「コレで心置きなくお前をぶっ殺せるぜ球磨川ァ!」
そう言うと日向はスタンドを出した。剣士のような見た目であった。
『それが君のスタンドかい?』
「その通り!ザ・サン!それが俺のスタンドだ。剣で斬り刻むことこそが俺のスタンドの力!」
『それだけ?』
「それだけとは何だそれだけとは!剣の斬れ味を思い知れ!」
日向はドヤ顔でザ・サンの剣を振り回すが、相変わらず球磨川の反応は薄い。
「何が不満なんだよこのボケ!」
『いや…だって君のスタンド、シルバー・チャリオッツとカブってるじゃないか。でも東洋の騎士っぽいからデザインは当然あっちが良いからただの劣化版チャリオッツだよ』
「シルバー・チャリオッツ?」
『あれ?もしかして知らない?まぁ僕のようにジャンプ愛読者じゃないからか。ぶっちゃけこの世界に来た時にスタンドは知らないフリをしていたけど、本当は知っていたさ。でもまさか漫画の中の話だったものを自分が使えるとは思ってもみなかったけどね』
「な、何を言っているんだお前は……」
いきなりベラベラと喋り出した球磨川に日向は戸惑っていた。
『ジョジョの奇妙な冒険……その世界に僕と袖ちゃんはやって来たんだ。何故かは分からないけどね。でもその連れてきた人物の手下なのに君が事情を知らないとは思わなかったよ……えっとひなたくん?』
「ひゅうがだこの野郎!ワケ分かんないこと言いやがって!俺の任務はお前と不知火半袖を殺すことだけなんだよ!」
ワケが分からなくなった日向はとりあえず球磨川を殺そうとザ・サンの剣を振り下ろした。
球磨川はそれをピュリフィケイション・セレモニーの螺子で受け止めた。
「なっ俺の剣を止めやがった!」
『さっきの言葉は訂正するよ。君はシルバー・チャリオッツなんかじゃないよ。こんな剣のスピードじゃ論外だ。出直して来なよ』
「な、何だと…舐めんなよこのクソがァ!」
もう一度日向は剣で斬りつけようとした。しかし既に刀身が無かったのだ。
「ば、バカな……忘れていた…コイツのスタンド能力は触れた物資を『ゼロ』にする能力だった……」
『やっぱりそれは全てのデッサン人形に共有されているみたいだね。でも君はダメだ、善吉くんの方がよっぽど強かったよ。所詮モブキャラが粋がるなってことだ』
次の瞬間球磨川は日向を螺子で串刺しにした。そしてデッサン人形となってからコサージュを回収した。
そこには[No.5 日向破瞬]と書かれていた。
『こんな名前だったんだ。って最初に言ってたか』
だがそれよりも球磨川には気になることがあった。
『僕の知っているジョジョとはちょっと違うんだよなこの世界…』
何食わぬ顔で作業に戻った球磨川。反対に日向は突然失踪したことになり、刑務所内は大騒ぎだった。
囚人たちは作業を中断し、急遽点呼確認となった。
「あの日向ってのをどっかにやったのアンタじゃないの?」
球磨川が戻ってくるなり先に戻ってきていた同室の女が言った。
『なんのことやら?確かに僕に突っかかって来ていたけど、そんな証拠は何処にもないからね』
「見れば分かる、アンタスタンド使いだろ?」
そう言った女の顔に球磨川は見覚えがあった。しかし今度は箱庭学園ではない。
『君は…空条徐倫?』
「こっちの質問に答えろよ…ていうか何であたしのこと知ってんの?」
『やっぱりここはジョジョの世界だったのか。でも漫画で見た徐倫とは少し違うな。思った通りここはジョジョなのに少し違う…』
「だから質問に答えろって。アンタスタンド使いなんでしょ?」
『だったらなんだって言うのかな?だからって僕があの日向って人を襲ったことにはならないんじゃないのかな?』
「あぁ言えばこう言う…アンタ口が達者なのね」
『まぁ僕は口先だけで生きてきたような男だからね』
日向が居なくなったので球磨川は空条徐倫との二人部屋になった。
だが徐倫は球磨川を警戒しているのか、それ以上は話しかけては来なかった。
そして次の日。
球磨川と徐倫がたまたま同じ場所の掃除を命じられていた時に事件は起こった。
「おい、お前球磨川禊だな。ここの刑務所にいると聞いてわざわざ捕まって来たぜ」
『わざわざ?君はバカなのかい?』
そう言って振り返ると球磨川はやはりその男に見覚えがあった。
しかし箱庭学園の者ではない。それでもデッサン人形だとすぐに分かった。何故なら……
「オレの名はシーザー・アントニオ・ツェペリ!球磨川禊、おまえを殺しに来た!」
現れたのシーザー、ジョジョ2部に登場する彼が6部の徐倫と同時間軸にいるのはあり得ないからである。
『スタンド使いだけじゃなく波紋使いもいるみたいだね。しかも僕たちの世界の住人だけじゃなく本家からも持ってくるとは。バラエティーに富んだことをしてくれるよ』
「ごちゃごちゃうるさいぞ、オレのシャボンで片付けてくれる!」
この状況は球磨川にとってあまり言って良いものではなかった。何故ならここでシーザーとスタンドで戦えば徐倫の疑いを確信に変えてしまい、看守にチクられてしまうかもしれないからである。
第7箱完。
またお会いしましょう