今回こそマスターと呼ばれる青年とカリンと呼ばれる少女の正体を明らかにします!
それでは、お願いします!
数分すると、青年は肩で息をしながら「もういい・・・」と降参の意志を示した。
しかし混乱を招いた張本人である筈のカリンは涼しい顔をしている。
未だに感情が感じられない事から真緒はやはりこの少女は普通の人間ではないなと確信した。
「おい、管理人」
「・・・なに」
息を整えた青年の呼びかけに少々面倒だと思いながら応える。
それが声に出たのか、真緒は自分でその声の冷たさに驚いた。しかし青年は気にするような素振りを見せず、
「名前教えろ」
と単刀直入に用件を切り出した。
「・・・・・・はあ?」
「はあ?じゃねえよ。他人に教えられないような恥ずかしい名前を付けられているわけじゃねえだろ」
「人に名乗らせるのであればまず自分から名乗るのが筋ってもんでしょ?それともそんなことも教わっていないの?恥ずかしいね」
そもそも何故名乗る必要があるのだ。この森を抜けたいだけなのに、そんなことをする意味が理解出来ない。
真緒の頭の中は疑問だけでいっぱいになり、考え事をする余裕が無くなっていく。しかし青年の言葉に、疑問は一気に消えてしまった。
「俺はレイヤ。革命組織人形開発部の人間だ」
「カクメイソシキ・・・・・・ニンギョウカイハツブ・・・・?」
聞いた事の無い単語に首を傾げる。
するとそれを察したカリンがすぐに説明を始めた。
「革命組織っていうのはその名の通り革命を企む組織のこと。この世界は今上の人間ーー主に貴族と王にとって都合の良い政治によって苦しむ人々がいる国が多い。最近は戦争が始まろうとしているし、その時点で夢の管理人は狂ったと考え始める人間が出て来た。その人こそマスター・・・レイヤ様が所属する革命組織のリーダー」
随分と不名誉な話である。しかし実際に戦争が起きようとしていて、自分はそれを止める為に自宅から出て来たのだ。反論など出来るわけがない。
真緒は喉まで出かけた言葉を無理矢理飲み込み、再びカリンの説明に耳を傾ける。
「革命組織は夢の管理人に代わって乱れ始めた世の中を改革する為に創られた組織。勿論、現リーダーの独断で。
マスターが言っていた人形開発部はその革命組織にある更に小さな組織のうちの一つで、まぁいわばロボットを開発する組織ってとこ」
「ふーん・・・でもそれさ、狂った夢の管理人に話して良い事なの?」
「怒られるのはマスターだから大丈夫」
「ふざけんなよ・・・って言う前に、俺らの情報は出した。
次はお前の番だ」
青年ーーレイヤはそう言って真緒を見下す。
レイヤを睨み返しつつ、真緒は自分の名前を名乗り、ついでという事で自分は狂ってはいない事、戦争を止めようと旅に出た事を説明する羽目になった。
言うよう促したのは、カリンである。
それからは真緒にとって思ってもみない方向へと話が進んでいった。
孤独の森を抜けるには道連れが多い方が良いという話を聞いたというカリンの言葉を信じ、三人で行動する事になったのだ。
真緒は最後まで二人(特にレイヤ)を信じ切れず粘っていたが、結局目的を優先しなければならないのではないのかとカリンに指摘され、渋々承諾したのだった。
「夢の管理人、だって?」
少年は本を閉じて顔を顰めた。十六歳くらいの姿とは似合わない程の高い声に、真緒は実は少女なのではないかと疑ってしまう。
少年の問いに答えたのはレイヤだった。
「らしいぜ。戦争を止める為に出て来たんだと」
「それはそれは。どういう風の吹き回しか、説明して下さると?」
「いや。ただ一応俺が連れて来ただけだ」
少年の重なる質問にレイヤは淡々と答えていく。質問中、少年の皮肉めいた視線が注がれるのを感じながら、真緒は孤独の森で出会った者達を信用するという選択を後悔するのだった。
なんだか中途半端ですみません。次回は革命組織に所属するキャラ沢山出す予定です。
では、ありがとうございました!