『不完全』の『幽波紋』   作:数取団乱闘生

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第21箱「王と恐竜」

「オレの名はホル・ホース。No.1よりNo.2を格言に生きている男だ。ジョースターの矢を集めていてな、この女が最後の矢というわけだ」

『出た…ホル・ホース、そういえば人形の中にはいなかったね』

球磨川はジョジョではホル・ホースがお気に入りなのか今までのジョジョキャラと対面する時より少しテンションが高いように見える。

「本来ならこの女はあの山で殺す必要があるんだが、あの方が言うにはあの山の木を斬り出して作ったこの貼り付け台に縛り付けた状態で殺せば矢になるらしい。いちいちあの山を登るのは面倒だからよ、助かったぜ」

「あの方?」

不知火はそこにひっかかった。どうやらNo.1よりNo.2のホル・ホースはやはり誰か仲間を見つけて動いているらしい。

「球磨川先輩、もしかしたらそのホル・ホースの言っているあの方があたしたちをここへ連れてきた張本人じゃないんですか?」

『おそらくそうだろうね。そしてやっぱりジョースター家の矢と僕たちのコサージュ集めは無関係じゃなかったってことさ』

「じゃあやっぱりあのホル・ホースも?」

『うん、デッサン人形だよ』

「おいおまえら」

ホル・ホースが自分を無視して二人で話す球磨川と不知火にエンペラーの銃口を向けた。

「まさか二人がかりならオレを止めてこの空条徐倫を助け出せるなんて思っちゃいねーだろうな?」

「そりゃ思うでしょ」

不知火がかなり冷めた口調でツッコんだ。

「このオレともあろう男がおまえら相手に一人でのこのこ姿を現わすと思うか?」

ホル・ホースがそう言うとまた暗がりが人影が二つ現れた。

「一人目はおまえらもよく知る元箱庭学園生徒、都城王土(みやこのじょうおうど) 、そしてもう一人はこのオレに7本目の矢のジョニィ・ジョースターをくれた男、ディエゴ・ブランドーだ」

ホル・ホースの言った通り、二人の前に都城王土とディエゴ・ブランドーが現れた。

「おまえらの相手はこの二人がする。その間にオレは楽をして空条徐倫をエンペラーで射殺する」

「このっ…」

不知火がホル・ホースをマリン・バイオルミネセンスで殴りに行こうとした時には既に身体は動かなかった。

「な、何これ…身体が動かない……」

「球磨川禊に不知火半袖、お前たちは王なる俺の前では無力だ。貴様らのスタンドも俺には通じない」

そう言った都城の後ろにはトランプのキングのようなスタンドがいた。

「これが都城王土のスタンド能力…」

「その通りだ。王たる俺のスタンドは貴様らの脳に直接指令を送り込むものだ。俺のスタンドがある限り貴様らは動けん」

仁王立ちしながら若干ドヤ顔の都城の背後から既に恐竜化しているディエゴが現れた。

「足止めご苦労だ都城王土、後はオレのスタンドでコイツらを殺す!」

だが不知火は自分の危機よりも後ろのホル・ホースが気になっていた。

「やはりあの方の言っていたことは何一つ間違っていなかったぜ、これでオレはジョースター家の矢を全て手に入れてNo.2からNo.1になれる!」

そしてホル・ホースはエンペラーで空条徐倫のこめかみを撃ち抜き射殺した。

すると空条徐倫の死体は光り出し気が付くと一本の矢になっていた。

「ダメだった…止められなかった……」

がっくりと肩を落とす不知火だったが、ここでふと気付く都城に抑えられた辺りから球磨川が一言も話していないことに。

「球磨川先輩、大丈夫ですか⁉︎」

球磨川はうつ伏せの状態でバタリと倒れていた。

「何だコイツ?オレがやる前に都城の脳波で死んだのか?チッ、クズ野郎が」

ディエゴはそう吐き捨てたが、都城は異変に気付いていた。

球磨川自身は倒れているというのに背後のピュリフィケィション・セレモニーは動いてることに。

「何故だ…本人が気を失えばスタンドも消える筈……ハッ!」

球磨川の本体に一瞬目がいったスキにピュリフィケィション・セレモニーの螺子で身体を滅多刺しにされた都城。

「なっ…都城の脳波の前で何故動けたんだコノヤロー!」

不信に思ったディエゴが球磨川の胸ぐらを掴んだが、白目を向いてダラーンとしていた。

「なに?コイツ本当に伸びているだと…だが都城コイツのスタンドで……」

ディエゴは再び振り返ったが都城の既にデッサン人形にされている。

「邪魔邪魔ァ!」

そこへ都城が消えて脳波が解かれた不知火がマリン・バイオルミネセンスで殴りかかった。

「チッ…」

ディエゴは恐竜の勘のおかげで間一髪気付き避けた。

「球磨川先輩…こんなこと繰り返してたらいつか人格おかしくなりますよホント」

不知火は球磨川の頭を掴んでいる。

「おいおまえ、ソイツに何をしているんだ」

「あたしのスタンド能力もインプットされてるでしょ?球磨川先輩が自ら『ゼロ』にした脳を再構築してるの。都城先輩を襲撃する前に人間の脳の造りなんて紙見せてきた時はビックリしたけどね」

「なんだと……」

ディエゴがあっけにとられている間に球磨川は目を覚ましむくりと起き上がった。

『何とか戻って来れたよ。割と一か八かだったんだけどね』

 

第21箱完。

 

 

またお会いしましょう

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