いつも通りのオリ主、憑依モノ。
ジャンヌ・ダルクの隣にはいつも一人の男がいた。
挙げる特徴は殆ど無く、多くのの時間を彼女の隣で過ごしていることくらいしか特徴らしい特徴は無い。
知らない誰かが見れば、その光景から変質的な愛のようなものを感じ取れるかもしれない。
村で生まれ、成長し、顔つきがわかるようになった頃から彼はジャンヌの隣に在った。
そして戦争が起こり、彼女が神の啓示を受けて村を飛び出す。
それにも付き従い、剣を振り、盾を持って彼女を守り続けた。
そして、全ての攻撃から彼女を守ることに成功した彼は盾の英雄と呼ばれることとなる。
人間一人を覆い隠すことができる程の巨大なタワーシールドを、彼は努力して振り回せるだけの力を手にした。
だが、ジャンヌ・ダルクが初めて敗戦する戦いに、あるべき筈の彼の姿は無く、ジャンヌ・ダルクは捕虜となって処刑されることとなる。
彼は策略により、軍から離れさせられていた。
ジャンヌ・ダルクが火刑により焼かれる直前になって彼は姿を現す。
炎に包まれるジャンヌ・ダルクを見た彼は涙を流した。
誰もが、その涙を悲しみの涙であろうと認識していただろう。
そして彼は突如として炎に飛び込んだ。
その行動に誰もが驚いた。
民も、軍の人間すらも。
それは予定に無い行動であった。
唐突な彼の行動に驚き、戸惑い、軍の人間は誰一人として動くことはできなかった。
そして彼は、ジャンヌ・ダルクと共に燃え命を落とした。
軍の上層部の人間は嘲り嗤う。
彼の内通によって、ジャンヌ・ダルクを排除できたこと。
更に、内通者であった彼自身の焼失により、何の証拠も無くなったのだから。
真実は闇に葬られた。
その後、黒のジャンヌが召喚され、フランスが再び戦場になるとは露知らずに。
◇
男が愛したのはジャンヌ・ダルク・オルタであった。
気がつけば、何処かの国の小さな子供に憑依していた彼。
憑依前はただの一般人であった彼は錯乱しかけた。
だが、何故か冷静になれる自分が存在し、事なきを得た。
そこからの生活は辛い日々だった。
やりたくも無い農作業を手伝わされ、汚い家で風呂も入れずに過ごす。
娯楽もなければ、学もなく、ひたすら生活の為の仕事に使われる毎日を過ごすのかと絶望しかけていた。
そんな日々は少女の登場により、大きく変わる。
ジャンヌ・ダルク……その少女はアルトリア顔だった。
彼が愛したジャンヌ・ダルク・オルタに似た少女。
その存在に彼は飛びついたのだ。
彼女の隣に居れば、オルタの隣に居る気分になれるから、仕事の時も遊ぶときもできる限り彼女の隣に居た。
聖女となる彼女の性質は彼にとって吐き気を催すものであった。
しかし、彼はオルタの隣に立ちたいが為に、常に彼女の隣に在った。
神の啓示を受けて村を飛び出ても、啓示を受けて戦いの場に出ることになっても。
彼女は英雄となるだろう、ならばその隣に居る自身も英雄とならねばなるまい。
ならば、どうするか? 剣を取るなどする気は無い。
どうせ自身には剣の才能など無いのだから。
だったら、盾を持てばいい。
弓も剣も、何でも防ぐ大きな盾を、それを振り回す力を手に入れなくてはなるまいと。
彼は励んだ。
そして手に入れた力で、彼女を守り抜いた。
それが例え吐き気を催すような相手だったとしても。
それが例え別の誰かを見るための道具に過ぎないとしても。
英雄としての名を挙げたところで、彼は敗北するための一手を放つ。
ただ、自身が戦場で彼女の隣に立たないだけ。
それをするために敵軍と内通し、自身がいなくなる戦場を仕立て上げたのだ。
その見返りは、彼女の処刑を民の前で見れること。
だから彼は、ジャンヌ・ダルクが火刑にかかる直前に現れたのだ。
そして、彼はジャンヌの処刑を見て
彼女が死に、後はジル・ド・レェがフランスを恨めば彼の願いの一つは成就するのだから。
そして常に彼女の隣にあるために、
彼は火に飛び込んだ。
燃える中でただひたすらに嗤いを堪え、彼女を抱きしめるようにして燃え尽きた。
穴だらけの計画、凡人の立てた計画とも呼べない策略。
しかし、それは成就する。
「サーヴァント、バーサークシールダー……呼応により参上したよ、愛しき人よ。今度は過ちを繰り返さない。今度こそ君を絶対に守り通して見せる。だから、一緒にフランスを滅ぼそう」
男は嗤う。
全ては彼女の隣に居るために。
人理の焼却なんてどうでもいい。
彼女が隣に居さえすれば。
ジャンヌ・オルタのドレス姿が余にも反則過ぎて書いた。
反省していない。
推敲してない垂れ流しです。