『不完全』の『幽波紋』   作:数取団乱闘生

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第2箱「『ゼロ』にするスタンド」

へぇーやっと分かったみたいだな球磨川の旦那、スタンドの動かし方が」

『どうしたのくじらちゃん?スタンド?』

「てめぇの背後にあるものの事だぜ」

突然そう言ったくじらの目つきは変わっていた。

『あれぇ…どうしたのかな?』

「どうしたもこうしたもねぇよ。スタンドの使い方が分かったのなら戦え。スキルではなくスタンドで」

『やれやれ…どうやら君たちは君たちであってそうでないみたいだね』

「物分かりが良いね、さすがは禊ちゃん」

くじらだけではなくもがなも目つきが変わっていた。

「覚悟してもらうよ」

もがなはそう言うと球磨川と同じように背後のものを動かした。 そしてソレから渦状になった水が飛んできた。

『⁉︎…こ、これは…』

油断していた球磨川はモロに受けてしまい水の竜巻に飲み込まれた。

「さぁ禊ちゃん!そのまま溺れ死にな!」

『僕のスタンドとやらも試してみるか…』

すると竜巻に飲み込まれていた筈が、もがなの前に立っていた。

「なっ…私の水が消された?」

『コレが僕のスタンド能力……もう一度水をかけてきてくれないかい?』

「言われなくてもそうするつもりよ!」

もがなが再び水の渦で攻撃した。

またしても飲み込まれた球磨川だったが、次の瞬間には何事もなかったのように立っていた。

「ま、また⁉︎」

『これで分かったよ。僕のスタンド能力が』

球磨川が不気味な笑みを浮かべた。その姿は10年前から変わっていない。

「な、なんだっていうのよ禊ちゃん…あなたのスタンド能力は」

『僕は女の子には優しいから教えてあげよう。僕のスタンドは触れた物質を『ゼロ』にする能力だ。すなわち君の生み出した水を『ゼロ』にしたんだ。どうだい大嘘憑き(オールフィクション)を使っていた僕らしい能力だろう?まぁ代わりにはなるだろうね。生き返ったりは無理だけど』

「全てを『ゼロ』に?そんなの無茶苦茶よ……」

もはや球磨川ともがなのどっちが悪役か解らなくなっていた。

するとその時球磨川の背中にメスが大量に刺さった。

『あれ?』

「例え触れた物質を『ゼロ』にする危ない能力だろうと、絶頂期の大嘘憑き(オールフィクション)ほどの脅威じゃねーぜ球磨川の旦那。こうやって暗殺しちまえば終わりなんだからよ」

『甘いぜくじらちゃん。触れるってのは何も手足からだけじゃないからね』

次の瞬間球磨川に刺さっていた筈のメスは跡形もなく消えていた。

「なっ…」

『驚いたかい?僕の身体に触れたものは『ゼロ』になっちゃうんだよ。その気になればね』

球磨川の能力を警戒し、くじらともがなは距離をとった。

そう。球磨川を殺すためにはスタンドを使う暇を与えることなく瞬殺するしかない。

そして作戦が決まったのかくじらが再びメスを飛ばしてきた。

球磨川は当然それを避けた。それが分かっていたのかもがなが背後から水を刃物のように尖らせてウォーターカッターのようにし斬りつけてきた。

「いくら物質を『ゼロ』に出来るといっても飛んでくるメスを無傷で触れるなんてこと出来るわけねーよな!当然避けるしかないってことだ。死ねや球磨川!やれもがな!」

だが球磨川の身体は真っ二つにならなかった。何故ならもがなのウォーターカッターもスタンドことツギハギ人形の手の螺子で受け止めていたからである。

するとウォーターカッターは消えて無くなった。『ゼロ』になったのである。

『もちろん本体に触れても『ゼロ』になるんだからスタンドに触れてもダメなことくらい君たちでも分かるよね?』

「チッ、この野郎何でもありかよ……」

「くじらさん、どうするの?」

『おやおや、もう終わりかい?さっきまでの威勢はどうしたんだよ』

「くっ……」

「くじらさん…」

「ちょっと黙ってろ!今考えてんだよ!」

絵面はどう見ても球磨川が悪役にしか見えない上に、もがなが完全にくじらに頼りきってスキだらけの間に螺子を身体にぶっ刺して木に打ち付けた。

「なっ…もがな!」

『戦いの最中によそ見するなんて随分と余裕だねぇ君たち。よほど僕を殺す作戦でもあるのかい?』

「球磨川の旦那、俺のスタンドだってただメスを投げるだけが脳じゃねーよ。本来ならもがな相手に使うつもりだったが仕方ない。俺自身に使うぜ」

するとくじらのスタンドのシャチの身体が真っ二つに開き、中からメスやらなんやら手術用の道具が出てきた。

『それは?』

「元々俺は人間を弄るのは大好きだ。だがどうあがいても俺の手は二本しかない。だからここでスタンドの登場ってわけだ。球磨川、俺が直々におまえをぶっ殺してやるぜ!」

そう言うとくじらは自らのスタンドで自信を改造し始めた。

『中々凄い絵面だねコレは。18禁だよ18禁』

リアルに人間を弄る絵を見ること2分。

「待たせたな球磨川、お前を殺す準備が整ったぜ」

するとくじらの左手には炎、右手には氷が。

『懐かしいね、元々君が持っていたスキルか。だけど君は一番大切なことを忘れているぜ』

「あ?」

『それは今君と僕がいる世界はめだかボックスの世界なんかじゃないってことさ。スキルなんて何の意味も持たない』

 

第2箱完。

 

 

またお会いしましょう

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