インフィニット・ストラトス  漆黒の要塞の復讐   作:双盾

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勝負の瞬間

あれから毎日、刀奈は一夏との特訓に付き合った。一夏も凄まじい速度で上達したが刀奈には及ばない。

そして今日。決戦の日。

戦う順番は

 

一夏VSオルコット

一夏VS俺

俺VSオルコット

 

初戦、一夏VSオルコットの試合が始まる。

が、俺はその会場にはおらず、少し離れた場所にある休憩室でトランプをしていた。

ちょうど休み時間だったので簪と本音、刀奈も呼んで7並べをしているが、一夏の試合もモニター越しにちょくちょく観戦している。

 

「ちょっと誰よ!!スペードの8止めてる人!!」

 

「だれだろ~ね~」

 

「まさか本音!?」

 

「俺はとりあえずウノだ」

 

「「早っ!?」」

 

7を全て持っていたので手札が一番少なかったので残り1枚になったところだ。

 

「じゃあ私はこれ」

 

「ありがとう簪ちゃん!!」

 

パスを使い切った刀奈は簪によってなんとか脱落を免れた。

 

「一夏君、奮闘してるわね」

 

「ああ、少し押され気味だがまだ巻き返しができる」

 

「じゃ~私はこれ~」

 

「お、上がりだ」

 

俺は1位抜けして手持ち無沙汰になったので一夏の試合を見る。

 

 

 

 

「ちょこまかと!!」

 

「ッチ!!」

 

オルコットがビットと呼ばれる武器で一夏を四方八方から狙撃するが一夏もやられまいと紙一重で躱していく。

遠距離攻撃を得意とするオルコットに対して一夏は近接一択、かなり不利だが粘り強く戦っている。

4機あるビットの内、既に2機を破壊したのは一夏の成長が生み出した結果だろう。それに一夏の残りエネルギーはまだ7割ほど残っている。

 

「隙あり!!」

 

「そんな!!」

 

またビットを落とし残り1つのビットを落とすのにさほど時間はかからなかった。

オルコットはライフルを構え後退しながら狙撃する。

しかし背後からの攻撃という訳ではないので簡単に避けていく。徐々に徐々に距離を詰めていき、ついにあと5mにまで追い込んだ。

そして、ここで決めると言わんばかりに加速し距離を詰める。だが、

 

「残念ですがブルーティアーズは6基ありましてよ!」

 

隠されていた2機、それは弾道型、つまりミサイル。直撃すればシールドエネルギーは尽きてしまうであろう。

 

「まだ、俺は、戦える!!」

 

一夏は剣を振りかぶって…………

 

 

 

 

投げた。

 

 

 

 

投げられた雪片はミサイルに直撃し、爆発する。爆炎に、爆風に、一夏は突っ込んだがエネルギーはまだ3割弱ほど残っていた。

しかし雪片は遥か下の地面に突き刺さっていて取りに行こうものなら狙撃されてしまう。

 

「まだ耐え抜きますの!?ですが…………これで終わりですわ!!」

 

「まだ勝負は終わってないぜ!!」

 

ライフルを構えたオルコットに急加速した。それもまだ教えていない技術、瞬時加速(イグニッション・ブースト)だ。

突然目の前に現れた一夏に標準を合わせられず、合わせる前にライフルを叩き壊していった。

『体も武器』という刀奈の教えが役に立ったな。

 

「い、インターセp」

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

 

そのまま体当たりし、瞬時加速を発動させ壁に叩きつけた。

それでようやくオルコットの意識がふっとび、試合終了のブザーがなった。

「勝者、織斑一夏」

 

 

 

 

「やった~」

「くぅっ、私の負けよ」

こちらでも勝負がついたらしい。

結局刀奈がパスして負けたらしく、簪は3位で終わった。

しかし2人の機体の損傷が激しく、俺との戦いは翌日に持ち越しとなった。

 

 

 

 

 

「よくやった一夏。最後の判断は高得点だ」

 

「私が教えたんだもの、当然よ!!」

 

「銀、楯無さん、ありがとうございます」

 

一夏は試合の後に俺達のいる休憩室に来た。

俺達は一夏の試合の結果を褒め、一夏は感謝の意を示す。

一夏は俺に向かうと、

 

「銀、負けないぜ」

 

「「無理だな(よ)」」

 

「即答!?なんで!?」

 

俺はフゥーーと長い息を吐き、刀奈は自慢げに微笑み言った。

 

「銀は私なんかよりも強いのよ?一回も勝てないし」

 

「げ、マジですか…………」

 

一夏はげんなりとするが

 

「それでも、精々足掻くぜ!!」

 

勝負を吹っ掛けるだけの自信はあるようだった。

 

 

 

 

翌日、俺と一夏の対決の日。

アリーナには俺と一夏が対面している。

アリーナの観客席にはクラスメイト達が昨日よりも多く集まっていた。しかし皆一様に俺を見て驚いている。

俺のISこと黒要塞は今時珍しい全身装甲(フルフェイス)だからだ。

 

「銀のISは初めて見たけど重そうだな」

 

「ああ、超絶重いぜ。だからほとんど走れないしな」

 

このISは防御に特化しすぎていて、それ以外の事を全く考慮していない。

空中戦でも歩く程度の速度しか出せない。

が、その分硬さは凄まじくなっている。これは搭乗者を絶対守護を主とした機体である。

カウントダウンが始まり0になると先制してくるのはやはり一夏。

思い切り刀を振り下ろすのだが、

 

ガキィン!!

 

「な!!クソ!!」

 

ガン!!

 

ガギン!!

 

ギャリィン!!

 

何度も、四方八方から、ありとあらゆる攻撃を仕掛けるが重厚な漆黒の鎧に阻まれエネルギーが削れていない。

 

「一夏、お前じゃ勝てない。相性が悪すぎるんだ」

 

「俺はまだあきらめない!!」

 

この戦いで一夏が勝つことは無い。ジャンケンで、グーがパーに勝てないのと同じで。

しかし一夏は諦めようとしない。

 

何度も、

 

ガン!!

 

何度も、

 

ガキン!!

 

何度も、

 

ギィン!!

 

無意味な攻撃を仕掛けては、はじかれる。

 

「俺が負けを許せるのはな」

 

負けてもいいと思える人物、それは、

 

「楯無だけなんだ」

 

最愛の彼女だけだ。だから

 

「だから俺は誰にも負けない!」

 

 

 

「負けられない!!」

 

 

右の拳を振りかぶり、突き出した。

 

「がぁっ!!」

 

拳は一夏の右の頬に当たり、そのまま地面にたたきつけた。

 

「…………」

 

一夏はそのまま気絶した。

 

「勝者、更識銀」

 

アリーナには拍手も歓声も何も無く、あったのは一方的圧倒ゲーム(ワンサイドゲーム)だけだった。

この試合を見ていたオルコットは次の俺との試合を辞退した。

理由は

 

「自分では勝てないと感じた」

 

だそうだ。

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