貴方にキスの花束を――   作:充電中/放電中

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Re.Beyond Darkness 5.『届かなかった想いⅡ~First"if"Love~』

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唯と共に"男湯"からでる。ほらなやっぱ男湯だった。これで女湯だったら全裸の凛に真剣で両断されてるな、[硫黄は死の香り~湯けむり殺人事件。犯人は武士な私、どこからともなく日本刀~]が5分で完結するだろ

 

「おまたせー、凛、コーヒー牛乳飲もうぜー」

「コーヒー牛乳?フルーツ牛乳でしょ非常識な」

 

凛にツッコまれる前にカルシウム。それにしてもツンデレはなにを言うか、湯上がりにはコーヒー牛乳こそジャスティスだろうが、やはり唯さんは牛さんにも素直になれないのか…やれやれ、と肩をすくめる。唯は何よ、と横目で睨んだ。こら、足まで踏むんじゃないっての

 

「ん?待てよ?お前にコーヒー飲ませたら出るんじゃないの?コーヒー牛乳」

びしっと指さす、胸を…つつけなかった。チッ

「は?何言ってるの?」

両腕で胸を庇う唯にははっきりとした侮蔑の表情。切れ長の瞳で鋭く睨みつけている。そんなに警戒しなくてもいいだろ…さっき全部見ましたよ。お兄ちゃん(・・・・・)は春菜より随分大きく育ったなー、と思いました。

「だって牛乳(うしちち)なわけだし」

「まだ牛乳は出ないわよ!ハレンチなこと言わない!踏むわよ!」

「踏むなよ、てか踏んでますよツンアホ唯さん」

"まだ"って…いずれは出すんだな、牛乳。モーモー唯さん、いてえ!ギリギリと捻りながら踏むなバカツン!搾乳するぞ!

「ああっ!ちょっと!胸を……ああっ…んっ!そんなグリグリされたら…切な…くぅっん…―――

 

―――湯上がり、牛乳…フルーツ牛乳が私はスキ……もしも私が初恋の人と結婚すれば赤ちゃんができて…そうしたら……

 

『触ってもいいか?』

『うん…』

膨らんだお腹を撫で擦る、愛する夫との二人家族もそろそろおしまい…もう妊娠8ヶ月。もう少しで生まれてきて…三人家族になるのね、

『うーん…随分デブったな唯』

『違うわよ、お腹にはあかちゃんが居るんだから女はこうなるの…それにこんなにシタのは貴方でしょ―――

 

―――先輩…

 

と熱っぽく見上げる、先輩…夫ははにかんだ笑みを見せる、照れてるの?カワイイわ、と私は妻の余裕をみせる。出会った頃とは違い私には先輩との確かな愛の結晶があるから…もうこんな事だって言える。

お腹を撫でていたら先輩の愛を思い出し……キスしてと呟いてしまう。応じる先輩、やがて二つの影が重なって…だめ…、まだお腹には赤ちゃんが居るんだから…―――

 

「…なるほど、露天風呂から聞こえてきた淫猥な声は…そういう事か」

声をかけられたのに放っておかれた九条先輩がギロリと睨んでいる。

「あ…ああああの、九条先輩!私が、その…」

私は慌てて浴衣を着直し、先輩から離れる。あれ?!なんだか先輩の手を私が掴んで胸を触らせていたみたい…ハレンチな!は、はやく釈明や弁明を……!

「君は少し黙っていてくれ、……秋人、後輩に乱暴を……この不埒者!」

ゴスッ!と夫の脳天に竹刀の一撃、あなたっ!しっかりしてっ!…お腹のあかちゃんに不安を与えたらよくないのよ?!…あ、まだ居なかった。床に倒れる先輩の音ではたと気がついた。

 

 

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「すまなかった」

「い、いえ…私は別に…」

間違えて男湯に入っちゃっただけなんだから……あ、こういうのがツンデレって事?

――――――それはただのアホですよ、唯さん

 

「てっきり秋人が君を連れ込んだものとばかり…」

「いえいえ、そんな事はないですよ…まぁ先輩ならやりかねませんけど…」

そうだろうな、と九条先輩は先輩の髪を撫で梳いた。気絶した先輩は九条先輩の膝の上でむにゃむにゃと介抱されている…随分と仲がよろしいことで…ムカ

「春菜が随分秋人を甘やかせているからな…全く」

言いながら先輩の浴衣の襟を整える九条先輩。……ま、突っ込まない方が良いわよねムカムカ

「ところで君もこの温泉に来ているとは思わなかった、古手川唯」

「はい、九条先輩も……」

結い上げられた長い髪を耳にかけ直し凛でいいよ、と九条先輩は微笑んでみせた。伸びた背筋と浴衣がよく似合う…ごろりと先輩が凛さんのお腹の方へ寝転がる。

「んっ、此処へは旅行に?」

「はい、ちょっと…気持ちの整理に…」

一瞬ちょっと気持ちよさそうな顔をした凛さん。…何かしら?

「そうか、……ん。」

凛さんは先輩の頭を押さえて特に何も聞かなかった。オトナなのね、と――――――

「…。」

――違うのかしら?何だか厳しい顔になってる。目を閉じてちょっと頬も赤いし…具合でも?

「…秋人、起きていることくらい呼吸で解るぞ。」

「すやすや」

「?寝てるみたいですよ?」

覗き込んで見るけどお兄ちゃんはすやすや(・・・・)と寝ているように見える。ん?お兄ちゃん?先輩でしょ?訂正訂正

「唯、散歩にでもでかけようか、この不埒者は此処で一人寝かせておこう」

膝の上にのせられていた先輩の頭を放り投げ、スッと立ち上がる凛さん。

「…いてっ投げることないだろうが」

「お前が寝たふりをするからだ!寝てる人間が「すやすや」などというものか!私を莫迦にするな!まったく、息が擽ったくて仕方がなかったんだぞ」

ホントに?くすぐったいのって気持ちいいの?

言いながらも悪いことをしたと、謝るように先輩の打ち付けた箇所を撫でる凛さん……言わないほうがいいわよね…それにしても仲が良いのね……ムカムカムカ

 

――――――この場で一番オトナだったのはツンアホその人であった。

 

 

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「名家の嗜みとして有名な景勝地は一通り見て回っていたからな、こういう地元の人しか知らない場所…というところに興味がある」

「へー」「わあ」

「此処は地元の……この地に生まれた人たちの信仰の対象になっていた滝で……」

細く白い滝の流れを見上げながら私と先輩が口を開けつつ感想を言う。凛さんは傍らでいつの間にか調べた解説をしてくれている。

「滝というものはそもそも…―――

 

―――滝といえば"癒やし"、マイナスイオンよね…ちらりと横目で先輩を見る

ぼうっと滝を見ているけどたぶんアレね、全く見てない。この後の食事が楽しみなんでしょ。旅館の食事…とくに夕食は豪華になってるし、お魚の活き造りや肉料理、新鮮な山菜などなどテーブルに収まらない規模の料理がならべられてお腹一杯に……お兄ちゃんは肉料理大好きだし。きっとわたしの分も奪われるわね…叱りつけてやらなきゃ、ん?なんで今先輩の事をお兄ちゃんだと思ったのかしら?私にはお姉ちゃんでしょ?訂正訂正…――――――

 

――――訂正、修正、塗りつぶし……空は赤から黒に変わり塗りつぶされつつある。細く白い滝の流れをじっと見る…確かに不思議な魅力があるな、と思いながらちらと傍らに佇む唯の様子を窺う。顎に手を添え、なんだかブツブツ呟いている。"お姉ちゃん"……ね、古手川唯に姉が居たなんて知らなかったけど。まぁなんか変わってても仕方ないかもな、俺も春菜の兄なんだし、それにしても"お姉ちゃん"ね…と再び思考を廻らせる。その単語は金色の小さい少女を脳裏に浮かばせた。そう、あれは今と同じくらいに空が染まった夕暮れ…キッチンで不意に「…お姉ちゃん次はどうすればいいの?」と、あのヤミが。あの金色さんが言ったのだ。あの時の春菜は面白かった。一瞬能面のようにきょとんとしたかと思ったら、ヤミちゃん!っと叫び抱きつきグルグルその場回り始めたのだ。花咲く満面の笑みの春菜に照れたように頬を染めるヤミ、重なる頬と頬。ヤミの金髪と春菜の黒髪が舞い、春菜の靴下がフローリングをキュキュっと音を鳴らして……手に持っていたボウルをぶん投げたせいで俺に水溶き片栗粉がかかったんだよな。ったく…春菜のアホめ、その時の夕食はチキン南蛮でそれから‥…ああ腹減った。豪華な夕飯楽しみだ、春菜があの夜作ったものより豪勢なんだろうな、アホクイーンの天条院でも旅館のスタッフさんは一流だろうし、唯の肉は俺が貰おう、あんだけ胸に脂肪あるんだからいいだろきっと。

 

「…二人とも、ちゃんと景色を見ような」

 

わたしたち二人には凛さんの溜息さえ聞こえなかった。

 

 

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アキトが温泉へと旅立った(天条院家従者に攫われたとも言える)同刻。

「春菜。アキトが遅いようですね。」

「…そうだね、どこ行ったのかな?またナナちゃんとかと寄り道してるのかな?」

 

のんびりと餃子の餡を皮に包みながら応える春菜は私を見つめる。穏やかな毎日…美柑よりも身長の高い私、その私よりも高い春菜、そして一番背の高いアキト。…この三人は傍から見ればどう見えるのでしょうか、と胸の内で呟いた。

 

「…どうでしょう…」

見下ろす水の張ったボウル。映る瞳は…紅。朱い髪のメアが水面に浮かんだ。

 

『私たちは"家族"でしょ?ヤミおねえちゃん……家族ってステキ♡』

 

言葉にできない不安を紛らわすようにかぶりを振り、せっせと餃子作成にとりかかる。おもわず仮面を付け忘れる

 

「お姉ちゃん、次はどうするの?」

 

 

ヤミちゃん!とまた抱きつき振り回される…春菜、そんなに振り回したら餃子が全部吹き飛んでダメになってしまいますよ――――――私の不安までは吹き飛んでくれませんでしたが…

 

 

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豪勢な食事を三人でとる最中、「部屋に特別なデザートをご用意しております」と唯に女将が告げた。旅館の自室に戻ると「凛の邪魔をするんじゃありませんわ 牛乳 裏方女王 天条院沙姫」と張り紙がドアにあった。ビリビリと破り捨てる…失礼な…邪魔なんてしてないじゃない。初恋探ししてるだけよ!先輩をこき使って何処かへ行った初恋を探す…ただそれだけよ!別にお兄ちゃんを好きになってるわけじゃないわ!誰があんなハレンチな人!…ん?お兄ちゃんって何だかしっくりくるのよね…これからは心の中だけでそう呼ぶことにしよ。それよりデザート♪豪華なデザート♪

 

ぽつねんと置かれたカップラーメン。

 

割り箸に挟まれてる「貴方にはコレで充分ですわ 牛乳 美乳女王 天条院沙姫」

 

ビリビリビリグシャグシャグシャグシャバンバンバンバン!

 

踵を返してお兄ちゃんの元へ走る、なぜか怒りの矛先は兄へ向かった。

 

 

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「ふふ、小娘…オマエの身を頂くぞ…躰を金に変えるのだ…」

「お、お代官様…何卒お許しを…お許し下さい…私には将来を誓った方が…」

朧げな灯りしか無い部屋にか細く震える女の声、男の下卑た野太い声が覆いかぶさる…

トサッ

音は女が後ずさった脚を布団にとられ尻もちをついた、女が堕ちた……そういう淫靡な音であった。

ククク……い、いや……

男が手を伸ばす、女が恐怖で震え、躰を抱きしめて動けない。それは果たして恐怖からか……潤んだ瞳に僅かに緩んだ頬(・・・・)……女には操の危機が、確かに、今、目の間に迫っていた。

 

――――囃子の夜、鈴虫だけが女の悲鳴と嬌声を包み隠す蚊帳だった。

 

凛、お前は固いぞ、そこが良いところでもあるけど…あ、そうだ!……これでいこう!フフフ…良いでわ内科…まちがえちった。良いでわないかー!と、クルクルと帯を回された凛。

な、何をする!…と、乱れてはだけた浴衣が扇情的、押し倒されてもちっとも嫌そうじゃない(・・・・・・・)、それは勿論演技であったからだ。先ほど秋人が書き上げた台本通りに凛が演技している。食事の後の運動としての余興であった

 

「何卒…何卒お許しを…」

私は後ろへずりずりと下がる、なるべく厭そうな演技を心がけなければ…と浴衣の襟をしめ胸は見えないように、更にト書きには…でも谷間はよく見えるように…だったか、

 

「ムフフ…娘よ…オマエの躰はそうはいっておらんぞ…」

押し倒される町娘()に覆いかぶさるお代官様(秋人)…殿方に躰を求められるのがこんなにも嬉しいとは…違う、秋人だから、秋人だから私は――――

「あ、ご主人様…ダ…メ…んっ」

知らずに私は演技を忘れて夢中に……

「おい、凛、お代官様だぞ」

「す、すまない…お代官様…ぁっ」

ぼそぼそと台詞を直す秋人の声が鼓膜を震わせる。耳に感じる秋人の呼吸、微かに触れる秋人の唇…知らずに私は秋人の背中をひっかくように握りしめた。

「ククク…オマエは親の借金の代わりに儂に売られたのだ…その男のことなど忘れよ」

「ぁ…」

秋人に抱きしめられてこんなにも近く(・・)に感じる。腕が勝手に秋人を抱きしめ返し、躰は躰に絡みつく。昼の添い寝の続きがこんな形で実現するとは……躰が熱い。躰が熱くて仕方がない…――――

 

「秋人…私を――――」

少し腕の力を緩める、目と鼻の先…見つめる秋人の瞳に私がいる。そこには熱に侵された女の私がいた。唇に感じる秋人の吐息…始めるなら最初はキスからがいい。きっかけなど、些細な事。巫山戯(ふざけ)た演技から始まろうとも、それは秋人らしさだ。沙姫様から「凛は肩に力が入りすぎですわよ、たまには女に戻ったらどうですの?」と助言してくれたことが一度あった、だがそれはそれで私らしさだ、それに、もしも女に戻るなら将来を共にしたいと思える…伴侶にのみ見せたい。

 

そしてそれは…―――

 

「秋人―――」

 

今、縮んでいく、微かに触れる唇と唇。

 

ふたりのキョリが今、ゼロに――――――

 

―――春菜、すまない…こんなの抜け駆けだ…が―――もう既に賽は投げられて…

 

「ばばーん!ここでネメシス登場!おにいたん!はっけーん!」

 

和室に響く脳天気な声が私の蕩け流れていた思考を瞬間冷却させた。

 

 

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「はっはっは!はろはろー!おにいたーん!はわわ、いけません!ねめしすはまたパンツを履き忘れてしまいましたぁー(CV結城美柑)」

ピラリと漆黒のキャミワンピの裾を捲るねめしす(豊満)。凛と同じくらいスタイル抜群だ。確かに履いてないな、うん。しかしそんなことはどうでも良かった。このタイミングで出てくるのはワザとだな?ニヤニヤしやがって…そして美柑はそんなこと言わない。

「オ マ エ は ア ホ か」

腕の中にいた凛をゆっくり寝かせ、まったく分かっていないアホしす(※アホなシスターの意味)の頭をはたく「あたっ!酷いぞおにいたん」と甘えた素の声を出したが、そんなことはどうでも良い!

「そのメリハリボディでおにいたんなんて言うかよ!ココは和室だ!そこも考えろ!そういうキャラはなぁ!…」

うんうんとねめしす(豊満)は頷いて聞く。

「そうか、こういう時はこうか…んんん!」

胸を拳でトントンと叩き、声の調子を整えるねめしす(大人)

「さあ坊や…いらっしゃい…お姉さんがイロイロ教えてあげるわ…オベンキョウしましょう…」

囁くように流し目。キャミソールの肩紐が落ち、はだけて褐色の華奢な肩と豊満な胸が露わになり、さらりと長い黒髪が胸を隠すように落ちる…組んだ脚は太腿が特においしそうな艷やかねめしす(お姉さんセンセイ)。

「で?だいたいなんでココにいんだよ?」

うむと納得。立ち上がらせて着崩れたキャミソールを整えてやる、おいこら邪魔すんな手を絡めてくるんじゃない、脚も絡めてくるんじゃない、凛の真似か

「うむ。おにいたんのパンツの匂いを嗅いで自分を慰めていたらかえって切なくなってな、飛んできた」

スッと胸の谷間からトランクスを取り出すネメシス。衣装も背丈も元の浴衣に戻っていた。ペケ涙目だな

「…オマエはなんで俺のパンツを持ってんだよ…ほらコレ履いてろ」

ぱしと春菜パンツ(青)を顔にぶつける。パクっと素早く口でキャッチするネメシス。イヌかオマエは…

 

そうかそうか、おにいたんは私にパンツをくれるのか、こういうものが地球式のプロポーズなのだな?嬉しいぞ。私の趣味にあっている、ついに堕ちたなうんうん、こういうのも悪くないな!…春菜のだぞ?それ、ちゃんと返せよな?と会話を続ける。

 

「うむ、やはり想像よりもこうしてリアルなのが良い。こんな絵より余程良いな」

"ぷろじぇくとだーくねす"と下手くそにかかれた紙芝居がでてくる。なんだこれ?このヒョロイ黒いのが俺?その隣の黒いのがネメシス?金と赤がそれぞれヤミとメアか?

「コレを見ながらな、一人おにいたんを思って夜な夜な自分を慰める行為に浸っていたのだ、健気だろ?ククク」

いそいそと春菜パンツ(青)を履くネメシス。お前な、

「それは健気なんていうものかよ!健気はロリっ子が頑張って料理や買い物を手伝ったりすることだぞ!」

「なんだ?部屋で棒を使って…「貴様等……」」

 

ゆらり、と置いて行かれた町娘が乱れた浴衣に得物を握りしめ二人に迫っていた。いろいろ山程、山程言いたいことはあったが鍛えた剣の道、その先にある無の境地。其処へ放っておく事にして兎に角一撃入れねば済まないようだった。

 

「ちょっと!何よあのカップラーメンは!?どうしてシーフードじゃないのよ!?」

バンッとドアを開け放って怒鳴りこむ古手川唯。

ああ、もう、何なのだ。この状況…どこから突っ込めば…と凛はクラクラとする頭を抱えた。

 

「おー!求めていた混沌(カオス)がココにあるな!」

そしてこの私がパンツ履いてるしな!はっはっは!と笑いながら秋人を押し倒し、豊満な胸と脚でホールドするネメシスから、凛は怒りの鉄槌を下すことにした。アレは私に対する挑戦状だな、と呟きながら……――――

 

結局、その日から4日、この4人で自然の静けさがある旅館は喧騒につつまれるのだった。

 

 




感想、評価をお願い致します。



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【 Subtitle 】

22.ほてぼてスキンシップ

23.焼きもち唯たん

24.花より団子、滝より家族

25.食い気より家族

26.お風呂上がりのあれこれ

27.頓挫した計画

28.温泉旅館の喧騒

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