『太陽のある時間は行動出来ない生き物だよ。僕は宗像くんと戦う為じゃなく、彼を誘き出す為に建物を消したんだよ』
「球磨川先輩、それってまさか…」
そしてその生き物は地面から這い出て来た。太陽の光を嫌う生き物…そして血を吸う生き物といえば一つしかない。
そう。吸血鬼……
「貧弱貧弱ゥ!貴様らが球磨川に不知火か。オレが相手をするに足りん連中だ。だからザコ二人に任せていたがクソの役にも立たなかったようだな」
「ディ、ディオ・ブランドー!」
当然不知火も知っていた。目の前に現れた吸血鬼がディオ・ブランドーであることに。
「だが球磨川、貴様がオレを誘き出す為に建物を消すとは。人間というクズにして考えたな。オレに殺される価値はあるということだ!」
1部のディオ・ブランドーはスタンド使いではないのでスタンドは出さないが、それでも吸血鬼。
波紋を使えない球磨川と不知火にとって強敵であることに変わりはない。
それよりも同じデッサン人形である鰐塚の方が状況を理解出来ていなかった。
そもそもディオ・ブランドーという吸血鬼を知らないようである。
「兄上殿に何をした!おまえは何者なのだ!」
標的が球磨川と不知火だということも忘れ、鰐塚はディオに銃を向けていた。
しかしこの時のディオはまだスタンド使いではないので銃は見えない。
「何のつもりだ?このオレに刃向かうというのか。貴様ら兄妹はこのオレの前座だ!貴様らの時間は終わった、これからこのオレの時間だ!もう用はない!」
そう言うとディオは鰐塚に飛びかかった。対する鰐塚もスタンドを乱射する。
スタンドの見えないディオは謎の銃弾に一瞬気を取られつつも、大したダメージでもないので特に気にしていない。
「貧弱貧弱ゥ!」
そして鰐塚をカチカチに凍らせてしまった。そしてダイアーのようにバラバラにした。
デッサン人形もバラバラになっていたがやはりコサージュはちゃんと胸に付けられていた。
「邪魔者はいなくなった。次は貴様らがオレに捕食される版だな」
ディオがギロリと二人を睨んだ。
「スタンドが使えないのにスタンド使いをいとも簡単に…」
『ディオを倒す方法は三つある。一つは太陽の光、もう一つは波紋、そして最後は脳を粉々にすること。今の僕らに出来ることは最後の一つだけ。今のディオの攻撃は主に気化冷凍法、直接身体に触れれば勝ち目はないだろうね』
「でもあたしたちのスタンドは近距離型ですよ?」
『ここでもう一つ。今のディオはスタンド使いじゃない』
「そうか、ならスタンドなら…」
『そういうことだよ袖ちゃん』
「何をごちゃごちゃ話しているんだ?この虫ケラ共が!」
ディオが鰐塚を倒した時のように二人に飛びかかってきた。
「このディオならあたしでも勝てる!」
対する不知火も一歩も怯まずにマリン・バイオルミネセンスでディオを逆に殴り飛ばした。
スタンドの見えないディオは全く攻撃を避けることが出来ずぶっ飛んだ。
「くっ…なんで奴はスタンドが見えない筈なのに……」
殴り飛ばしたマリン・バイオルミネセンスの手は凍ってはいなかったが、不知火の手がカチカチに凍っていた。
『スタンドにはスタンドの攻撃しか効かないけど、本体は別ってことだね』
「どうやら貴様らにはオレにはない力があるようだな……」
頭をぶん殴られたディオはフラつきながらも立ち上がった。
「吐き気がする…このオレがここまで追い詰められるとはな……だがオレはもう二度と油断はしない!」
ディオがそう言うと何処からかワンチェンがやって来て気絶した生きた女を数人連れてきた。
「寄越せ!このオレに生き血を!URYYYYYYYYYY!!」
そうしてディオはその女の血を全て吸い取り回復した。
『ワンチェンもデッサン人形に入っていたとはね…』
だが球磨川に抜かりはなくディオが不知火しか見ていなかったのをいいことに、密かに接近しピュリフィケーション・セレモニーでワンチェンの脳に螺子をぶち込んだ。
「むっ、貴様!」
ワンチェンはデッサン人形となった。もちろん胸にはコサージュがついている。
『これで本当に一人になったね。もう回復は出来ないよ?』
「やってくれるな…だが!オレにはもう生き血など必要ない!そんなものなかろうと貴様らを殺すのは容易いからだ。まず不知火とか言ったな、貴様の右腕はもう使い物にならん」
「腕が使えなくなってスタンドなら…」
『やめときなよ袖ちゃん。スタンドは無傷だったとしても本体が持たないぜ。君もダイアーさんみたいになっちゃうよ』
そう言うと球磨川は不知火の肩をポンと叩き前に出た。
「球磨川先輩、戦う気なんですか?」
『まぁね。まさか人生で吸血鬼と戦う機会が来るなんて思わなかったよ。めだかちゃんみたいな化け物ならたくさん見てきたけど本物の化け物は初めてだからね』
球磨川は背後にピュリフィケーション・セレモニーを出した。当然ディオには見えないが。
「次は貴様か?貧弱!貧弱ゥ!貴様に最も無惨な死を送ろう!」
第17箱完。
またお会いしましょう