『それは今君と僕がいる世界はめだかボックスの世界なんかじゃないってことさ。スキルなんて何の意味も持たない』
「どういうことだ」
『そのままの意味だよ。ここで戦うのはスキルじゃなくてスタンドなんだ』
「だから何だってんだ!死ねや球磨川!」
くじらは自身のスキルで突っ込んできた。
すると次の瞬間球磨川はくじら自身ではなく、その背後のスタンドを螺子でめった刺しにした。
「なっ………」
『この世界で重要なのはスタンドだ、そう教えてくれたのは君じゃないかくじらちゃん。そしてスタンドはスタンドでしか倒せない。これがスタンド使いの鉄則さ。でも勝ったのは僕のスタンドか…てことはまた僕は勝てなかった』
すると木で突き刺さていたもがなも、めった刺しになったくじらもデッサン人形のようになってしまった。
『やっぱり偽物だったんだね。コレももしかしたらスタンド能力なのかな?』
と余裕ぶっていた球磨川だが、実はというと背中にメスを何本もぶっ刺された傷は治っていないので徐々にフラつき始めていた。
『あれ?……やっぱり傷は治せないみたいだね………』
そして意識が遠のいていき球磨川はその場に倒れてしまった。
一方その頃……。
球磨川が手にしてスタンド能力に目覚めた矢はただの矢ではなかったのだ。
「大変ですよジョルノ!DIOの矢が無くなっているんです!」
その矢と同じものを誰にも明かさずこっそりと保管していたイタリアンギャングパッショーネ。
「なっ……一体何故だ……」
パッショーネの中で矢のことを知っているのはボスのジョルノ・ジョバァーナと側近のパンナコッタ・フーゴだけ。すなわち持ち出すのは不可能なはず。
しかし矢を保管していた倉庫から一通の手紙が。
そこには[トリッシュ・ウナを人質にとった。無傷に帰して欲しかったら残り4本の矢を持って一人で聖なる山に来い。ホル・ホース]と書かれていた。
「ホル・ホース…そうか奴が残っていた……」
ホル・ホースとはかつてジョルノが巻き込まれた戦いで誰も味方せずに上手く立ち回り最後まで生き残った男だった。未だに目的が不明なのである。ちなみにトリッシュ・ウナとは先代ボスの娘でジョルノの友人。
「また行くことになるとはな。あの山へ」
ジョルノは引き止めるフーゴをふりきって一人山へと入って行った。
そして数時間かけて目的の場所へ。何とそこは球磨川がくじら&もがなと戦った場所であった。
「来たぞホル・ホース!4本の矢を持って!」
「ジョルノなの!助けて!」
「トリッシュか!」
ジョルノは声がする方向へ走った。すると浅い洞窟に女が監禁されていた。この女がトリッシュである。
「大丈夫だったか?」
「な、なんとか…」
次の瞬間一発の銃声が鳴り響いた。ジョルノの頭が撃ち抜かれていたのだ。
「じょ、ジョルノ!」
「暗殺こそエンペラーの独断場。トリッシュおまえにもう用はねぇよ」
突然現れたホル・ホースはトリッシュを有無言わさずエンペラーで射殺。
エンペラーとは拳銃の形をしたホル・ホースのスタンドである。
するとその時先ほど撃ち殺されたジョルノが身体が何故か矢に変わっていた。
「これで5本目の矢が手に入ったぜ。ジョナサン・ジョースター、ジョセフ・ジョースター、空条承太郎、東方仗助、そしてジョルノ・ジョバァーナ…5人のジョースターの血をひくものの矢が揃った。後はただ一人空条徐倫だな」
『うっ…ここは?』
気を失っていた球磨川が目を覚ました場所は山の真ん中ではなく、コテージのような場所だった。
「目が覚ましたか?球磨川先輩」
『君は……』
「あひゃひゃ☆ お久しぶりですねぇ」
『不知火半袖ちゃんじゃないか、君は本物なのかな?』
「嫌ですよ球磨川先輩、ニセモノならあなたを助けたりしませんよ」
球磨川の目の前にいたのは 不知火半袖(しらぬいはんそで) だった。
「球磨川先輩は誰に襲われてたんですか。あたしは阿久根先輩に襲われて大変だったんだからもう」
『くじらちゃんともがなちゃんだよ。君もいつの間にかここへ連れて来られていたのかい?』
「そうですね、寝て起きたらここに来てたんですよ。そして落ちてた矢を拾ったら変な能力に目覚めて、いきなり阿久根先輩に襲われた…って感じですかね」
『だいたい僕と同じだよ。ということは君もスタンド使いになったみたいだね』
「そうですよ、見ます?」
そう言うと不知火の後ろにスタンドが現れた。その見た目は真っ黒で人形のものだった。
『いかにも近距離パワー型って感じがするね、殴られたら痛そうだ』
「あひゃひゃ♪さすがですねぇ。その通り射程距離は2mいくかいかないかぐらいですけどスタンドで殴れば岩ぐらいは軽くぶっ飛ばせるぐらいありますよ。それよりスタンドに名前つけました?」
『名前?』
いきなりの不意打ちな質問が飛び出した。
「そうそう名前っすよ名前。スタンドの」
『逆に袖ちゃんは名前つけちゃってるの?』
「もちろん!マリン・バイオルミネセンスって言うんですよ!」
『へ、へぇ〜』
かなりガッツリつけていた名前に若干リアクションが取りづらい球磨川だった。
第3箱完。
またお会いしましょう