すいません、大分間が空いてしまいました・・・。
他に書きたいお話が出来たので、かなり強引な終わり方をしてしまうかもしれませんが、見放さないでくれると嬉しいです。
「退きなさい。あくまでも私に忠誠を誓ってくれるんならね。」
真緒がそう言い放つと、トリム教団団長を名乗った男は撤退命令を出し、きっちりとした礼をしてから去って行った。
男の背が見えなくなると同時に真緒は大きく息を吐き出す。
まさかこんな所でトリム教団に出会うとは思わなかった。
教団、といえば聞こえはいいが、実際には管理人からしても迷惑な程血の気の多い戦闘集団のような組織である。未だに非常識な事をしているとは思わず、彼女は呆れかえった。
彼らは夢の管理人を異様なまでに信仰する。本来ならば戦闘など知識としてしか存在していない筈なのに、あの組織だけは何故か無くならない。
(というか、いつの間に出来たんだろう、あんな集団)
これまで起きた事を経て、真緒の中にはある一つの仮説が出来ていた。
それは、革命組織やトリム教団と言った者達は記憶が混同した異世界からの来訪者なのではないか、というものだ。
ごく稀に目にする異世界からの来訪者が全員正常な状態で此処に来るわけではない。記憶を失ったりする者などだって居る。
新しい例ではあるが、幼い頃にこの世界に来て記憶を失うも何らかのきっかけで思い出した元の世界で体験した出来事がこの世界で体験したものだと勘違いしたのではないだろうか。
あまりにも突飛で中身の無い仮説だが、否定は出来ない。来訪者について分かっている事は異世界の住人である事くらいで、まだ判明していない事実の方が多いのである。
それにこの仮説ならば、それぞれの組織に所属する者が戦闘技術を持っているのも説明がつく。
(兎にも角にも、情報が少な過ぎる。戦争をやめるように言ったところで今度はこの二つの組織がぶつかり合うかもしれない。何とかしておいた方が良い、って事は明白だな)
取り敢えず自らを納得させる為に一人で頷いていると、真緒の背に声がかかった。
そちらを向くと、黒色の長い髪を一つに括った少女が近付いてくる。
「探したよ。君だろ、管理人さんは」
「そうだけど・・・・・誰」
「私はルカ。革命組織の一員だよ。
・・・・・なるほど、確かにそんな感じだ」
(ルカ・・・?)
一瞬違和感を覚えるも、それが何故かは分からない。
突き止める前に、真緒は自分の脳内からその違和感を消す。
ルカは一人で納得したように笑ったが、真緒が訝しむように眉をひそめるのを見てかすぐに表情を引き締めた。
「ああ、失礼。なに、ちょっとした知り合いから君の事を聞いていてね。目が虚ろで、何にも映せていない。だからこの世界が崩壊寸前になってしまうんだって」
真緒は更に顔を顰めた。何が言いたいのだろうか、彼女の知り合いとやらは。
しかし反論できる箇所が無い。崩壊寸前の方は何とも言えないが、何も映せていないと言われればそうかもしれない。
「・・・失礼な人だね、君の知り合いは」
「そうだね。口も悪いし。だけど間違った事は言わないしやらないよ。お人好しなのに不器用だから、どうしても憎まれやすい態度をとってしまうんだよね・・・っと。いけないいけない、リーダーに君を連れて来るようにと頼まれていたんだった。悪いけど、ついて来てもらうよ」
歩き出すルカの後ろにつきながら、真緒は考え事が増えたな、と心の中で愚痴を言う。
しかしこうしている間にも戦争の準備が始まってしまうかもしれないのだ。拒絶して足どめを喰らうわけにもいかないだろう。
ルカになるべく聞こえないように、真緒は大きく溜め息をついた。
ありがとうございました!
革命組織所属の少女、ルカ登場です。
彼女も勿論、かなり物語に関わってきます。
気に入ってくれましたでしょうか?