かなり寒いですが、皆さん体調は大丈夫でしょうか。
風邪を引かないよう、お気をつけてくださいね!
「管理人さん」
出口まで来ると、空色の髪の少年ーーミツキが真緒を呼び止めた。
真緒は振り向き、ミツキの真っ直ぐな視線と自らの視線を交差させて彼の次の言葉を待つ。
少年は最初どう言えばいいのか分からないといった様子で黙っていたが、数分すると深呼吸を二回してから口を開いた。
「僕達は、もう嫌です。人が下らない事で争い、無関係な人間すら死んでしまう、そんな光景を見るなんて。・・・そんな悲しい世界、絶対に嫌です。貴方が戦争を止めて下さる事を、僕達は信じています。お願いします」
「お願いします」
ミツキは凛とした、少し高めの声で一息に言った。それに続いてミサキが彼に倣うかのように言い、こちらに礼する。
真緒はその様子を見て、自分が勘違いをしていた事を知った。
革命組織というのは、誰もが管理人を毛嫌いしているわけではないのだ。決して好いてはいないが、争いによって多くの命が無くなるのを望む者ばかりではないのだ。
真緒は二人の前に歩いていき、「大丈夫」と囁いた。
「必ず、止めるよ。私も戦争なんて面倒くさいの嫌だし」
空色の髪の双子は同時に下げていた頭を上げ、嬉しそうに笑った。
真緒は自身が忘れてしまった無邪気なそれを見て、何とも言えない感情が湧き上がるのを感じた。
温かく、懐かしい。その感情が何であるかは分からないが、悪い気はしなかった。
「レイヤ、ルカさん。二人も気をつけて。幽霊になって帰ってきたらリーダーが「また」壊れちゃうからね」
「あれはリツだったからだろ。現に、他の奴らが死んでも冷静だったし」
「見えない所で、苦しんでいるんだよ。リツさんの時以来リーダーはみんなに自分の弱いところを見せたらいけないって思うようになったみたいでね。不安にさせたくないんだよ。責任感が強いし、優しいからね、彼は」
リクと話すレイヤの傍を離れたカリンとルカが真緒の所まで来て、
「真緒ちゃん、そろそろ」
と急かす。
真緒は頷いて、革命組織に所属する三人に別れを告げてから、元の目的を達成する為の旅へと戻る一歩を踏み出した。
心地よい揺れに長時間身を任せていると、睡魔が囁いてくる。
真緒は何度も何度も眠りかけては起きるを繰り返していた。
隣ではルカが地図を広げて目の前に座るカリンと何事かを話して込んでいる。カリンの隣、真緒の目の前ではレイヤが青白い顔で窓の向こうを見つめている。
革命組織の基地を離れた後に向かった街から列車に乗って三十分が経過しているが、レイヤは数十分程前から具合が悪そうだ。やけに列車に乗る事を嫌がっていると思ったが、どうやら彼は乗り物に弱いらしい。反対にルカは先程から地図を見たり新聞を読んだりと忙しそうにしている。カリンは主を気遣いながらもルカの話に付き合うという作業をこなしている。
こんな中で眠る、というのも何だか気が引ける。だから一人が良かったのに、と後悔したところで時既に遅し。真緒は溜め息を吐いた。
「真緒ちゃん、大丈夫?具合悪くない?」
「ん。大丈夫。むしろ、ええと・・・レイヤ?の方が心配した方が良さげだけど」
「レイヤは田舎育ちだから、乗り物に乗るっていうのに慣れないんだよね。列車で酔うのはちょっとマズイ気がするけど」
ルカは面白半分呆れ半分といった表情でレイヤを見やる。当の本人は目を閉じどうにかして眠ろうと努めているようで、若干瞼がぴくぴくと動いている。
ルカはその様子を見てクスクスと更に笑った。しかし真緒はあまりの眠気に勝てず、その時には既に眠りの世界へと意識を投じていた。
ありがとうございました!次から新章、北の国首都編です!