まず皆様、明けましておめでとうございます。
今年もマイペースにではありますが、よろしくお願い致します。
それでは新年早々の小説、短いですがお楽しみ頂けたら幸いです。
「なるほどね・・・まぁ、色々言いたい事はあるけど。今はちょっと忙しいから、適当な部屋に案内してあげて」
「は?俺が、か?」
「当然だろ。君の勝手な判断で連れて来たんだから、責任とって面倒を見るのが筋ってもんじゃない?」
少年はそう言うなり閉じていた本を再び開く。レイヤは小さく溜め息を吐いてから、真緒について来るよう促した。
部屋を出て、灰色しかない廊下を歩く。あるのは小さな灯りだけだからか、夜でもない筈なのに薄暗い道だ。
革命組織という大それた名前の割に人目を引かないような場所に基地を置いてあるあたり、その活動はあまり派手ではないのだろうか。
疑問は尽きないが、取り敢えず前を歩くレイヤに一番聞きたい事を真緒は切り出した。
「ねぇ、何で私連れて来られたの」
孤独の森を抜けるまでの間協力し合うという話だった筈なのに、森から脱出してもカリンに革命組織の基地までついて来るよう言われ、何故か組織のトップに会うところまで行かされたのだ。彼女が不思議な少女であるのは分かってはいたが、基地までという判断に対してはそれまでずっと鋭い突っ込みを入れていたレイヤすら同調した。
その真意を見出すなど、他人との関係をほぼ絶っていた真緒でなくても容易ではないだろう。
ましてや自分は管理人だ。この組織の者達からしたら嫌悪の対象ではないのか。
「・・・お前には幾つか聞かなきゃならない事があるからだよ」
「それはなんなの?」
不意にレイヤが立ち止まり、振り向く。
その表情は何処か苦しげで、瞳には迷いがあった。
「色々、だよ。お前が管理人なら、答えられない筈は無い質問だ」
そう言うなり、右手側の壁にあるドアのノブに手をかけて回し、顎で入れと指示する。
部屋は机とベッドしか無いのと先程の少年の部屋のような観葉植物も見当たらないためかやけに殺風景に感じられた。大人しく足を踏み入れるが、薄暗いのもあり冷たい、不気味な空気に肌を撫でられたような気がして小さく震える。しかし深呼吸すると形容のしようがない恐怖が引いていき、自然と頭が冷静になったところでレイヤにこれからどうすれば良いのか尋ねた。
「そうだな・・・今リーダーが立て込んでいるらしいから、取り敢えず俺の個人的な質問に答えてもらうか」
「ん・・・まずは何?」
レイヤは一瞬迷いの色を顔に浮かべたがすぐに掻き消し、真緒の目を真っ直ぐに見つめた。
「俺達は、それぞれの心に少なからず傷を持っている。その多くは大人の手で刻まれた傷だ。
・・・何で、管理人はそんな暗い夢を世界に捧げるんだ?」
真緒はその質問にどう答えるべきか判断しかねた。
まさか自分以外の人にそんな心の傷が刻み込まれているとは思ってもいなかったからだ。
今回の戦争といい、まさか自分は仕事をしていなかったのだろうか。
そんな筈は無いのに。
焦りだけが脳内を埋め尽くす。
真緒が質問に答える頃には、既に数十分が経過していた。
すいません、短いですが此処で切らせていただきます。
ちなみにこのお話は今年中に完結させます。出来ればそのまま短編の小説を息抜きとして書きつつ新しいお話を投稿させて頂こうと思っています。
まだ序盤でこんな事言うのもアレですが、どうか最後までお付き合いくださると嬉しいです。
それでは、みなさんの一年に幸あれ!