『不完全』の『幽波紋』   作:数取団乱闘生

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第12箱「やっと脱獄」

『さぁ次は君の番だね。君がダービーの仲間だってことはわかっているんだよ?』

「オレがダービーの仲間?ふざけんなよバカが。オレはただ奴に金で雇われていただけだ。奴が死んだのならオレがおまえを殺して手柄を立ててやるだけだぜ」

そう言うと億泰は背後にスタンド、ザ・ハンドを出した。

『ザ・ハンド…空間を削りとる能力だったよね。末恐ろしい能力だよ』

球磨川のその言葉を聞いた億泰はこれでもかというくらいのドヤ顔をし出した。

「分かってんじゃねーかよ〜。オレの方もおまえのスタンド能力は知ってるぜ?それを知った上で言ってやる。おまえのスタンドを封じるのにオレのザ・ハンドはぴったりだってな!」

先ほどと同じようなドヤ顔で指をさしながら言った億泰だったが、球磨川は無反応だった。

「いやおい待てよ!もしかしてオレの言ったことが理解出来てねーのか?」

『分からないって言ったら説明してくれるのかい?』

ダービー戦の時とは打って変わって球磨川のテンションは低い。

「良いか?おまえのスタンド能力は触れたものを『ゼロ』にするそうだな?だがオレのザ・ハンドなら空間を削りとれるからおまえに触れずとも倒すことが出来るというわけだ。理解したか?」

『そこは記憶したか?って言わないと』

「はぁ⁉︎」

あまりにやる気がない上にシリアス感もない球磨川に億泰は段々とイラついてきていた。

『だからそこは記憶したか?って聞かないとダメじゃないかってことだよ』

「いやだから理由を教えろよ!」

「うっ……」

その時ダービーから魂が戻ってきた徐倫が目を覚ました。

『おはよう徐倫ちゃん、お目覚めかい?』

球磨川は億泰をシカトして徐倫の方へ。

「何があったの?ダービーは?」

『ダービーならもう終わったよ。だから僕がここに留まる理由も無くなったわけさ。僕はこの監獄から出るつもりだけど、君はどうするの?』

「待て待て待てー!」

完全に放置されていた億泰がついにキレた。

「いい加減にしろよ球磨川!おまえコサージュ欲しくねーのかよ!だったらオレと戦うのが普通だろうがよ!」

『なんでそんなにプリプリしてるんだい君は。カルシウムが足りてないんじゃないの?』

キレてもなお態度を全く変えようとしない球磨川。

「もういい!おまえから来ないのならオレからザ・ハンドでぶっ殺してやるぜ球磨川!」

『やれやれ…分かったよ』

億泰はザ・ハンドを使って間の空間を削りとり、一気に球磨川に接近した。

「な、何だよ今の…」

これには徐倫も驚いた。しかし球磨川はザ・ハンドの能力はすでに知っていたので大して驚かなかった。

「さーてオレのザ・ハンドの射程距離まで近付いたぜ球磨川、あとオレがザ・ハンドの腕を一振りすりゃおまえの胴体が削りとられて身体は真っ二つだぜ?」

『はぁ…』

球磨川は何故か深いため息をついた。

「な、何だよ?死でも覚悟したか?」

『いいや。でも自分の身で体験してよーく分かったよ。ザ・ハンドのような強力なスタンドを持っていながら君が仗助に敵わないのかをね』

「あ?何だとコラ!」

すると球磨川は逆上した億泰の脳天にピュリフィケイション・セレモニーで螺子をぶっ刺した。

『君に言えることはただ一つ。頭が悪いんだよ』

 

そしてデッサン人形となった億泰からコサージュを回収。そこには[NO.28 虹村億泰]と書かれていた。

『これで今度こそここでの生活は終わりだね。袖ちゃんも待ってるしたそろそろ帰るよ。君はどうするんだい?』

「あたしは別にアンタと行動を共にする気はないけど、ここを出るってなら出口までついていくよ。あたしもここを出たいし」

聞けば徐倫は無実の罪でここに入れられたらしい。そこは原作に近付けているのか…と思う球磨川であった。

デッサン人形とはいえ監視長を失った監獄はいともたやすく、そしてそのまま簡単に脱獄した。

 

徐倫は言った通りに脱獄するとすぐに球磨川とは別行動をとった。魂を救った例も言われなかったが特に球磨川は気にしていなかった。

そしてすぐに隠し持っていたスマホで不知火に電話をかけた。

『あっ袖ちゃん?やっと出られたよ。今からそっちに向かうからどこにいるのか教えてくれる?』

不知火は近くのホテルに泊まっていた。球磨川とは違いこの世界に連れてこられた際にたんまりお金が置いてあったからである。

『袖ちゃん久しぶり、元気だった?』

「あひゃひゃ♪ それはこっちのセリフですよ球磨川先輩。あなたがいない間にあたしは結構この世界のことを調べたんですからね?」

『さすがは袖ちゃん。抜かりないね』

「あったりまえでしょう?それでまずあたしたちが触ってスタンド能力に目覚めたこの矢のことなんですけど」

不知火はそう言って矢を取り出した。球磨川も不知火もこの矢に触れたことでスタンド能力に目覚めている。

「それでこの矢はあの吸血鬼DIOだってことが分かったんですよ」

『DIOの?』

ジャンプ好きの球磨川は知らぬ筈もない。何を隠そうジョジョ内にてジョースターの宿敵の男の名なのだから。

 

第12箱完。

 

 

またお会いしましょう

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