文久三年11月某日
(おかしい……こんなはずでは……。おかしい……。)
洋介は呆然としていた。
自分が好き勝手した結果、どうするべきか悩んでいたのとちょっとした気まぐれで手を出したイタリアの紛争……これが巨大に膨れ上がっていたのだった。
(なぜ、ここまで大事になったんだ。)
大きな理由は洋介がイギリスとフランス、ロシアを日本で打ち破ったこととそれが原因で植民地に独立騒動が起こり影響力が低下したのが大部分である。
「早く、止めないといけない。」
イタリアやフランス、ドイツの戦闘地帯に行き怪我人の治療をより、精力的に始めていた。
洋介は赤十字の旗を作るとそれを掲げて仮面を着けて怪我人を治療していった。
敵味方も問わずに治していった。
しかし、治しても治しても治って直ぐに戦場に出て戦う……洋介が治したのは独立がかかったポーランド人と活躍すれば本国人扱いされると言われた植民地の人々が主だった。
(何故、こんなに戦うんだ?何故なんだ死にかけても戦いに出れるんだ?)
チート能力で守られて命のやり取りをしらない洋介はそれがわからない。
冷戦を知らない洋介はそれがわからない。
戦争を知った気になっている洋介にはそれがわからない。
チートによってイデオロギーも大義も貫く覚悟もなく最適とされる道を進んでいた洋介はわからない。
生まれや身分差別にさらされていなかった洋介はわからない。
わからない方が幸せな事ばかりかもしれない。
だが、現状において動乱の中の洋介は知っていた方が良い事ばかりだった。
「早く治してくれ!俺たちは戦わなければならないんだ!!」
アジア人のような男が叫んだ。
口々に治療待ちの列を並ばさせられた患者が叫ぶ。
「すみません。」
次々に命を操る能力とケアルガやホワイトウインドを使って治していった。
さらにスキルを作るスキルで連続魔を連続連続して一瞬で使えるスキルと洋介がいるだけで洋介が治したいと思う対象者達を洋介を中心とした円の半径5km以内の自動で治すスキル、魔法で使う魔力の消費を1/10にするスキル、自分の正体が絶対にわからなくなるスキル、テレパシーを強化するスキル、分身を作り出すスキル、分身を自由に増減出来るスキルを作り出した。
洋介が次々にテレポと分身を使いながら各地の怪我人を治すことにより戦線は硬直、どんなに戦闘が激化しても死人が出ることは少なかった。
オーストリアもロシアもオスマンも戦線が硬直して、完全にヨーロッパの戦争している国々は戦線が停止し焦っていた。
次々にヨーロッパの国々が戦力を投下する。
激戦と言われていたが死人がほぼなく次々に怪我人が治り、援軍が増していきかかる軍費は膨大に膨れ上がっていた。
フランスとドイツ連邦間以外は決め手がないままローマ法王や南米の国々を介してドイツやフランス、イタリアに対して講和した。
図らずしもフランスとの戦争でドイツ連邦の内部の経済が不調となりドイツ連邦内の小国をプロイセンとオーストリアが借金ごと吸収しなければならない状況になり、ドイツ連邦内の再編が進みプロイセンとオーストリアで大ドイツ主義の悲願であったドイツ統一を成し遂げた。
オランダはドイツに南側半分を分割され、デンマークも南側半分を併合された。
スウェーデン=ノルウェーは崩壊しスウェーデンとノルウェーに分離、スペイン、ポルトガルもイギリスに植民地を売る羽目になった。
イギリスもドイツ連邦とイタリアと講和し、スコットランドとアイルランドともある程度の自治を認め講和した。
だが、未だに独立派はイギリスの重要な地点に攻撃を続けているが。
洋介の行いにより、金や銀が余っていたフランスとイギリス以外は多くのヨーロッパ諸国は金銀の無さに嘆いていた。
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