短編BOX   作:John_Doe

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思いついたネタリターンズ


良い子の踏み台

 「今日も麗しいな、我が嫁達よ」

 

 教室に入るなりの(オレ)の第一声は毎日コレである。と言うのも、我は……ああ面倒臭い、俺は所謂転生者というヤツである。しかも、テンプレ乙と言わんばかりの銀髪オッドアイイケメン(子供なので可愛い系)男子な上に、これまたテンプレの如く、王の財宝(ギルガメッシュ仕様)なんて特殊能力まで付与されている踏み台転生者確定なタイプのである。

 嗚呼、自己紹介がまだだったな。俺の名前は踏海大(とうみひとし)なんだが、読み方を変えれば名前までふみだいであるという何ともご都合主義と言うかなんというかの酷い名前である。そんな俺だが、テンプレ踏み台転生者と異なる点がいくつかある。例えば

 

 「はぁ~……毎日毎日ホント、(ひとし)も飽きないわねぇ」

 

 「そうだよ(ひとし)君、あんまり思ってもないこと言うのは良くないよ」

 

 「(だい)君、そんなこと言ってるとまた(こう)君に怒られるよ」

 

 嫁と称した少女たちアリサ・バニングス及び月村すずか、高町なのはから嫌われてない挙句に日々投げかける言葉の殆どが冗談だと思われてしまっている点である。

 

 「おい、(ひとし)……いい加減それやめたらどうだ」

 

 また、そんな俺に声をかけてきた少年取臣孝(とりおみこう)は読んで字の如く正統派主人公タイプのオリ主系転生者である。

 俺に対して投げかける言葉は少し棘がありそうに聞こえるかもしれないが、毎度のことであり、かなり仲のいい友人としてつき合わせてもらっている点もテンプレとは言い難い。

 これでは踏み台転生者とは言わないのではないか? と思われるかもしれないが、この3点目が非常に重要な点であると言えよう。それは……

 

 「あ、先生に頼まれた習字の張替え忘れてた……おーい、(ひとし)ー! 踏み台になってくれよ」

 

 クラスメイトが声を掛けてきたのでもうお分かりであろう。そう、俺は文字通り物理的に踏み台な転生者なのである。

 

 「うむ、待っておれ今踏み台になろう」

 

 椅子や机を使えばいいだけの話なのに、何かしら踏み台にしないと届かない場所で作業がある場合にその作業者の視界内に入ると道具には脇目も振らずに俺を指名してくるのである。

 ならば、ソレを断ればいいじゃないかと思うだろうが、これはもう一種の呪いと言うレベルで神の祝福がかけられているため、俺の身体は否応無しに動いて自ら踏み台となるのだ。現になっているし。

 そしてこの光景に違和感を抱くものは誰もいない。これが日常茶飯事であり、常識と化してしまっているからだ。

 以前にはこの光景に違和感を持ってくれていた孝も今ではすっかりと鳴れてしまい、何も言わなくなっている。

 ちなみに最初にこの現象が起きたときは大の大人に赤ん坊が踏み潰されるなんて恐ろしい状態であったのだが、転生チートのおかげか生き延びることができたのでなんとも言えない。

 

 踏み台作業が終わると同時に教室に先生がやってきた。さて、今日も楽しい学校生活が始まる。

 ユーノ君が来るその日まで、今の日常生活を楽しんで行くとしますか。

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