これはゾンビですか?~いいえ、ただの?病弱です~   作:ハヤテ

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相川家の属性が強化されました

 

 

 

ども、朧です。現在、相川家にて今回のお仕事の準備をしてます。まあ、準備といっても特にすることないんですけどね。メインウェポンの苦無とか鋼糸は常に常備ですし。暗器みたいに。という訳で、準備もなにもしません。常に準備万端なので。依頼主もまさか大事な依頼の準備をしないで終わらせられるなんて予想外でしょう。しかし、僕の場合は、暴露しますとお仕事の時に持っていくものは無しなんですよ? 普段は。今回の暗器は保健です。相手は吸血忍者ですし、あったほうが便利かもという程度のものです。正直使うかどうかわかりません。・・・まあ、僕自身、こんなものいるのですかね、と思ってたりします。だってそうでしょう? 僕は真庭忍軍の方の『忍法足軽』と『忍法爪合わせ』が使えますし、七実さんの身体能力もありますし、見稽古ありますし・・・おお!改めて自分の力について考えてみたら、凄い化け物ですね。これ全部、七実さんの強すぎる力を抑えるためっていうのですから、悪い冗談ですね。

 まあ、そんなことはその辺の道端にポイして、久しぶりにユーと今度こそまったーりしましょうか。

 

「ユー、いますか・・・って」

 

ハルナもいました。いや、それは別にいいんですけど・・・。

 

「・・・何やってるんですか?」

 

「見ればわかるだろっ! ツイスターゲームだ!!」

 

いや、それは見ればわかるのですが・・・。僕が驚いているのは、それをユーもやっているという事ですね。何故やってるんですか?

 

「色白さんも参加しろよな!!」

 

「ああ、すみません。女性の方とそれを一緒にやるのは色々不味いんです」

 

『安心して。私が一緒にやるから』

 

何をどう安心すればいいのか分からないんですけど。てか、その場合ハルナさんが指示板の役ですか。

 

「えー、あたし指示板?」

 

『一回だけお願い』

 

「むう、しゃーなしだかんな!」

 

 お願いですから了承しないでくださいハルナさん。ユーもそんなに張り切ってストレッチしないでください。

 

 

 

 

 

「結局やるんですか・・・」

 

「よしっ! 早速行くぞ! ・・・黄色だ!」

 

 黄色・・・黄色ですね。ほいっと。

 

「黄色だ!」

 

 はいはい。

 

「黄色だ!!」

 

「黄色多くないですか!?」

 

『偶然』

 

「偶然だろ」

 

 偶然で済む確率でもないのですが・・・まあ、いいです。気にしません。というかユー。僕にメモを見せつけるとは余裕ですね?

 

 

 

 

 

「青だ!」

 

『そろそろきつい』

 

 嘘おっしゃい。

 

 それにしても長い。まあ、ユーが運がいいという事と、僕の体の柔らかい事が原因でしょうけど。

 

「赤!」

 

「赤ですか・・・ユーはもう無理では?」

 

 あ、喋る(書く)余裕もありませんか。

 

 まあ、結果としては僕が勝ちました。僕はその気になればサーカスとかでやってる体が柔らかいですよ、みたいな芸も出来ますから当然といえば当然ですね。

 

 

 

 

 

歩が帰ってきて晩御飯になりました。今日は歩が当番です。僕が当番のときもあるのですが、ぶっちゃけめんどいんですよね。

 因みに、ハルナさんはお弁当担当です。

 テレビを見ながらのほのぼのとした晩御飯です。ハルナさんは元気におかわりを要求し、歩がそれに答え、そういえばと歩が今日のお弁当の感想をハルナさんに伝え、照れる。それを見て歩は笑うという実に平和的な絵ですね。うん。素晴らしい

 

「何笑ってんだよ。気持ち悪い・・・・・死ね!バーカっ!!」

 

パンッ

 

そんな声が聞こえた瞬間乾いた音がした。

 

 今のは十中八九ユーの平手打ちでしょう。ユーにとって「死ね」とか「消えろ」は禁忌みたいな言葉ですからね。

 

『軽々しくその言葉を使うな』

 

 まあ、確かに軽く使って良い言葉ではありませんよね。僕は結構・・・いや、特定の人に対してだとよく使うのですが。「おはようございます死ね」とか「こんにちは、そして死ね」みたいな感じで。無論、殺しに掛かりますが、まだ一回も殺せてません。ニ回ガチでバトッたのですが、引き分けが良いところですし。

 

「ユー、気持ちはありがたいが、ハルナも本気で言ってる訳じゃないんだぞ。」

 

 本気で言っても歩は殺せませんけどね。僕だって歩を殺す方法を思い浮かばないのですから。今の所、マリアナ海溝に落とすぐらいしか出来ませんよ。

 

「いや、本気で死ねよ。そっちの根暗マンサーも一緒に死ねっ!」

 

今度はハルナがユーの頬を叩きました。明らかに痛そうです。加減なしですか。

 

『死ぬのは、つらい。』

 

ええ、死ぬのはつらいのでしょうね。死ぬよりも生きていた方が良いのは、まあ、当たり前でしょう。ですが、アレなんですよね。死って、結局のところ同じなんですよね。そこら辺のホームレスが死ぬのも、総理大臣が死ぬのも、意味合い的には同じなんですよね。周りに与える影響は兎も角として、死んだら等しく同じ肉塊です。

 と、まあ、僕の死に対するどうでもいい見解をちらっとお聞かせしましたが、死ぬのがつらいというのは事実です。つまり、僕の見解はぶっちゃけると話に全く関係ないという事になります。おまけですね。

 

「歩、おかわり」

 

「小盛りか?」

 

「はい、小盛りでお願いします。」

 

 まあ、ハルナさんも多少ながら悪いと思っていそうですし、この件はこれで決着でも付けましょうか。あ、ユーが泣きそうです。ハンカチ、どうぞ。

 

「私は味噌汁を頂きたいのですが?」

 

 ・・・む。

 

「歩、不法侵入です。警察に通報しましょう」

 

「いやいや、どっからどう見てもいつもの奴だろ?」

 

 ああ、描写するほどの事でもないので書いてませんでしたが、ユーが相川家に来たころからちょくちょく吸血忍者の襲撃にあっているのです。まあ、初めは歩にまかせっきりでしたが、いい加減うざったくなってきたので、僕が出ていったら、尻尾巻いて逃げいきましたね。それ以降襲撃にはあいませんね。

 まあ、吸血忍者にとって、僕は一種のトラウマみたいなものですからね。そりゃ逃げるでしょう。

 

「とりあえず・・・・・・自己紹介とか、してくれないか?」

 

「わかりました。私の名はセラフィムです。」

 

ほー、どこぞの天使みたいな名前ですねー、って違いますっ! その名前、依頼の人物とドンピシャじゃないですか!? しかも自己紹介それだけですか? 短いです!! 威風堂々とした態度は評価できますが、この人、絶対世渡り下手です。吸血忍者だから良いのですが社会の荒波に揉まれてみなさい。すぐにぼろぼろになり・・・・・ならないかもです。何せ美人ですから。贔屓にされる可能性があります。それに、仕事ができそうですし。

 

「あー、もう少し何かありませんか? 例えば好きなものとか、趣味とか、特技とか。」

 

「好きなものは秘剣、燕返し。特技は秘剣、燕返し。趣味は秘剣、燕返しです。」

 

 ほう、日本語訳で何かを切り刻むのは大好きと解釈して良いですよね? まあ、言われたからにはこちらも返さないといけませんね。

 

「・・・まさか本当に趣味を言うとは・・・。分かりました。では、僕も。鑢朧です。好きなものは、和風なもの。趣味は草むしり。特技は体が柔らかい事です」

 

「って、お前まで言うのかよ!?」

 

「え? 何言ってるんですか、歩。言うにきまってるじゃないですか。常識的に考えて。」

 

「え、常識的か?」

 

「何言ってんだバカアユム!! 常識に決まってるだろっ!!」

 

『常識』

 

「ええ、常識ですね」

 

「何このアウェーな感じ!!俺が違うのか!?俺が生きてきた16年間が間違いだって言うのか!?」

 

「はい、その通りです。歩、常識を考え直して下さい。」

 

「俺の今までの人生全否定ッスか!!?」

 

「うるさいですね・・・「理不尽じゃないか!?」まあ、歩のことは一旦ごみ箱にポイしまして「するなっ!!」あなたは何故ここにいるんですか?「無視ですか!?」ッ! 本当にうるさいですよ? 歩。『あの事』ばらしますよ?」

 

「すみませんでした!!」

 

あの事とはもちろん僕をナンパしてきた事です。

 

「何故ここに来たのですか?」

 

「任務です」

 

・・・任務ね。僕の方も依頼があるのですがこれいかに? あー、確か吸血忍者にも派閥がありましたね。まあ、目的は同じなようですがやり方がねぇ・・・。革新派と保守派でしたっけ? まあ、僕はどっちも大っ嫌いですけどね。どっちの派閥が勝とうがユーに被害が被るのですから。まったく、傍迷惑ですね。バカ正直にあるかどうかもわからないネクロノミコンでも読んでいればいいのです。・・・死者蘇生の法があるとは限りませんけど。

 

「無意味なことなんですよね・・・」

 

「何がですか?」

 

「ああ、すみません。こっちの話です。で、目的はユーの御同行・・・もしくは引き渡せ、といった感じでしょうか?」

 

「・・・話が早くて助かります。ですが、私たちはヘルサイズ殿のお力に敬意を払っております。できるだけ、ご本人の意思で御同行願いたい」

 

ホント、良い迷惑です。

 

「・・・だそうですよ。ユー、どうしますか?」

 

正直、追い返すなら歩に任せてほしいです。その方が僕にとっては有利ですし、何より、歩は僕が戦えないと思ってるでしょうから。ユーもその辺理解してますよね?

 

『歩、かまわない、追い返せ』

 

うわ、ばっさり。というか、ナイスです、ユー。ちゃんと僕の意を汲んでくれましたね。

 

「今回は、戦う必要ないんじゃないか?」

 

『歩、かまわない、いいから追い返せ。』

 

問答無用ですね。そして、ユーが歩に話を振ったおかげでセラフィムさんの興味も歩にいったようです。

 

「あなたは、ヘルサイズ殿の何なのですか?」

 

「ん?なんと言うか」

 

え?そこに迷う余地があるんですか?仕方ない。僕が代りに言いましょう。

 

「『下僕』じゃあ、ないでしょうか?って、あ、すみません。かぶりましたね。」

 

失態です。

 

「朧、一回、2人でゆっくり話し合おうか。」

 

「え?何故ですか?もしやまたナン「すんませんしたー!!!」・・・フッ」

 

「ならば、私も下僕となります。私のことはセラとお呼び下さい。」

 

おおう、スルーですか。というか、自ら下僕志願とは恐れ入りますね。M気質でもあるのでしょうか? 見た目Sっぽいですけど。

 

『下僕は、一人でいい』

 

ま、ゾンビがやたらめったらいたら軽くホラーですよね。

 

「でしたら、あなたはいりませんね? どう見ても頭が悪そうですし」

 

あ、歩が少しキレました。駄目ですね、その程度で怒っていてはゾンビ人生エンジョイできませんよ?あ、目線でバチバチです。これはもしかして・・・。

 

「どこか、人のいないところへ参りましょう」

 

あ、困る。それ困る。僕のお仕事に歩を巻き込みたくないですし、うーん、どうしましょう?とりあえず、

 

「ストップ」

 

「どうした? 朧」

 

「この件、僕が受け持ちます」

 

 ここで全て掻っ攫わないと、僕の仕事が達成できないんですよ。

 

「な、なに言ってるんだよ!! 相手は吸血忍者だぞっ!」

 

「ああ、別に戦闘をする気はないですよ。ただ、少しお話するだけです。歩も僕の口撃力は知っているでしょう?」

 

「・・・まあ、確かにな。でも、危ないぞ?」

 

「大丈夫ですよ。さ、セラフィムさん。逝きましょう」

 

え?字が違うって?合ってますよ?どうせ、お仕事で殺さなくてはいけないのですから。

 

「はい」

 

『朧』

 

「ん? どうしたんですか?」

 

『気をつけて』

 

 

「はい。気をつけます」

 

さて、とりあえず、人気のないところに行きましょうか。あの墓場辺りが良いですね。

 

 

 

 

 

「どういうつもりですか?」

 

「何がです?」

 

「あなたは普通の一般人のはずです。それなのに私と―――」

 

「お話の途中失礼します。こっちもそこまで時間を掛けるつもりはないので用件を言わさせていただきます。あなたには面識もなく、恨みも欠片も、微塵も、小指の甘皮ほども御座いませんが、お仕事ですので、あなたを殺させていただきます」

 

「・・・話し合いじゃなかったのですか?」

 

「が、ちょっと確認良いですか?」

 

「・・・はい?」

 

「いや、ぶっちゃけるとですね? 僕、吸血忍者のいざこざとかに全く興味ないんですよ。なのに今回それに巻き込まれちゃったんですよ。面倒くさいったらありゃしねーんですよ。と、言う訳で、ユーに危害を加えないのなら、あの家に居ても良いですよ?」

 

「・・・その申し出はありがたいのですが、それは家主である『アレ』が決めることでは?」

 

 む、正論。

 

「まあ、説得はこちらで」

 

 よし、面倒事回避。

 

「ですが、こちらも条件があります」

 

「いや、僕としてはあなたが来ようが別にどっちでもいいので却下しますが、それでもいいならどうぞ」

 

「・・・お願いがあります」

 

「聞きましょう」

 

「私と、一回戦って下さい」

 

 ・・・何故?

 

「今の状況を改善してくれたのはありがたいのですが・・・それは吸血忍者のプライドが許しません。与えられた任務を自分以外の力で成し遂げるなど・・・」

 

成程、実に面倒。

 

「まあ、死合いでないのならいいですよ」

 

 両手に苦無を構える。

 

「では、行きます!」

 

 セラフィムさんの体がブレたかと思ったら目の前で剣を振り被る体制になっていました。

 

「秘剣! 燕返し!」

 

「・・・っ!」

 

 速い・・・ですね。一回目は浅く斬り込み、二回目に本命の斬撃を与える。確かに、有効です。一回目でも当たれば洒落になりませんし。ですが、弱点もある。

 

「もし、こうされたらどうするので?」

 

 振りきって返そうとした腕を掴み、そのまま背負い投げの要領でセラフィムさんを投げ、地面に叩き付けます。

 

「・・・変わり身?」

 

 また忍者らしい事を。

 

「面倒ですね。なら」

 

 袖から鋼糸を取り出し、それを周囲の木に巻き付けていく。

 

「・・・持久戦です」

 

出てきた瞬間、糸で拘束して差し上げましょう。

 

 一分、五分、十分・・・まだですか?

 

「・・・遅い」

 

 ならば、こっちから探しに行きますか。

 糸に脚を掛け、弾力を利用して移動する。糸から糸に飛び移り捜索の効率を上げます。

 

「秘剣! 燕返し、八連!!」

 

 と、一つの木を通り過ぎたところでセラフィムさんが肉薄します。ちょうど、横腹を襲われた感じですね。普通どころかある種、達人でも回避不可能なこの攻撃。僕は【足軽】で回避できますが、鋼糸が展開されているこの場でそんな事をしたら一瞬で細切れです。

 

なので、回避はせずに、指をピアノを演奏しているが如く動かします。

 

「なっ・・・!」

 

「ふぅ、ようやく捕獲完了です。どうします? 続けますか? その糸、岩石ぐらいなら余裕で切り刻めるほど強度がありますが」

 

「・・・いえ、参りました。これほどの力量を持っていながら、初対面で気付けないとは・・・」

 

 まあ、やった事と言えば、背負い投げ、鋼糸展開、移動、捕縛、ですけどね。

 

「いや、僕も最後のはヒヤッとしましたよ?」

 

「そうですか。また、鍛錬に付き合ってもらえますか?」

 

「気が向けば。・・・じゃあ、そういう事で先に入っていて下さい」

 

「わかりました」

 

さてっと。

 

ピポパポピ。

 

「あ、もしもし、死神です。突然ですが、あの依頼、破棄させていただきます。え? 何故かって? そうですね・・・。吸血忍者同士の抗争になど巻き込まれたくないからですよ。へ? ふざけるな? ・・・あのですね、僕の事聞いてないんですか? 僕は時たま依頼をすっぽかすことがあるんですよ? 僕に依頼したということはそういうことも含め理解していただきたい。では。」

 

ツーツー。

 

 ・・・ま、一件落着ですかね?

 

 

 

 

 

 




NGシーン

「もし、こうされたらどうするので?」

「なっ!?」

 ドシャ!

「・・・きゅぅ」

「・・・あれ?」
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