『不完全』の『幽波紋』   作:数取団乱闘生

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第4箱「ピュリフィケイション・セレモニー」

「じゃあ球磨川先輩のスタンドも名付けましょうよ」

『えっ?やっぱりそうなるか…僕は考え付かないから袖ちゃん、君が名付けてよ』

「えっ⁉︎ 良いんですか⁉︎」

目をキラキラさせて顔をぐいっと近付けた不知火。

『い、良いよ。好きなように考えてよ』

不知火のあまりにも強い押しにあの球磨川が少し引いていた。

そして数分考えた後に不知火が辿り着いた答えとは。

「よし決まった!ピュリフィケイション・セレモニー!」

『えっ?』

「だーかーらっ!ピュリフィケイション・セレモニーですよ!」

『ピュリフィケイション・セレモニー?なんでまたそんな感じに?』

「カッコ良くない⁉︎」

『あぁ…カッコ良いね』

球磨川の質問には一切答えずに押してきた不知火に根負けし、それ以上は何も尋ねなかった。

 

「ところで忘れてましたけど、阿久根先輩を倒した後のデッサン人形がこんなのをつけてましたよ」

不知火がそう言って取り出したのはメッセージカード付きのコサージュだった。

そこには[No.3 阿久根高貴]と書かれている。

「それに球磨川先輩が倒した二つのデッサン人形にもありましたよ」

さらに出てきた二つのコサージュには[No.1 黒神くじら]と[No.2 喜界島もがな]と書かれていた。

『これは…』

「覚えてますか?これと同じことをあたしたちは10年前にある人物にやりましたよね」

『忘れる筈ないだろう?善吉くんが考え付いてめだかちゃんに対し箱庭学園総動員でやった百輪走…あれと同じコサージュだね』

「そしてこれが何を意味するか、分かります?」

『僕たちをここへ連れてきた何者かはデッサン人形を人間に変えられる能力を使って百輪走をやろうとしている。僕たちに百人のスタンド使いと戦わせようとしているのかもしれないってことだね』

百輪走ということはNo.は100まで存在する。つまり百人敵がいるという結論に辿り着くのは当然だった。

『そういえば聞いてなかったね、袖ちゃんのスタンド能力は何なの?』

「あぁ、それならコレですよ」

いきなり不知火のバイオルミネセンスが両手をパンッと叩いた。すると手の中からラーメンが出てきた。

『ラーメン?』

「あたしのスタンド能力は『ゼロ』からモノを作り出す能力なんですよ。でもあたしの記憶次第なところがあるから知らないモノは作れないし、あやふやな記憶のモノはあやふやに出来上がりますけどね」

『なるほどね。もしかしたら僕たちを連れてきた主はこれも予想していたかもしれない。僕のスタンド能力は触れたモノを『ゼロ』に戻すんだ。袖ちゃんの能力と間逆ってことになる』

「あひゃひゃ♪それは偶然にしちゃ出来過ぎてますよね!」

球磨川と不知火、両方頭の回転が速い方なのでこういう会話では困ることはない。

「それよりコレからどうします?後九十七人もいますよ?」

『とりあえず山を降りないと話にならないよね。ここで待ってたら残り九十七人が次々来るかもしれないけど、食料が無いからさ』

「それもそうですね」

球磨川と不知火はとりあえず山を降りることになり、数時間かけて下っていった。

球磨川が一人で3日彷徨った時は全く降りられなかったのにも関わらず、今回は特に迷うことなくすんなり行けた。

やがてでこぼこ道から塗装された道になり、そこに車が一台キーがついたままで止まっていた。

数時間山を歩いてすっかり疲れていた二人はチラチラと車を見る。

刺さったままのキーにはGIOGIOと書かれたストラップがついていた。

『ジョジョ…かな?イタリア語で』

「じゃあジョジョって人の車ってことですか?」

『そうだろうね…どうする?』

「………」

球磨川と不知火は結局その車に乗り込んで街へと向かった。

「球磨川先輩、車運転出来たんですね!でも免許は?」

『僕は10年間消息を絶っていたんだよ?』

「ですよねー……」

車を走らせること数時間。二人は一つの街へ辿り着いた。

『やっぱりここはイタリアみたいだね。袖ちゃんイタリア語は?』

「あひゃひゃ♪やだなぁ球磨川先輩、そういう時に尋ねるのはせいぜい英語までっしょ?」

『だよねー……』

「不知火、それに球磨川も元気そうだな」

すると突然ハッキリとした日本語が聞こえてきた。逆に不意打ちの日本語過ぎて何を言っているのか分からないくらいだった。

振り返るとそこにいたのは二人が見覚えのある人物だった。

「ひ、人吉!」

そう。そこにいたのは 人吉善吉(ひとよしぜんきち) 。言わずもがな不知火の大親友である。

「人吉、何でこんなところに?」

「お前が心配だったからに決まってんだろ不知火。球磨川と一緒にいたのか。さぁ帰ろうぜ日本へ」

人吉はそう言って不知火に向かって手を伸ばした。

「ひ、人吉……」

『やれやれ…これは袖ちゃんには任せていられないな。僕がやるしかないみたいだ』

「球磨川先輩…」

『袖ちゃん、君は下がっているといい。いくらニセモノとはいえ戦い辛いんだろう?でも僕は善吉ちゃんなら何の遠慮もなく戦えるよ』

そう言うと球磨川は不気味に笑いスタンドを出した。

 

第4箱完。

 

 

またお会いしましょう

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