終焉世界これくしょん   作:サッドライプ

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あけましておめでとうございます。

新年最初の更新が----扶桑姉様への腹パン(砲弾接射)三連発で開幕となる俺(の嫁)tueeeな感じで。

いつも通りと言えばいつも通り、ただ今回は海上戦で異能も使わないので、とっても普通な艦これのバトルシーンが書けたんじゃないかと。

何はともあれ、今年も頭が病気な話を続けていくので、よろしくお願いいたします。



圧倒

 

 燦々と輝く陽光が傾きながらも直下を照らし続ける。

 

 気温は春先とはいえ肌を灼く日を遮るものが何も無い海上は、体感温度をひたすら上昇させていく。

 加えて海戦の為に展開した背中のタービンの熱に、対戦相手の敵意、そして流れ弾が危険にならない程度に離れた岸から見物する観衆達の視線。

 あらゆる要素が絶え間なく空気を加熱させるその感覚も、夕立は別段嫌いではなかった。

 

 いざ戦いとなれば最も過熱になるのが己の精神だ。

 故に戦う時は荒野の決闘のような冷えた空気よりも、自分より周囲の方が熱に浮かされているくらいが夕立の好みになる。

 無論、ただの好みの話であって兵器たる身に環境によるコンディションへの影響などある訳もないが。

 

 戦闘前の緊張感と裏腹に、表面上は特に何も反応を見せない夕立にハスキーな声が掛かった。

 

「悪ぃーな」

 

「?」

 

 多少の距離が空いている為にやや張り上げ気味の呼び声にただ視線だけを返すと、鞘に納めたままの刀を肩に掛け、夕立同様に海上に佇む天龍がそのまま続けた。

 

「どっちが先に侮辱したかって言ったら明らかにこっちの姫なんだが………」

 

「手加減はしません」

 

 遮る様にきっぱりと断言する不知火の声が、存外に波間に響いた。

 夕立と同じ様に海戦用に艤装を全て装着した彼女達は、不知火を先頭にする形で後ろに天龍・扶桑と横に並んで演習開始に備えている。

 

 今か今かと待ちわびる観客達の熱気から戦いの始まりが近いのが分かる、今はさしずめその前哨としての口上か。

 勝ちを確信して疑わない天龍達の態度からして、あるいは哀れみの言葉を投げ掛けたのかも知れなかったが。

 

「そういう事だ、容赦はしねーよ。

………ふふ、怖いか?だがこんな理不尽なんてどこにでも転がってる。ちょっとお前達の運が悪かった――――それだけだ」

 

 夕立一人に三人で当たり、夕立より大きな体躯で見下ろす相手に対し、彼女が返したのは常の無垢な表情。

 

 

「手加減?容赦?怖い?運が悪い?…………なんで?」

 

 

 これからするのは敗者が命を落とす殺し合いでも、素晴らしさを競い合う見せ物でもない……故に手加減も容赦も入れる必要性は一片も無い。

 怖いかどうかは知らないが、少なくとも戦場で己の主を失いかけた昨日の戦いよりも恐れるべきものなどここには無い。

 運が悪い?春也に巡り逢えたこと、その一事だけで以後夕立にとって己の運が悪いと思ったことは一度も無い。

 

 そんな風に考える彼女には純粋に天龍の言葉が理解出来ない、ただそれだけの「なんで?」だった。

 

 夕立にとってあるのはただ一つ。

 

「提督さんの為に、提督さんの見てる前で戦うの。

 ぜったいに、負けられない」

 

 シンプルにそれだけだ。

 

 数の不利も戦艦に駆逐艦の身で挑む暴挙も知ったことではなく、気負いも見くびりも無しに夕立は言い切る。

 

 あるいは、扶桑に天龍に不知火、彼女達にとっての不運は。

 畏怖を刻み込まれるほど容赦も手加減もしなかった夕立の。

 

 皮肉にも余計なものが一切混じらない闘争心そのものだった。

 

 

 

「はじめ――――ッッッ!!」

 

 

 開戦の合図を号砲として、高らかに撃ち鳴らしたのは川内。

 背の艤装が悲しげな人の呻き声にも似た低い音で唸り、合図と共に爆音を轟かす。

 

 飛び散る波飛沫を分けて、夕立の小さな体が加速した。

 尾を引く流星の様に海面の青に白の航跡を描きながら水の上を滑り、瞬く間に敵との距離を詰める。

 

 そんな夕立に対し、相手の出方はひたすら数の暴力に任せた砲撃の雨だった。

 

「参りましょう。てええぇーーーっ!!」

 

 不知火の腕に装着した連装砲、天龍の両脇に掛けた単装砲、そして扶桑の背の巨大な艤装から覗く大口径砲四門。

 扶桑の号令に合わせてそれらが一斉に火を吹き夕立に殺意を向ける。

 

 そう、殺意―――演習といえど、それが人を殺傷するに足る力である以上夕立の倍加反射の対象となることは避けられない。

 故に夕立は何もせずにただ立っているだけで相手をこのまま自滅させることが出来た。

 

 だが、夕立は計八門の砲火を蛇行しながら体勢を低くして掻い潜ることを選択する。

 

「異能(ちから)はあんまり使いたくない、っぽい………」

 

 夕立の異能は春也の“人殺しを許さない”という祈りの結晶だ。

 人殺しでない相手との試合でまで乱用するのはどうにも彼の信条を汚すように感じられて、極力それは避けたいと夕立は思っていた。

 

 実際は彼女がどう思っていようとも反射はあらゆる殺意に対して自動で発動する為、異能を使わないというのは敵の攻撃をかすらせもしないという制限になる。

 それでもそんな条件でもどうにかする算段が付く以上は、ただ組み立てた道筋を往くのみだった。

 

 手加減や容赦の必要は一切必要が無いと言いながら実際の戦闘行動は全力とはならないことに、もし夕立の心を読めたとすれば天龍達は何を思っただろう。

 

 ふざけるな、か―――夕立は当然に至極真面目に考えており、ふざけているつもりは欠片もない。

 嘗めるな、か―――それは同格の相手に、少なくとも一矢返せるレベルになければ、言ってもただ虚しいだけだ。

 

「………いまっ!」

 

「ッ、魚雷………!?」

 

 砲撃を優先して夕立程機動的な動きをしていなかった三人の周囲に突如次々と水柱が立ち上る。

 夕立が時間差で目標に命中せずとも特定の位置で爆発するようにして放った魚雷が水中で爆ぜたのだ。

 

「へっ、当たってねーよ」

 

「違います、これは……目眩まし!?」

 

 狙いを付けさせない様に不規則に進路を折り曲げながら、若干回り込むような位置へと進んでいた夕立がその場で滑りながらスピンして一層高い飛沫を跳ね上げ、その身を隠す。

 並行して魚雷の爆発で吹き飛んだ水の塊が上空で散らばり、霧雨と化して視界自体を不明瞭に覆った。

 

「各員、衝撃に備えて!反撃の砲弾が来ます!!」

 

 扶桑の判断は素早く、指揮を受ける側も素直に身を固めた。

 問題はその読みが一手も二手も甘かったこと。

 

 視界の利かない中で更に足を止めた彼女らの間を小さな影が駆け抜け、すれ違い様に両側に鉤が伸びた“大鎌”の鈍い刃を扶桑の背の艤装に叩き込む。

 

 影の正体は当然夕立で、そのまま離脱した彼女は“大鎌”…………扶桑の艤装に食いついたままの錨から伸びる鎖を勢いよく手繰り寄せる。

 

 扶桑が元々重装故に比較的低速でしか移動出来ないこと、そこに更に推進機関にダメージを受けたこともあって、半ば取り残される様な形で彼女は一人陣形から引き剥がされた。

 一瞬仲間の援護が及ばない位置に孤立したことに気付く頃には―――――詰んでいる。

 

 鼓膜を引き裂く様な、至近での爆轟。

 

「ぐ、ぅ――――――!!?」

 

 懐に飛び込んだ夕立が扶桑の腹部に単装砲を押し当て、胴体に零距離で砲撃を叩き込んだのだと。

 せり上がる衝撃に明滅する視界で確認したすぐそこにいる夕立の表情は、何故か気落ちしていた。

 

「………提督さんに一気に決めろって言われたのに、一発で落とせなかったっぽい~」

 

 何やらちぐはぐな反省をしながら、彼女は作業の様な流れで二発目、三発目と砲弾を扶桑の腹にぶち込み、意識を消し飛ばした。

 

 

「扶桑、大破!戦闘不能!!」

 

 

「「…………!?」」

 

 川内が判定の声を張り上げる中、天龍と不知火の表情が焦燥と戦慄に染まる。

 

「あの砲撃の威力は……!私や天龍では一撃受けるだけでも危険です」

 

「ちっ、どうなってやがる……姫と同じ新米提督と戦歴の浅い駆逐艦じゃなかったのかよ!?」

 

 腹部周辺の衣装が大部分消失し、生の乳房も股間も危うく見えそうになっているまま海上で気絶している扶桑を無頓着に岸に向けて押し出した夕立は、振り返って天龍の疑問に答えた。

 

「確かに提督さんが夕立の提督さんになって、まだ半月も経ってないっぽい。

 倒したのもまだ、えっと駆逐級八に巡洋艦級二だし」

 

「やばいのはあの提督、ってことか」

 

 入隊の会談に立ち会っていたのは能登姫乃だけで、配下の艦娘は先に春也と航輔に突っ掛かったあの部屋で待機していた。

 故に春也が正義ではないナニカを語った場面に居合わせず、夕立を可愛がる普段の姿しか見ていないのだ。

 

 姫乃は姫乃で、提督がある種の精神異常を抱える者ほど強いという一般には隠されている事実をまだ知らなかった。

 人類の唯一の希望、最後の戦力の実態がそんな有り様であることが堂々と公表されている訳もない。

 

 そして春也達が陸上覇種“人型”を倒していて、練度でも中堅どころくらいには達していることも、川内の報告を受けた雪兎は姫乃に伏せていた。

 理由?その方が面白いことになるだろう、その程度の気まぐれだ。

 

 それらが合わさって現在実際に調子に乗った新米が気付かないまま止められないまま圧倒的格上にガチの喧嘩を売るという、喜劇染みた面白さ―――雪兎にとっての―――を発揮している訳だが、当人達には悲劇でしかない。

 

「はっ、運が悪いのは俺たちの方だった訳か」

 

 だが、どれだけ嘆いてもここまで進んでしまった戦いは止まらない。

 

「運なんて知らない。ただ………負けられないって、言った。それだけ!!」

 

 お喋りは終わりとばかりに、夕立が扶桑を落とした右手の単装砲で構えから発射まで殆んど間のない抜き撃ちを放ち、それでも不知火に直撃コースだった為に二人は慌てて散開した。

 

 天龍に魚雷を放ちながらも、そこから不知火の方に狙いを定めて追い縋る夕立。

 炸薬によって吐き出される猛威が、絶え間なく襲い掛かるのを必死になって躱す不知火。

 

「っ!?不知火、左だ!」

 

「な―――――」

 

 夕立に背を向けない様にバックで滑りながら砲弾の回避に専念し天龍の援護を待っていた不知火は、視界外から横に弧を描いて迫る大鎌に気付けない。

 もし夕立にその気があるなら遠心力と重量で不知火の脳天を吹き飛ばしていた―――流石にそれをやれば艦娘といえど死ぬ―――錨は、彼女の後ろを一度通り過ぎて巻き付く鎖の留め金となる。

 

 不知火の細く白い首に絡んだ鎖、咄嗟に左手を挟んで絞められるのは避けたものの、それ以上何が出来る訳もない。

 

「ぽいっ」

 

「―――――~~ッッッ!!?」

 

 気の抜けた掛け声と裏腹に、器用に鎖を操る夕立によって不知火の体は激しくきりもみ回転しながら跳ね上がり――――そして勢いよく海面へと叩きつけられる。

 

 水の上と言えど、そこを滑って移動する艦娘にとっては土の地面よりも硬いスケートリンク同然であり、墜ちればただでは済まない。

 苦肉の策として不知火は着地よりも危険な着水を避けるべく海戦用の艤装を解除、人間と同じ様に水に沈むことの出来る状態へと戻る。

 

 だが、いくら艦娘が単体で超人的な身体能力を持つからといって―――水中に落ちた直後に泳いで迫る魚雷を躱すなんて芸当が出来る筈もなかった。

 

「不知火、大破!戦闘不能!!」

 

 水中で何かが爆発する、うねる様な独特な音と跳ねる水柱。

 そして水死体同然の手足を投げ出した状態でうつ伏せに浮き上がってくる不知火。

 

 それを確認する間もなく、これが最後の隙と見た天龍が抜刀し夕立に斬りかかった。

 文字通りの『せめて一太刀』。

 

 

 

――――ああ、彼女達は優秀だった。

――――素晴らしかった、判断力も、連携も。

 

 だが、しかし、まるで全然。

 

 夕立を倒すには程遠い。

 

 

 

 新米のお嬢様には勿体無いくらいに、開いた実力差に必死の対処を試みる能力と胆力を持った天龍達も、本当なら称賛されて然るべきの筈だっただろう。

 だが、結果が全てとは言わないまでも―――あまりに圧倒的。

 

「………お前、本当の全力出してないだろ」

 

「あれはふつう艦娘相手に使うものじゃないっぽい」

 

「く……そ……っ!」

 

 

『天龍、大破、戦闘不能。

 敵勢力全滅により、伊吹春也の勝利が決定ーーー!!』

 

 

 得物の差とは言われたくないであろうが、引き戻した錨をキャッチした逆手のまま振り抜いた夕立とのぶつかり合いで、折れた刀の切っ先が天高く弾き飛ばされる。

 重量武器に得物を叩き折られ、その勢いで薙ぎ払われた一撃に深刻な損傷を刻まれ、結局夕立の能力を使わない計算を崩すことも出来ないまま天龍も退場し、勝敗は決したのだった。

 

 

 

「うそ…………」

 

 茫然と姫乃は口元を手で覆い、立つこともままならないのか少しよろけた後ぺたりと座り込む。

 露出した膝に堤防の石造りが擦れる痛みも、番狂わせに騒ぐ観衆と舞う外れ賭札も、彼女の意識には入らない。

 

 そんな姫乃をあからさまに愉悦に笑みを深くして、雪兎は追い打ちをかけた。

 

「あーあ。せめて相手の階級くらい見てから喧嘩売れば良かったのにね。せっかく剣錨(けんびょう)印で分かりやすくしてるのに」

 

「………?」

 

 疑問に思った春也がふと姫乃の髪留めにしている白布の“印”を見ると、錨に添えられた剣の色が違う事に気付く。

 春也のそれは銀だが、姫乃とそして航輔のそれは赤茶けた、おそらく銅の色だった。

 

「おいまさか………」

 

「姫乃ちゃんは准尉、春也くんは准佐に任じられた。公正な評価において、ね。

 鎮守府において階級は即ち純然たる実力だ。

 そして尉官が佐官に勝てるなんてことはまずあり得ないんだよ、次元が違うからね

――――お父さんから聞いてなかったのかい?」

 

「…………一位二位三位で金銀銅とか、オリンピックじゃねーんだぞ、おい」

 

 おそらく異能が使えるかどうかがその次元とやらの基準であり、更に“金”で“将官”という更に上の段階があるということなのだろう。

 気付いて何故か脱力感を覚えた春也のぼやきには当然誰も反応しなかった。

 

 くすくすと体を震わせながら姫乃の上から下まで舐め回す様に見つめる雪兎。

 それが性的欲望からの視線であればまだいいのだが、明らかに違うとその場の誰もが理解出来てしまった。

 

「さて、鳴り物入りで入隊した良家の令嬢は、初日に同期に喧嘩を売り、傍目にはどう見ても圧倒的有利な状況で惨敗する。

 いや今後がとても楽しみな新人だ、歓迎するよ姫乃ちゃん」

 

「………最悪の歓迎の言葉なのです」

 

「初日の挫折は盛り上がりに欠けるかと思ったけど、これはこれで悪くないかもね。

 いや春也くんも、君のおかげでとても面白いことになりそうだ。礼を言っておくよ」

 

「………どーいたしましてー」

 

「あっはっはっは」

 

 わざとらしい笑い声を立てながら、ゆっくりと背を向けてそのまま立ち去る雪兎。

 そして取り残された場の空気は冷たいとか乾いたとかそんなレベルではなかった。

 

 こういう時の為の賑やかしである航輔の発言も虚しく、そして空回りだ。

 

「こ、こえーよあの人。うわー………」

 

「他人事だと思ってるお前にいい情報を教えてやる。

 俺らの指導教官っていうか直属の上官、多分あいつだぞ」

 

「――――え」

 

 流れからして予測出来て然るべき情報を指摘すると、固まる航輔。

 気持ちは解りすぎるくらいに理解できた。

 

 そんな彼らの元に、審判の仕事を終えた川内が寄ってくる。

 電など露骨に嫌な顔をしているが、気に留めることは当然なく話に割ってくる。

 

「あっはっは、我が提督ながら嫌われたものだねー。仕方ないけど。

 頭のいい春也くんなら、もう雪兎の性質や祈りにも見当ついてるんじゃない?」

 

「――――『堕ちろ、みんな這いつくばれ』、か?」

 

 正解、と言う代わりににやりとした笑みで返す川内は、それはもうかなりウザかった。

 そしてあの人型の最期、直前に動きが変に鈍ったことも合わせれば、川内の異能についても予測はつく。

 

「ふふ、そんな春也くんにおねーさんが耳寄りな情報を一つあげよう。

 私、川内の属性について、ね」

 

 それには触れる必要も感じないが、やはり必要も無い話を続けるのが川内であり。

 

「川内の属性は『鋼線上を駆ける者』。表性は『果断さ・踏み込む勇気』、

――――対性は『博打狂(リスクジャンキー)・破滅願望』さ」

 

「…………」

 

 やはり聞いてげんなりする話だった。

 実に録でもない、つまりそれと異能を発現する程に相性のいい雪兎は、自身が零落するのも楽しめる性質だということなのだから。

 

 

「提督さーん!ごほーびくれるっぽい!?

 勝ったの褒めて褒めてー、いっぱいなでなでするっぽい!!」

 

「うちの嫁マジ天使です………」

 

「ぽいー、えへへ、お嫁さんー」

 

 

 艤装を解除して大雑把に海水をふるい落とす分、川内に遅れて寄って来た夕立。

 リクエスト通りに抱き締めて頭を撫でると幸せ満面の笑顔で見上げてくれる彼女だけが、春也の癒しだった。

 

 

 





☆設定紹介☆

※鎮守府の階級について

 提督という主戦力の均質化がその特性からして難しい以上、軍団としては厳密には機能しずらい鎮守府において、階級は単純な強さで決定される。
 一応上官の指示には従えという不文律はあるが、絶対でもないしそもそも大人しく命令に従ってばかりの人間は提督としては大して強くなれないことが多いのでそれはそれで歓迎されないというジレンマがある。

 新米の航輔や姫乃は准尉。
 艦娘を活動させる提督となれたならば尉官以上は確定であり、戦功や経験に応じて少尉、中尉大尉と上がって行く。
 異能の発現で佐官となり、初めからそれが出来ている春也は新米准佐というかなり珍しい立場になった。
 同じく少中大と上がって行き、“殻を破る”ことで更に将官に昇格する可能性もあるとか。

 身分証明として支給される白布に刺繍された剣と錨のマークの色と、飾りとして付け足された線の数でその提督の階級を見分けることが出来る。


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