山田~イケメン過ぎてストーカーに刺殺された魔法使い~
暗い路地の中で背後から何かで刺された。声を上げる間も無く滅多刺しにされ俺は死んだ。
次に目を見開いて見えたのは白……圧倒的白。
そして知らない誰かと、俺、そんな空間にいつの間にかいた。
知らない誰かが口火を切る。
「YOUの魂は地球生物の輪廻転生の輪から強制的に外されてしまった。そしてこの転生神である我が拾った。YOUを異世界にチート込みで転生させてやろう」
「マジっすか!? ここ数年来の超流行のアレっすか?! 俺つえー! オリ主最強系っすか!?」
「うむ、それだ。何でもいいぞ、金だろうが権力だろうが女だろうが、何だって好きになるようなチートを与えてやろう」
「じゃあ、俺を……俺をブサメンにしてください!!」
「ブサ……メン……だと……?」
「はい、ブサメンです」
「何故だ? 何故ブサメンなんだ? ブサメンになったら、YOUの人生ハードモードではないか」
「転生神よ、自分で言うのもアレですが、このイケメンを見てください、誰もが惚れ、羨み、嫉妬する、まるで光り輝く完璧なイケメンを」
「YOUのイケメンっぷりは確かに、我ら神々にも負けん程だ」
「そうです……そう、そんなイケメンだからこそ、俺はストーカー被害に遭っていた……そして俺の死因は恐らく、ストーカーによる刺殺ッ……!」
「ああ、そうだ。確かにYOUの死因はストーカーによる刺殺だ」
「だからこそ、だからこそです! 誰もが惚れず、羨まず、嫉妬するどころか同情すら出来ない究極無比のブサメンをください! そうすればストーカーにも遭わずに平穏に暮らせるッ!」
「うむ、うむ……だが断るッ!」
「何故にWhy!? 転生神よ!」
「YOUの魂には、イケメンになる運命(さだめ)が刻み込まれてしまっているからだ」
「それでも! どうしても! お願いします、何でもしますから! 視界に入れば、老若男女誰が見ようとも、即座に逸らさずにはいられない圧倒的な醜悪さを誇る、天下無双のブサメンを、お願いします」
「不可能ッ……圧倒的不可能ッ……! YOUがブサメンになるのだけは絶対にノゥ!」
「オー……マイ……ゴッド」
「他のチートを選べ」
俺は口を噤んでしまう。
「YOU、早くしろ。順番待ちがある。そう、時間は多く取れんぞ」
「じゃ、じゃあ、回復チート! 蘇生も出来ちゃうくらい最高の回復チートを」
「良いだろう、YOUには最高の回復魔法を与えてやろう」
「ありがとうございます、ありがとうございます」
「では逝け、山田よ! 次の人生を謳歌するのだ」
そして俺は優しい光に包まれた。