これはゾンビですか?~いいえ、ただの?病弱です~ 作:ハヤテ
どうも皆さま。この度、これはゾンビですか? の並行世界とやらに強制転生させられた、鑢朧でございます。
ああ、この名前の由来は極々単純であり、どうやら僕は捨て子のようでして、入っていたダンボールの前に【オボロ】と書いてあったのでそう名乗っているのです。因みに、苗字はしっかり意識しました。いや、何か鑢七実さんの能力を押し付けられたじゃないですか? ならば僕も鑢姓を名乗ろうかと思いまして。
話を変えて、僕は6歳となりました。6歳って言うとあれです、小学校入学の時期です。僕、小学一年生ですよ。ピカピカの一年生ですよ。友達百人でご飯を食べる事を目標にしますよ。
まあ、嘘ですけど。
そもそも捨て子が小学校に入学出来る訳ないではありませんか。本当の意味での0からのスタートですよ? 人生難易度が生まれた瞬間からルナティックってどういう事ですか。
そもそもあの神様もどき、鑢七実の能力ってあの病魔一億までも押しつけやがりました。ふざけてるでしょう。何故、死亡確定フラグを付けてくるんですか。あれですか? 楽して強くはなせないぜぇ! みたいなノリですか? ノリで人殺すなよ。
とまあ、そんな訳で苦痛どころか激痛でしか無い激動の6年でした。メキメキ免疫が付いていく僕の体を実感するのはそれはそれで面白かったのですが、生憎僕はMではないのでそれもすぐに苦痛になってしまいましたよ。
お蔭さまで感情とか色々とロストしました。前世の記憶? 闘病生活においてそれもロストしました。今や感情がなんたるかを知る術もありませんが、そこは鑢七実の『見稽古』。感情の模倣ぐらいなら出来ましたよ。相も変わらず健康とかは見取れませんけど。
あ、そうです。あの神様もどきのがおまけで付けてくれた能力も可能な限り把握しました。まあ、鑢七実の能力を付けたぐらいですから刀語の能力だろうと当たりを付けて調べてみた結果、分かったのが
・忍法『骨肉細工』
・忍法『足軽』
・忍法『爪合わせ』
でした。うん、とりあえず『骨肉細工』の収納だけは絶対に使いたくありません。口から出し入れするとかキモ過ぎてお話になりません。逆に足軽と爪合わせはかなり重宝しますね。この死亡フラグの多い世界において必ず武器になる物を身につけていられるのはとても便利です。
他にも何かあるのかもしれませんが、今分かっている事はこのくらいでしょうか? まあ、新たに分かったところで大して変わらないと思いますけど。え? 何ですって? 【直死の魔眼】? いやいや、首とか心臓をとれば死ぬのですから別に変わらないでしょう? まあ、手段が増えるのは良い事ですけど。
さて、僕の近況などどーでもいいお話は此処までです。そもそも僕は何故に自分の事など話したのでしょう? あれですか、そうしないと話が進まないからでしょうか?
ま、そんなの別に良いです。現在の僕は栄養調達に専念しましょう。
言い忘れましたが、僕は空腹感を感じません。死活問題です。人は空腹感を感じるから食欲も出ますし、ご飯を食べようと思う訳でして。空腹感を感じない僕は下手すれば1週間ぶっ通しで食事しない事もありました。栄養失調で死に掛けましたけど。
なので、僕の食事は形的には楽しむというよりも捻じ込むと言った方が正しいです。食べたくも無い物を強引に捻じ込むようにしてますので。
そんな訳で、早速栄養調達です。
「いらっしゃいませー」
やる気のない店員さんの歓迎を受けながら僕は入店しました。
「ふむ……何を食べましょう? 此処はウイダーinゼ○ーでいきましょうか?」
10秒飯というキャッチフレーズはとても魅力ですね。実際に10秒で食べれるのか謎ですけど。
因みに作者は6秒だったそうです。
「うーん、しかし、これだけでは栄養不足ですか…。なら此処は安心と信頼のリポビタンDでしょうか? ですが、これでは逆に栄養過多ですね。んー……」
ん? 弁当を食べればいい? 戻しますよ? 体が受け付けなくて。
「……あ、10秒飯2個で解決ですね。これでいきましょう」
さて、お会計に行きましょう。
「2点で420円になりまーす」
「丁度です」
「分かりました」
……この店員さん、齢6歳の子供が10秒飯買っていく事に疑問を感じないのでしょうか? まあ、別にどうでもいいですか。もう会わないでしょうし。
「フンフンフーン♪ ……ん?」
む、なにやら視線を感じますね。まさかこの【ろりぼでぇ】で欲情している変態がいるのでしょうか? やばい、貞操の危機です。自分で言うのも何ですが、僕は女顔です。パッと見どころか、全裸にならないと分からないレベルです。というか、七実さんと瓜二つです。女にしか見えません。狙われるのも当たり前です。
「……」
まあ、嘘ですけど。何やらコンビニの入り口にて銀髪でプレートアーマーとガントレット装備の少女が座ってこちらをジーッと見つめているのです。青い瞳で人形みたいですね。
「……すみません、となり、良いですか?」
別にこの少女がいたからとかではないですよ? 元々此処でご飯の予定だったのです。ほら、僕って家なき子な訳でしょう? つまり、栄養を買ったコンビニでそのままご飯を食べるのです。
「ジューー……」
「……」
……ナゼコッチヲミルノデス。
「お、13秒ですね。10秒というのはやはり嘘ですか」
『あなたが遅いだけ』
うん? 筆談ですか?
「そうですか? まあ、確かに食の進みは遅いですね」
というか、嫌々強引に捻じ込んでるので早い訳ないでしょうが。
「ジューー……」
それにしても、やはり10秒飯はいいですね。楽で。これほど素晴らしい食べ物があるでしょうか、いやない。
『それがご飯?』
「へ? ああ、はい。そうです。……上げませんよ?」
まさかさっきからこちらを見ているのはこれが目的ですか? なら残念でしたね! これでラストです! 余ってませんよ!
『いらない』
あ、そうですか。ばっさり切り捨ててくれましたねこのお方。
『母は?』
何故それを少女に聞かれなくてはいけないのでしょう? それを聞くのは16歳以上からでしょう。偏見ですけど。
「貴女に教える理由がありますか?」
そう言うと、彼女は考えるように目を逸らし、やがてまたこっちを向いて
『ない』
「でしょう?」
『しかし 食べ物がそれだけだというのは 体に悪い』
「ハハハ、何言ってるんですか。ちゃんと栄養補給をしているでしょう?」
僕がそういうと、彼女は少し考え込むようにして、
『ならいい』
と返してきました。そもそも気にされる事自体がおかしいんですけどね。
「では、僕は帰りますね」
今日は何処で寝ましょう? 公園は縄張り争いが激しいですし、無難に裏路地とかで良いでしょうか? 駅でも良いですね。いっそのこと開き直ってゴミステーションとか……
「……ん?」
あれ? 僕は何故傾いているのでしょう? おかしいですね。確か真っ直ぐ自分の脚で歩んでいた筈なのに・・・。
「あ、栄養失調……」
~少女~
不思議だった。私がその幼児に出会った始めの感想がそれだった。鼻歌を歌いながら出てきたかと思えば私の隣に座ってきた。
私の容姿はこの世界では珍しい筈。それに戸惑いも見せずに私の隣に座れるだろうか? たった6・7歳の子供が。その言動は良い。唯丁寧というだけで通るが、一々反応が子供らしくなかった。
そして、少し話してみて気が付いた事がある。この子供の目は空っぽだった。真っ黒で目を合わせたら吸い込まれそう。感情の色も見せない目。子供にこんな目が出来るだろうか? いや、出来ない。絶対に。何があったらこんな目が出来るのだろうか?
彼が私に別れを告げて、真っ直ぐ歩きだした。私がその姿を見ていると、不意にフラフラとし始め、倒れてしまった。駆け寄ってみると、顔色が悪い。蒼白だ。手も冷たい。栄養失調の症状だが、まだ髪の色を艶やかで、顔もむくんでいない。恐らく栄養失調でも軽い方だろう。
しかし、このまま放っておいても危険な事は事実。仕方ない、冥界に連れて行こう。そして、何か栄養のある物でも食べさせよう。料理? 私にそんなスキルはない。
~朧~
「何故こんなバケモノなんだ!」
「今すぐ捨てるべきだわ!」
……ああ、夢ですか。恐らく、親が僕を捨てる時に事でも思い出しているのでしょう。しかし、何故こんなにはっきり夢の中では思い出せるのでしょうね? 普段は思い出せないのに。まあ、今さら僕の事を捨てた親の事なんてどうでもいいのですけど。血の繋がった他人ですよ。ぶっちゃけ、一生知り合いたいとは思いませんね。
「ん……」
くだらない夢を見てしまいました。ハァ……とりあえず、此処何処?
『起きた?』
「へ? ああ、貴女は……。ここは何処ですか?」
『此処は冥界で 私の家』
……冥界? なんと、では僕は死んだのですか。死因病死、ただし何の病気か分からない、みたいな感じですかね? うわー、思えば呆気ない死に方です転生してまだ6年しかたっていなかったのに。
「という事は、貴女は冥界人?」
『そう』
「ふむ、では僕は死んだのですか」
『それは違う。冥界に連れてきたのは私の意思。あの時はああしなかったら貴方が危なかった。だから貴方は生きている』
なんだ、死んでいなかったのですか。安心ですね。
「それはありがとうございます。確かに、あの時は危なかったです。何とお礼を・・・」
『なら話して。貴方は何?』
……いきなり吃驚な質問ですね。どうしましょう?
後書きにこんなの書くのはどうかと思うのですが、まあ、基本的に面白おかしくやっていきたいので書きますね。
NGシーン
朧「・・・・・あ、10秒飯2個で解決ですね。これでいきましょう」
店員さん「・・・・・ピポパ」
朧「・・・え?」
店員さん「あ、すみません、警察の方ですか?」
朧「ちょ!?」