久しぶりの投稿となってしまいました・・・!
掛け持ちするかも知れないのですが、これからも見て頂けると有り難いです。
迷った。そんな絶望を叩きつけられるような言葉が、真緒の脳内を駆け巡る。
こんな筈ではなかったのだ。まさか、
(孤独の森に入ってしまうなんて・・・最悪)
入った人は二度と戻れないと噂される森に誤って入ってしまうとは。
孤独の森。初代の夢の管理人が生み出したと言われる、この世界では珍しい邪悪な森。
そこは不定期に道が変わり、また恐ろしい怪物が歩き回っていることから「初代の管理人は狂っていた」と言われている。
人々を守る仕事でもある夢の管理人が人間を道を変えて迷わせ怪物の食料にする森を生み出したのであれば、その悪口もある意味正論になるだろう。しかし、あくまでも全て「言われている」話であるため、真実かは分からない。
もっとも、もう初代が活躍していた頃から何百年経った現在では知る方法も皆無だが。
なんにせよ、当初の予定では真緒は孤独の森に行かない筈だった。
そう、『筈』だったのだ。
こうなってしまったのは、突然目の前に現れた影を必死に追いかけていたからである。結局迷うわ見失うわで、正直旅の始まりとしては最悪だった。
何故か塔で会った少年が嘲笑っている様子が頭に浮かぶ。見下すかのようにしつつ嫌味を言われるところまで想像し、思わず舌を打った。
(影を見失うし、ホント最悪だ・・・今夜は野宿かなぁ。
さっさとしなきゃならないってのに・・・・・ん?)
真緒は一旦思考を止め、耳をすました。
何か聴こえる。少女と青年の声。
少女の方は人間離れした印象を受ける程無感情だが、青年はちゃんとした生きている人間の声だ。
人か、と安堵の息を吐くと同時に、声の主と思しき二人の人間が現れた。
少女は真緒を認識した途端に口を閉じ、青年はハッとした表情をすると腰に下げている剣に手を掛け警戒状態になる。
「誰だ?今は普通の人間は此処に近寄れない筈だが」
「・・・?普通の人間がどんなのか知らないけど、夢の管理人なら話は別でしょ?」
管理人という言葉に反応を示すも、青年は短剣から手を離さない。
少女に関しては先程から無表情のままだが、いつの間にか青年の隣で短剣を構えている。
真緒はこの場から全力で離れたくなった。
気まず過ぎるこの空間に身を置くなど苦痛で仕方が無い。
第一、普通の人間って本当にどんなものなのだ。普通ではない人間に会ったことあるのかこの男は。
「マスター。どうするの」
「夢の管理人なら、下手に手出し出来ないな。少々怪しいが、まぁ仕事の邪魔をしそうにないし大丈夫だろ・・・行くぞ、カリン」
青年は踵を返し、少女に着いて来るよう促す。
しかしカリンと呼ばれた少女は暫く思案すると、真緒の手を掴んで引っ張った。
あまりにも唐突過ぎる行動に反応が遅れ、真緒はそのまま少女に引き摺られる形になった。
「ちょっ・・・⁉︎な、何⁉︎」
「夢の管理人に話があるって、昔マスターが言っていた。今も何かあるかも知れないから、ついてきてもらう」
「えええええ⁉︎わ、解ったから、取り敢えず放して!」
「何連れて来てんだよカリン!」
青年は少女・・・カリンに向かって怒鳴った。しかしカリンは動じずに涼しい顔で応える。
「夢の管理人」
「それは分かってんだよ!俺が聞いてんのはなんで連れて来たのかってこと!俺ら今迷ってんだぞ」
「うん」
そんなやりとりを隣で真緒は横目で見ながら、一人で孤独の森を抜け出す方法を考えていたのだった。
「中途半端過ぎるだろ!」
「名無しのマスターが言っちゃうんだ」
「なんでカリンの方が早く名前出るんだ・・・」
「頑張れ」
というわけで、千羽鶴です。
すいません、少し疲れたので、ここら辺で終わらせます。
初登場のマスターさんとカリンちゃんが何者なのかは次回に!