――――トニーバーガー前
「よく来たお前ら!わざわざ俺を羨むためにくるとはな!ご苦労さまだぜ!」
学校の帰り道、"お得な情報"を手に入れた秋人は早速その店へ向かっていた。店は秋人と同じ目的で集まっていた客で混雑している。その混雑の中、知った顔を見つけた秋人は声をかけた
「よう!リト、久しぶりだ」
「こんにちは、西連寺のお兄さん」
「へ~、この人が西連寺の…初めまして猿山ッス」
リトと猿山は仲がいい。まあリトはララとかルンとか他の女の子の方がもっと仲がいいが。俺にとっても仲の良い男友達はレンと……あとクロの二人くらいだ。
レンは学校でよく話すし、クロからはほぼ毎日『12の月が消える時、新世界が誕生する(訳:もうすぐ今年も終わりだな)』みたいな暗号メールが送られてくる。こっちは2月なんだけど?と返したら『!…時空間断裂か、終末の日は近いな(訳:マジで!?そんな違うのかよ!)』と返ってきた。もしかしなくても友達いないのかもしれない。ヘンな奴に懐かれてしまった
「ハンバーガーがタダなんだってな、レンも連れてくれば来ればよかった」
「え、そうなんですか?レンは妹のルンを迎えに行ってましたよ」
「あれ、ハンバーガーがタダ?俺はカワイイ女の子にチョコが貰えるって聞きましたけど…」
「お前らを呼んだのは言うまでもない。バレンタインでチョコを一つも貰えそうにないからだ!知ってたか?この店じゃ店員の女の子と仲良くなるとサービスでチョコが貰えるんだぜ!西連寺!お前は釣られそうにないからニセの情報を知らせたが…悪く思うなよ!俺様の為だ!せいぜい引き立て役になれ!ハッ!」
「ルンちゃん今や人気アイドルだもんなぁ~…ララちゃんとか、ヤミちゃんとかもアイドルになれるよなぁカワイイしさ」
「あの二人はならないと思う…というよりララはすぐ飽きるんじゃないかな」
「テレビのアイドルじゃ収まらんだろうなララは。それに元々プリンセスなわけだしな、メンドクサーイ!ってやらないんじゃないか」
「それもそうッスね」
「そして、お前らが俺様に憧れてるのはよく分かる!俺様はモテるからな!そんな俺様が今日はお前らにモテるコツを教えてやる!感謝しろよ!」
「とにかく並ぶか、凄い行列だしな」
「そういえば、お兄さんも手紙で呼び出されたんですね。何の用なんだろ…モテミツ先輩」
「まあ俺はカワイイ女の子にチョコが貰えるならなんでもイイけど!いこうぜリト!」
「わ、わかったって押すなよ猿山!」
「フフ!女の子と仲良くなって、本命チョコ以外にもムフフなサービスされて…ふひっむふふふふふ!!!」
「そういえばココって、唯がバイトしてるところだったな」
「え!古手川ってバイトしてたんですか?!」
「おう、安心しろ。今はちゃんと仕事してるはずだ」
「『今は』って、昔は仕事してなかったんスか…」
「さあ!出陣だお前ら!俺様の武勇伝を見せてやる!お前らのぶんまでチョコまで貰ってやるよ!ハハッ!」
「というわけで、唯にもいろいろ奢ってもらうか!楽しみだな」
「古手川はそういうの厳しそうな気が……」
「俺なんか見つかっただけで怒られそうな気がするぞ………誰もモテミツ先輩の話聞いてなかったッスね……」
******
「「いらっしゃいませー」」
「フ、情報通り美人ぞろいだぜ…!くくく、さあて、どのコをカノジョにしてやろうか…!」
「すっげー混んでる」
「古手川は………今は居ないみたいですね、というより人が多すぎて見えない…」
「リト!俺、お前の後ろに隠れてるからな!動くなよ?」
三人(+1)が入るとそこは既にお店は大勢のお客でごった返していた。バレンタインの今日は女性客よりも男性客が多く、とある先輩の情報通り、サービスで一口サイズのチョコを受け取っている。美人ぞろいの店員がにこやかにチョコを配る姿にお客たちは見惚れていた。
「さあ!まずは俺様が…!いや待てよ、コイツらダメンズどもを先にいかせたほうが俺様の株が上がるブツブツブツブツ…」
「そういえばこの店ってヤミが因縁のライバルがどうのとか言ってたな」
「え、そうなんですか?……ヤミってたいやき屋以外行くんですね」
「アイツは割りとなんでも食べるぞ。特に可愛いと思った獲物は部位を選んでから食べるらしい」
「それだけ聞くとヤミちゃんってコワイっすねー、カワイイのに…」
「…にしてもすげー並んでるな、隣の列」
レジカウンターの列に並ぶ三人。秋人たちの列はそうでもないが、隣の列は店の外までお客が並んでいる、よほど美人で人気の店員がいるらしい。ちなみにヤミの発言は『ケーキなどにカワイイ動物の砂糖菓子がのっていますが…どこから食べたらいいのか考えてしまいますね、アキト』と女の子らしさをアピールしたのだが、報われない結果であった。
「それでは!結城!まずはお前から行け!」
「え!?俺ですか!?」
「オイ、リトにいきなり話しかけるなよ。びっくりして
「…モテミツ先輩っす、さっきから居ましたよ西連寺先輩…」
「グフフフ!!まずは結城だ!その他は下がってろ!まだ動くなよ!……フフフフ!」
「ど、どうすれば…」
「よく分からんが順番来たし、リトから注文してくれ」
「あ、はい!じゃあチーズトニーバーガーセットのえ「ゆ、結城くん!?」…古手川?!」
長蛇の列の先頭、そこに唯がいた。赤色シャツと黄色で「T」の刻印が入ったバイザーのハンバーガー・ガール――――並んでいるお客ではなく、店員としてだった。
「…何してるのこんなところで」
「何って、ハンバーガーを買いに来たんだけど…」
同じ店員なのに唯だけがどこか艶めかしい。全員同じハンバーガー・ガールの服装は唯自身の美人度をより引き立てていた。身体にぴっちりした制服は、特に胸の辺りなどボタンが飛んできそうなくらいぱっつんぱっつんだ。一番人気な理由をすぐに把握したリトなのだった。
「ふぅん…そんなこと言って、本当は女の子からチョコを貰おうとしてるのね、ハレンチな」
「そ、そんなことないよ!西連寺のお兄さんとか猿山も一緒だし………あとモテミツ先輩も」
「!ふ、ふぅん…」
ちらり、唯が店の隅………秋人の方を見る。並ぶ人だかりの奥、モテミツと秋人たちは
「おらおらおらぁ!お前らは下がれ!下がってろ!西連寺!」
「押すなっての!並んでたってのに……ん?なんでお前が俺のこと知ってるんだよ」
「同じクラスのモテミツ様だよ!あと手紙も俺様の仕業だ!」
「?クラスで見たことないんですけど」
「お前んとこの金色のヤミちゃんにやられたんだよ……半年入院してた」
「そうか、お気の毒に…」
「ヤミちゃんってやっぱり怖いんだなー…カワイイのに」
と何やら揉めている。
「あの、先輩…こっちは私が担当しますのでそちらのお客様を…」
「あ、ごめんね今すぐ代わるわ」
「え、あの…」「古手川?」
ドンッ
唯はいきなりレジカウンターに『調整中。お隣のレジへどうぞ』の立て札を置いた。順番を待っているお客を無視し隣のレジへ移動する。驚いているリト、どかされる後輩スタッフ、唯の"ツンツン"発動に驚かないお客達はむしろ喜んでいる。そして
「貴方はアタシの後ろでサポートして、いいわね?」
「はっ、はい!」
「…おまたせ、で?注文は何なの結城君」
「え、えーっと…チーズトニーバーガーのセット、飲み物はコーラで…お願いします」
一瞬、こんなことをして大丈夫なのか古手川、と思ったリトだったが唯に半目で睨まれ即座に注文し直した。唯のレジへ並んでいたお客たちは、なぜか満面の笑みでリトの後ろへ並び直している―――調教済みなのだ、ご褒美である。
唯はリトに「分かったわ」と頷くと、レジ打ちを済ませキッチンへ指示を飛ばす。いつもと違う服装でポニーテールを揺らす唯は新鮮で凛々しい。キビキビと働く姿は学校とはまるで違い仕事の出来る美人、といった感じだった。リトは見慣れぬ唯の姿に目を奪われてしまう
「なんか…古手川っていつもと全然違うな」
「そう?いつも通りだけど」
「いや、大人びてホントにしっかりしてて……いつもとは全然違うよ。凄いんだな」
「フ…ありがとう結城君。お世辞が上手なのね」
「あ、いや、お世辞のつもりじゃ…」
「分かってるわよ、結城くんはそんな人じゃないわ。はい、お礼にコレあげる」
「あ、ありがと…あれ、お金は…?」
「あとからまとめて貰うわ、大丈夫よ」
流し目の唯に微笑まれ、リトは顔を赤くしてチョコと注文したハンバーガーを受け取ったのだった。
******
「むっ…結城リトは普通にチョコ貰いやがったのか…!クッソ!」
「へぇ、唯からチョコもらったのか…珍しい」
「えーっと、その、サービスで…」
「いーなーリト、古手川ってバレンタインにフツーにチョコくれるんだな」
「バイトだから、仕事だから配ってるのかも」
「まあそうだろーなー…ってことは俺も貰えるのか!」
リトは今もテキパキと仕事をしている唯を見てぼうっと頬を赤らめている。いつも「ハレンチな!」と怒っている唯と今の落ち着いた大人の唯、そのギャップにリトは純粋に驚いていた。
「次!猿山!お前行ってこい…!」
「了解ッス」
「分かってるな…!?お前は分かってるよな!?」
「分かってますよ、モテミツ先輩!」
グッとサムズアップする猿山は『先輩の奢りだからあまり高いものを頼むなと言いたいんですよね』と見事に勘違いをしていた。
「あら、猿山くん。こんにちは」
「よ、古手川!注文いいかな」
「ええ、どうぞ」
「それじゃあ………古手川のスマイルを貰おうかな!なーんつって!」
「もう、ちゃんと注文してよ」
唯と猿山は和やかに会話し、ところどころで挟まれる冗談にも唯は笑顔で対応している。
そこには今までの怒るか、慌てるかの二択だった唯の姿はない。しきりに頷き感心しているリトを横目に、秋人は違和感を感じていた。
「いやぁ、バイトしてる古手川って違うんだな。反省文って原稿用紙渡すとこは流石だけど」
「おかえり猿山、お、チョコ貰えたんだな」
「へへ!俺にもリトみたくチャンスが巡ってきたぜ!」
「………なあ、猿山。あれはホントに唯だったか?」
「?古手川でしたよ?ネコ目で胸が大きいのって古手川くらいなもんだし…近くで見るとヤバイくらいセクシーだったッス」
「うーん、なんか違和感があるんだよなぁ」
「ぐぬぬぬぬ…!!!オチ要員の猿山まで…!!!こうなったらもう俺が行くぜ!!チョコも女の子も全部もらってやるからな!!」
「あ、おい!順番的に次は俺だろ!勝手に先行くなっての!」
猿山も普通にチョコを受け取ったのを見て、モテミツはレジへダッシュした
「ヘイ!キミ!俺に一生分のチョコをくれないかな?もちろん君ごと…」
「事案発生。通報しました」
「なんだとッ!?そんなバカな!?」
「では、次のお客様どうぞー」
「はっ離せ!離せよ!俺はまだ何も…ッ!?」
「話は署で聞こうか、非番の日に仕事をさせないでくれたまえ」
「この…ッ!離せ!モテミツのモテロードはまだ始まったばかりなんだよおッ!!誰かっ!誰か俺にィ――――ッ!」
モテミツは彩南警察署へ連行されていった。
******
「あら、お兄ちゃん。久しぶりね」
近づいてくる秋人に向かって唯は静かにそう言った。待っていた、と言わんばかりの艶のある微笑み――――それは秋人の知る唯のものではない。秋人の心に住む、内なる唯に近い微笑みだ
「お前………唯じゃないな」
「フ、いつから私が古手川唯だと錯覚していたの?」
「なん…だ、と…」
「私は古手川唯じゃないわ…――――アルティメット・古手川唯よ!」
「な、なにアホなこと言ってるんだお前は……。正気か?」
「お兄ちゃんに会うために、私は禁じられた合体に手を出したの。仕方なかったのよ」
「どう考えても正気じゃないな、どうして俺はこんな手遅れになるまで唯を放ったらかしたんだ…!」
「お黙りなさい。お兄ちゃん」
ビシッと人差し指を向ける唯、そのまま秋人の顎先を持ち上げて話を続ける
「お兄ちゃん、ドラゴ○ボール好きでしょう?」
「…ああ、好きだぞ」
「お兄ちゃんの中にいた内なる私とアホの唯がフュージョンしたのよ。それが今の私」
「なんだとッ!?」
秋人が顎先を撫でる指を掴む。唯はその手を更に掴み、唇を歪めた悪女の微笑みで答えた
「だから、私は古手川唯じゃない。アルティメット・古手川唯よ」
ドヤァ
――――コイツは間違いなくアホの唯だ。アホティメット・古手川唯だ。
唯渾身のドヤ顔を間近に眺めながら、秋人はそう結論づけた。
しかし、内なる唯の気配はないし、言ってる事はウソじゃないらしい。いくらアホの子でも、こんな大勢の前でアルティメットだの得意げに言う勇気はなかったはず…
「私について解説をしましょうか。例えば悟○さとベ○ータさがフュージョンしたとするわね」
「なぜ口調がチ○なのか気になるが…フュージョンしたとすると?」
「ゴ○ータの声は二人の声が重なったものに変わるわ、つまり…」
「アホの子の唯と内なる唯がフュージョンしたからって声は変わらないということか」
「ご明察。」
ニヤリ、再び悪女っぽく唇を歪めるアホティメット・古手川唯。なんて恐ろしいアホなんだ…
「ということは、基本は内なる唯のツンツン性格なのか?もうアホの子の唯は居ないのか?」
「そうね、そっちは得意の食レポをさせたら出てくると思うわ」
「へぇ…じゃあ唯さん早速お願いします。こちら照り焼きトニーバーガーです、どうぞ」
「うわぁあああああ、ハンバーグと、パンがぁ、ああ、照り焼き、美味しそう」
「下手くそか」
ムッと不機嫌そうに睨まれる。アホさがまったく消えていないし、むしろ大暴走しているが………これはこれでいいんじゃないだろうか。いや、よくないな
「でも俺の中から内なる唯が出ていくとは…しかも何も言わずに」
「あら、お兄ちゃん寂しいの?」
「少しはな」
フッと唯は上機嫌に笑った。
「まあいいや、注文したいんだけどいいか唯」
「いいわよ、でもお兄ちゃんの注文を受けるかどうかは分らないわ」
唯はそう言ってカウンターにひじを立てて、組んだ両の手の上に顎を乗っけた。期待に満ちた瞳で見つめられる。
「いや、受けろっての。お前店員だろ」
「店員である前に私はお兄ちゃんの花嫁よ」
「花嫁じゃなく妹だっての」
「いいえ、花嫁よ。子どもは三人、最初は双子ね。異論は認めないわ」
「………それなら尚更俺の言う事をきけっての」
「私が花嫁と認めたわね。アルティメット・古手川ルートへようこそ、いらっしゃいませ」
「…なにを言ってるんだお前はさっきから…照り焼きトニーバーガーをお願いします」
「私の食レポがささったのね?」
「ああ、そうだ」
「フフッ、なんだかんだ言ってもやっぱりお兄ちゃんは優しいわね…こちらでお召し上がりますか?」
「おう、リトたちと食べる」
「そして私は単品でお持ち帰りしたい、と。さすがお兄ちゃんだわ、ハレンチな」
もじもじでれでれ
唯は赤くなって身を揺すっている。胸を寄せるみたいに身体を抱き締めているが、胸のボタンが飛びそうだぞ、大丈夫なのだろうか。それにしても、さっきまでのリトや猿山への大人な対応はなんだったんだ。キビキビ仕事をしていた唯と違いすぎる
「す、すみません先輩…ちょっと良いですか?トラブっちゃって…」
「ん?どれ…――――はい、これでもう大丈夫」
「ありがとうございます!」
「古手川さん、こっちのこれも……」
「ああ、それはね――――」
と思っていたら他の仕事はテキパキこなしてるし………お前は一体何者なんだ。
「フ…私はアルティメット・古手川唯よ」
「…心を読むんじゃないっての」
「ちなみに、お兄ちゃんの事となると私のIQは2ぐらいまで落ちるわ」
「話にならないじゃないか…」
「でも、お兄ちゃんの事なら何でも分かるわよ。心も身体も私が触っていないところなんてないんだから…ほっホントなんだからねっ!」
「ツンデレしながら捏造するんじゃな………む」
年上のお姉さんのように笑う唯、またも指で顎を撫でられる。どうやら気に入ったらしい
「実は私がこうして現れたのはワケがあるの。とっても大事なワケがあるのよ…分かってる?」
「分かりません」
キッと睨まれる、こういう不機嫌な表情の唯も美人だと思う。
春菜よりもやや長身で脚も長くほっそりとしている唯は、胸も形良く大きく膨れ、腰のくびれも極上だ。発言さえしっかりしていれば楚々とした美人なのだ。こんな風に間近で睨まれたら俺でなくても黙ってしまうだろう
「ま、いいわ。プレゼントは驚きがあったほうがいいし。はい、どうぞ注文の品です。お兄ちゃん」
「おう、ありがとう…ってホントにタダなのか。なんか頼んでないのもいっぱいあるけど」
「サービスのチョコはタダだけど…ま、いいわ。さっきのヘンタイからお金巻き上げとくから」
「そうか…悪い子になってしまったんだな、唯」
「お兄ちゃんに似たのよ、はいチョコもあげる」
「お、サンキュー」
「そしてチョコは私が食べてあげる、もぐもぐ」
「お前が食うのかよ。ま、いいけど…じゃあな唯、がんばれよ」
「………あ、もうすぐ時間」
「?なにが」
「もうすぐフュージョンの効果が切れてしまう…お兄ちゃん、もうひとつオマケがあげるからこっちに来て早く」
「なんだよ、まだ何かある…んむぅ!?」
襟を捕まれ有無を言わさず唇を奪われる。柔らかな唇が押し付けられ、すぐに舌が滑り込んできた。
唯から不意打ちのキス。
重なり合う唇から艶めかしい吐息と唾液の音が漏れ聞こえて――甘い甘いチョコの味がする………
いきなり始まった二人のキスシーンに後輩店員も、レジに並ぶ唯ファンも、席から見守っていたリトたちも言葉を失っていた。
「ん…っ、ぷは」
ディープなキスをたっぷり堪能して、唯は唇を離した。
「食べて、
「お前な、いきなり…………?」
「…はっ!?こっこんなところでっ?あ…わっわたしっ!?」
「唯…?」
「ファッ!????せんぱ…お兄ちゃん!?」
「戻ったか、こういうのって確か記憶も……」
唯の顔が下からどんどん赤くなってゆく、パリンと温度計が割れるように爆発した。
は、ハレンチなぁああああああああああああああああぁああッッッ!!!
こうして、ハレンチ過ぎる女性店員のおかげでトニーバーガー彩南店は営業中止となり、たい焼き推しの殺し屋さんは大変喜んだそうです。
何はともあれ、今日も西連寺家は平和です。
感想・評価をお願い致します。
2017/06/19 一部改訂
2017/06/25 一部改訂
2017/06/26 一部改定
2017/07/07 一部改訂
2017/07/22 一部改定
2017/08/07 一部改訂
2017/08/29 一部改訂
活動報告でチラッと書こうと思っていたら、こんな文字数に…