと話し始めるのが聞こえてきたがそれも聞こえないほど、本に集中した。

 




いかがでしたか?ん?短い?えぇすみません今回は少し短いですorz
次回もなるべく長くしたいと思います
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