洋介は前を歩いているの女の子を観察していた。
予想は15歳位か……何分身長が高いので図りかねていた。
アンサー・トーカーに聞けば何らかの情報はわかるかも知れないがそれは憚られた。
かといって白魔法のライブラやアビリティの調べるを使ったら詳細すぎる情報が手に入るので変態みたいで嫌だったのだ。
そうこうしていると目の前で銀髪の長い髪が止まった。
ある部屋の前で止まったのを見て洋介はなぜ彼女をここまで気になったか恥ずかしくなった。
「どうしたんだ?いきなり?」
目の前の女の子は洋介の謎の恥ずかしがりに疑問を覚えていたが
「あーもしかして、今更部屋を貸してくれと言ったのが恥ずかしくなったのか?」
少し笑うと恥ずかしがる洋介を見ていた。
「まあ、仕方がないか。」
フッと一息ついた洋介が発した仕方ないかにより、謎を深めた女の子は首を傾げながら
「自分で泊まれるか聞いてくれよ。」
じゃあなと言いかけたところで
「銀子も入ってきなさい。」
低い男の声が部屋から聞こえた。
「はい。」
目の前の女の子は姿勢を改めて襖を開けて部屋に入っていった。
それに続くように洋介も部屋に入った。
そこは正に和室と言ったような畳の香りがする部屋だった。
ついさっきまで居た江戸時代のような内装である。
部屋の奥の上座に座っている大きな男がいた。
恐らく家長なのだろう。
洋介は慎重に畳の縁を踏まないように姿勢良く歩き促されるままに大きな男の正面に座った。
「部屋を貸してくれとのことだが……。」
大きな男は洋介に問いかけた。
「はい。道に迷ってしまいまして部屋を貸して頂きたく。」
和室では洋介が今までで、一番様になっていたと言える。
「道に迷ったと言う割りには強い力を感じる。強い力故に道に迷ったのか?」
大きな男は洋介にそう問いかけた。
「強い力は関係ありません。道に迷ったから道に迷ったのです。」
洋介は強くそう言った。
「父上、もしや本当に道に迷っただけなのでは?」
銀子が大きな男にそう言った。
「これほどの力があるものがか?」
大きな男は銀子に問い返したが
「さっきほどから言っている道に迷ったと言うのは、山道で迷っただけなのでは?里の結界にも気付かずに突破してきそうな力があるから……。」
銀子がそう言うので大きな男は考え込んで洋介に聞いた。
「単純に道に迷ったのか?」
洋介が頷くと辺りは微妙な雰囲気に包まれた。
いくら時間が過ぎたろうか?一分ぐらいにも感じるし一時間位にも感じる。
「名前は?」
沈黙を破ったのは大きな男だった。
「私は田中洋介と言います。」
洋介は答えた。
「田中洋介か……。」
普通の名前だなと大きな男と女の子に言われた。
二人によると洋介は妖気や神気を纏っているらしく、そんな人物が訪ねてきたからこの里は警戒していたらしい。
「私は旅行者みたいな者です。」
洋介は身の上を明かせないのでそう言ったのだが
「なるほど。マレビトか……だから妖気と神気が混ざっているのか。」
大きな男はそう言い頷いた。
「この人みたいなのがマレビト?」
女の子は洋介を見つめた。
(今更、マレビトが何か聞けないな。後で神気と妖気と共に検索しよう。)
そう心に決めた。
洋介はマレビトとして厚遇を受けることになった。
洋介は部屋を貸してもらい、マレビトを検索していたのだった。
(何か良くわからないが旅人を神格化したものか?)
洋介は事の重大さに気付いたが
(建築とか学問を教える神らしいから適当にインターネットから拾えばいいか。)
それに錬金術で道を舗装すれば良いと考えていた。
(部屋を貸して貰ったしな……。なんかしよう。)
洋介はそう考えている内に寝てしまった。
洋介は知らなかったが小田原で拾われたのもマレビト信仰が関わっていたりする。
マレビトはある意味洋介に深く関わっている言葉かもしれない。
(とりあえず、明日にするか。)
洋介は寝た。
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