短編BOX   作:John_Doe

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以前小説家になろうで投稿していたモノを若干修正して投稿したモノです


魔法先生ネギま!
ネギま!ぷろとたいぷ


目の前に広がるのは闇夜を染める紅蓮の炎と灰色の塊が多数。

辺りを炎に包んだ元凶は既に目の前にいる男に殲滅された。

地に倒れて足を失っているが出血はなく、その失った部分が灰色に染まった女の前に俺ともう1人の子供が守るように立ちはだかる。

俺と子供の目の前には元凶を殲滅した男がローブを身にまとい、大きな杖を持って立っていた。

その男は俺たちの方へと動き出す。

「お前達……そうかお前達が……お姉ちゃんを守っているつもりか?」

もう1人の子供――弟は初心者用の杖を掲げるも、近づく男に恐怖して肩を震わせて目を瞑る。

俺はそんな弟の前に立ち、両手を広げた。

そう知っていれば怖くない。男の手がこちらに伸びても怖がることもない、その手は俺と弟の頭の上に乗せられる手なのだから。

「大きくなったな。お、そうだお前達にこの杖をやろう。俺の形見だ、一本しかねぇけどな」

そう言って、頭を撫でた男は俺にその杖を手渡すが、それを受け取った俺はすぐに弟へと杖を手渡した。

「お父さん……?」

そんな男の姿に弟は呟くが、俺から手渡された杖が重かったのだろうバランスを崩す。

「もう時間が無い……ネカネは大丈夫だ、石化は止めておいた。後はゆっくり治してもらえ。悪ぃな、お前達には何もしてやれなくて」

男はそう言いながら空に浮かぶ。

「……お父さん?」

「こんなこと言えた義理じゃねぇが元気に育て、幸せにな!」

彼は何を想って此処に来たのか、どんな想いで此処から去らなくてはいけないのか俺にはまだわからない。

そして飛び去る男の背中を「お父さん!」と叫び続けながら地を走る弟の背を俺はこの目に焼き付けた。

 

 

 

「卒業証書授与……この七年間よくがんばってきた! だが、これからの修行が本番だ。気を抜くではないぞ。ネギ・スプリングフィールド君!」

「ハイ!」

ここはメルディアナ魔法学校。今俺の目の前では卒業式が行われている。

今名前を呼ばれたのは俺の弟であるネギ・スプリングフィールドである。

そして、彼を弟と呼べる俺はアルク・スプリングフィールド。つまりはネギの双子の兄である。

何故双子の兄なのに、ネギの名前が俺の名前になっていないのか不明ではあるが、推察するに俺が転生者(イレギュラー)であることが原因ではないかと考えている。

俺は自称『転生者』である。何故自称かととわれれば、テンプレートのように神様の失敗で死んだ→好きな世界に転生させてあげる上に君の欲しい理解不能能力(チート)をプレゼントしよう!などといった記憶が一切ないのである。

要するに、現実(前世)で眠りに落ちて目を覚ませば魔法先生ネギま!(物語)の世界へと紛れ込んでしまっていたのである。

紛れ込んだといっても、主人公の兄として生まれてしまったのだが。

『現実』の記憶を持っているが、『物語』の中に存在する身体であるアルク・スプリングフィールドが寝ても覚めても、ネギが主役の世界(原作)に居続ける、夢から覚めない(現実に戻らない)のであれば自身を『転生者』と表現してもおかしくはないであろう。

さて、よくあるテンプレ的なワンシーンの記憶が無いことから俺自身に『理解不能能力』はほぼ無いのではないかと考えているが、ネギの双子の兄であることから()の『千の呪文の魔法使い(サウザンド・マスター)』と『災厄の魔女』の子であるとも言え、魔力総量は弟と同程度の可能性がある。

更にはこの七年間で、弟と禁書庫に篭ることで『雷の暴風』のような中級魔法いくつかをなんとか使えるようになってしまった辺り、弟と同程度の頭脳や開発力(才能)を持っていると考えられる。

そのせいだと思うが『現実』の頃とくらべるとかなり物覚えがよかったりもする。因みにいくつかの上級魔法も使えはしないが覚えてはいる。

これらの事から、俺が持つであろう『理解不能能力』を強いて上げるのであれば『物語』の知識とネギと同程度の『才能』ではないかと考えている。

因みに『現実』ではそんなに料理をしなかったのに、この歳でかなり美味い料理が作れるし、家事等もなんなくこなせる。ナイフ投擲・ある程度の体術が使えるようになっていたりもした。

これらは『理解不能能力』の一端の可能性もあるが、それは定かではない。

どことなくそんな人物を『現実』の別の物語(作品)で見たことがあるような気もするのだが。

そんなことを考えていると不意に名前を呼ばれていることに気づく。

「……ク君! アルク君! アルク・スプリングフィールド君!」

「……ハイ?」

「全く、君はまた考え事をしていたのかね?卒業式だというのに変わらないのう」

その言葉にふと、周囲を見ると隣にいるアーニャは溜息を吐き、ネギはあわあわと慌てた表情でこちらを見ている。

どうやら校長に何度も名前を呼ばれていたらしい。

考え事をしているとどうにも周囲の音が脳に入ってこなくなってしまうのは悪い癖である。

卒業式という長いようで短い時間にそんなことなど考えなければいいのではあるが。

ようやく俺は校長の前に立ち、差し出された卒業証書を受け取り、俺達の卒業式は終わりを迎えた。

ネギ・アーニャと共に廊下へ出るとネカネ姉さんが待っていた。

卒業証書に浮かび上がる修行の地の確認であろう。

アーニャはロンドンで占い師、ネギは日本で先生をすることであろう。

恐らくは俺も『英雄の息子』という名のネームバリューを持っていることから日本で先生をすることが修行内容として卒業証書に浮かび上がるであろう。

「ネギ、アルク2人共何てかいてあった?私はロンドンで占い師よ」

案の定アーニャはロンドンで占い師であった。

「今浮かび上がるところ……お?」

ネギがアーニャに答えると、卒業証書に文字が浮かび上がっているところだった。

俺も卒業証書を見ると文字が浮かび上がってくる。

『A TEACHER IN JAPAN(日本で先生をすること)』

それと同時にネカネさんとアーニャ2人の絶叫が廊下に響き渡る。

そして丁度前にいた校長に直訴を始めるネカネさんとアーニャ

「何かのマチガイではないのですか? 10歳で先生など無理です」

「そうよネギったらただでさえチビでボケなのに」

確かにどう足掻いても年齢的にアウトだが、修行は修行だし麻帆良ならなんとかなるだろうというか何とかなってしまうと思いつつ

「ああ、ネギも日本で先生をすることだったんだ。私も日本で先生をするのが修行内容みたいだ。もしかしたら一緒の場所で修行するのかもしれないね」

と俺が発言するとネカネさんとアーニャが若干だが大人しくなる。

前述にもある通り、俺は覚えもないのに何故か家事全般ができるので若干安心したのだろう。

まぁ中身が『子供におじさんと呼ばれる年齢(ハタチ過ぎ)』+αの年齢なのだからできないこともない。

ただし年齢相応の身長・身体能力なので、稀にできないこともあるが。例えば、身長が足りなくて洗濯物が干せなかったりすることとかだ。

魔法を使えば出来ることではあるだろうが、修行先では魔法を秘匿して生活しなくてはならないので自身の身体のみで臨む必要性があるだろう。

そんなこともあるがある程度は家事ができるし歳の割に落ち着いているので、ネカネさんやアーニャからは特に心配されることもない。

実際は、あまりにも落ち着きすぎていて心配されているかもしれないが、肉体年齢に精神が引っ張られているかのごとく稀にわがままを言ってしまうこともあった。

しかしながら、落ち着いているとは言えども肉体年齢は9歳であることには変わりはないので尚も校長に無理だと主張を続ける2人。

「卒業証書にそうかいてあるのなら決まったことじゃ。『立派な魔法使い』になるためにはがんばって修行してくるしかないのう」

ネカネさんとアーニャの直訴も虚しく、校長からその言葉が出るとネカネさんが立ちくらみを起こして倒れてしまう。そして

「安心せい、修行先の学園長はワシの友人じゃからの。ま、がんばりなさい」

と言う言葉が続く。

その言葉に元気に

「ハイ! わかりました!」

と返事をするネギと唖然として立っているだけのアーニャ、そして倒れたネカネさん。

そんな光景が俺の目の前に広がっていた。

ネカネさんも大変だなぁ――等と思いつつもネカネさんを介抱する俺。

 

 

 

そして卒業から数ヶ月間ネギと共に日本へ行くための準備、日本語の勉強をしている。

今は『転生者』である俺が日本語をネギに教える立場ではあるが、実は魔法学校での成績はネギの方が上である。

と言うのも、座学の成績は兄弟ともにトントンなのであるが、実技の成績は俺がネギの得意とする属性(光・風・雷)の魔法を使っていたため、ネギが主席で俺が次席という扱いになっている。

俺の得意属性は闇・氷・水とネギとは正反対でエヴァンジェリンとほぼ一緒の得意属性なのであるが、わざと成績を下げるためにネギの得意属性の魔法を用いてテストに臨んでいた。

これは今後の布石である。

俺は『転生者』であり、本来ならば『物語』には存在しない。

しかしながら、『物語』に『転生者』がいるのであれば何らかの副作用と修正力が働く可能性が考えられる。

そこで、弟の成績優秀さを俺より上に置くことでMM元老院(奴等)学園長(ぬらりひょん)の目をネギに注目させることにしたのである。

ある種の生贄ではあるが『物語』とほぼ変わらないようにする為なのだから許せと思っていたりもする。

が、結局主席・次席なので優秀な英雄の息子達(手駒)として目をつけられているかもしれないが。

因みに兄弟仲は良好である。

ネギの千の呪文の魔法使い()に対する思い入れは確かに歪んでいるように思えるが、年齢や環境から考察すると致し方ないものであると捉えることができる。

幼き頃から両親が目に見える範囲でおらずに伯(叔)父・伯(叔)母に預けられて生活していれば尚のこと、離れで子供二人で暮らしているということもかなり影響しているだろう。

そして母代わりに従姉のネカネさんがついていてくれたが、父に代わって叱ってくれる男の人がいなかった上に、村の人たちがネギに父の面影を見て叱らなかったことも影響しているであろう。

総じて、幼年期の子の精神を形成するのは周囲の環境であり、大人たちの態度であることからネギの歪みはネギだけの責任ではないと言える。

あまりの歪みっぷりに嫌悪感を抱く人間もいるかもしれないが、年齢や環境を考慮すれば自ずと受け入れることはできるのではないだろうか?

等とは言ってみるが、特に気にすることがなく会話して父親がどうこうという会話をして『俺』がいるということを認識させてやるだけでいいのだから。

まぁ、要するに親含めて大人が悪いんですよ。いくら愛していても、その思いが子に届いていなければ無意味なんだ。

そんなこんなでネギとは普通に兄弟をしていると思っている。

そういえば、ネギはやけに父にご執心だが母について気にしていないのは何故だろう?

先ほどの考察の如く、ネカネさんが親身になって面倒を見てくれていたからであろうか?

そのあたりは追々考えて行くことにしよう。

それとはまた別の要因として、俺が千の呪文の魔法使い(サウザンド・マスター)になりたいと公言していることも上げられる。

俺自身は『立派な魔法使い(マギステル・マギ)』になりたいと思っていないが、このように公言することで周囲の人間に誤認識させている……つもりである。

これのお陰で、ネギも俺が千の呪文の魔法使い()のような立派な魔法使いになりたいものだと認識してくれているようでやりやすい。

そんなわけで、特にコレといった問題も発生せずに兄弟仲良く卒業することが出来たのである。

気がつくと、ネギに出していた日本語の読み書きプリントが終わっていたので、今日の勉強を終えて部屋に戻ることに。

――さて、次は日本での目標を考えよう。

麻帆良到着後のイベントを大きくわけると

1.学年末テスト

2.桜通りの吸血鬼

3.修学旅行

4.悪魔襲来

5.学園祭

6.魔法世界

この6つとなる。

とりわけ原作ブレイク(介入)をする気は無いが、要所要所、特にエヴァンジェリン一家や大河内さんが関わる部分では積極的に介入するだろう。

俺は大河内さん、茶々丸、エヴァンジェリンがすきなんだよ。

ハーレムにする気はないけど、好きな人くらい守りたいじゃないか。

まぁ、俺自身が『転生者』なので、既に『介入』しているのは否めないわけだが。

方針は基本ネギ任せで俺の知っている『物語』から離れすぎないようにフォローしていくことする。

好きな人らが巻き込まれるタイプの人なので、もしかしたら俺が主役の世界(新しい物語)になるかもしれない。

その時は、ネギと一緒に俺も成長していけばいいかと考えている。

今想像してもわからないのならば、前を見て先に進めばいいから。

そう結論付けて、俺は明日に備えて眠りに落ちた。

 

そして翌日、俺とネギはアーニャとネカネさんに見送られてウェールズをあとにした。

懐かしき極東の地、日本にある麻帆良へと旅立ったのである。




保存されていたメモを掘り出して投稿してみました。
こっちの設定も無理がありすぎて先が思いやられるタイプです。
うーん。
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