これはゾンビですか?~いいえ、ただの?病弱です~ 作:ハヤテ
まあこんなもんだろうと投稿した文字数が約6000文字。
という訳で、辛口コメントはちょこっと控えてもらえたらなーっと(チラ
因みに、これを投稿している今日含めて後一週間程で人生をかけたお受験がある作者。こんなところで一体何をしているのでしょう。
どうも皆さん、現在相川家に向けて前進している朧です。お嬢のところでなんやかんや二日は寝込んでいたらしいので早く帰って事の説明をかなりぼかして曖昧にして説明せねばなりません。
『それはもう真実から程遠いですよね?』
『何を言います七実よ。本質が真実ならいくらぼかして曖昧にしたところでそれは真実となんら変わりありませんよ』
という屁理屈ですけどね。いや、お嬢は知る人ぞ知る人ですが、それはあくまであの人が意図的に広めたものであって僕如きが勝手にお嬢の事を他人に言い触らすのは褒められたことではないのですよね。というか、殺処分される。
『まあ、私は朧が居候先の皆さんにボコされようが何されようがナニされようがどうでもいいんですけどね。殺されるのは流石に見過ごせませんけど』
『今何で『何』を二回言ったんですか。全部同じ意味ですよね? 大事な事なので二回言った的なニュアンスですよね?』
『あ、そろそろ着きますよ』
聞いてよ。
その辺は後々問い詰めるとして、今はどう言い訳すればいいかですね。ここはやはり多分に嘘を含みつつ、その中に微量の真実を……
「しかしそうなると後々バレた時が怖いですよね……」
「何がバレるんですか?」
「おぉう!?」
突然後ろから声を掛けられたことによって、柄にもなく跳び上がって驚いてしまいました。振り向くと、僕と同じくらいの身長で腕を組み、堂々とそこに君臨している覇王、セラフィム様が。
「誰が乱世の奸雄ですか。それより、今までどこに行っていたんですか。皆心配していたんですよ?」
「ええっとですね……そう、ちょっとそこらで野宿を」
「見え透いた嘘ですね。居候しているのに野宿する意味を見出せませんが?」
あれ、ひょっとしてセラ、今怒ってます? よく見たら目が紅く染まっているんですけど。戦闘? 戦闘態勢なんですか?
『いや、むしろ朧が見え透いた嘘を吐いたことが気に障ったのでしょう。完璧に墓穴掘りましたね』
『マジか』
嘘をつかなかった場合秘密裏に処理され、嘘をついてもこうして怒られるとかかなり詰んでいる状況ですよね。七実は墓穴を掘ったと言っていますが、この場合は初めから墓穴はできており、それに片足突っ込んだと言ったところでしょうか。どっちにしろ状況は悪いんですけどね。しかも、自業自得というのには反論のしようがありません。
「とりあえず、皆が待っているので家に上がりましょうか」
「はい」
「返事はイエスマムです」
「予想外の要求!?」
「これより、朧の二日間無断外泊裁判を始めます」
『被告人は前に』
「何故裁判沙汰になっているのですか。そして僕はいつの間に起訴されたのでしょう?」
『昨日の午前1時頃』
「時間が結構リアルですね!?」
「因みに、私達はその後3時間程一睡もせずに朧を探し回っていました」
何故そんな罪悪感を煽るような補足をするのですセラフィムさん。そしてユーよ、そんな無垢で無機質な眼で僕を見ないでください。セラに煽られた罪悪感が爆発してどうにかなってしまいそうです。
「まあ、裁判というのはハルナの悪ノリで、私達とすれば朧が無事であれば良いんですけど」
「え、じゃあお咎めなし―――」
『それとこれとは話が別』
一刀両断とはこの事ですか。
「ええ、ヘルサイズ殿の言う通りです。それとこれとは話が別で、今の今まで何をしていたのかキリキリ説明をお願いします」
お願いしますと下手に出ていますが、そこには有無を言わせぬ異様な迫力があります。まさに蛇に睨まれた蛙、否、ライオンに睨まれたウサギちゃんです。
「えっとですね、まず段階を追って説明しますよ?」
『続けて』
「あの夜の王……僕は夜野と呼んでいますが、その夜野が現れましたよね? 流石に今の状態じゃあアレに敵わないと悟った僕は昔愛用してた武器を回収しに行ったんです」
『何処に?』
「それはちょっと。で、取りに行ったのですが、その愛用の武器が魔改造されていまして、それを扱いきるために二日掛かってただいま帰宅と相成った訳でございます」
「成程。じゃあ、証拠の品を見せてもらえます?」
「コレです」
手の平を掲げると、そこに集まる黒い霧。その黒い霧が形を成し、苦無へと変身を遂げました。
「……コレは」
『気持ち悪い』
「無形武器といういらしいですよ? 何でも、大量の霊魂に漬け込んだ結果こうなったのだとか。しかも唯の霊魂ではなく悪霊と呼ばれるものに漬け込んだ結果、扱いきるのに二日も掛かるじゃじゃ馬に変身を遂げた訳です」
だから、ユーが気持ち悪いというのも無理はありません。見ただけで吐き気を催すほどの邪気が込められてますからね。込められているというか、溢れ出ているんですけど。魂の修復にまで干渉する邪気ですからね、生半可なものじゃありませんよ。
『朧が居なかったことについては納得した』
「ついてってなんですか?」
『その間女の人と何をしていたのかは聞かない』
「!?」
震えが、止まらない。
「あ、序でにですけど最近暑くなってきたので海に行こうという話があります。朧も帰ってきたので明日辺りどうでしょう?」
『異議なし』
セラが何か言っているようですが、今の僕には聞こえません。それよりも、何故ばれたのか。いえ、確かにあれはマウス・トゥ・マウス、俗にいう『キス』とは程遠い『ナニカ』だという事は分かっています。
『いやそんなこと僕が分かっていてもユーに伝わらなければ意味がありません。というか、本当にマジで何でばれたんですか?』
『本当とマジという言い方が違うだけで意味が殆ど一緒な言葉を連続で使うほど焦っていますか。単純に女の勘だと思いますよ? あれを舐めてはいけません』
それは僕のこの十五年の人生でいやというほど身に染みていますけど。
『それを女の人が言うと説得力が違いますね』
『そうでしょう。なにせ、過去に私が七花の行き場所に先回り出来たのも、この女の勘によるところが大きいですからね』
『いや、それ唯のブラコン魂なのでは―――』
『黙りなさい』
『いたたたた!?』
精神世界で関節極められた場合って、現実の方に影響出るのでしょうか?
『そういえば、この前関節を外すと言いましたよね。有言実行は美徳と言いますし』
『……え、あの、冗談ですよね?』
『いきます』
『いだだだだだっ!!?』
人体からなってはいけない音が!?
『フンッ! あ、とれた』
『いったぁぁぁあああああ!!!』
とれたって何がとれたんですか!?
精神世界で何か大事なものがとれたとしても、現実世界ではなんら問題は起きず、気が付いたら翌日になっていました。……ていうか、これって気絶ですよね? なんら問題は起きていないと言いますが、がっつり精神力もってかれて気絶してますよね。ユー達がまた心配してしまうではありませんか。まったく七実はなんということをしてくれたのでしょう。
「まあ、そんなこと言っても仕方ないんですけどね」
因みに、諸悪の根源の七実はというと、現在深夜のお楽しみ、いや、ヲタのしみの最中です。精神世界で一体どういう事をしているのか聞いた事はありますが教えてくれないんですよね。本当に、何をしているんだか。
あ、今ので分かったとは思いますが、翌日とは言ったものの、今は深夜です。僕が気絶したのが昼なので、流石に精神力は回復するのでしょうね。とはいえ、することが無いので下の居間で深夜テレビを見に行くんですが。
「と思って来たのですが、まさか人が居るとは思ってもみませんでした。何しているんですか、歩」
「おれはゾンビだぞ? ゾンビは夜行性なんだよ」
ユーに不死にされただけでゾンビになるのは未だによく分かっていないんですよね。原理でいえば魂が元の形で固定されているから死なないだけですし。あと、序でに歳を取らない。それだけで何故夜行性になるのか……興味が尽きない。
「という訳で、解剖して良いですか」
「待て落ち着け。深呼吸してみろ。ユー達に聞いたところ、お前は病み上がりみたいなものらしいじゃないか。きっとそれで精神が不安定に……あ、もしかして寝惚けているんじゃないか?」
「歩。僕とはそこそこ長い付き合いでしょうから分かっていると思いますが、僕は精神が不安定になる事は滅多にありませんし、寝惚ける事なんてもっての外ですよ?」
「「……」」
「そ、そういえば何で降りて来たんだ? 何か此処に用があるのか?」
「露骨に話を変えてきましたね。まあいいです。歩の他にもアテはありますし」
「あんのかよ!? いや、そういえばいたな……」
ゲームでいう所のボスである彼の存在を忘れないであげて下さい。
「そして、ここには深夜番組を観に来たんですよ。目が冴えてしまいまして」
「そっか。なら丁度今見てるから一緒に見るか?」
「ならお茶を淹れてきますね」
「えっ」
「なにか?」
吃驚するようなこと、ありましたっけ?
「い、いや、お前が茶を淹れてくれるとか意外過ぎるだろ」
「失礼な。普段の歩への対応は辛辣かもしれませんが、別に僕は歩が嫌いという訳ではないんですよ?」
「朧がデレた……だとっ!?」
デレてないし。これが普通だし。
「あんまり馬鹿な事言っていると、お茶淹れませんよ?」
「すみませんでした」
という訳で、適当に置いてある茶葉を使ってお茶を淹れます。畏まった場でもありませんし、適当に作法も何もなくお湯を淹れて完成です。
「どうぞ、適当に淹れたものですが」
「ああ、ありがとう」
お盆からお茶を渡し、僕自身も歩の隣に座ってズズッっと一口。
うん、適当に入れただけあって微妙な味ですね。隣のなんちゃってゾンビは「美味い」とかほざいてますけど。ユーにはこんなお茶出せませんよまったく。まあ、こういうことを気楽にできるのは歩だけなんですけどね。え? クリス? あの人はお茶を飲むぐらいなら酒を飲みますし。酒に淹れ方も何もないでしょう? 酌していればいいんですよ。
「そういえば、歩も僕を探してくれていたんですってね。ありがとうございます」
「いや、ユー達ほどじゃないさ。学校もあったしな」
「あ」
学校! そんなものもありましたね!!
『ヤケクソになるんじゃありませんよ』
うわっ、急に声を掛けないでください。内なる声とか地味に吃驚するんですから。
『内なる声とか中二臭いですね』
やかましい。
「ま、俺は片手間だったしな。ハルナに至っては寄り道でゲーセンに行くぐらいだ。真面目に探していたのはユーとセラぐらいじゃないか?」
「ユーとセラへの好感度が10上がりました」
―――ガタッ!
「? なんか上から変な音がしなかったか」
「気のせいでは?」
『とりあえず、私は、座れ、と言っておきますね』
何を言っているでしょうこのブラコン姉は。
「逆に歩に対しての好感度は下がりませんよ。安心して下さい」
「お? 何でだ?」
「初めから0ですもん」
「そんなこったろうと思ったよ」
ズズゥッっとお茶を啜るとそのままテレビに目を向けました。それに合わせて、僕もテレビに目を向けると、丁度どこぞの人気アイドルがおじさんに筋肉バスターをかけられていました。これ、アイドル的には良いのでしょうか。歩はそんなアイドルのあられもない姿を目を大きく開いて凝視しております。
『なんか、やりとり的には長年付き添った夫婦みたいなやり取りですよね』
「朧ってさ、女だったら絶対に良い妻って感じだよな」
「ブフッ!?」
―――ガタッ!!
『座れ』
な、何を言いだすのでしょうかこの二人は。僕が良い妻とか冗談じゃありませんよ。
『料理できますし、実は結構気が利きますし、家庭を守る(物理)事も出来ます。これ中々の優良物件ですよね』
黙らっしゃい。
「口説いてるんですか? 遂に歩は男でもイケてしまう人になったんですか? だとしたら僕は本気で後ろの危機が半端ないんでこの家から出ていきますよ」
―――ガタガタッ!!!
いい加減そろそろ無視できなくなってきたんですけど。上の二人は何をしているんでしょう。ひょっとかしなくてもこっちの会話に聞き耳立ててますよね。
「あー、まあ、恋愛とか付き合うとかイマイチよく分かっていない俺だが、たぶんのお前が女だったら惚れてたと思うな」
「え゛」
ちょっと今マジで鳥肌が立ったんだすけど。
―――ドタドタドタッ!!!!
『席を立つどころか行動に移したんですけど』
いや、もう知りません。
「まあ、お前は男だし流石にそんな気は起きないがな」
「とは言いつつ、初対面の時ナンパしてきたのは何処の誰でしょうね?」
「すみませんでした」
―――スパァンッ!!!!!
「「!?」」
『夜中に五月蠅い』
「少しは静かにしてくれませんか」
半分ぐらい予想してましたけど、やっぱりあなた達ですか。
「す、すみません」
「それと、そこのクソ虫」
「は、はい」
「朧をナンパしたというのは本当ですか」
「え、えっと」
アカン、そこを聞かれてましたか。地味に声控え目に喋ったんですけど、聞かれましたか。
(おい朧! 内緒にしてくれって言ったよな)
(上で聞き耳立てられたのなら仕方ない。歩、こうなれば神風特攻です。爆散覚悟で開き直ってみなさい。活路が見出されるかもしれませんよ?)
(神風してる時点でどの道死ぬだろうが!)
地味に生存者はいるんですけどね。まあ、悪天候とか目標が発見できなくて引き返したとかいう理由ですけど。
「ああ! 俺は確かに初対面の時、朧をナンパしたさ! それは認めるが考えてもみろ。朧は見た目お淑やか系の美少女だろ!? こんなのがコンビニの前に座り込んでコッチを上目遣いで見てきたらナンパせざるを得ないだろ!?」
僕は歩フィルターではそんな風に映っていたのですか。知りませんでしたし、確かにそれならナンパしても仕方ないですね。
『いや、一番あなたが納得してはいけないところがそこでしょうに』
『すみません。後から顧みるに、僕も歩と同じようなことしているので』
まあ、ぶっちゃけるとユーと一番初めに出会った時の事ですけどね。あれ、子供の頃だったから何気なくやってましたけど、今思うとあれは完璧にナンパでしたね。これを言うと今後歩の事をこのネタでからかえなくなります。
「遂に開き直りましたよこの駄ゾンビ」
「駄ゾンビ!!」
『朧をナンパとか100年早い。私でもまだやったことない』
永遠にやらなくても良いですよ。
『それに、ナンパしたのは歩だけじゃない』
「「え」」
あ、これアカンやつや。
「ユー、そういえばポ○モンで5Vのイ○ブイをゲットしたので後でバトルしません?」
『私のガブ○アス先生に勝てる筈がない。つるまい使って逆鱗でフィニッシュ』
そもそも勝てるとも思ってませんけどね。ブラ○キーにするかグレ○シアにするか悩みどころです。まあ、先生に勝てるとは思いませんけど。
「あの、露骨に話を逸らされたんだが……」
「朧に不都合な話題なのでしょう。今後も追及が必要になりそうですね」
やめなさい。
「そういえば朧、明日の用意はちゃんとできていますか?」
「はい? 明日って何かありましたっけ?」
そういえば、昼に何か言っていたような……?
『ギルティ。朧は聞いていなかった』
「まったく……。言ったじゃありませんか、明日はハルナの提案で海水浴に行くと」
「「!?」」
僕と歩に、激震が走りました。
おぼろに 100のダメージ! おぼろは ちからつきた!
あゆむに 100のダメージ! あゆむは ちからつきた!
めのまえが まっくらになった!▼
朧「滑るのでは?」
七実「というか、滑るでしょう」
作者「止めてください。今の作者には、滑る、落ちるは勿論のこと、不合格とか浪人とかクラスで初の脱落者とかいう言葉も禁句なんです」
あ、小説はこの一週間でも一応書き続けますよ? 受験? やることが限られてくるので自然と時間が空く時があるのです。