1
――――此処へ来てどれくらいの時が経ったのだろう
夜空を見上げ、これまでを振り返る。それは繊細に細部まで上映され次々展開されてゆく
地球に来て、依頼を受け、
瞳に映る夜の闇には星1つ無い。それはそこに無いのではなく、見えないだけだ。確かにそこに星はあり、光を放っているはずだった。でも、どんなに目を凝らしてもヤミには光の
――――
それはビルのアンテナに立ち夜空を見上げ始めた時間の事。真下の街並みに目を向ける。光り輝くネオンの街並み、青白い都市の光。人工の灯りは人の営みの豊さを示すものだ。その光は夜空の星たちの儚い光を遮り、ヤミから光の在処を隠していた。それは誰かの心の情景のようにヤミには思えた。
――――絵本。
先ほどから展開され続ける物語。その中で金色の少女が穏やかな顔で絵本を読み聞かせられていた。何度も同じ絵本の朗読をせがまれる黒髪の青年は始めは面倒くさそうだったが、それでも読み始めれば徐々にその気になって朗読してくれる事を少女は知っているようだった。
穏やかで
孤独を愛し、静寂を好むヤミは街の光の中から
夜の
愛した孤独の、好んだ静寂の中でヤミは独りだった。
2
光あふれるリビングに響く気怠い声
「おい、春菜。メシー、メシはまだかぁー?」
「もう、さっき"もうちょっと待って"って言ったでしょ」
エプロンの背中は声に向かえず答える。手元は先ほどから正確に、迅速に動かされているようだった。
「もうちょっとってあとコンマ何秒だよ……どんだけ俺を待たす気だよ」
「もうちょっとは"もうちょっと秒"だよ、お兄ちゃんは"待たず嫌い"だよ、まったく」
なんだそりゃ、とテーブルに突っ伏した。今夜は"明日から新学期&進級おめでとう頑張ろうねお兄ちゃん、野菜も食べようねの会"……要は美味いものを食べて鋭気を養おうって事だ。ちなみに単純明快なこの名付け親はキッチンで料理の腕を存分に振るう鉄人…じゃなく妹、春菜…西連寺春菜だ。
「もうそこにあるので充分じゃねーのかよ…」
キッチン脇にはすでにホカホカと湯気を上げる料理たちが鎮座して俺に、西連寺秋人に食されるのを待っている。タンドリーチキンやグラタン、クリームパスタ。どう見ても今日は洋風だ……なのに―――
「うん、できた♪」
じゃんっと見せられるフライパンにはふっくらとした―――
「…おい、なんだソレは」
突っ伏したままジロリと春菜を見つめる。
「なにって…卵焼き、だよ?お兄ちゃん好きでしょ?」
余計に見やすいように近づく卵焼き…
「卵焼きが緑であってたまるか!卵ちゃんがクーデター起こすわ!」
「あれ?緑かなー?気のせいだよ、気のせい」
こなれた様子で態とらしくすっとぼける春菜、
「全卵ちゃんが泣いた!全俺逆大ヒット!ワースト記録更新中!」
ハイハイ、じゃ食べよっかお兄ちゃんお皿お願いね、と流れるように無視をする春菜は変わらず笑顔だった。こうして外が暗くなって、家に帰って来てからもずっとずっと笑顔、笑顔だった。この賑やかな空気がたまらなく楽しい、といった感じだ。
暖かな空気、明るい蛍光の灯りに照らされ、眩い光を放つ笑顔の春菜は幸せの只中に居たのだった。
3
「お兄ちゃん、起きて、朝だよ」
「ふぁあぁあああああー、はいよ」
ゆさゆさと揺さぶる春菜に起こされる、今日から新学期。春菜は二年に、俺は三年になる始まりの朝だ。起き上がりボリボリと頭を掻く
「おはよ、もうご飯できてるよ」
うむ、おはようと頷く。寝ぼけ眼で見る春菜は俺とは違ってきちんと身支度を整え、すでに制服姿だ。身につけたエプロンが家庭的で良妻賢母な春菜をよく特徴づけている
んーっ!と大きく伸びをして立ち上がる、首の関節がコキコキと音をならした。
「…。」
そんな様子をじっと眺めている春菜……なんだよ?
「…お兄ちゃん、ちょっとしゃがんで、」
「は?なんかあんのかよ?」
いいから、と頬に手を添えられる。
春菜に顔を寄せるとふわりと香る春菜の甘いイイ匂い――――――
――ん、と頬にキスされる。春菜らしい、唇を当てるだけの親愛のキス。
それでもやはり恥ずかしいらしい、頬は朱く視線が彷徨っている。
やはりウチの西連寺春菜は一番カワイイ――――……が、
「…どうせならエロいコスプレの方がはっきり目が覚めるな、そうだな…例えば!!上はセーラー服で下がスク水とか!もちろんスカートはナシで」
―つい、からかってしまう。勿論本音はコスプレだって捨てがたい、はっきり目が醒めるのも本当だ。ん?よく考えると正直な感想だったりして
「お兄ちゃんのバカ!」
"返答"を期待していた春菜はつま先立ちのままパンチしてきた。あたった箇所は腹。おぐぅっ!と苦悶の声をだす俺は倒れそうになり目の前の暴行犯にしがみつく、それほどに春菜のパンチは強力無比なのだ。
「…えへへ」
「ぐ…なにを、笑って、…んだよ」
みぞおちに春菜パンチ(弱)をキめられた俺は朝から呼吸がおぼつかない
「お兄ちゃんからハグしてきたから、えへへ…」
オマエな、と髪をくしゃりと撫でる
「あ!もう、髪またやり直しだよお兄ちゃんのバカ、暴力魔人」
「朝から腹パンいれるヤツにいわれたくねーぞソレ…」
こんなやりとりをしていたから俺たちは朝から彩南高校へ全力疾走だった。走ったおかげで腹が二重に痛くなった、まったく春菜のアホめ
4
「ナナ・アスタ・デビルーク!だ!」
「モモ・ベリア・デビルークです♡皆様よろしくお願いしますわ」
彩南高校1-Bへ入学したモモとナナの二人のプリンセス。
モモは愛想よくふんわり微笑み。ナナは元気よく薄い胸を張る。
そして俺は微笑むモモを眺めながら出会った時のことを思い返していた――――
『
声には棘があったが、ふわりと愛想よく微笑うモモ・ベリア・デビルーク。
「お兄様が勝てばデビルーク王後継者になることを認めます。」
「いや、なるとか言った覚えは…」
リビングで漫画を読みふけっていた俺が、春菜に「洗濯物畳んでおいてね、お兄ちゃん」という言いつけを思い出し、そろそろやるか、と思って手を付けていなかった時、ピンポーンと呼鈴がなったのだ。ヤベッ!春菜か!?と思ったらモモでした。なんだよ、
「ですが!リトさんが勝ったら素直に引いてもらいます…そして"お兄様"になるということも辞退して頂きます」
睨みつけるモモ、それでも手は動かされていた。
「いや、もう素直に引くけど…それよりモモ、こっちにまだあるぞ」
「分かってますよ!…全く!どうして私が…」
不慣れな手つきで畳まれる洗濯物。タオルやらTシャツやら俺のものばかり、春菜のだけが無い。チッ、どんな下着持ってるのかチェックしてやろうと思ったのに。
「リトさん側につく女性が多ければリトさんの勝ち。お兄様側につく女性が多ければお兄様の勝ち。とします」
「ふーん。ほら、次だぞ」
「それは畳んだやつですわよ!…いいですね?!どちらが"ハーレム王"たる資質があるかの勝負ですからね!」
正座で洗濯物を畳むモモはデビルーク王家の正装姿だ。なんかアンバランスな魅力があるな
「ハーレム?なんか関係あんの?」
視線を外しペラリと漫画を捲る。ごろりと横になり大仏の像。
「…あります。子どもがデビルークには少ないからです…私達姉妹も全員女。後を継ぐ男性が居ないんです。広い銀河を統べるには世継ぎが大量に必要となりますから…え?詳しく聞きたいですか?いいでしょう!それでは説明しましょう!」
「いや、いらんですよ。いいから洗濯物お願いします」
デダイヤルからホワイトボードとマーカーを呼び出し設置し始めるモモに断りを入れる。…次のページへ、と漫画を捲る
「ちょっと!解りやすく簡潔な説明が聞きたくないんですかっ!?」
いや、もう随分とわかりやすく簡潔な説明だった気がするが……
コレ以上の説明が必要なのか?立ち上がり意気揚々と肩を弾ませるモモのスカートが靡く
「それでは始めます!セッションワン!『正しい夫婦の性生活~ビギナーさん向け~』!」
「やめろっての」
ぺしっとTシャツを投げつける。ぐちゃぐちゃだったそれは正確にモモの顔面にぶつかった。
「何するんですか!あ!しかもコレ畳んだやつじゃないですか!」
「…俺よか下手なんじゃねーの、モモ、お前プリンセスなんだよな?マジで?ナナの方が案外器用だったりして」
な!なんですって!と怒るモモ。双子の姉と比べられるのは癪だったらしい。
「お兄様のだからですよ!リトさんのだったらクンカクンカしながらしっかりねっとり畳ますのに…」
「…いや、するなよ、間違いなくヒかれるぞソレ」
そうですか?と小首を傾げるモモ。
「ちなみに現在の戦況はこういう感じになります」
《正統ハーレム王、愛しのリトさん♡》
お姉様、春菜さん、モモ♡
《要
なし
「大差で負けてるな」
「はい♡」
ピッとスクリーンに表示される戦況報告。最初からそっち使えばいいのに、ホワイトボードにこだわりでもあるのか?
「頑張らないお兄様を応援してます♡」
「おう、頑張らないぞ」
スクリーンを背後に微笑むモモ。額に☠が映ってるぞ
「もう!少しは頑張ってください!出来レースなんてツマラナイですわよ!」
「そうは言ってもな…」
…こっちに留まるのかも決まってないし、そもそも消えていくつもりなのだ。
「…では、お兄様側に付きそうな女性が、一人追加されるごとに私は"お願い"を聞いて差し上げます」
ごろりと仰向けに寝転がる俺に顔を近づけモモが言う
「お、ホントか?」
「ハイ、二言はありませんわ♡」
ふわりと微笑む無邪気な笑顔。くせっ毛が鼻を
「なら、"とらぶるくえすと"でな…」
「ふむふむ」
――モモは耳を近づけてくる。コソコソと計画を話した、たぶんモモなら上手くやってくれるはずだろう
「……してくれ」
「え、イイんですか?」
「おう」
頷いて手に持っていた漫画でナイショ話は終了、と頭をポンと叩いた。
「ヤった!それではウザいお兄様(偽)も闇に葬れて一石二鳥ではありませんか!」
「オイ」
瞳に満点の星を浮かべるモモ。上辺の愛想がとれて黒い本音が漏れてるぞ
「コホン。それは悲しい…きっとお姉様方も悲しみますわ…」
「思ってないだろ」
立ち上がって嘘泣きで瞳を潤ませるモモ。丸見えのパンツは白。
「ああ、どうやって私はお姉様方を慰めて差し上げれば…困りましたわ…」
「絶対困ってないだろ」
ニヤニヤと口元に笑みを浮かべるモモ。…愉快犯だな
「ああッ!それにはリトさんの寵愛が必要不可欠♡悲しみを忘れ快楽落ちするお姉様方♡なんて素敵な展開っ!」
つつー…と涎を垂らしイヤイヤと尻尾と身体を揺らす計略小悪魔Mさん
「おい、涎たれてるぞ、あとさっきからパンツ丸見えだからな」
「リトさんとの快楽に浸るお姉様!そこに
…モモは全く聞いてない。変わらず朱に染まる頬に手を当て揺れている。フリル付きの白のパンツも揺れている
「おい、いい加減に戻ってこい」
揺れる尻尾を捕まえて、こしこしと擦ってやる。
「んあっ♡だめぇ…リトさぁ…んっ♡」
「結城リトじゃないっての。いい加減はよ洗濯物畳んで帰れ。春菜が帰ってくるだろーが」
なんだか不倫してる妻みたいだな、俺…。旦那様は【西連寺春菜】!ってか、何を言う春菜を尻にしくのは俺だろう、俺。
「んんっ…あんっ…おっお兄様!?…はああんっ…!」
パッと戻ってきたモモの尻尾を手放した。
「んっ……私にさわらないで下さい!」
バシンッ!と頬を叩かれる。無意識で加減してくれたのか、力の強いデビルーク星人ではなく、一人の少女の力だった。
「…悪かったよ、あとは俺がやるからもう帰れ」
「むっ。なんだか私の扱い悪くありませんか?」
くせっ毛を指に絡み付け睨むモモ
「そうか?優しくして欲しいのか?」
――さっきと違って抑えられたスカートからはチラと白が覗き見える、だいたい近づきすぎなんだよお前は
「まさか!はっきり言っておきますけど私、お兄様キライですし。」
しっかり目を合わせ言い放つモモは確かにそうだと思う。
「だろうな、さっきは"ウザいお兄様(偽)"とか言ってたしな」
「…!まさかお兄様は心を…」
「そうそう、だから帰った方がイイぞ。尻尾を触ると俺は心が読めるのだよモモ君」
「ふむふむ、尻尾注意…と」
メモをとるモモ。ちゃんと抑えないと、パンツがまた見えてるぞ。結構シンプルなものが好きなんだな
「では帰れ」「ええ、帰りますとも」
そろそろ春菜が帰ってくるだろうし、今日のおやつはなんだろうか。あ、まだ洗濯物が…これだとおやつが抜きに…と内心焦る俺。まずいわ、旦那様が帰ってくる前に証拠を…ってか、アホか。モモはやや不機嫌だ。チヤホヤされ慣れているから邪険に扱われるのが気に喰わないのだろう。
「では、せいぜい消えてしまわないようにお気をつけて♡お兄様♡」
バタンっとドアを締め愛想よく退出するモモ。くせっ毛を揺らし颯爽と出て行く。
はいはい、お気遣いサンキューな、と背に投げながら洗濯物を畳みにかかる。ピンポーンと再びなる呼鈴。なんだよモモ、まだ何かあんのか…あ、責任持ってこれを…あれか
「ったく、洗濯物畳みたいならそう言えよ?パンツが白くて結構シンプルなのは黙っておいて…」
「ただいま。パンツが…何?お兄ちゃん」
ドアを開けるとそこには春菜(鬼)が立っていました。バタンと締めるドア。鬼は外。
ガチャ、と再び開くドア。鬼は内。
「カギ。持ってるから」
――超コワイ。なんと鬼はカギ持ちなのでした。
「…私が隠してた洗濯物…どうやって見つけだしたの…ね、お兄ちゃん」
笑顔の春菜はカワイイ。だがこの迫力満点の笑顔は好きじゃない
「ちが、春菜の洗濯物じゃなくて俺の…」
「お兄ちゃんのトランクスで白は無いよ…ね?」
「どうしてそんな俺のパンツ事情を…ま、まさか!春菜!こっそりチェッ…「私が全部洗濯してるから知ってるのッ!」ク…」
バスッ!と投げられた
「――――ありゃあ痛かったな、」
「なーにが?ですか?」
傍らに立っているメアが見上げてくる。パイナップルには棘がある、とだけ答えておいた。ふぅーん、素敵?とメアは小首を傾げた
「で?なんで俺はココで授業参観してんの?」
「だって私の友達せんぱいしか居ないもん、つまんないもん」
――アホかオマエは。クイとおさげを引く。メアは「あやー」と謎の声を発した。
「だいたい俺がこんなところに居てみろ、浮きまくる…でもないな」
「でしょー?」
男子連中はモモに夢中だ。さっそく質問攻めにあっているモモとついでのナナ。女子は遠巻きに俺とメアを眺めている。ヒソヒソと話しているようだが聞こえない。なんだろうか
「せんぱいと私が付き合ってるんじゃないかーだって」
「へーえ」
「へーえ?」
――真似すんじゃねーとおさげをクイと引く。メアは「あゆー」と謎の声を発した。
朝、彩南高校につくと直ぐ様メアに「せんぱいはこっちにお願いしまーす♪」と手を引かれ、こうして教室の後ろに立たされている。その間ずっとメアは傍でニコニコとしていた。まぁコイツのおかげで此方に帰ってこれたわけだし。
メアが居なければ今頃は…――――
「――ありがとよ」
「どーいたしまして♪」
微笑むせんぱいってカッコ良くて素敵♪と無邪気な笑顔を浮かべるメア。なんだか素直に言ったのが恥ずかしくなり――おさげをクイと引く。メアは「あみー」と謎の声を発した。
「だいたい朝のSHR中にこんなとこ居たら「秋人!探したぞ!」…ほら見ろ」
ガラッとドアを開け放つポニーテールの凛々しい武士娘。
「まったく、進級そうそうサボってどうするんだ、…来い、沙姫様も心配されていたぞ」
グイっと首ねっこを引っ張られる。俺は「ぐひー」と謎の声を発した。
ま・た・ね♪せ・ん・ぱ・い♪と掌を開いたり閉じたりするメアを眺め続けたまま凛に引きずられ教室を後にした。凛、お前何を怒って…くるし…
5
「たい焼きをください」
「あいよ!」
威勢よく返事を返す屋台の店主
「いつもの数で良いかい?」
「…一つ少なめでお願いします」
「?あいよっ!」
何も聞かずにたい焼きを作り始める馴染みの店主は一瞬、不思議そうな顔をしたが、私を見ると何故か微笑った。
「…どうかしましたか?」
「…いや、嬢ちゃんもそんな顔するんだって思ってな!」
へへっと鼻を掻く店主
「…そんな顔とはどんな顔ですか?」
「"緊張してる"って感じの顔だよ!」
――そうなのだろうか、我ながら無表情だと思う。顔を触ってみるが冷たい頬の感触だけ…確かにそれは強張っていたけれど…
「…ほら!出来上がりだ!毎度!頑張れよ!嬢ちゃん!」
「…。」
何も言わずに代金を支払う。82のたい焼きを受け取る時、小さく頷いた。店主はそれを見てまたへへっと笑った。
…が……で……しゅから……
ドアの隙間からこぼれる中の話し声。同時に確かに目当ての人物の気配を感じた。足踏みをして心を整える。
あ
ゴンッ!と豪快な音を立てて体ごとドアへ体当たり、咄嗟に発動させた
「――でしゅからみなしゃん、こんしゅーぅう…」
"古典"の授業を担当している骨のような先生が黙る。周りの有象無象がポカンとした顔をしている。……その中で、ただ
「…アキト、今度は私の"家族"になりませんか」
光はポカンとした顔のまま固まっていた。
――――こうして二人の物語がまた始まる。咲き誇る満開の桜の、舞い散る甘いたい焼きの季節のなかで
感想・評価をお願いします。
2017/07/30 誤字修正
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【 Subtitle 】
1.伸ばしたその手に掴んだものは
2.繋ぎ留めた日常
3."不倫"と"ゲーム"
4.誘拐捕獲、また捕獲
5.空白を埋めるもの