遅くなって申し訳ないです。体調が悪い日もありなかなか執筆できませんでした。
それではどうぞ!
「ビックリしたわ。クロちゃんがここまで強かったなんて。それにしてもすごいわね。あそこまでカードを使いこなすデュエリストなんてなかなかいないわよ。」
デュエルが終わり、ソリッドビジョンシステムの電源を切りながら大家はクロノスに話し掛ける。
「実は俺自身もビックリしてます。なんていうんでしょう……。頭に何かが流れ込んでくるというか……。記憶を失っているのにカードの使い方が手に取るようにわかったんです。」
クロノス自身にはこのデッキを扱った記憶がない。本来ならばカードの効果を一つ一つ確認しながら戦わないといけない状態だった。
だが実際大家と戦っていると手に取ったカードが直感でどういうものかがわかり、自然とカードを使いこなすことができたのだ。
「記憶を失ってもデュエルの直感力や戦術は失われなかったって所かしら。それにしても見事だったわ。」
「いえ大家さんも見事でした。一歩戦術が違えば俺が負けていたかもしれません。正直運が良かったところもありますし。」
「運も実力のうちよ。その運を引き寄せたのもクロちゃんの実力よ。私もまた自分の戦術を見直さないといけないわね。」
「ふぉふぉふぉ。良いデュエルだったようじゃのう。」
声のした方向を見てみるとそこにミスミが立っていた。
「三須さん?!いつからそこに?!」
「クロノスがガード・ブロックを発動したあたりからかのう。鍋ができたから呼びにきたんじゃが佳境の様子じゃったし声をかけづらかったんじゃよ。しかしいいもんを見せてもらったわい。長生きはするもんじゃのう。」
ふぉふぉふぉとミスミは笑う。
「さぁてデュエルの後は飯の時間じゃ。肉は面助に喰われてもうたが代わりに極上の鍋を用意したぞ。」
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「うまい!何ですかこれ?」
クロノスは驚きの声をあげる
「ほんとね。私もこんなおいしい鍋初めてだわ。」
「クラブ・タートルダシを使った特製鍋じゃよ。めったに手に入らないんじゃが先日教え子に偶然会ってのう。その時にもらったんじゃよ。」
「三須さんは昔料理亭で働いてたのよ。今でもこの三須さんの料理を食べたいって人も大勢いるぐらいよ。」
「そうなんですか。」
「まだまだ若いもんには負けんぞ。」
あまりのおいしさに箸が進み一瞬で鍋がなくなってしまった。
「ごちそうさまでした。おいしかったです。」
「本当ね。三須さんごちそうさまです。」
「ふぉふぉふぉ。ワシも腕を振るったかいがあったわい。」
鍋の感想を言っているとバタンとドアが開く音が鳴った。
「もしかして財前さんかしら?」
「食べていなければいいんだがのう。後1つ鍋のダシが残っておるし。」
「財前さんって?」
「一言でいえばダンディなおじさんかしら。レオ・コーポレーションで働いてるの。」
「遅くなってしまって申し訳ありません。」
声とともに現れたのは、スーツを来た40代ぐらいの男性だった。確かにダンディだ。スーツをきているためか威厳もある。
「クロノス君。」
「!ひゃぃ。」
急に呼ばれたため変な声がでてしまった。思わず口を押えるクロノス。
「ははは。良かった元気そうで。大家さんからついさっき目が覚めたと聞いていたからね。本当に無事で良かった。もっと早く駆けつけたかったんだが仕事が長引いてしまってね。」
威厳のある姿から一転、フランクそうな財前にポカーンとするクロノス
「財前さん。いきなりでクロちゃんが固まってるわよ。」
「そうか。記憶を無くしてしまっているんだったな。改めて自己紹介をしよう。財前 真だ。よろしく頼むよクロノス君。」
「あっはい。よろしくお願いします。財前さん。」
「ふむ。記憶を失ってもしっかりしてるなクロノス君は。面助君ももう少し落ち着きがあれば。」
「ふむ確かにのう。それより真よ。飯はもうすませたか?」
「いえ。急いで帰ってきたのでまだ。」
「ちょうどよかったわい。今日はクラブ・タートルダシを使った特製鍋じゃぞ。」
「それはまたおいしそうな。よろしく頼みます三須さん。」
「ふぉふぉふぉ。すぐ用意するからのう。」
ミスミは再び鍋を持って調理場に向かっていた
「ところでクロノス君。これからの事は何か考えているのかね?」
財前の言葉を聞いてハッとするクロノス。これから先の事は一切考えていなかった。
「そうねぇ。家族を探そうにもクロちゃんは遠いところから留学できてるとしか私たちも聞いてなかったし……。」
財然と大家は頭を悩ませる。
とそこで大家が良いアイディアが浮かんだのかパァーと顔を明るくし
「そうだわ。せっかくだしクロちゃんまたしばらくここに住まない?クロちゃんの言ってた"学校"もどこにあるかわからないことだし、何かわかるまでは。どうかしら?」
大家の提案はクロノスにとって非常にありがたいものだった。記憶を失っているため頼れる人もおらずましてやお金ももっていない。しかしクロノスは
「ありがとうございます。……でもいつまでも皆さんのご厚意に甘える訳にはいきません。お金も持ってないですし……。」
好意に甘えようとは思わなかった。自分自身は相手のことを知らない上、これ以上迷惑をかけられない。クロノスは断ろうとするが
「水臭いわよクロちゃん。あなたと私の仲じゃないの。」
「クロノス君。私も力になろう。」
「ふぉふぉふぉ。子供はもっと我儘をいうもんじゃぞ。」
財然と大家に続いて鍋を持ったミスミも現れる。
「でも……。」
「前も家賃は貰ってなかったし、代わりと言ってはなんだけど前みたいに色々アパートの事を手伝ってもらえると助かるわ。」
「面助は頼りにならんからのう。クロノスがいれば色々心強いわい。」
「私からもクロノス君にお願いしたい。クロノス君の技術力は非常に勉強になるし、クロノス君がいないと寂しくなるからね。」
「皆さん……。」
思わず涙がこぼれそうになる。
「困ってる舎弟を助けるのも兄貴分の仕事だよな。」
面助がトイレから現れる。
「面助……。あんたお腹大丈夫なのかい?」
「この通りピンピンよ。安心しろクロノス。この池田面助様がついてるんだ。これほど心強いことはないだろ?」
「面助。お主手は洗ったのか?水の音が聞こえ何だが?」
「いいところで水を差すなよじいさん。」
泣きそうなのを必死で抑え、満面の笑みでクロノスは。
「はい。ふつつかものですがお願いします。」
こうしてクロノスは再び大家のアパートの一員として過ごすこととなった。
クロノスの日常としてはアパートの掃除や草むしりといった雑用や、機械の修理を行う事だった。
機械の修理に関してはレオ・コーポレーションの技術職である財前に回ってきた仕事の一部をサポート役という形で手伝う事も何度かあった。
当初は子供ごときにできるわけがないと笑う人が多数だったのだがクロノスの技術力を見て一転、今やクロノスがいれば修理できないものはないとまで言われるようになったのだ。
そして数年の月日が流れ……
ある少年が謎の召喚方法を披露することで世界が揺れることになる。まるで振り子のように。
その揺れに当然、かの少年も巻き込まれることとなる。
後半すごく飛ばしてしまった感がありますがようやく時間軸をアニメと同じにすることができました。これからこの物語がどう動いていくのか見届けてください