『不完全』の『幽波紋』   作:数取団乱闘生

14 / 28
第13箱「ジョースターの血」

「この矢はあの吸血鬼DIOだってことが分かったんですよ」

『DIOの?』

「つい最近息子のジョルノ・ジョバァーナに殺されたみたいで」

『ジョルノに?』

またしても球磨川の知るジョジョとは異なっていた。DIOとジョルノが出会うことなどない筈なのに。

「でもジョースター側も空条徐倫以外はみんな死んでるらしくて、しかも全員がDIOと同じように矢になってるんですよ」

そう。ジョナサン・ジョースター、ジョセフ・ジョースター、空条承太郎、東方仗助、そしてDIOを倒したジョルノ・ジョバァーナまでもが死んで矢になっているのだ。

『もうここを僕たちの知ってるジョジョの世界だと思わない方が良いね。登場人物こそ同じでも全く違うよ。もしかしたら…』

「もしかしたら?」

『この世界そのものが僕たちをここへ連れて来た人物か作り出したのかもしれないってことさ』

「世界を丸ごと?」

さすがに信じ難い不知火。

『そして一見僕たちのコサージュ集めとジョースターの矢は無関係のように見えるけど、違うんだよね?』

「もっちろん。無関係なら調べたりしませんよ?そのジョースターの矢を集めているホル・ホースって男がコサージュを持っていたところを見た人がいたんですよ」

『なるほどね…とするとホル・ホースが狙う次の標的はもう分かったようなものだね』

「空条徐倫?」

『そうそう。実はさっきまで一緒だったんだけどね』

「えぇっ⁉︎」

珍しくリアルに驚いた不知火。

『でもそのおかげでほら、コサージュが一気に集まったよ』

球磨川は徐倫から貰った20輪と日向とシーザーとダービーと億泰のものを見せた。

「多っ!でもあたしも2輪だけだけど集めましたよー」

そう言って不知火は2輪取り出した。そこには木金コンビの名が書かれていたのだが。

『ジョジョじゃないってことは元箱庭学園生徒なんだろうけど……誰これ?』

「さぁ?あたしも知らなかったんですよね。木のバットも金属バットを振り回す大したことないスタンドだったのは確かで」

『めだかちゃんや善吉くんなら覚えてるんだろうけど、この二人百輪走にはいなかったんじゃないの?』

「でもそんなモブをチョイスする?」

球磨川と不知火はその後しばらく考えてはみたが、結局全くと言っていいほど断片すら浮かんではこなかった。

『とりあえずもう一度徐倫ちゃんを探そう。そしたらホル・ホースにも会えるだろうし、僕たちを殺しにくるコサージュにも自然と会えるだろうからさ』

「そうですね、そうしましょう」

 

次の日。球磨川と不知火は徐倫を探すために情報収集に出た。

『袖ちゃん、徐倫ちゃんのことは何か調べてなかったのかい?』

「そりゃもちろん調べましたよ?彼女はアメリカ産まれってことぐらいは」

『……袖ちゃん』

「はい?」

『それを先に言おうよ。ていうかそれぐらいなら僕も知ってたけど』

二人は監獄から一番近くの空港へ向かい、そこでひたすら徐倫のことを聞き込んだ。

『そうだね…アメリカ系の…いかにもムショ帰りみたいな格好の女の子いなかった?』

こんなあやふやの質問だったのだが

「そんな女なら一人見たな」

まさかの一人だけ食いついてきた男がいた。

『ホントに?教えて欲しいな……』

その時球磨川は今自分が話しかけた男に見覚えがあることに気付いた。

そして球磨川の方に手ごたえがありそうだったので近付いてきた不知火もまた、男に見覚えがあった。

「やっと気付いたか?球磨川に不知火。俺は 高千穂仕種(たかちほしぐさ) 。もう分かっていると思うがお前たちを殺しにやって来た」

『十三組の十三人(サーティーンパーティ)最強の男のお出ましってわけだね』

「どんなスタンドなんだろ…」

高千穂はまだスタンドを出さずに腕を構えて戦闘態勢に入っている。

『おや?君はスタンドを出さないのかい?持っているんだろう。さっさと出しなよ』

「勘違いするなよ球磨川、確かに俺はスタンド使いだがその手には乗らんぞ?己のスタンドを戦い前に明かすわけがないだろう。すなわちこの時点でお前らよりも俺が一歩前に出ているということだ」

高千穂はドヤ顔でそう言ったが

『言いたくないなら言わなくても良いよ。大方の予想はついてるからさ』

球磨川はあっさりとそう切り返した。

「なんだと?」

『今まで出会ってきた元箱庭学園生徒たちを見ていれば分かるよ。くじらちゃんは自分をオペ出来るスタンドだったし、もがなちゃんは水、善吉ちゃんはそのままデビル・スタイル。剣道の子は剣を使うスタンドだったしね。意外だったのは袖ちゃんぐらいだよ。だから君のスタンドはたぶん…袖ちゃんのような近距離パワー型なんじゃないのかい?』

「なっ……」

図星だったのか高千穂はその場に固まってしまった。分かりやすい男である。

『というわけだ袖ちゃん、ここは君に任せた』

「えぇっ⁉︎ いきなりあたしにふるの⁉︎ そこまで言ったんなら行けよ!」

思わずタメ口でツッコんだ不知火。

『ねぇ頼むよ?君のバトルシーンは初めてだからさ』

「そういうこと言わないでくださいよ」

渋々不知火は己のスタンドマリン・バイオルミネセンスを出した。

 

第13箱完。

 

 

またお会いしましょう

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。